稚内の「氷雪の門・九人の乙女の碑」で平和祈年祭
終戦直後に樺太(サハリン)の真岡郵便局で旧ソ連軍の侵攻を受ける中、通信の職場を死守して集団自決した女性電話交換手や同地での戦争犠牲者を悼む「第62回氷雪の門・九人の乙女の碑平和祈念祭」が8月20日、稚内綜合文化センターで行われました。関係者約250人が参列、日本郵便㈱北海道支社の淨土英二支社長や澤渡毅稚内郵便局長が出席し、花を捧げるとともに世界の平和を願いました。
終戦から5日後の1945年8月20日、樺太に侵攻した旧ソ連軍は、真岡市内を攻撃し、当時真岡郵便局に勤務していた17歳から23歳の女性交換手たちは「皆さん、これが最後です。さようなら、さようなら」の交信を残し、青酸カリで命を絶ちました。
9人の遺影が飾られた祭壇に参列者が黙とう、実行委員長の工藤広稚内市長は式辞で「悲惨な歴史を決して風化させず、若い世代に平和の大切さと命の尊さを訴えていきます」などと述べました。また、引き揚げ者らでつくる全国樺太連盟(2021年解散)の会長を務め、慰霊碑建立や樺太関連資料の寄贈に尽力、今年2月に87歳で逝去した西本美嗣さんの功績を称えました。
淨土支社長や島津泰NTT東日本㈱執行役員北海道事業部長ら4人が、参列者を代表して慰霊平和祈念のことばを述べました。この後、参列者が1人ずつ祭壇に白菊を献花し、犠牲者を追悼するとともに恒久の平和を願っていました。
慰霊平和祈念のことばを述べる淨土支社長