Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

日立、1ラックサーバーでクラウド?参入へ

2008-11-19 20:50:27 | Technology

 何でもかんでもクラウドと呼ぶ最近の風潮はあんまりよろしくないと思います。

 今回紹介する日立のネタは、「なんかよくわからないネットの先の何か」からサービス受けるのではなく、個別に用意された1ラックサーバーを「運営委託」するサービスを提供すると発表しました。

日立ソフト、3カ月間で仮想システムを構築する新サービス ITmedia

 日立ソフトウェアエンジニアリングは11月19日、同社のデータセンター内に企業のシステム環境を仮想的に短期間で構築するサービス「SecureOnline 1ラックソリューション」を開始した。機器やソフトウェアを1つのラックに収納して提供する。

 同サービスでは、ブレードサーバやSANストレージ、ネットワーク機器、管理コンソールを1つのラックに集約して同社のデータセンターに設置し、仮想化ソフトウェアの設定を含めて提供する。利用企業はデータセンターと自社をVPNで接続し、データセンターのシステムを仮想的に自社ネットワークに設置したシステムとして利用できる。

 外部のリソースを利用することをクラウドと定義・・・しても、基本「1社1台」で管理費用も含めて委託会社が払うわけで。これをプライベートクラウドと言われてもなんだか釈然としませんが。

 しかしながら、なかなか面白いサービスです。企業がクラウドサービスを利用する上で心配になるのは、やはりサーバーを仮想的に切り分けてシェアすることで、情報漏洩の可能性があることだと思うのです。その点日立のサービスならば、一社につき1台のラックを用意することで、他社のサーバーとは物理的に切り離されます。また、VPNによってローカルIPを割り振れますので、通常の社内サーバーと同様に扱える点も魅力です。

 この、「巨大な単一リソースを切り分けてシェアする」クラウドに対比するように、「物理的に切り分けて管理をシェアする」サービスというのは、企業ニーズにうまく応えているのではないでしょうか。これなら、クラウドに及び腰だった中以上の企業にも訴求力がありそうです。

 ただ、物理的に専用ハードウェアを用意して管理する分お値段はずいぶんとお高くなっています。

参考価格は、構築および設定作業費用が7000万円(税抜き)、サポート費用が年間で構築および設定作業費用の18%(同)。

初期導入費用が税込み7,350万円で、年間1,323万円のランニングコストと。少なくとも「パーソナル」な金額ではないですよねえ。