黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『少年舞妓・千代菊がゆく! もうひとつの阿修羅像』奈波はるか(集英社) 

2010-08-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
舞妓の千代菊の置屋・吉乃家の女将であり、美希也の母でもある岡村花枝に荷物が届いた。フリマで見かけて気にいり、こっそりへそくりで買ったのだという。室町時代に作られたという子供の頃の聖徳太子像だというのだが、気に入った理由は、美希也の小さい時にそっくりだったからだという。
その晩、お座敷に出た千代菊は、お客としてやってきた近間という青年から、地藏菩薩そっくりだと絶句される。曰く、彼はある会社に付属する美術館の学芸員をしているのだが、その会長の指示で落札した仏像が偽物だったのだという。その仏像が千代菊にそっくりだというのだった。そしてその彼に先の太子像を見せたところ、最近作られた偽物だと鑑定される。
その後、楡崎慎一郎から、父・源一郎も気にいっているという、奈良の飛鳥という仏像制作工房に千代菊をイメージした天女像を作ってもらうという話を聞かされる。ところがそこへ出かけた千代菊は、自分が男だという真実を見破られてしまい、秘密のモデルを引き受けることに……“もうひとつの阿修羅像”、
スタイル抜群で、カリスマモデルな上、女優として活躍するMARIこと倉本茉莉は、女性実業家という顔も持っていて、巷で話題となっていた。
そんな彼女が、何故か千代菊を知っていて、関心を持っているらしいと壱菊さんねえさんに聞かされる。
そんな中、楡崎の秘書・宗方から電話が。グループ会社のパンフレットの撮影中なのだが、楡崎の機嫌が良くないので、すぐに来て欲しいという。その撮影は、結婚式をモチーフとしており、楡崎の相手の花嫁役はそのグループ会社の社長だという…それはMARIだった。千代菊が何とか楡崎の機嫌を取り、撮影は滞りなく終了。
ところが二週間後、吉乃屋にMARIが乗り込んできて……“イケズは嫌いどすえ”を収録。

シリーズ第三十七作。
うーん;相変わらず、微妙な展開(笑)。

<10/8/28>