向田邦子の『男どき女どき』を読みました。
男女の機微を描いた短編と、アフリカなど海外を旅行した際のルポルタージュ、そしてエッセイが収められた作品集です。売れっ子のドラマ原作者らしく、短編小説では、夫婦の微妙なすれ違いや、偶然がもたらす心理を切れ味鋭く描いています。海外取材もよくされていた彼女らしく、当時としては珍しいアフリカなどでの印象的な出来事を書いています。
その海外取材の際の飛行機事故で彼女が亡くなってから40年が過ぎました。台湾での事故だったと思います。書店では、向田邦子さんの作品コーナーなども出来ていて、僕もこの本を懐かしく手に取りました。エッセイを読んでいて面白かったのは、彼女がドラマの脚本を書き始めたきっかけでした。当時出版社に勤めていた彼女は、スキーに凝り始めました。でも、出版社のお給料が安くてなかなかスキーに行けません。そんな時先輩から、ドラマを一本書くと一回スキーに行けるわよと言われて描き始めたそうです。蔵王や白馬がお気に入りだったみたいです。
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