Ubuntuは、今やもっとも選ばれているLinuxと言っても過言ではないディストリビューションパッケージに成長しました。日本で発売されたネットブックで唯一、Dellが採用したことでも名が売れましたね。
ちなみに、読み方は「うぶんとぅ」に近い感じみたいです。
そのUbuntuの最新リビジョンである8.10が10月30日(日本語版は10月31日)にリリースされたので、興味本位でサブマシンにインストールしてみました。
上記のサイトからCDディスクイメージを落としてきまして、Windows上からインストールを行いました。Cドライブから15GBの領域をUbuntuの仮想ディスクに割り当てると、Windowsのインストールウイザード上からあっさりインストール完了。再起動後、Windowsブートマネージャからubuntuが選べるようになるので、そのまま起動させました。
デバイスドライバは、表面上うまくいっているように見えました。画面も正しく表示されていましたし、キーボードやマウスも問題なく動きました。ただ、ワイヤレスLANがどうしても認識してくれないのと、音がうまく鳴ってくれないのです。
とりあえずワイヤレスLANからだ・・・ということで、メインマシンでいろいろと調べてみましたけれど、紹介されている方法がことごとく成功しない・・・ちなみにGUIだけではとうていカバーできず、端末・・・ターミナルでのキーボード操作は、トラブル解決時は必須と言っていいと思います。また、提供されているリソースがビルドされていないこともたびたびあり、初心者に優しいと言うのは「ほかのディストリビューションに比べて」という意味なのかな、と考え込んでしまいました。
ちなみに、有線LANでつないでしばらくしたら、何の前触れもなく使えるようになりました・・・何ででしょうね。サウンドはまだ鳴りませんが。
ハードウェアの状態を調べるとき、Windowsならばデバイスマネージャを使いますが、ubuntuにはそれに相当するGUIマネージャがなく、基本的にはターミナル操作で原因を調べていくことになりますけれど、そのあたりのレガシーな部分がそのまま放置されているのは、Windowsにどっぷりつかってしまった私にはちょっときつい。また、root権限でないと著しくファイル操作が制限されますので、セキュリティ上は堅牢なのかな、とも思います・・・root権限に対しての説明は、インストール時には一切説明が無いのですけれどね。
また、ソフトウェアパッケージの追加にしても、パッケージマネージャに統一されておらずに複数の方法が混在していたり、ウインドウの挙動が違っていて面食らったりといったことが目につきました。
もちろん、一通りのこと・・・ウェブブラウズ、メール、オフィススイートの操作などはできるので、プリインストールされたネットブック用途には過不足無く使えるでしょう。
インストールから一連の操作を行ってみて思ったことは、やはりWindowsほど優しくないということ。なんだかんだ言って「頼りはターミナル」という状況は、大きく敷居を挙げていることでしょう。また、用意された以外の「一歩進んだ操作」をするときには、ネット上での情報収集やターミナル操作などをいとわないスキルや手間が要求されます。
・・・Linuxがデスクトップ市場で大きなシェアをとれるのはまだまだ先だな、というのが正直な感想。基本的なできることが同じなら、ソフトウェアの選択肢が多く、情報の蓄積が桁違いに多いWindowsから乗り換えるメリットは、セキュリティスイートをインストールしなくてよい点くらいでしょうか・・・少なくとも、私は必要性を感じません。
Linuxが今後メジャーになっていくために必要なことは、まずプリインストールマシンを増やすこと。そして、ターミナルを徹底的に隠すことでしょうか。そうでもしないと、WindowsやMacからシェアを奪うことなんてできっこないでしょう。企業にしたって、Windowsを採用するコストとLinuxを運用するコストを精査した上で、ビジネス用にWindowsがあふれているわけですしね・・・