アンディシュ・ルースルンドの『三時間の導線』を読みました。
グレーンス警部シリーズの最新刊で、前作『三分間の空隙』の続編です。前作で主人公級の活躍をした潜入捜査員ピート・ホフマンがやはりこの作品でも重要な役割を果たします。
ストックホルムの遺体安置所に記録にない死体が発見されました。通報を受けたグレーンス警部はこの事件を調べて行くと、ストックホルム港のコンテナから大量の死体が発見されました。いずれもアフリカ出身と思われる人たちの死体でした。ヨーロッパ各国には政情不安な北アフリカの人々が難民として大量に入って来ていました。
そのような難民をヨーロッパに運んでくるビジネスがアフリカでは生まれていました。コンテナから発見された衣類に縫い込まれていた携帯電話には、ホフマンの指紋がありました。グレーンス警部はホフマンに会うためにアフリカへ飛びました。
この作品も謎解きミステリーというよりは社会派のミステリーでした。エンターテインメントとして一級品だけでなく、社会構造や現代社会の問題を炙り出しているのはさすがでした。ハードボイルドの主人公並みの活躍をするホフマンとロートルながら頭脳派のグレーンス警部の対比という鮮やかな演出も光っています。すぐに読んでください。
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