Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ああYahoo!よどこへゆく

2008-11-08 19:29:13 | Thinkings

 先日、GoogleとYahoo!の提携がご破算になりました。理由は独占禁止法違反による訴訟リスクの回避をGoogleが判断したためで、Yahoo!にしてみれば起死回生の策を完全に止められてしまった形になります。

GoogleとYahoo!が検索広告事業の提携を解消,当局の懸念を払しょくできず ITpro

 マイクロソフトによる買収提案を蹴って、Googleとの業務提携に活路を見いだしていたYahoo!にとってみれば、本当に大きな誤算。マイクロソフトへの買収が合意に至らなかった際に、買収への期待感からふくれあがった株価が急落し、経営陣は株主からの激しい批判にさらされましたが、今回の提携解消により、経営陣はますます厳しい局面に立たされた形になります。

 そして、それに追い打ちをかけるかのように、マイクロソフトCEO、スティーブ・バルマー氏から声明が出されました。

Microsoft CEO、Yahoo!買収は「興味ない」 ITmedia

 「われわれの買収を申し出、また別の申し出をした。そして別の道へ進んだ」。Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは11月7日、シドニーの昼食会で、Yahoo!とGoogleの提携解消後のMicrosoftのプランについて聞かれてこう答えた。

 「ひところは、検索に関して提携しようとしていた。それもうまくいかなかった。われわれはほかの方向へ進み、Yahoo!もそうした。もう一度買収を検討することに興味はない。率直に言って、彼らがそうする理由も分からない」(同氏)

 マイクロソフトは、Yahoo!の買収による検索方面の強化より、ネットワーク関連にはWindows Azureを旗艦とするクラウドの道に大きくリソースを割こうとしているように見えます。また、一連のやりとりの中で完全に落ち目となったYahoo!を買収するメリットが大きく後退してしまったことも挙げられるのではないでしょうか。

 11月7日、Yahoo!の株価は12.20ドルで取引を終えました。買収交渉が進んでいるという噂から高騰していた株価も、7日の取引開始からいきなり2ドル近く下げ、マイクロソフトから引導を渡されたことで結局戻すこともなく終わりました。マイクロソフトが買収提案で挙げていた31ドルは虚像だったようですね・・・

 日本では大きな成功を収めているYahoo!ブランドですが、本国ではどうやら迷走を始めたようです。どこに落ち着くにせよ、もう一波乱ありそうですね。