図:インポーチン(IMP)のα/β1ヘテロ二量体(IMPα/β1)は細胞質内のコロナウイルス・カーゴタンパク質(coronavirus cargo protein)に結合し(①)、核膜孔複合体(Nuclear Pore Complex:NPC)を通って核内に輸送される(②)。核内で複合体は解離し(③)、宿主の抗ウイルス応答を抑制し、ウイルス感染を亢進する . . . 本文を読む
図:P2X4(①)とP2X7(②)は細胞外のATPにより活性化されるリガンド作動性イオンチャネルで、ATPにより活性化されたP2X4とP2X7によるイオンの流入は、膜電位の変化やCa2+の濃度上昇を引き起こす(③)。P2X4/P2X7はパネキシン-1(Pannexin-1)チャネルの開口部の拡大を誘導し(④)、ATPの放出を亢進する(⑤)。駆虫薬のイベルメクチンはP2X4受容体をアロステリックに調 . . . 本文を読む
図:抗がん剤や放射線治療などによってがん細胞が死滅すると(①)、死滅したがん細胞からがん抗原が放出される(②)。がん細胞から放出されたがん抗原は未熟樹状細胞に取り込まれ、未成熟樹状細胞は活性化されて成熟樹状細胞に分化誘導される(③)。成熟樹状細胞は最寄りのリンパ節に移動し、MHC(Major Histocompatibility Complex)のクラスI及びクラスIIに結合したがん抗原をTCR( . . . 本文を読む
図:がん組織内のマクロファージやがん細胞はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現と活性が亢進し、プロスタグランジンE2(PGE2)の産生が増えている。PGE2によってM2型に誘導されたマクロファージ(M2)は細胞傷害性T細胞(CTL)の活性を抑制する(①)。M1型マクロファージはヘルパーT細胞タイプ1(Th1)を活性化してCTLの働きを亢進する(②)。しかし、PGE2はマクロファージのM1型 . . . 本文を読む
図:漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作る(①)。これらの生薬には様々な成分が含まれており、生体機能に多様な作用を発揮する。リンパ球やマクロファージなどの免疫細胞を活性化して病原菌を免疫システムで排除する(②)。胃や小腸などの消化管の働きを良くして栄養状態を良くし(③)、血液循環や諸臓器の働きを良くして免疫力が高まる状態を作り(④)、さらに気管支や消化管の粘膜バリヤーを強化して病原菌に対する粘膜の防 . . . 本文を読む
図:新型コロナウイルス(①)の感染によって肺炎を発症するCOVID-19 (Coronavirus Disease 2019)は未だ有効な治療法が開発されていない(②)。中国では漢方薬を用いた治療が有効であることが報告されている(③)。漢方治療は体力と抵抗力を高めると同時に、咳や発熱などの症状の緩和にも有効(④)。さらに漢方薬の成分には抗ウイルス活性を持つものも見つかっている(⑤)。漢方薬はウイル . . . 本文を読む
図:がん組織から産生される様々な因子が骨髄由来抑制細胞(MDSC)を動員し活性化する(①)。肥満細胞はヒスタミンなどのケミカルメディエーターを分泌してMDSCを活性化する(②)。がん組織から分泌される乳酸とプロトン(H+)はMDSCを活性化し(③)、がん細胞を攻撃するキラーT細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを抑制する(④)。MDSCはキラーT細胞やNK細胞を抑制する(⑤)。PEA(パル . . . 本文を読む
図:がん組織から産生される様々な因子が骨髄由来抑制細胞(MDSC)を動員し活性化する(①)。肥満細胞はヒスタミンなどのケミカルメディエーターを分泌してMDSCを活性化する(②)。がん組織から分泌される乳酸とプロトン(H+)はMDSCを活性化し(③)、がん細胞を攻撃するキラーT細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを抑制する(④)。MDSCはキラーT細胞やNK細胞を抑制する(⑤)。PEA(パル . . . 本文を読む
図:がん細胞からケモカインのCCL2が分泌され(①)、マクロファージのケモカイン受容体のCCR2に結合すると(②)、マクロファージはがん組織へと誘引される(③)。がん組織内では腫瘍関連マクロファージとなり、M1型とM2型に分極する(④)。M1型のマクロファージはがん細胞の増殖や転移を抑制する(⑤)。腫瘍関連マクロファージはシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)から産生されるプロスタグランジンE2や . . . 本文を読む
図:がん細胞からケモカインのCCL2が分泌され(①)、マクロファージのケモカイン受容体のCCR2に結合すると(②)、マクロファージはがん組織へと誘引され、腫瘍関連マクロファージとしてがん細胞の増殖を助ける(③)。腫瘍関連マクロファージはシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)から産生されるプロスタグランジンE2や、シグナル伝達兼転写活性化因子3(STAT3)の活性化によってM2型の腫瘍関連マクロファ . . . 本文を読む
図:塩化物細胞内チャネル1(Chloride Intracellular Channel 1:CLIC1)は細胞質内にモノマー(単量体)として存在し(①)、様々な刺激やシグナルでダイマー(二量体)を形成したのち(②)、細胞膜に挿入される(③)。膜に挿入されたCLIC1は膜貫通型になり(④)、多量体を形成して陰イオンを通過させるイオンチャネルになる(⑤)。イオンチャネルを形成するCLIC1は細胞周期 . . . 本文を読む
図:メトホルミンは直接的および間接的な多彩なメカニズムで抗腫瘍作用を示す。メトホルミンは肝臓における糖新生を阻害し(①)、血液中のグルコースとインスリンの量を低下し、がん細胞の増殖を抑制する(②)。さらにメトホルミンは、ミトコンドリアの呼吸酵素複合体Iの阻害によるATP産生抑制、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化、mTORシグナル伝達系の抑制、低酸素誘導因子-1(HIF-1)活性の抑 . . . 本文を読む
図:コレステロールを合成するメバロン酸経路で産生される中間代謝産物が、がん細胞の増殖の維持と促進に重要な働きを担っている。すなわち、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A(HMG-CoA)がHMG-CoA還元酵素によってメバロン酸に変換され(①)、メバロン酸からゲラニル・ピロリン酸(②)、ファルネシル・ピロリン酸(③)が合成され、さらにコレステロールが合成される(④)。ファルネシル・ピロリン . . . 本文を読む
図:がん細胞はムチンやシアル酸などの血液凝固を促進する因子を産生して血液凝固因子を活性化する(①)。がん組織内の活性化した単球やマクロファージは組織因子を産生して血液凝固因子を活性化する(②)。活性化した単球やマクロファージは炎症性サイトカインのIL-1, IL-6, TNF-αの産生を亢進する(③)。抗がん剤治療も炎症性サイトカインの産生を亢進する(④)。抗がん剤は血管内皮細胞を傷害 . . . 本文を読む
図:全身の抗がん剤投与や胸部の放射線照射は心臓にダメージを与え(①)、心筋傷害によって心臓機能の低下や心不全を引き起こす(②)。田七人参(③)、白花蛇舌草(④)、枸杞子(⑤)、甘草(⑥)、カンナビジオール(⑦)、2-デオキシ-D-グルコース(⑧)は、抗がん剤や放射線照射による心筋傷害を軽減する。漢方薬の生脈散、サプリメントのCoQ10、ミルクシスル、オメガ3多価不飽和脂肪酸のDHA/EPAも心筋の . . . 本文を読む