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千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

お盆前日

2009年08月12日 | 教えられたこと
いやぁ~、蒸し暑い日でした。
やはりこのくらい暑いと特産の八色スイカも格別です。魚沼の八色原で育てられるスイカは魚沼盆地特有の寒暖の差で、甘さ、みずみずしさは天下一品です。

今日はお盆前日・・・お葬式で遅れていた準備が急ぎで進められ、明朝、もう一踏ん張り必要ですが何とか間に合いそうです。

明日は境内中庭の池で灯籠を浮かべるのですが、平成16年の中越地震以降、池にヒビが入って水漏れが進み、今回は大がかりに修復して明日を迎える予定でした。

しかし、修復のフタをあけてみると、想像以上に水漏れが進んでおり、予定通りに修復が進んでいないのが現状です。明日は灯籠を浮かべるために池に水をはりますが、今後の本堂の建物への影響を考えると、もしかしたら池を壊さなければいけないかもしれません。

ほんのひとしずくでも、水の力は偉大です。
水は上から下に流れるのが自然の法則、それに逆らおうとする行いはいつまでも続くものではありませんね。

人間に例えると「上」とはご先祖や親、先輩などにあたります。
脈々と受け継がれてきたもの、「水」イコール「教え」は必ず下に流れます。その際に大切なのは「謙虚な心」です。自分自身を低く保たなければ水は決して流れて来ません。

これ、老僧から教えられたことです。

あつ~っ。。。

2009年07月25日 | 教えられたこと
今日の浦佐は気温、湿度ともに高く、大変蒸し暑い日でした~。

昨晩、「涼しいだろうなぁ」と期待をよせて新幹線を降りた時も「ムワッ」とする湿度の高さ、そして雨が降ったり止んだり・・・、梅雨明けしていないこともありますが不順な天候が続きますね。

ちょうど季節の移り変わりの時期・・・、なかなかはっきりしない日が続く・・・、よく相談に見える方にもお話するのですが、人生の季節も急には変わらない。

春から夏、秋から冬など季節の移り変わり目には必ず土用というグレーゾーンがあります。人生の中にもそれがあるのが自然・・・、学校でも、人間関係でも、仕事でも、家族の問題でも、物事は徐々に変化していくのが自然ですよね。それが本物だと思います。

難しいことのようにも感じますが、決してそんなことはありません。
そういう意識をほんの少し頭の片隅においておくだけで、普段の生活風景は違ったものに感じられてくると思います。最初は軽く考えるのがコツだと思います。

宝くじに当たって人生が変わった。急な病気や交通事故で人生が変わった。等々のお話もありますが、実際は本人は感じていなくても、その前兆は大概どこかにあるのではないかと私は思います。

じゃぁ、私は今どこに立っているのか???
実際は分かりませんが、今の私は秋の収穫時期、しかも後半のあたりに立っていると思います。ですから、もうすぐ冬の移行期にさしかかってくると感じています。

けれど冬には冬の良さがあります。
寒さに耐えなければいけない場面もあるかと思いますが、それも勉強。スキーも冬にしかできませんものね。どの季節も必要なもの、どれが良いとか悪いとかの概念ではありません。あくまでも自分の心次第といったところでしょうか・・・。

これ、老僧から教わったひとつのお話です。

人は死んだらどうなるのか???

2009年07月06日 | 教えられたこと
今日は御詠歌のお稽古日でした。
とても蒸し暑く、終わるころには汗びっしょり・・・、魚沼盆地は他地域より湿度の多いところですが、それがまた美味しいお米や野菜を育てます。

さて、話は変わり・・・

「人は死んだらどうなるかを、仏教はどのように説いているのか?」先日の自殺予防会議であるお医者さんに問われました。

お釈迦様は出家したお弟子さんのひとりから死後の世界のことを聞かれた際、「今、あなたは毒矢が刺さっているのに、それを抜かずに毒の成分のことを聞いています。先ずその矢を抜かなければ死んでしまうのに。」と返答しました。

つまり、結論は「考えてはいけない」ということだと思います。

しかし、お釈迦様はある在家(出家していない一般の方)から、死後どうなるかを聞かれた際には別の答え方をしました。「人は死ぬと7日ごとに、生前の行いについて裁きを受けます。そして7週目の49日を迎えると審判が下り、六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天界)のいずれかに生まれ変わります。」と説きました。

インドでは仏教の誕生前にはヒンズー教が地盤にありました。そこでは輪廻転生が説かれ、少なからず仏教もその影響を受けて誕生しました。仏教が輪廻転生を説くのは上記のことが元になっています。

