黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『神の棘 Ⅰ』須賀しのぶ(早川書房)

2010-08-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
1935年、ドイツ。若く優秀なSD(ナチス親衛隊保安情報部員)アルベルト・ラーセンは党規に従い、神を棄てた。
そして1936年9月。上官のラインハルト・ハイドリヒから、ヒトラー政権に反発する国内カトリック教会の摘発を命じられたアルベルトは、ドイツカトリックの革命家たるカプチン会の修道院長ハインツ・フォン・ベールンゼンを潰すネタとして、一人の修道司祭が福祉活動でベルゲン養護施設を訪れた折、帰り道で車ごと転落した件について調べることに。そこでハイドリヒに見せられた青年の写真は、ベールンゼンの弟子の修道士…見覚えのあるその顔は、子供の頃、“皇帝”として彼の上に君臨していた、幼馴染マティアス・シェルノだった。裕福だった彼の家は大恐慌で没落、家族を失くし、修道士になっていたのだった。そして転落死したのは、ある事情から音信不通となっていたアルベルトの兄・テオドールだった。
自らの身分を弁護士と偽り、彼らの元に乗り込んだアルベルト。兄の死の理由が知りたいと聞き込みを始めるが……

片やナチスのSDとして、片や修道士として再会した幼馴染の青年たち。さらにその周囲の人々の友情や裏切り、愛憎と陰謀渦巻く世界を描いたドラマ。全二巻二ヶ月連続刊行の一巻目。
二人は再会の後再び別れ、それぞれの道を歩むことになり、お話は目まぐるしく展開していきます。
戦局も進み、次巻がどうなるのか、気になります~。

<10/8/25,26>