Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

SDカードの話

2008-11-09 23:59:59 | Thinkings

 SDカード、いつの間にやらメモリーカードのディファクトスタンダードになってしまいました。

 WiiやDSiにも標準で対応していますし、デジカメやテレビなどの情報家電にも続々と普及が進んでいます。xDピクチャーとかはすでに駆逐しましたし、コンパクトフラッシュはちょっと毛色が違いますし・・・ライバルと言えるのはソニーのメモリースティックくらいでしょうか。そのメモリースティックも、今やPSPとサイバーショット位でしか使われていません。ソニー・エリクソンの携帯は、すでにSDメモリに完全移行してしまっていますしね。

 さて、そのSDカードですけれど、規格としてSDとSDHC規格の二種類があることはご存じですか?前者は2GBまでで、後者は32GBまで扱えるのですが、その理由は使っているフォーマットが違うから。通常使われている無印のSDカードはFAT16、SDHCはFAT32を使っているのです。それぞれはWindowsMeまでメインで使われてきた由緒正しいフォーマットで、規格がオープンなことから、様々なストレージで今でも使われています。ただ、なにぶん古い規格ですので、2GBと32GBまでしか容量が管理できないのですね。それがそのままSDカードの容量の上限になっているわけです。

 で、その容量の上限である32GBのSDHCカードが壮絶に値崩れしているという話です。

もはや高嶺の花じゃない?32GBのSDHCメモリカードが一気に値下がりして半額に Gigazine

先週GIGAZINEで16GBのSDHCメモリカードがついに3000円を割ったことをお伝えしましたが、32GBのSDHCメモリカードも大幅な値下がりを始めたことが明らかになりました。
1ヶ月前と比較して半額になっており、ようやく手が届く価格へと近づいてきた感があります。

 まあ、半値と言っても1万7千円くらいなんで、普通の感覚では高嶺の花以外の何者でもないんですけれどね。16GBが5枚買えますもの。

 普通の使い方で32GBを使おうとするならば、Linuxのシステムを入れてUSBブートするとか、HDビデオカメラのストレージに使うとか、ドラマをワンシーズンまるまる突っ込むとかが思い浮かびますけれど・・・HDビデオカメラくらいしか、「32GBでないといけない理由」が思い浮かばないのですよね。私の発想が貧困だからかもしれませんけれど・・・

 ちなみに、フラッシュメモリの容量が倍々ゲームで増えているのに従って、SDHCの次の規格策定も進んでいるとか・・・数年後には32GBでも1000円くらいで売られるようになっているかもしれませんね・・・何に使うかは全く想像もつきませんが。


ああYahoo!よどこへゆく

2008-11-08 19:29:13 | Thinkings

 先日、GoogleとYahoo!の提携がご破算になりました。理由は独占禁止法違反による訴訟リスクの回避をGoogleが判断したためで、Yahoo!にしてみれば起死回生の策を完全に止められてしまった形になります。

GoogleとYahoo!が検索広告事業の提携を解消,当局の懸念を払しょくできず ITpro

 マイクロソフトによる買収提案を蹴って、Googleとの業務提携に活路を見いだしていたYahoo!にとってみれば、本当に大きな誤算。マイクロソフトへの買収が合意に至らなかった際に、買収への期待感からふくれあがった株価が急落し、経営陣は株主からの激しい批判にさらされましたが、今回の提携解消により、経営陣はますます厳しい局面に立たされた形になります。

 そして、それに追い打ちをかけるかのように、マイクロソフトCEO、スティーブ・バルマー氏から声明が出されました。

Microsoft CEO、Yahoo!買収は「興味ない」 ITmedia

 「われわれの買収を申し出、また別の申し出をした。そして別の道へ進んだ」。Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは11月7日、シドニーの昼食会で、Yahoo!とGoogleの提携解消後のMicrosoftのプランについて聞かれてこう答えた。

 「ひところは、検索に関して提携しようとしていた。それもうまくいかなかった。われわれはほかの方向へ進み、Yahoo!もそうした。もう一度買収を検討することに興味はない。率直に言って、彼らがそうする理由も分からない」(同氏)

 マイクロソフトは、Yahoo!の買収による検索方面の強化より、ネットワーク関連にはWindows Azureを旗艦とするクラウドの道に大きくリソースを割こうとしているように見えます。また、一連のやりとりの中で完全に落ち目となったYahoo!を買収するメリットが大きく後退してしまったことも挙げられるのではないでしょうか。

