川辺に釣りに来ていた三人の子供たち…長太、友吉、栄次はそこで、侍の屍体を目撃。あわてた長太は足を滑らせ、
おぼれそうになったところを、彼らが通う手習塾・凌信堂の師匠土田良峻の娘・弓枝と、通りすがりの若侍・関谷雄之助に助けられる。
その後、自分たちが目撃したことを彼らに告げ、一緒に現場に見に行った彼らだったが、何故か屍体は消えていた。
その翌日、昨日置き忘れた釣竿を探しに出かけた栄次が亡くなり、さらに彼の代わりに釣竿を探しに出かけた友吉もまた同じように亡くなった。寝込んでいて一緒に行けなかった長太も、その後ひとりで出かけるが溺れかけ、危ういところを何者かに救われていた。
怪異と酒が大好きで、めっぽう腕の立つ浪人・平松左門は、良峻からその子供たちの件、そして狐憑きと噂され、縁談が破談になった弓枝のこと、そして周囲をうろつく怪しい人影について相談される。
一方、剣術師範候補だが極度の怖がりの苅谷甚十郎は、左門の代理で利倉屋清右衛門の用心棒を引き受けるが、その相手、金貸しの益蔵の用心棒・森笠伝九郎を勢い余って斬ってしまう。ところがその死んだはずの森笠が彼の前に現れて……
シリーズ第4作。
消えた屍の謎と狐憑きと噂される娘。そんな彼女と甚十郎に縁談話が持ち上がって…というお話。
タイトルの狐憑き云々というよりも、動く屍体関係の怪異が多いかも。
……それにしても甚十郎は、ちょっと可哀想ですね(笑)。
<10/5/5>