黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『碁を打つ女』シャン・サ(早川書房)

2006-09-02 | 読了本(小説、エッセイ等)
1937年。満州南部の町・千風に暮らす“わたし”は、女学校に通う17歳の少女。囲碁を趣味とし、それなりの腕前を持っている。ある日、町で2人の青年、敏輝と晶と知り合った“わたし”は、それぞれ違う性質を持つ彼らに惹かれていく。
一方、日本軍の士官として満州に従軍してきた青年“私”は、支那語が話せることから、現地人に変装し、諜報活動の為に町で出ることに。囲碁を打つ人々の中に見かけた少女に勝負を持ち掛け、互いの素性を知らぬまま交流するが……。

交互に語られる二人の物語が、やがてひとつに交わっていく様が、囲碁のようでおもしろかったです。
歴史の波に飲まれて行く最後の彼らの姿がとても切ないです;

<06/9/2>