大学卒業間近な大学生・稲村サトシは、母・里香に重大な報告する為、自宅で待っていた。
その報告とは、長年彼女に隠れて付き合っていた恋人・吉沢カレンと結婚を考えていること。そしてカレンからの援助で、美大を目指す、ということ。勝気でわがままな母が素直に了承するとは思えず、どう話を切り出そうかと悩んでいたサトシは、いつの間にか眠ってしまう。そんな中、やってきたカレンの前に現れたのは、普段のサトシ(サトシ・マイナス)ではなく、もう彼の別人格である“サトシ・プラス”。彼はカレンに、サトシとの結婚前にしなければならないことがあると告げる……サトシは少年時代、精神科医のカウンセリングに従い、自分の人格を分割しており、それを統合しなければならないのだというのだ。
サトシ(マイナス)は、その分割の為に作った25項目を記したリストを回収する為、それを密かにCDケースに忍ばせて託した、かつての友人・オカベの元を訪れる。
自分の過去を辿る中で、身を持ち崩した絵描きである実父の死の謎や、欠けている記憶について知るサトシだったが……
かつて自分の意思で多重人格となったサトシが、本当の自分を取り戻す(?)青春ミステリ?
行動や嗜好に対する回答(○×形式)で、人格を2つに分けて精神的な安定をはかる、という設定は面白いと思いましたが、ちょっといろいろ中途半端な感じなのが微妙なのと、たびたび作中に現れる太字な活字がちょっと鬱陶しい…。
<08/6/8>