黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『Re-born はじまりの一歩』伊坂幸太郎、ほか(実業之日本社)

2008-06-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
ヴァイオリニストである母を持つ少女・御木元玲は、音大の附属高校の受験に失敗し、滑り止めで入った私立明泉高校で、無為の日々を送っていた。2年生になり、校内恒例の合唱コンクールが行われることになるが、音楽をやっていたことからその指揮を押しつけられた玲。候補にあげた曲の中から、クラスメイトたちが決めたのは、音大付属の入試で歌った曲で難しい曲。案の定、うまくはいかず……宮下奈都『よろこびの歌』、
頭に憑いて離れない陰鬱な思いを振り払う為、市民プールに毎日泳ぎに来ていた大学生・広池克彦は、ある日、老人・佐山に話しかけられ、水泳を教えて欲しいと請われる。何故この年になって、泳げるようになろうと思ったのかと問うた克彦に、佐山は……福田栄一『あの日の二十メートル』、
家業は中華料理店・戸村飯店。しかし長男である兄・ヘイスケは手伝おうとはせず、高校卒業後も家を出て、東京の専門学校に通うことになっていた。ほのかに思いを寄せる友人・岡野から、読書感想文で賞を獲ったこともあるのを見込まれ、兄への手紙のゴーストライターを頼まれたコウスケ。しかしその感想文は兄が書いたもので……瀬尾まいこ『ゴーストライター』、
“200年後、300年後には人類から、鼻が取れる”という話を聞いた私は、“鼻”についてあれこれ考えをめぐらせる。そんな私には8年前…夫と結婚する1年前に、鼻の整形手術を受けていたという秘密があるのだが、その手術に問題があり、再度手術が必要。しかし、その手術費用が捻出できず、また夫にも言い出せずに悩んでいて……中島京子『コワリョーフの鼻』、
死期が近づいていると感じている老人・唐津喜一に何度も巡ってくる思い出は、50何年も前の青年時代の事t……2つ年下で、当時同じ工場で働いていた男・江添辰巳から、相談を受けた唐津。彼の恋人・マリコは性交すると、森村ハルという、今はもう亡くなっているはずの女性に意識が代わってしまうのだという。今になってその事柄を思い出した唐津は、ハル探しをはじめるが……平山瑞穂『会ったことがない女』、
中学時代、転校してきたシンジュは、目立たぬようにしていたが、クラスでいじめられているナナミと仲良くなったことから、一緒にいじめられてしまう。高校生になり、やっといじめから開放されると思ったのもつかの間、いじめの首謀者である井川も同じ学校で、再びいじめに…。ナナミが赤ちゃんを産んだ日、そんな日々を思い出す2人は……豊島ミホ『瞬間、金色』、
父が会社の事務職の子と浮気したことから、両親は離婚。沙希は寮のある学校に入る為、事実上一家は解散状態に。その最後の日、それぞれの秘密を打ち明けあう一家。その最中、父のPHSに“友達になろう”と見知らぬ人物からメールが届く。そのいかにも怪しげなメールの誘いに乗り気な父、かくして一家そろって相手の誘いに乗り、出かけることに。そのメールを送ったのは、今の仕事から足を洗おうとしている若い男・岡田で……伊坂幸太郎『残り全部バケーション』の7編収録のアンソロジー。

これまでの状況から一歩踏み出すというのがテーマかな?
瀬尾さんの『ゴーストライター』は単行本『戸村飯店青春100連発』の元になっているお話のようです(まだ読んでませんが)、
伊坂さんの『残り~』は、続きが気になりますね~(岡田くんの)。

<08/6/21>


『謎の転倒犬 石狩くんと㈱魔泉洞』柴田よしき(東京創元社)

