ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

年金改革に着手するかに注目

2009年08月20日 | Weblog
民主党政権になったら、本当に「年金改革」に着手するかに注目していきたい。
年金の制度は「厚生年金」「共済年金」「国民年金」に分かれて複雑なうえに、国民年金には未納問題が常に付きまとっている。
08年度の国民年金の未納者は4割に迫っている。20歳代後半では半数を超える未納者だ。
経済不況が主たる原因だろうが、将来の年金に対して若者が信頼していないことも深刻だ。

3つの年金を最終的に一元化することに政党間で異論がないというものの、似かよった「厚生年金」と「共済年金」の統合をまず手始めに行うとする自民党と、「国民年金」も含めた改革を主張する民主党とで進め方に対立があって、年金一元化が暗礁に乗り上げていた。
単に2つを統合するか、3つを統合するかという違いではなく、その根っこには、現行制度の骨格を維持するかどうか、という対立がある。

現行の年金制度の根幹は「賦課方式」とよばれるシステムである。
高齢者になったときに、さらに下の現役世代が払う保険料で支えてもらう「仕送り方式」になっている。自分が払った保険料が積み立てられ、老後に受け取る「積み立て方式」ではない。
だから、少子高齢化が進む2050年には仕送りする側が減って1.4人で高齢者1人を支えることになると見られている。

このままでは立ち行かなくなるのは明らかだ。
小手先では解決しない。現行の「仕送り方式」の基本を維持したままで良案があるとは考えにくい。
いまさら積み立て方式へ移行するにも、ただでさえ少子化が進み負担が増えるときに、仕送りと自分の積み立ての二重の負担は到底無理だ。

自民・公明党は、与党としてこれまでのかかわりがあるので、現行制度を手直ししていくというスタンス。
民主・社民党は抜本的に税方式に変えるべきというスタンス。共産党もおおむね税方式を主張している。

08年12月に自民党の野田毅や民主党の岡田克也ら自民・民主両党の有志が発表した抜本的な年金改革案がある。
基礎年金の役割を「最低生活保障」と位置づけ、その財源は全額を税で充てる「税方式」である。
各党が具体的な議論をするには格好の案である。現実的な検討のたたき台として具体的な議論に入ってほしいと強く希望していた。

将来のことを想像すると「生活保護制度」と「年金」は切り離して考えられない関係にある。二つをどう位置づけるかを整理しておかなければならない。
年金を払えなくて無年金者になったので生活保護を受ける。他方で年金を掛け続けたのに生活保護費より低額だという不公平感は、年金が税方式であれば解消する。
問題は財源だ。

実は民主党が提案している年金改革案もこの有志の年金改革案に重なるところが多い。だから議論の遡上に載せることを期待する。
なんとか財源を確保して、税方式による年金が実現するように期待したい。税金が無駄に使われないことを実感すれば、消費税の引き上げも国民は納得することだろう。

ところで、年金に関連して思い出すことがある。
2006年に人事院が年金について、官民比較した実態調査の結果を発表したことがあった。
公務員と会社員の比較を行ったところ、公務員が相当に低くなるというもの。
異論がかなり出ていた。
あの話はその後どうなったのだろう?
生涯の受け取り額と、個人が拠出した保険料の割合をよく説明してほしいものだ。



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1 コメント

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初の書き込みです (yuuki)
2009-08-21 11:57:14
はじめまして。僕は広島で農業を営んでいる者です。先月頃このブログを発見して、それ以来ちょくちょく読ませてもらっています。世間の様々なことを分析されており、興味深く思います。
今回は年金についてのお話ですね。僕は現在27歳で、20歳のときから国民年金を納めているのですが、とても不安に思いながら辛うじて続けている状況です。しかし、年金を納めなければ、障害者年金ももらえなくなり、農業をやっている僕としては万一のことを考えると、簡単にやめる気にはなれません。
今回の記事を読むかぎり、まだ年金は破綻すると決まったものでも無いように見えます。その代わり、消費税を始め、今後数十年にわたって僕たち国民への負担はどんどん重くなりそうな気がします。
お孫さんの世代も苦労するかもしれません。悪い予想が外れればいいのですが…。
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