MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.109 「父親たちの星条旗」 (2006年 米 132分 シネスコ)

2006-11-07 02:10:44 | 2006年劇場鑑賞
監督 クリント・イーストウッド
出演 ライアン・フィリップ
    ジェシー・ブラッドフォード
    アダム・ビーチ



この映画を見に行く前日まで実は仕事で沖縄へ行ってたのですが、沖縄戦の1年ほど前の戦闘を描いたこの作品を沖縄帰り早々に見るのも何か感ずるものがありますね。
現地の沖縄では61年前の悲惨な爪あとも見てきたし、平和祈念資料館では貴重な沖縄戦の日本兵の遺品や凄惨な戦闘の写真などを見てきました。
野戦病院や住民たちの避難場所となった壕(ガマ)の恐ろしいまでの暗闇と所々に残る当時の面影や傷跡・・・戦後61年とはいえ痛々しい爪あとでも残して置かなければいけないものだと感じておりました。

そしてこの硫黄島の戦闘を描いた「父親たちの星条旗」も日米に多数の死者を出した悲惨な戦争の映画化だが、この映画は戦争中に撮られた1枚の写真にまつわる数奇な運命を歩んだ3人の男たちの物語。

(あらすじ)

第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦いで、米軍兵士たちはその勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げる。しかし、この光景は長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げる6人の兵士、ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)らはたちまち英雄に祭り上げられる。

沖縄でみた戦争の資料や話などからは戦争で英雄なんて有り得ない・・・と思えるんだが、それは敗戦国だからそうなのかも知れず、戦勝国の米国では沢山の軍人が勲章を貰っている。
この映画の主人公も偶然が重なり英雄としてもてはやされ、利用されていく様が描かれて生きますが、戸惑いながらもスケジュールをこなしていく彼らの周りは身なりのいい紳士や淑女が集まる。
まるで戦争なんかしてるのが嘘のように・・・
戦争に勝利した国の本国のこのあたりの場面は戦勝国の象徴的なイメージとして感じました。
12月公開の「硫黄島からの手紙」は敗戦国の日本側から描いた作品だが、この辺の対比はどうでしょうかね~ 見ものですね。
そういう意味でいけば2作品を見てこそこの作品の評価というものが出来るかもしれないですね。

作られていく英雄たちの苦悩や亡き戦友たちに対する様々な想いが痛切に画面を通して感じられてきましたね。
この辺はさすがクリント・イーストウッド監督は実にきめ細かい演出ですね。
交互するように描かれる悲惨な戦闘シーンも「プライベートライアン」並の描写で(というよりあの映画以来これぐらいリアルにしないと観客が納得しない?)
また硫黄島を取り囲むような米軍の船団の威圧的な数も凄いですね。
沖縄もあんな感じで軍艦が海を埋め尽くしたそうですからね~
沖縄で海岸に立って「この海が米軍の軍艦が埋め尽くしていたんやな~」て思ってたんで、まさに改めてCGとはいえ映像で見たら当時の住民の恐怖が少しでも想像出来た気がしました。

でも戦闘シーンは次回作のほうがもっと悲惨な気がしますね~ はらわたが飛び出たり、手足が吹き飛ぶ日本人が描かれるのかな~?



★★★★ 2006.11.4(土) TOHOシネマズなんば スクリーン4 20:50 J-1