 11月7日、Yahoo!の株価は12.20ドルで取引を終えました。買収交渉が進んでいるという噂から高騰していた株価も、7日の取引開始からいきなり2ドル近く下げ、マイクロソフトから引導を渡されたことで結局戻すこともなく終わりました。マイクロソフトが買収提案で挙げていた31ドルは虚像だったようですね・・・

 日本では大きな成功を収めているYahoo!ブランドですが、本国ではどうやら迷走を始めたようです。どこに落ち着くにせよ、もう一波乱ありそうですね。


セキュリティの質的変換

2008-11-07 21:04:22 | Thinkings

 私が初めてセキュリティソフトの必要性を認識したのはADSLにつなげて3ヶ月くらいでしたかね。そのときに初めてノートン先生の世話になり、いろいろとソフトウェアを乗り換えて今に至りますが・・・当時はセキュリティソフトの導入は個人の考え方というのが大きかったと思いますけれど、今となっては「入っているのが当たり前」になってしまいました。いや、入っていないと危なくてネットワークにつなげないというのが正しいところですかね。たった5年くらいで、インターネットはずいぶんと危ないところになったものです。

 しかしながら、当時比べてWindowsはずいぶんとセキュアなOSになりました。そりゃあここ何年もの間、クラッカーたちのメインターゲットとして常に危険にさらされていたんです。セキュリティレポートの蓄積は他のOSと比べても段違いですからね。そして、毎月毎月、ネットニュースとデスクトップを賑わしているWindowsのセキュリティアップデート。これだけ脆弱性に対処しているのなら、いい加減セキュリティソフトもいらないか・・・というと、これからはこれまで以上に必要になるかもしれない、ということを予感させるレポートがマイクロソフトから出されました。

攻撃の対象はOSからアプリケーション層へ--マイクロソフトがレポート CNET Japan

 特徴的な点としては、攻撃の対象がOSからアプリケーション層へと移行していることが挙げられる。2008年上半期に公開された脆弱性の90%以上がアプリケーション層に影響するもので、OSに影響するものはわずか10%だった。

 このレポートはマイクロソフトから出されたものですのでバイアスがかかっている可能性も否めませんが・・・完全に信用できないかというと、そうでもありません。適切にアップデートを続け、ファイヤーウォールに守られているOSは以前よりずっと堅牢なのは疑いようも無いからです。

 今回のレポートから何がわかるかというと、攻撃の質が大きく変わってきていると言うこと。OSのセキュリティの穴をつく従来のやり方はなりを潜め、ソーシャルエンジニアリング的な攻撃が増えていると言うこと。簡単に言えば、「あなたのPCにウイルスがいます」という表示で動揺させ、偽のセキュリティソフトをインストールさせたりとか、便利なツールやナイスな動画のふりをしたマルウェアをダウンロードさせるとか・・・要するに人間というセキュリティホールを突くやり方が広がってきたと言うことです。PC版のオレオレ詐欺ですね。

 そういった手法を使い、「正規のルートで」PCに潜り込んだソフトウェアを見つけ出すには、セキュリティソフトウェアのデータベースに頼るのが一番簡単ですからねえ。そういった意味で、今後もセキュリティソフトの市場は安泰じゃないでしょうか。

 もっとも、現実世界と同じで、「怪しい場所には近づかない。危なくなったら走って逃げる」をきちんと守っているならば・・・何があるかわかりませんし、一応保険はかけておいた方がいいですよね。


USB3.0がお目見えに

2008-11-06 22:05:16 | Technology

 最初にUSB1.0が発表されたときの衝撃は今でも覚えています。
 その頃の外付けコネクタ規格と言いますと、RS-232C、D-sub 9ピンといった、今ではPS/2くらいしか残っていないんじゃないかと思われるレガシーなものしかありませんでした。大概はホットスワップ・・・電源をつけたままの抜き差しに対応していなかったり、転送速度が冗談みたいに遅かったりと、世の中がWindowsに移行していくにあたり、その使いにくさは徐々に表に出てきていました。

 マウスやキーボード、タブレットなどの入力機器はよかったですが、ストレージ用途にはとてもじゃないですが使えませんでした。640×480ドットのJPG画像1枚をデジカメから読み出すのにどれだけ待たされたことか・・・。

 そんなわけで、たとえ12Mbpsといえど、シリアルよりは気軽に使えるようになったUSBの登場は本当に革命的なことでした。IEEE1394との確執もありましたけれど、USB1.0からUSB2.0に移り変わっていく過程で、世の中の外付け周辺機器のシェアがみるみるうちにUSBに塗り変わっていく様はVHSからDVDの過程よりもダイナミックだったと思います。

 そのUSB2.0のネックを挙げるならば、転送速度がそうだと言えなくもありません。言い方が曖昧なのは、個人的には「そんなもんだ」と割り切って使っているからなんですが。
 現在のUSB2.0の転送速度は480Mbpsですから、1秒間に60MBのデータを転送できる計算になります。フロッピー41枚分です。いったい何の不満があるというのでしょう!