2008-06-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
大学も卒業間近だというのに、就職先も決まらずにあせる石狩拓也。おまけに就職活動の為に、スーツとパソコンを買い込んで、その借金に苦しむことに。そんな彼が借金返済の為に引き受けた、深夜のカーペットの張り替えのアルバイトの後で、厚化粧の女性に出会う。石狩の現状を言い当てた彼女は、人気占い師・摩耶優麗だった。さらにせっかく稼いだバイト代を何者かに掏られてしまった石狩は、優麗の力を借りて犯人捕まえることに……『時をかける熟女』、
結局、優麗の元で働くことになった石狩。ある日、優麗の元にやってきたのは尾上春という女性だった。パン好きが縁で、ネットで知り合った白石康祐と付き合うようになり、いつものようにパン屋で買ったパンを植物園で一緒に食べていたのだが、彼女がトイレに行く為その場を離れている、ほんのわずかの間に、ベンチにクリームパンを残し消えてしまったのだという……『まぼろしのパンフレンド』、
好みのタイプの女性が、犬を散歩させているところを見かけた石狩は、思わず声をかける。その女性・野瀬京香の飼い犬・チャックは何故か最近、何もない道なのに転倒してしまうようになったのだという。そんな話を聞いた優麗は、突然、成田空港へ向かうように言い出して……『謎の転倒犬』、
バイトをしている大学院生・竹中から、人数あわせの為の合コンに誘われた石狩は、そこで先日の京香に思いがけず再会する。しかしそこに優麗も乱入して来て、合コンは台無し。そんな中、同席していた女子大生・三田村が学割定期券を盗まれたという話を聞いた石狩たち。定期の残り日数は、4日ほどで、盗んでもたいして乗れないものを何故?……『狙われた学割』、
有能な経理部長・宇佐美儀一郎(通称:ウサギちゃん)が、あらゆる仕事を一手に引き受けている状態の㈱魔泉洞。しかし、宇佐美の仕事が忙しく、手が回らなくなってきたことから、優麗の著作(執筆はゴーストライター)を手がける編集室長に就任した石狩。優麗が投げていた著者校正を、締め切り間際になって、会社に泊り込みで処理することになった石狩は、何者かに頭部を殴られ襲われた。しかし、社内は荒らされていたものの、貴重品や重要書類は無事。盗まれたのは……『七セットふたたび』の5編収録の連作短編集。

時を越えて過去をみることができるという占い師・優麗(厚化粧だけど素顔は美人)と、彼女に振り回されつつ働く石狩くんの周囲で起こる事件を解決するミステリ。
変わったタイトルだなぁと思っていたのですが、各話、SF小説のタイトルのもじりだったんですね(笑)。
これからの展開も気になるので(石狩くんの恋の行方とか)、是非続編希望v

<08/6/20>

ラスク・その1@Rusk

2008-06-19 | スイーツ
 全部は皿の上に乗らないので、分けてみました(笑)。
 とりあえずバターシュガー、イチゴミルク、メープルの3種。
 普通のパンではなく、シフォンケーキを元にしてるので、とても軽い食感。
 ただイチゴミルクは、練りこんであるいちご等の所為か、ちょっと湿気ったような感じ?(味は美味しいんですけど…)
 
***** ***** ***** *****
 Rusk(ラスク):新潟(長岡)

 果たしてこれが店名なのか、いまいちわからないのですが;
 ガトウ専科(美松)の系列店で、袋などはガトウ専科と同じものを使ってるので、もしかしたらこちらの店名もガトウ専科で良いのかもしれません(でも品揃えが違う…)。
 売っているのは、ラスクとバームクーヘンと薔薇型のゼリーと、クッキーっぽい焼菓子の4種類のみ?
 (バラ売りなしの)セット売りのみなのが、ちょっと不便;

『零崎曲識の人間人間』西尾維新(講談社)

2008-06-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
今年で開設10周年を迎える、アミューズメント型テーマパーク・ランドセルランド。互いの思惑を隠しつつ、そこでデートすることになった萩原子荻と零崎双識……子荻は、自らを“足手まとい”役として、双識もろとも、匂宮雑技団分家・総角。その実働部隊・総角三姉妹・ぱれす、ろうど、さえらを自分たちに差し向けた。一方、零崎一賊を狙っている首謀者をおびき出すべく、自らを囮として陽動作戦を仕掛けた双識。そんな彼を陰ながらボディガードをすることになっ、人識と曲識。その曲識は、殺人鬼一族である零崎の中にあって“変わり者”と呼ばれる存在。“少女趣味”にして“菜食主義者”、そして“音楽家”で……『1 ランドセルランドの戦い』、
10年前、大戦争時代にあった零崎一賊。15歳だった音使い・曲識は、自分の攻撃がきかない相手、メイド型アンドロイド・由比ヶ浜ぷに子を前になすすべなく、手榴弾での自殺を決意した。ところが、その瞬間、そこで死んでいたはずの赤毛の少女が生き返り……『2 ロイヤルロイヤリティーホテルの音階』、
人識は、両手を無くした“妹”・無桐伊織の為に義手を手に入れるべく、顔の広い曲識に話を持ちかける為、彼の経営するピアノバー・クラッシュクラシックを訪れた。そして曲識が義手を頼んだのは、武器職人集団・罪口商会の罪口積雪。彼は代金ではなく代償を求め……『3 クラッシュクラシックの面会』、
右下るれろが橙なる種を引き連れ、零崎一賊殲滅に乗り出した。軋識からの危機を知らせる、24のメッセージを受け取った曲識は、積雪に武器の注文を依頼。そのマラカス型武器“少女趣味(ボトルキープ)”を手に、戦いに挑む……『4 ラストフルラストの本懐』の4編収録。

