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千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

古山門

2008年10月04日 | 教えられたこと
今日もさわやかな秋晴れ!気持ちが良かったですね。

毘沙門堂正面にある古山門(ふるさんもん)・・・、いつの頃からか不明ですが、千手院がお守り、管理させていただいて来ました。



松平越後候が正保四年に寄進、毘沙門堂境内で一番古い建造物だといわれています。ところが、魚沼の郷土史に「直江兼続公の寄進」という一文があったものですから、はてさて一体どうなんだ???という事になりました。

千手院には古山門が記載された文献はなく、毘沙門堂をお守りする普光寺さんにも確かな文献はないようであります。

昨日、千手院本堂再建記念事業に携わってくれている樋口棟梁が来寺してくれたので、古山門も外見からですが、見てもらいました。

結果からいうと、「正確なことはもちろん分からないが、少なくても江戸初期、室町時代の建立であっても全然おかしくない」とのことでした。何年か前にも埼玉の宮大工さんにみてもらった時にも同じ答えでした。
正保四年も江戸前期ですが、はたして一体本当なのかな???少し疑問が残っています。



古山門の木鼻・・・。
これがとても繊細で素晴らしいとのこと。そして建立時期を推測する有力な作り方なのだそうです。

長い歴史で少し傾いてきていますが、保存状態としてはよく、大切に守ってこられたのがよく分かるとお話ししていました。

また、建立時期が分かる文献や棟札などがあれば、とても貴重な文化財だろうとのことでした。

樋口棟梁は著名な西岡常一棟梁の弟子で、奈良の薬師寺、法輪寺などの再建工事にも参加、あらゆる文化財を手がけてきた方なので、先ず間違いないのではないかと思います。

維持していくのは大変な事ではありますが、何か建立時期が分かる資料が見つかればと期待しています。皆様、何か情報がおありの時には是非お教え下さい。



いろいろなご意見

2008年09月22日 | 教えられたこと
今日も1日お彼岸参り。
毎年恒例で般若湯を出して下さるお宅での一コマ。

般若湯もすすみ、浦佐城址、薬師様の話になりました。
「薬師さまには初めて登ってみたけど、ごうぎ(すごく)大きな木が倒されていたけど、かなり木を切ったねぇ~。もうちっと良く整備できないんかねぇ~。」

確かにその通り。。。
その後の道整備も進んではいますが、初めて登られた方にはまだ荒削りの整備にしか見えないようです。また、城址の保存、維持が第一の目的となるため、思い切って大きな木も切らせていただいたのが事実です。大木が雪などで倒されると、根こそぎ土をもっていかれ、地形が完全に崩されてしまうからです。
しかし、城址に関係しない箇所についてはそんな事はありません。木々を大切にしています。

しかたない部分が多いと思います。
なんてったって、50年以上、山仕事は薬師さまを信心下さるほんの2,3人でしか守られてこなかったからです。2,3人では山整備にもさすがに限度があります。

それが、この大河ドラマ「天地人」を機会に一気に整備の話しが持ち上がりました。昨年秋から大がかりに山に手が入り、まだ進行中といった状況です。しかし、確実に気運が高まり、良い方向性が見え始めています。

何の世界もそうですが、急激に伸びる世界には危うさがあると思います。
今回もそうだと思っています。
この機会を契機に、時間をかけながら、じっくりと浦佐城址、薬師さま、西山全体が発展創造していってくれれば・・・と願いますし、そのための行動を継続していきたいと思います。

注目を浴び始めて出てくる意見。
貴重な提言と素直に受けとめて、今後に役立てたいと思います!!!