 いや、それが不満はあるんですね。
 ある程度の速度が確保できるに従ってストレージ用途として使われることが多くなってきた結果、これまでは比較されることもなかった内蔵HDDなどとの速度差がクローズアップされることになってきたのです。
 ちなみに、現在内蔵HDDの接続に標準的に使われているシリアルATA2.5という規格の場合、2.4Gbps、秒間300MBの転送速度です。USB2.0の約5倍ですね。もっとも、HDD自体の性能が最速でも秒間130MBくらいですので、結局は倍くらいの性能差に収まるわけですけれど、扱うファイルサイズが大きくなっている今、倍も違うとさすがに不満も出てくるってものです。・・・普段は気にならないのですが、数百GBのハードディスクをフォーマットするときはさすがに泣けたかなあ。

 前置きが本当に長くなりましたが、転送速度問題を一気に解決し、USB1.0、2.0の機器もそのまま使えるUSB3.0の仕様が、11月17日に正式発表されるようです。

次世代USB規格、USB 3.0の仕様がまもなく発表へ CNET Japan

 2009年に登場が予定されている次世代の高速接続規格、USB 3.0の仕様は、将来あらゆるPCやデバイスがこれを基にしたコネクター類を採用することになるため、大きな意味を持つ。また、新仕様における伝送速度は、この数年間に発売されたほぼすべてのPCで採用されているUSB 2.0の10倍にあたる、およそ5Gbpsになるとみられている。

 5Gbpsと言うことは、秒間625MBの転送速度。シリアルATA2.5の倍の性能と言うことですが・・・現在読み出し最速のSSDでも260MB程度ということで、いったいどんな機器がその有り余る帯域を使い切れるか想像がつきませんね。ただ、帯域に余裕があると言うことは、規格自体の寿命が長くなると言うこと。規格の寿命は機器の充実に直結しますので、長い繁栄を期待します。


マンモスがよみがえるか

2008-11-05 21:26:26 | Science

 ジュラシックパークという映画をご存じでしょうか?琥珀と呼ばれる松ヤニの化石に閉じ込められた蚊から、恐竜の遺伝子を取り出して現代に復活させるというお話でした。

 恐竜が現代によみがえるというのはいかにも夢のある話ですが、現実はそんなに甘くありません。倫理面などの様々な障害により、クローン動物の研究はまだまだ発展途上。生きている細胞からでも自由にクローンを生み出せないのに、まして、琥珀の中の蚊の中から抽出するだなんて。

 しかしながら、このニュースは「冷凍マンモスくらいなら」という希望を抱かせてくれますね。

理化学研究所、死後16年間冷凍保存したマウスからのクローン誕生に成功 nikkei TRENDY net

 クローンは、核を抜き取った卵子に、コピーしたい動物の細胞の核を移し替え、代理母の子宮に移して誕生させる。しかし、死後長期間たった細胞は損傷しているため利用が難しく、これまでのクローンの成功例はすべて生きた細胞から核を取り出していた。死後長時間が経過した動物からの作成に成功したことで、永久凍土に眠るマンモスなど絶滅した動物を復活させられる可能性が開けるという。

 詳しい説明は省きますけれど、適切に保存された細胞からならば、死体からもクローンが作れることが証明されたと言うことです。まあ、この「適切に保存された」というのがくせ者で、今回はあくまで人間の手で管理された状態のマウスを使ったので成功したということ。冷凍マンモスの細胞が壊れていないかどうかと言うのはまた別の話で、理想的な状態で保存されているマンモスの細胞が手に入らないことには「マンモス復活」はかなわないのです。

 たとえマンモス復活はかなわなくても、今を持って絶滅しそうな動物というのは山ほど存在します。たとえば、動物園等で飼育されていた動物が死んだとき、もしくはあらかじめ血液サンプルを保存しておくことで、将来に備えることができることを意味します。これは、種の保存というテーマにおいて非常に大きな意味を持つことです。

