Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

パナソニックの三洋電機買収で起こること

2008-11-03 23:59:59 | Thinkings

 最近噂になっていた、パナソニックが三洋電機を買収するという話がどうやらまとまったようです。これにより、パナソニックが9兆円、三洋電機が2兆円の併せて11兆円の年間売り上げを持つ、日本最大の電機メーカーが誕生することになります。日立製作所が11兆円弱、東芝は8兆円弱、ソニーが約9兆円(いずれも2008年第2四半期通年連結業績予想より)となっており、日立製作所を僅差でかわす模様。ちなみに、任天堂の年間売上予測が1.7兆円(第1、第2四半期累計約8400億円による)ですので、いかに規模が大きいかがわかるというもの。・・・いや、ゲーム一部門でそれだけの売り上げをたたき出している任天堂は十分に驚異的なのですが。

 パナソニック、三洋買収で基本合意 TOBで09年4月子会社化 Nikkei NET

 パナソニック(旧松下電器産業)は三洋電機を買収することで基本合意した。7日にも両社の社長が記者会見して発表する。パナソニックはTOB(株式公開買い付け)により三洋株の過半を取得し、来年4月をメドに子会社化する考え。

 さて、これによって大きな再編が起きる可能性がある部門があります。三洋電機がトップシェアを誇る充電池を要する電池部門です。

 三洋電機には、言わずとしれたエネループというブランドがあります。ソニー、パナソニックも参入している充電式乾電池ですが、充電池のブランド戦略において、ここまで広く浸透した例は過去にありません。また、パナソニックには充電式で無い電池のブランドとして「オキシライド」および「エボルタ」があります。パナソニックは、充電池にもエボルタの名前を冠してブランド展開していますが、買収後はすべてエネループに統一すると予想されます。

 また、産業用二次電池においても、ノートPC用途の充電池におけるソニーグループの失態が続く中、今後大きく業績を伸ばす可能性があります。躍進する韓国勢を抑え、今後10年の世界トップシェアを十分に狙える位置にいると言えるでしょう。

 三洋電機の持っている他の分野・・・とくにパナソニックと競合する分野についてはどうなっていくかわかりませんが、世界と戦っていくために、今後も国内メーカーの整理統合は続いていきそうです。ソニーや日立と言った企業よりも、シャープなどの一芸に秀でた企業の動向に注意すると面白いかもしれませんね。