今日の日本仏教では、33回忌まで年忌法要を営みますが(50回忌、100回忌などもある地域もあります)、これは中国からの儒教や、日本古来の神道との融合の結果です。

ですから、お釈迦様の教えは「人の死後の世界は考えてはいけない」もしくは「とらわれてはいけない」ということだと思います。

しかし、人間そうはいきません。
愛する人を失った悲しみは想像を絶します。相手の気持ちを考えたときに「輪廻転生」の教えがあるのも納得できます。それが「苦」を除くことになるからです。

出家したものには「とらわれるな」、在家には「大丈夫、いつか生まれ変わりまたどこかで出会える」と説いたわけですよね。矛盾しているようですが、私には納得できます。

また輪廻転生を説かなければ、生前何をしても良いという世界ができてしまいます。悪いことをすれば悪い世界に落ちてしまう。良いことをすれば良い世界に生まれ変わることができる。この教えはとても大切なことだと思います。

ちょっと長くなってしまいました。
先日の質問にじっくりと答えることができなかったので、つい真面目に書いてしまいました。

仏教では以上のように「死」や「死後」の世界を説いています。少しでも参考になれば幸いです。

連想ゲーム

2009年07月02日 | 教えられたこと
昨日の話ですが、長岡で研修会がありました。

講師には東京から名取芳彦先生をお迎えして、『明日の布教じゃ間に合わない』と題してお話していただきました。お寺のHPがありますので是非ご覧になってください。本も出版されていますよ~。

私が御詠歌を習った先生ですが、お坊さん活動をとても積極的に、楽しく行っている魅力あるお方です。

その研修会で最初にワークショップとして連想ゲームがありました。
7,8人で「梅雨」について連想する言葉をピックアップして10周してくださいというもの・・・自身が連想するものなので、他人には分からなくても自身の中で「梅雨といったら○○」と言えればいいとのこと。

簡単そうでいて、結構でてこない。
そして頭が硬くなっていることを自覚するにとても良い時間でした。そして「梅雨といったらアジサイ」ってな言葉はあまり面白くないね~とのご意見・・・たしかにそうだ。。。

決してアジサイが悪いということではありませんが、そこにプラス遊び心がつくことがお坊さんとして必要なわけですね。

そんな「気づき」をスタートに与えてくれた研修会はあっと言う間に終了!その後の懇親会はさらにヒートアップしたのは言うまでもありません。
少しオーバーヒートしてしまい、今日はスタートが遅れてしまいました。

暖かな日差し。。。

2009年03月21日 | 教えられたこと
お彼岸中ですが、ご法事がありました。
四十九日、百ヶ日の法要の後、お墓に納骨でした。

暖かな日差しが故人の人柄を物語り、家族、親類縁者に惜しまれての旅立ち・・・。亡くなられたお婆さん、高齢ではあるものの突然に倒れてしまい、皆さん複雑なお気持ちであったようです。

私は「魂」を信じています。
そして老僧からも教えられたこと・・・「魂には時間はない」最初はピンとこない言葉でしたが、この職業についていると、じわじわと身にしみて感じてくるようになりました。

「身体があるから時間を感じる」だんだんと老いていくからこそ、時間を感じることができ、ふと目をつむると、魂は過去にも未来にも、縦横無尽に走っていくことができる。楽しかった思い出も、未来の姿も想像でき、そこには「時間」という概念は存在しない。ん~、なんか難しくなっちゃいましたね。

たとえこの世で別れても、あなたが故人を思い出した瞬間、その人の魂はそこにあるのだと思います。お墓にいると思った時にはそこにいるし、海外でも、旅館でも、「思ったとき」にはそこにいる・・・時間はないのですから。

けど、お墓の存在も大切だと思います。人はやはり弱い生き物ですから、その人が生きたシンボル的存在はあった方が良いと思います。子供の頃は何か怖かったり、不気味な存在でしたが、今ではあった方が心が豊かになっていくと確信しています。

素敵な贈り物。。。

2009年02月02日 | 教えられたこと
毎年、星祭り祈祷をされる湯沢町の方から奉納いただきました。

趣味のひとつとして活動されていると、前に来寺いただいた時にお話しを聞き、私が「見てみたい」と言ったのを覚えていて下さって、わざわざ届けに来てくださいました。

「生かされて 生きる命を大切に」とは、千手院でお年始の際に配布しているマッチに書かれている標語です。上には天女が舞って「ひとつ咲く」と打ってあります。素朴さと情のこもった姿に感動ものです。

趣味を持つことの大切さ・・・、亡くなった老僧からよく言われた言葉です。
「明るく、大らかな心を育てたいと思うなら、趣味を持ちなさい。趣味を通じて表現力が高まり、中立的な偏らない視野が広がるよ。」