 クローンと聞いたときの大きな関心事の一つに「人間は複製できるか」というものがありますが・・・同じDNAというだけで、性格形成が生育環境に大きく依存する人間にとって、赤ん坊からやり直しのクローンは別人には違いないわけで。人間のクローンを作ることの意味がどれだけあるか、個人的には正直疑問ですね。

 マンモス復活とかの「今まで誰も見たことがないものが見える」という話題は確かにワクワクしますけれど、クローン自体はなんとなく薄ら寒い技術に思えてしまいます。今後も命にメスを入れ続けるのがいいことなのかどうなのか・・・?もちろん、ES細胞などには期待はしているのですが、技術や倫理観がゆがんでしまわないように祈るばかりです。


Amazon、簡易包装を始める

2008-11-04 21:49:01 | Thinkings

 リアル店舗とネットショップの大きな違いの一つに、買ってすぐ持って使えるか、という点があります。つまり、ショップとユーザーとの間にネットというクッションがありますので、お金にしても商品にしても実際に受け渡しをするための手段が必要になってくるのです。
 お金の場合は、それこそ数字のやりとりだけで済ましてしまう仕組みがいろいろありますけれど、商品はそういうわけにはいきません。ユーザーの元に物理的に届けないことには販売が成立しないわけですからね。

 その物理的な距離を埋めるために、宅急便や郵送という手段が使われるわけですけれど、その時にどうしても避けて通れないのが梱包の問題。様々な荷物と一緒に運ばれる関係上、商品を守るためにどうしても必要なものです。せっかく商品が届いても、壊れてしまっていたり、そこまで行かなくても汚れてしまっていたりしていたらやりきれませんからね。
 そのために、どうしても梱包は厳重になりがち。薄い紙袋一枚で済ましてしまうリアル店舗と比べると、本当に大きな違いになってしまいます。

 そのような状況はネットショップ側も問題にしていたようで・・・その最大手であるAmazonが、本国アメリカにおいて簡易包装に取り組み始めたとか。

Amazonが簡易包装開始,まず米国で玩具などから ITpro

 米Amazon.comは米国時間2008年11月3日,簡易包装への取り組み「Frustration-Free Packaging」を開始したと発表した。主に,玩具のパッケージに利用されるプラスチック製ケースとプラスチック・コーティングした固定ワイヤの削減に力を入れるという。

 あの、小物を頼んだだけで、結構な大きさの箱に厳重に固定されて送られてくることが無くなるのかというと、そういうことでもないようです。今回対象になるのは、元々パッケージングがされていない玩具や、そもそもパッケージングの必要性の薄いメモリーカードのたぐいだとか。今までは、箱の中にもう一つケースを用意し、さらにそれが動かないようにワイヤで固定していたようですが、それをもっと簡易な方法に変更したようです。
 しかしながら、その簡易梱包材をそれぞれの商品にあわせてカスタム開発したようで、スタートは19品目しか対象になっていないようです。

 ・・・なんとなーく本末転倒な気がしないでもないですが、少しでも環境負荷を減らそうと言う試みはよいことですね。是非とも、他の商品にも「保護に影響が出ない範囲で」拡大していってもらいたいものです。

 梱包と言えば。以前にhp製の関数電卓を買ったのですが、その梱包方法がなぜか透明なブリスターパッケージ。問題は、そのブリスターがとんでもないくらいにあけにくかったんですね。手であけるのは速攻であきらめたのですが、並のハサミでも歯が立たないくらいで・・・Amazonは、簡易包装の目的の一つに「梱包を解くときの労力を軽減する」ことを挙げていますが、それもまた正しい選択だと思います。間違いなく、梱包を解くときのフラストレーションというのは存在します。ええ、しますとも!


パナソニックの三洋電機買収で起こること

2008-11-03 23:59:59 | Thinkings

 最近噂になっていた、パナソニックが三洋電機を買収するという話がどうやらまとまったようです。これにより、パナソニックが9兆円、三洋電機が2兆円の併せて11兆円の年間売り上げを持つ、日本最大の電機メーカーが誕生することになります。日立製作所が11兆円弱、東芝は8兆円弱、ソニーが約9兆円(いずれも2008年第2四半期通年連結業績予想より)となっており、日立製作所を僅差でかわす模様。ちなみに、任天堂の年間売上予測が1.7兆円(第1、第2四半期累計約8400億円による)ですので、いかに規模が大きいかがわかるというもの。・・・いや、ゲーム一部門でそれだけの売り上げをたたき出している任天堂は十分に驚異的なのですが。