裁判員制度

2008年09月12日 | 教えられたこと
昨日、長岡で布教の勉強会がありました。

総会の後、長岡市の裁判官を講師にお迎えして「裁判員制度」についてお話しを伺いました。最初DVDを見て、その後に説明と質疑応答という形でした。

来年の5月から始まる制度としてマスコミなどでも注目されておりますが、今までは言葉は知っているが、詳しい内容まではよく分かりませんでした。

しかし、今回のお話しを聞いて大体の把握はできたと思います。

印象に残ったのは、お迎えした講師の裁判官が私と同世代くらいだっということ、「裁判官」という一見近寄り難いイメージを壊し、広く社会に「裁判官」という仕事を理解してもらおうと努力されていること、質疑応答でも「さすが!」という位に頭の回転が速く、理路整然と、しかも笑顔を絶やさずにやわらかく対応していたのに驚かされました。

裁判員制度の内容はもちろんですが、その真摯な姿勢と情熱にとても感銘を受けました。

まさしく、お寺も見習うべき姿勢だと感じました。
「もし裁判員の呼び出しが来たら・・・」このような裁判官でしたら、是非協力したいと思わせられた、充実した勉強会でした。

伝統とは?2

2008年08月31日 | 教えられたこと

今日は浦佐地域の運動会でした。天気予報はあまり良くありませんでしたが、予定を少し縮めての開催となったようです。

私はケガをして依頼、ここ数年、ご無沙汰をしておりまして、気持ちはあるのですがなかなか協力できない年が続いております。申し訳ございません。

境内の萩にも花がつき始め、日々秋の気配が感じられるようになってきました。

先日、仏教青年会50周年を記念した冊子が送られてきました。その中で私が尊敬している大正大学の加藤精一博士の言葉を見て、とてもうれしくなりました。
「1897年生まれの哲学者、三木清博士は・・・次のような言葉を残しています。『真の伝統は創造によってのみ、はじめて持続する』と。」

先月、ブログで「伝統とは?」と考えていただけに、尊敬する先生が三木博士の言葉に賛同しているのを見て、「やっぱりそうだ」と確信するようになりました。

そして先生はこうも言っています。
「持続だけでも大変ですが、『佳き伝統』と評されるようになるにはこれからが大変です。」と。

先生の言葉を拝見し、「うんうん」と嬉しかったのと同時に、身が引き締まる思いでした。

いよいよ明日から9月ですね。
千手院では11月の本堂再建二百年記念事業が本格化してきました。忙しくなりそうですが、「真の伝統」目指して頑張ります!

伽羅香

2008年07月27日 | 教えられたこと

ここのところ、千手院ではお葬式続きでした。暑さのせいもあるのでしょうか?
どうか皆さんもお体お気をつけ下さい!!!

さてさて。
とても珍しい伽羅(きゃら)のお線香がご縁あって手に入りました。

伽羅とは香木(こうぼく)の一種で、白檀、沈香などと共に希少価値の高いお香です。普段はマッチ棒の先くらいの大きさに削り、香炭の上にのせて仏さまに献ずると、香の油がしみでてとても良い香りを発します。

香木は大変長い年月がかかってできるものですから、とても貴重なものです。

最近では天然の香木は大変少なくなり、いろいろな混ぜ物があったり、あとから油が塗られたりしている香木もあるようですが、今回は本物の伽羅を、しかも、ほとんど混ぜ物をせずにお線香にしてあるというのは初めて見ました。ビックリです。

伽羅の香りはとても上品で、私の大好きなお香のひとつです。

「多福の者は妙香を食す」という言葉があります。
嗅覚を鍛えること。幸せになるためのひとつの条件だと思います。皆さんもお寺などへ出掛けたときにはお香の香りを比べてみてはいかがですか?お線香やお香の香りは皆違いますよ~。

伝統とは?

2008年07月14日 | 教えられたこと

今日もお棚経!!!暑かった~。お盆らしいですね。

お手伝いに行っているお寺の本堂前に、弘法大師空海上人のお像が立っています。
しだれ桜の木陰の中に凜として・・・。

今日、ふと思い出した言葉がありました。
「伝統とは変化していくものである」
有名な歌舞伎役者の言葉だったと思うのですが、どうしても誰だったか思い出せません。
しかし、当時伝統とは守るものだと考えていた私にはショッキングな言葉であったし、そうあるべきだと教えられた言葉でした。

