MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.116 「ホテル・ルワンダ」 (2004年 南アフリカ=英=伊 122分 シネスコ)

2006-11-29 03:04:18 | 2006年劇場鑑賞
監督 テリー・ジョージ
出演 ドン・チードル
    ソフィー・オコネドー
    ホアキン・フェニックス



今年の初めに公開された「ホテル・ルワンダ」ですが、元々お蔵入りするはずの作品が一部の映画ファンの手に寄る署名運動で公開されるという特異なケースの公開でした。
そんなこともあり劇場公開は当然ながらミニシアターでの公開で、見たいと思ってましたがとうとう見逃してしまいました・・・

でももうDVDも発売されてるこの時期に巨大シネコンのMOVIX堺に置いて定期的に開催されるワンコイン企画で「ダ・ヴィンチコード」「明日への記憶」らと並んで期間限定のアンコールロードショーされたので、せっかくなら大画面で・・・とDVD出てるけど見にいきました。
しかも¥500-で!嬉しい企画ですね~

(あらすじ)

1994年、ルワンダの首都キガリ。高級ホテル「ミル・コリン・ホテル」で働く支配人のポール(ドン・チードル)は毎日順調に仕事をこなしていたが、ある晩、ホテルからの帰宅途中に街で火の手が上がっているのを発見する。

遠いルワンダという国で起きた悲劇的な出来事・・・と言葉で片付けてしまうのは簡単だけど人間同士が殺しあう戦争とは違い、これは一方的な大虐殺!
大人も女子供も見栄えなく殺していくのを見て、人間はどこまで残酷になれるのか?「ゴキブリ」と罵りながらツチ族の人々を殺していく姿にそんな感想を持ちましたね。

衝撃的な惨殺シーンはそんなに出て来ないけど、惨殺しようとする民兵たちの狂気に満ちた形相や何千という集団と虐殺に怯えているツチ族たちの弱々しく悲しい姿・・・この対比だけでも何が起こり何が起きようとしてるのか痛切に伝わってきましたね~
直接虐殺シーンを見せられるよりもある意味怖くもあります。

ドン・チードル扮するホテルの支配人が家族を守ろうとし、やがて1200人ものの難民を救うことになる・・・途中、印象的だったのは国連軍により家族と共に国外脱出出来るのにも関わらず、移送トラックの前で難民の姿を見て、家族と逃げるか、踏み止まって彼らを守るか?と迷う場面でしたね。
誰しもあんな状況なら家族と行動を共にするし、責められることもないし誰も責めないと思うけど、家族を行かして踏み止まる決断は凄いと思うね~ 政府の役人でないし軍人でも警官でもない・・・普通のいわばサラリーマン。
そんな彼をあの行動に走らせたのは「友人や隣人を見捨ててその思いを引きずって生きていけない・・・」劇場パンフレットに書かれたこの言葉に責任感というより人間として大切な何かを感じる言葉ですね。

ドン・チードルでないとこの役は務まらないのでは?そう思ってしまうほどの説得力のある芝居だったと思います。
デンゼルやウィル・スミスではまた違ったものになったでしょうね。
普通の男・・・その雰囲気が一番ドン・チードルに合ってると思います。

彼の妻タチアナを演じたソフィー・オコネドーがまたよかったですね。
あまり有名な女優さんじゃないけど、それだけに臨場感がありドンに続いてこの作品の中で存在感がありました。
恐怖に怯える仕草や表情は真に迫ってたし、私的には女優賞あげたいですよ
国連軍のオリバー大佐を演じたニック・ノルティがまたいい味だしてました。
気骨がありタフガイな風貌なんだけど、平和維持軍であり仲裁はしない!と発砲すらままならない状況の中でジッと戦況を見守るしかないやるせなさが時折り感じさせ、特に自分たちを助けに来てくれたと思いこんだポールに「君らは二ガー以下のアフリカ人だ、だから君らは救う価値が無く撤退するんだ」と吐き捨てるように告げる場面は苦々しい心境が良く出てましたね。
まぁ、虐殺されていく現地の人間は助けずルワンダに居る外国人だけを退去させるという国連軍の行動は結局危険を冒してまでも利益にならないルワンダに救う価値がない・・・というシビアな世界の選択だったんですね。
そんな非人道的な事でどうする・・・と言ったところで実際これが現実なんですね~やり切れないですな。
ホアキン・フェニックス扮する報道カメラマンが虐殺のスクープ映像をポールに見せて「世界はあの映像を見て”怖いね”と言いながらディナーを食べるんだよ」というこの言葉は悲しいけど、まさにその通りだと思います。

それだけにポールの取った行動が崇高なものに余計に感じてしまうんでしょうね

ちなみのこの作品で劇場鑑賞本数が昨年の最終本数116本に並びました・・・後、何本見れるかな~



★★★★★ 2006.11.24(木) MOVIX堺 シアター3 19:40 H-1