 パナソニック、三洋買収で基本合意 TOBで09年4月子会社化 Nikkei NET

 パナソニック(旧松下電器産業)は三洋電機を買収することで基本合意した。7日にも両社の社長が記者会見して発表する。パナソニックはTOB(株式公開買い付け)により三洋株の過半を取得し、来年4月をメドに子会社化する考え。

 さて、これによって大きな再編が起きる可能性がある部門があります。三洋電機がトップシェアを誇る充電池を要する電池部門です。

 三洋電機には、言わずとしれたエネループというブランドがあります。ソニー、パナソニックも参入している充電式乾電池ですが、充電池のブランド戦略において、ここまで広く浸透した例は過去にありません。また、パナソニックには充電式で無い電池のブランドとして「オキシライド」および「エボルタ」があります。パナソニックは、充電池にもエボルタの名前を冠してブランド展開していますが、買収後はすべてエネループに統一すると予想されます。

 また、産業用二次電池においても、ノートPC用途の充電池におけるソニーグループの失態が続く中、今後大きく業績を伸ばす可能性があります。躍進する韓国勢を抑え、今後10年の世界トップシェアを十分に狙える位置にいると言えるでしょう。

 三洋電機の持っている他の分野・・・とくにパナソニックと競合する分野についてはどうなっていくかわかりませんが、世界と戦っていくために、今後も国内メーカーの整理統合は続いていきそうです。ソニーや日立と言った企業よりも、シャープなどの一芸に秀でた企業の動向に注意すると面白いかもしれませんね。


ubuntuをインストールしてみた

2008-11-02 19:50:21 | PC

 Ubuntuは、今やもっとも選ばれているLinuxと言っても過言ではないディストリビューションパッケージに成長しました。日本で発売されたネットブックで唯一、Dellが採用したことでも名が売れましたね。

 ちなみに、読み方は「うぶんとぅ」に近い感じみたいです。

 そのUbuntuの最新リビジョンである8.10が10月30日(日本語版は10月31日)にリリースされたので、興味本位でサブマシンにインストールしてみました。

ubuntu

 上記のサイトからCDディスクイメージを落としてきまして、Windows上からインストールを行いました。Cドライブから15GBの領域をUbuntuの仮想ディスクに割り当てると、Windowsのインストールウイザード上からあっさりインストール完了。再起動後、Windowsブートマネージャからubuntuが選べるようになるので、そのまま起動させました。

 デバイスドライバは、表面上うまくいっているように見えました。画面も正しく表示されていましたし、キーボードやマウスも問題なく動きました。ただ、ワイヤレスLANがどうしても認識してくれないのと、音がうまく鳴ってくれないのです。

 とりあえずワイヤレスLANからだ・・・ということで、メインマシンでいろいろと調べてみましたけれど、紹介されている方法がことごとく成功しない・・・ちなみにGUIだけではとうていカバーできず、端末・・・ターミナルでのキーボード操作は、トラブル解決時は必須と言っていいと思います。また、提供されているリソースがビルドされていないこともたびたびあり、初心者に優しいと言うのは「ほかのディストリビューションに比べて」という意味なのかな、と考え込んでしまいました。
 ちなみに、有線LANでつないでしばらくしたら、何の前触れもなく使えるようになりました・・・何ででしょうね。サウンドはまだ鳴りませんが。

 ハードウェアの状態を調べるとき、Windowsならばデバイスマネージャを使いますが、ubuntuにはそれに相当するGUIマネージャがなく、基本的にはターミナル操作で原因を調べていくことになりますけれど、そのあたりのレガシーな部分がそのまま放置されているのは、Windowsにどっぷりつかってしまった私にはちょっときつい。また、root権限でないと著しくファイル操作が制限されますので、セキュリティ上は堅牢なのかな、とも思います・・・root権限に対しての説明は、インストール時には一切説明が無いのですけれどね。

 また、ソフトウェアパッケージの追加にしても、パッケージマネージャに統一されておらずに複数の方法が混在していたり、ウインドウの挙動が違っていて面食らったりといったことが目につきました。

 もちろん、一通りのこと・・・ウェブブラウズ、メール、オフィススイートの操作などはできるので、プリインストールされたネットブック用途には過不足無く使えるでしょう。

 インストールから一連の操作を行ってみて思ったことは、やはりWindowsほど優しくないということ。なんだかんだ言って「頼りはターミナル」という状況は、大きく敷居を挙げていることでしょう。また、用意された以外の「一歩進んだ操作」をするときには、ネット上での情報収集やターミナル操作などをいとわないスキルや手間が要求されます。