何故、こんな事を言うかというと、この度のお棚経で、お盆の迎え方、精霊棚の飾り方など、あまりに「こうでなければいけない」と考えていらっしゃる方が多くいらっしゃったからです。

確かに基本の形は大切だと思いますが、それに縛られて、大切な「心」「精神」といったものが置き去りになっている場合があるのでは・・・、と感じました。

先人達は、ご先祖を敬い、感謝の気持ちを表そうと様々な工夫をしてきた結果が今の形であり、伝統です。つまり、大切なのは「心」。気がついたらそれが伝統になっていたというだけのとてもシンプルなものだと思います。

何でもあり・・・、という訳ではありませんが、そんな事をいつも以上に考えさせられたお参りでありました。

「伝統」という考え方・・・、お盆に限らず、浦佐を含め、お祭りなど各地域の風習にも同じ事が言えるのではないかと思います。過去にあった事実は正直に捉え、飾らない。それを踏まえて常に新しく変化をさせていくこと、それが気がついた時には伝統になっている。動かない水は腐ってしまう。

それが「本物」なのではないかと思います。
「本物」には人がついてきます。

生意気なことを書いてしまいましたが、きっとこれは私個人の夢であるのかも知れません。「本物の伝統」を強く考えさせられた1日でした。

弘法大師空海上人であったら、きっとそう言って下さると思って・・・。

毘の字

2008年06月23日 | 教えられたこと

すっかり梅雨空
雨に濡れた草木が、水を得て一気に伸びようとしている気配が伝わってきます。

毘沙門堂山門正面から左手に祓川が流れ、その向こうに千手院がありますが、毎年この三角地帯に「毘」の字をかたどってお花が植えられています。
お参りに来られる方には必ず目にとまるところですが、これを管理するのも大変だと思います。感謝です。

この祓川・・・、河川改修が進んで深く、キレイになりましたが、私が小さい頃はここに貯水池があり、その際には立派な桜並木があって、とてもキレイだったことを思い出します。貯水池で釣りもしたりしました。

昔は川が浅く、よく水が上がったりしたそうなので、改修も致し方なかったかと思いますが、少し寂しい気もします。

実は昔ながらのお寺の立地条件には、一定の法則みたいなものがありました。今でいう風水もそれにあたります。比較的歴史の新しい寺院など、例外もたくさんありますが、四国や京都、奈良などの古いお寺には必ずといって良いほど、近くに川があります。
それも、北西から南東にかけて流れるのを特に良しとします。私も実際にお寺をお参りして歩いて自分の眼で確かめてきました。

この毘沙門堂もそれにかなっています。
坂上田村麻呂が約1200年前に毘沙門天を祀ったという伝えですが、やはりこの地を選んだ人はそういう知識を持っていたのだと教えられて驚きました。

しかし、だんだんと西洋化が進むと、東洋の立派な教えも軽んじられるようになり、「何故そうなのか?」という事を教えてくれる人がほとんどいなくなっていると思います。

お坊さんの修行でも、それを教えてくれる人は皆無に等しかったです。
そんな中、先代の老僧を始め、3人の方との出会いが私を変えてくれました。その出会いのご縁がなかったら、今でも何とも感じていなかったと思います。

浦佐の毘沙門堂もそんな条件と歴史をもった素晴らしい宝物です。大切にしたいですね。

緑・・・青・・・?

2008年05月04日 | 教えられたこと

昨日に引き続き、今日も真夏の暑さ・・・、小出では31℃を超えたとか。。。
あまりの暑さに、タイトルにちょっと涼しげな画像を貼ってみました。

一体どうなっちゃったんだろう・・・って感じのお天気ですね。
お寺の中は比較的涼しいですが、それでもお経を唱え始めると、汗が噴き出てくるくらいです。

おかげで、花は一気に開くし、浦佐城跡の裏山もアッという間の新緑になりました。その裏山から、となりのおじさんが、アンニンゴを採ってきてくれました。
住職はあまり山菜を食べないのですが、これだけは大好物。早速いただきました。ありがとうございます。

自然の恵み・・・、ホント有難いです。
自然界・・・、ホント正直です。
私たち、春になると「山が青くなってきたね」と言いますが、「緑」でなくて「青」なんですよね。「春」と「青」を繋げると「青春」です。

他にも若さを表す言葉には「青二才」とか「青いね~」と「青」を使います。
ふと老僧から教えられたことを思い出しました。

明日は久しぶりに雨マークが見えますね。花達も悲鳴を上げています。恵みの雨を期待しています。

根性!

