黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ハチミツとクローバー 10』羽海野チカ(集英社)

2006-09-10 | 読了本(漫画)
再び絵を描きたいという強い思いから、懸命にリハビリに励むはぐみ。そして、そんな彼女を支える為、仕事をやめる決意を固める修司。春になり、取り巻くの人々のそれぞれの決断は……。
そして“うまく行かなかった恋に意味はあるのか 消えて行ってしまうものは 無かったものと同じなのか”という問いに対する答えは……。ハチクロ本編のほか番外編2編と、
フリーで布類小物のデザイン&製作をしている川本ナオ。恋人・草平と同棲して1年。忙しい中、家事をこなす彼女だったが、それがあたり前のようになっていくことに苛立ちを感じ……『空の小鳥』、
赤ん坊の頃に捨てられ、星でただ一人、他の皆と違う姿かたちをしているハル。そんな彼には、昔から見ていた不思議な夢があった……『星のアリア』ノンシリーズ2編収録。

とうとう最終巻。9巻ではどうなるのかと思いましたが、納得できる終わり方でよかったです(笑)。あの事件がなかったらまた違う結末もあったのかなぁ、と思ったりもしますが。
同時収録のノンシリーズもの『星のアリア』は、某雑誌のドラえもんの道具を使ったお話を、という企画から生まれた作品だとか。どの辺がドラえもん??と思いながら読んでいたのですが、そういう風に使われるとは~、と驚かされるとても良いお話でした♪

<06/9/10>

『伯林蝋人形館』皆川博子(文藝春秋)

2006-09-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
退廃へ、狂乱へと向かう1920年代のベルリン。
貴族の家に生まれ、士官学校に進みながら、ジゴロとなったアルトゥール・フォン・フェルナウ。ロシアから革命を機にドイツへと亡命したナターリャ・コルサコヴァ。貧しい暮らしから這い上がり、ナチ党員となるフーゴー・レント。裕福なドイツ系ユダヤ人の家に生まれ、従軍した後、経済的成功をおさめるハインリヒ・シュルツ。薬局を営む父と阿片常用者の母の存在により薬に親しみ、7歳の折見た蝋人形の見世物に衝撃を受け、その道を歩むこととなった蝋人形師マティアス・マイ。そして、醜い容貌ながらその歌声で人々を惹きつける、カバレット《蝋人形館》の女主人であり看板歌手であるツェツィリエ……誰もがひと時の出逢いに執着し、交錯する運命。“すべての物語を書き終えた者には、自殺の特権を与えよう”という言葉の元に書かれる手記は虚実を孕み……。

ゴシックの極みですね。
幻想的な雰囲気といい、さすがだなぁと思わせられる作品でした。

<06/9/9,10>