図:がんの診断や治療はがん患者に様々なストレスを引き起こす(①)。ストレスによって、神経系(視床下部-脳下垂体系や自律神経系)や内分泌系(副腎)や免疫系が相互に作用して様々なストレス応答を引き起こす(②)。ストレス応答の結果、副腎皮質ホルモンやアドレナリンの分泌が増え、交感神経が過緊張状態になり、炎症性サイトカインの産生が増える(③)。その結果、免疫力の低下、諸臓器機能の失調・低下、がん細胞の増殖 . . . 本文を読む
図:ステージ4の肺がんの生存曲線(国立がん研究センター2007年〜2008年)。75歳以上の高齢者では抗がん剤治療が生存率を高めない可能性がある。この解析では、75歳以上では、生存期間が40カ月以上であったのは、抗がん剤治療を受けなかった患者のみであった。(出典:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2017/0427/index.html . . . 本文を読む
図:体内でコレステロールから合成されるプロビタミンD3(7-dehydrocholesterol)は皮膚で紫外線(HV-B)照射を受けてビタミンD3(Cholecalciferol)へ変換される(①)。ビタミンD3は食品やサプリメントからも摂取される(②)。ビタミンD3は肝臓で25-ヒドロキシラーゼ(25-hydroxylase)によって25(OH)ビタミンD3(Calcidiol)に変換され(③ . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク(S)のタンパク質(S タンパク質)と宿主細胞の細胞膜に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が結合して(①)、両方の細胞膜が融合してウイルスRNAが宿主細胞に侵入し(②)、ウイルスを複製する(③)。ACE2は肺や心臓や血管に多く発現しているので、これらの組織にウイルスの感染が起こりやすい。SARS-CoV-2感染によって急性肺損傷が . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症のCOVID-19では急性肺損傷が起こる(①)。肝臓で作られるアンジオテンシノーゲン(AGT)が、腎臓から分泌されるレニンで分解されて10個のアミノ酸からなるアンジオテンシン-I(AngI)が産生され(②)、さらにアンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme: ACE)によってアンジオテンシン-II(Ang . . . 本文を読む
図:重症感染症においてはマクロファージや好中球などの炎症細胞が活性化され(①)、炎症性サイトカインや活性酸素や好中球エラスターゼの産生が亢進し(②)、これらは血管内皮細胞を障害し、血管透過性を亢進し、微小血栓の形成を促進する(③)。その結果、全身性の微小循環障害が起こり(④)、肺や心臓や肝臓や腎臓など多臓器に機能障害が引き起こされて多臓器不全になる(⑤)。バイアグラ(sildenafil)やシアリ . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染によって肺炎(COVID-19)が発症する(①)。SARS-CoV-2感染は肺組織に炎症反応を引き起こし(②)、活性酸素の産生が亢進して、細胞や組織の酸化傷害が引き起こされる(③)。活性酸素の一種のヒドロキシル・ラジカル(・OH)は肺胞上皮細胞を傷害し、さらに肺間質組織の酸化傷害や炎症によって肺胞壁の浮腫や炎症細胞の浸潤が起こって急性肺損傷や急性 . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルスのSARS-CoV-2(①)の感染によって肺炎(COVID-19)が発症する(②)。肺炎は炎症反応を引き起こして炎症性サイトカインやケモカインの産生を亢進し、炎症応答が制御不能になると過剰なサイトカイン産生によってサイトカイン・ストームを引き起こす(③)。さらに、活性酸素の産生が亢進して、細胞や組織の酸化傷害が引き起こされる(④)。サイトカイン・ストームや酸化傷害は肺組織にダ . . . 本文を読む
図:コロナウイルスのSARS-CoV-2(①)の感染によって肺炎(COVID-19)が発症する(②)。肺炎は炎症反応を引き起こして多くの炎症性サイトカインの産生を亢進し(③)、活性酸素種や酸化酵素の活性が亢進して酸化ストレスが高まり、細胞や組織の酸化傷害が引き起こされ(④、感染防御に働く免疫応答は低下する(⑤)。このような病的状況が制御できれば病気を回復できる(⑥)。しかし、炎症応答や酸化傷害が過 . . . 本文を読む
図:インポーチン(IMP)のα/β1ヘテロ二量体(IMPα/β1)は細胞質内のコロナウイルス・カーゴタンパク質(coronavirus cargo protein)に結合し(①)、核膜孔複合体(Nuclear Pore Complex:NPC)を通って核内に輸送される(②)。核内で複合体は解離し(③)、宿主の抗ウイルス応答を抑制し、ウイルス感染を亢進する . . . 本文を読む
図:P2X4(①)とP2X7(②)は細胞外のATPにより活性化されるリガンド作動性イオンチャネルで、ATPにより活性化されたP2X4とP2X7によるイオンの流入は、膜電位の変化やCa2+の濃度上昇を引き起こす(③)。P2X4/P2X7はパネキシン-1(Pannexin-1)チャネルの開口部の拡大を誘導し(④)、ATPの放出を亢進する(⑤)。駆虫薬のイベルメクチンはP2X4受容体をアロステリックに調 . . . 本文を読む
図:抗がん剤や放射線治療などによってがん細胞が死滅すると(①)、死滅したがん細胞からがん抗原が放出される(②)。がん細胞から放出されたがん抗原は未熟樹状細胞に取り込まれ、未成熟樹状細胞は活性化されて成熟樹状細胞に分化誘導される(③)。成熟樹状細胞は最寄りのリンパ節に移動し、MHC(Major Histocompatibility Complex)のクラスI及びクラスIIに結合したがん抗原をTCR( . . . 本文を読む
図:がん組織内のマクロファージやがん細胞はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現と活性が亢進し、プロスタグランジンE2(PGE2)の産生が増えている。PGE2によってM2型に誘導されたマクロファージ(M2)は細胞傷害性T細胞(CTL)の活性を抑制する(①)。M1型マクロファージはヘルパーT細胞タイプ1(Th1)を活性化してCTLの働きを亢進する(②)。しかし、PGE2はマクロファージのM1型 . . . 本文を読む
図:漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作る(①)。これらの生薬には様々な成分が含まれており、生体機能に多様な作用を発揮する。リンパ球やマクロファージなどの免疫細胞を活性化して病原菌を免疫システムで排除する(②)。胃や小腸などの消化管の働きを良くして栄養状態を良くし(③)、血液循環や諸臓器の働きを良くして免疫力が高まる状態を作り(④)、さらに気管支や消化管の粘膜バリヤーを強化して病原菌に対する粘膜の防 . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルス(①)の感染によって肺炎を発症するCOVID-19 (Coronavirus Disease 2019)は未だ有効な治療法が開発されていない(②)。中国では漢方薬を用いた治療が有効であることが報告されている(③)。漢方治療は体力と抵抗力を高めると同時に、咳や発熱などの症状の緩和にも有効(④)。さらに漢方薬の成分には抗ウイルス活性を持つものも見つかっている(⑤)。漢方薬はウイル . . . 本文を読む