2007年05月26日 | 教えられたこと
天気予報のとおり、黄砂がすごかったです。
山々も霞がかかったようになり、視界が悪かったですね。

ところで、普段私たちが使っている言葉には仏教語、または仏教にまつわるものがたくさんあります。

例えば「根性」。

「根」とは能力、生み出す力、「性」は性質。あわせて、人間の生まれつきの性は、善悪の行為を引き出す力があるという意味になる仏教語です。(または機根ともいいます)

普段は「我慢する」というような意味合いで使われていますが、ちょっとニュアンスが違いますね。

根っこがしっかりと張り、性質、自分自身の才能、役目が何なのかを考える・・・、そんな行為のことが根性の本来の意味であると思います。

先代の老僧の言葉、「根っことは、先祖供養、自分の命がどこから来ているのかを考えること、そして幹とは健康のこと。根と幹、根幹がしっかりとしていれば、たとえ木こりが来て足元から切られたとしても、また芽がでてくる。しかし、枝葉にばかり気を取られ、目先のことばかりに力を使っていると、切られたとき芽が出てこない」

「根性」・・・、あらためて考えさせられる仏教語です。

たて糸とよこ糸

2007年05月21日 | 教えられたこと

昨日の寒さはどこへやら、さわやかな1日でした。

庫裡の玄関前のお地蔵さん、某ホームセンターで買い物をしていたとき、ふと目にとまり買ってきたお地蔵さんです。

気軽な気持ちで玄関先においていたら、いつの間にかご詠歌の方達や、お参りいただく方の人気者になってしまいました。

今日も相談事で1日が終わりました。

ところで、「縦と横の世界」・・・、そんな事を考えたことはあるでしょうか?
皆さん、普段字を書くときは横書きですか縦書きですか?

亡くなった老僧が、生前教えてくれたものです。

前にブログで書きましたが、「三教同源」・・・、日本の仏教を考えるとき、仏教、道教、儒教をあわせて考える事が大切だと言われました。そのひとつ、道教の教えの中に「縦線は精神、男性、横線は現実、女性」と区分する法則があります。

「精神性と現実性」、つまり縦線と横線がバランス良く紡がれた時、すばらしい布になると言われています。偏ることが1番良くないとの教えです。

そして、縦線は男性で、精神ですから、男性(男の子)は精神を第一に考える。夢やロマンがある間は男性はそう簡単には崩れない。現実(お金、仕事)は後からで良いと言われています。

女性(女の子)は現実、横線の世界・・・、まず現実(洋服、食べ物など)が伴わないと女性はもろくなる、と言われています。理想だけではダメなのです。

最近のニュースを見ていると、子供達の犯罪がとても目につきます。
子供達は純粋です。このような教えをもとにしてみると、男の子に問題があるときは夢やロマンが欠けているんじゃないかなぁ~?女の子に問題があるときは現実性が欠けていんじゃないかなぁ~?と漠然とですが思ってしまいます。もしかしたら登校拒否問題にも通じるかもしれないです。

昔、日本(東洋)の書物はほとんど縦書きでした。経典も縦書きです。西洋の書物はほとんどが横書きだと思います。つまり日本は精神性を重んじ、西洋は現実性を重視していたと考えてもいいのかもしれないですね。

近年の日本は横書きが主流、それは現実性を重んじている傾向と推測できます。しかし、縦書きも現存しています。日本ほど縦と横のバランスがとれている国はないのではないかと私は思います。

男の子には先ず夢を、女の子には先ず現実を・・・大切な教えです。

今日のブログは本当は縦書きで書きたかった記事ですが、縦書きのブログってあるんですかねぇ~?