零崎シリーズ第4弾。少女しか殺さないという“菜食主義者”の音楽家・零崎曲識がメイン(一応)のお話です。
哀川潤とのエピソードが、ヘタな純愛モノより純愛で“悪くない”です(笑)。

<08/6/19>

マカロン@リ・リ

2008-06-18 | スイーツ
 オレンジ、イチゴ、ピスタチオ、チョコの4種類(※“ミックス”で注文したら、5個入りだったので、オレンジは2つあります)。
 間に挟まれているのはそれぞれの風味のクリーム。チョコは、マカロン生地がイチゴ?
 表面はガリガリしていて、全体的にだいぶ硬めな食感…。

 パティスリー・リ・リ:新潟(上越)

『なぜ絵版師に頼まなかったのか 明治異国助人奔る!』北森鴻(光文社)

2008-06-18 | 読了本(小説、エッセイ等)
父母を早くに亡くし、曾祖父に育てられた少年・葛城冬馬。明治と元号が変わり、すでに13年も経つというのに、頑固な旧武士だった曾祖父の意志により髷を落とすことを許されなかった。
そんな彼を置いて、曾祖父は他界。天涯孤独の身となった冬馬は、横浜に暮らす遠縁のおじから紹介され、東京大学に勤める雇われ外国人エルウィン・フォン・ベルツ先生の元で、その頭のまま給仕として働くことに……日本びいきなベルツが出した雇用の条件が髷頭だったからだ。
そんな中、新聞の紙面に不思議な記事が載る。米国の水夫ノゥマン・スミスが、同じく水夫のジャック・ケプロンに「なぜエバンスに頼まなかったのか」と詰め寄って銃殺し、その後自殺したのだという……『なぜ絵版師に頼まなかったのか』、
3年後。ベルツ宅の給仕から住み込みの書生となり東京大学予備門に通うことになった冬馬。旧知の新聞記者・市川歌之丞改め市川扇翁は古物商となっていたが、そんな彼が同業者の相楽鉄蔵という男を殺したという疑いをかけられた。死因が毒殺とわかり、ほどなく釈放されたものの、扇翁は、最近日本の美術品を買いあさっていて、評判の悪い外国人フェノロサのもとに出入りし、またそんな彼の紹介で医師ワグネルから猛毒を手に入れていたという話を聞いた冬馬は、事件について調べ始めるが……『九枚目は多すぎる』、
大学予備門から東京大学医学部に進級した冬馬。れおな堂多弁児という人物が作った生き人形が徘徊しているという話が新聞に載るが、それは、扇翁改め小山田奇妙斎の手による文章だった。そんな中、ベルツの元に謎の外国人が現れ……『人形はなぜ生かされる』、
今度は寺の住職・鵬凛になった奇妙斎に誘われ、裕福な人々が集まる紅葉館に入った冬馬は、そこで男・尾崎紅葉が芸妓を罵倒する場面に行き会い、さらに政府高官の往診にきていたベルツに遭遇。彼が診たのは井上外務卿らしい。そんな中、紅葉館の芸妓・小梅という娘が殺され……『紅葉夢』、
大学の寄宿舎で火事が起き、そこから身元不明の男の遺体が発見され、スクリバの助手として解剖に立ち会うことになった冬馬。遺体の足の甲には、洋装にはふさわしくなく、下駄を履いていたような八の字を描いた擦過傷があり……『執事たちの沈黙』の5編収録の連作短編集。

近代化の進む明治初期が舞台。その渦中でいろいろ見聞を深める少年・冬馬の周囲で起こる事件を描く歴史ミステリ(テイストは割と軽め)。
まだ続きそうな感じもあるので、彼らの今後が気になるところ。

<08/6/18>