 ・・・Linuxがデスクトップ市場で大きなシェアをとれるのはまだまだ先だな、というのが正直な感想。基本的なできることが同じなら、ソフトウェアの選択肢が多く、情報の蓄積が桁違いに多いWindowsから乗り換えるメリットは、セキュリティスイートをインストールしなくてよい点くらいでしょうか・・・少なくとも、私は必要性を感じません。

 Linuxが今後メジャーになっていくために必要なことは、まずプリインストールマシンを増やすこと。そして、ターミナルを徹底的に隠すことでしょうか。そうでもしないと、WindowsやMacからシェアを奪うことなんてできっこないでしょう。企業にしたって、Windowsを採用するコストとLinuxを運用するコストを精査した上で、ビジネス用にWindowsがあふれているわけですしね・・・


内容検索の弊害?

2008-11-01 21:26:28 | Thinkings

 店頭で本を買うときに、とりあえずパラパラとめくって中を見てみるということは意外と大切なことです。表紙だけを見て買ってしまうのも自由ですけれど、内容が伴っていなかったりすると非常に損した気分になります。最近はコミックとか雑誌などは立ち読みができないようになっている場合が多いですし、文庫とか新書は、そもそも立ち読みにも大きな負担がかかるのであんまりしませんけれどね。

 しかしながら、実用書となるとそうもいきません。
 たとえば地図だと、表示レイアウトが好みと違っていたり、必要な施設の情報が載っていなかったりすると使い物になりません。技術書や解説書のたぐいは、ページのレイアウトや図版の多さなど、購入前に見るべきとことはたくさんあるのです。たまに、選択の余地が無い、なんてこともありますけれどね。

 さて、店頭で買う場合は実物を手に取れるわけですからいいですが、ネット書店の場合はそうはいきません。タイトル、著者、表紙などといいう限られた情報から一か八か選ぶしかなかった訳ですけれど、ネット上でも立ち読みがしたいという要望に応える形でAmazon等は「なか見!検索」といった書籍の中身を「立ち読み」できるサービスを提供していますが・・・それがちょっと問題になっているようです。

ネット上の「書籍検索」に日本文藝家協会が苦言 CNET japan

同協会の理事会で一部の公開であっても、作品の大部分が読めてしまうような書籍の存在が明らかにされた。例えば、短編集や人物エッセイ集、詩歌・短歌・俳句集などは、20%の公開でも一作品全部が読めてしまったり、根幹部分が明らかにされてしまったりすることが危惧されている。

 確かに短編集や詩歌といった、「短いものを詰め込む」形の出版物の場合、そういう状況というのは確かにありますよね。一冊に短編が5編収められていたならば、単純計算で一本は読めてしまうわけですからね。店頭だと長くて読む気にならなくても、自分のPCの前だったら腰を据えて読んでしまうかもしれません。

 しかしながら、それを含めて立ち読みなんじゃないかなあとも思うわけです。その短編を一本読み終えることで、残りの収録作品が気になることもあるでしょう。詩歌ならば別に店頭でだって数本は間違いなく読めてしまうわけです。そこまで目くじらたてるほどのことでもないと思いますけれどね。

 結局のところ、著作者がどう思っているかが重要なのですから、協会が言うように「著作権者の許諾をとる」のが一番じゃないですかね。20%も見せたくなければその前でカットすればいいし、逆にクライマックスに向けて盛り上がる80%くらいのところで切ってもいいわけですから。ネット上での立ち読みサービスを提供しているサイトが少ない今は、個別対応でも特に問題ないのではないでしょうか。

 手間がかかるので微妙なんですが・・・今後増えてくるであろう立ち読みサービス提供サイトへの対応として、今のうちからガイドラインを設定しておくのも良さそうですね。星の数ほどある出版社側ではなく、サービス提供側何社か(Amazon、Google、Yahoo!が中心になるといいと思う)から「公開するときはここからここまで」という共通フォーマットを、納入の際に提示を求めるような提案ができたなら、このような問題は割と簡単に解決するような気がします。

 消費者としては、表紙買いしてハズレをつかまされるのは勘弁して欲しいですので、このサービスの充実を望みますが・・・適切な対応がとられたならば、共存共栄できると思うのですけどね。