最近のワタクシ、趣味の時間が減っています。もしかしたら視点が偏ってきているかも・・・。

変わり目・・・

2008年12月14日 | 教えられたこと


今日も冷たい雨模様、山の中腹までは真っ白になっています。
秋から冬へ、季節の変わり目もあるのでしょうか、ここ何日か千手院ではお葬式が続いています。

私も浦佐へ帰ってきてから今年で13年となりました。以来、当然ながらお葬式にも出仕してきました。確かに季節の変わり目には旅立たれる方が多いのも実感としてあります。

また、同時に人が亡くなる時というのは、「家」の流れの変わり目だとも感じています。どんな亡くなり方をしようとも、家族が一人欠ける時というのは、家族全体の流れが変わり始めているのだと思います。

変わり目の法則は「安定しない」ということです。
春から急に夏にはならないように、不安定な時期に入ります。しかし、それも必要な季節・・・、何事も急には変わらない、徐々に、時間をかけて次の季節に入っていくが「自然」だと教えられました。

人間も自然界の中の一部です。
今日、お葬式をだされたお宅も、徐々に徐々に時間をかけて次の季節へ向かって欲しいと切に願います。必ず次の季節は来るのですから!!!

一休さんのアニメにあったように、「慌てない、慌てなーい、一休み、一休み。。。」といったところでしょうか。


教育の時代・・・

2008年11月24日 | 教えられたこと
今日も1日相談事・・・、気がつくと外は真っ暗・・・、この季節は辛いですね~。

という訳で、1週間くらい前にとった快晴の越後三山をUPしました。

話しは変わりまして、1,2日前にテレビをつけると、たけしさんと宮崎県知事、大阪府知事の橋本さん、東京都の石原さんが教育に関して論じていました。思わず見入ってしまいました。

教育の問題・・・、ここ数年すごく叫ばれているように思います。
子どもだけでなく、モンスターペアレンツなどという言葉まで出てくるように、今は学校現場だけでなく、家庭でもいろいろな問題があるのでしょうね。

実は先代の老僧から、時代の流れには一定のリズムと法則のようなものがあると教えられました。それによると今の時代は「教育」の時代になるのだそうです。
その流れは、4,5年前から始まって、あと4,5年は続くというのが教えです。

私自身、なるほど~と思ってここ数年過ごしています。

このような時代には教育産業が伸びるといわれ、子どもの教育だけでなく、大人の世界も「何かを習う、学ぶ」ことに関して一生懸命になるとされています。
また、団塊の世代もお孫さん達のためにいろんな協力をしてくれます。

大人の世界でコーヒーの入れ方を教えてくれる学校や講座も大人気らしいですしね。他にも似たような講座はたくさんあると思います。

ですから、そういう視点でテレビを見ていると、ここ数年は学校の問題とか、子どもの犯罪とか、教育基本法の見直しなど・・・、「うんうん」とうなずけるような報道が多いと思います。10年前でしたら、テレビで知事やたけしさんような方が教育に関して討論するような番組は、まずなかったと思います。

ということは・・・、今の時代にはとにかく「学ぶ」ことが必要だともとれます。
今はとにかく学ぶ、体験する、そういう積み重ねが次の時代の流れに必要な要素になるということだと思います。

おっと、かなり真面目な話しになってしまいました。
書くことがなかったもので、ついつい・・・。

明日は東京予定です。

古き良きもの

2008年11月22日 | 教えられたこと
やはり雪が降ると寒いですね~。
朝の本堂は格別です。

今日は1日、相談事で終わりました。
お見えになった方のお一人は、古民家が好きで、セカンドハウスに購入しようと思っているとのことでした。

古民家・・・、最近ブームですね。私も結構好きです。
今の高気密、高断熱といった住宅もいいですが、古民家のように、今の国内ではほとんど手に入らないような素晴らしい柱や梁を使って、丁寧に作られた昔の家、年輪に加えて、長い歴史を積んだ家はちゃんと「呼吸」している気がします。

お寺に残っている古い掛け軸や仏具類もそうです。
何百年前に作られたものは、「いい仕事してますねぇ~」と言いたくなるものばかりです。

現在、お寺用に売られている物と比べても全然違います。
もちろん、素晴らしい職人さんは全国にたくさんいらっしゃると思いますが、本当に昔の方の仕事はいいものですね。

古文書もそうです。
昔のものはいい紙を使って、墨書で書いているからしっかりと残っていると思います。今の市販の紙では何百年とは残らないでしょう。

高度に科学が発達していると言われますが、実は昔の一番シンプルなものにはかなわないのかも知れませんね。筆と紙といったもののように。

お参りに来た方とお話をしていて、ふとそんな展開のお話になりました。
楽しかった1日でした~。

幸せな人生とは

2008年10月27日 | 教えられたこと
1週間ほど前に、ある方がお参りにみえました。

何年か前に初めてお会いし、それ以来よくお参りにきてくださっています。
80代のお婆さんでひとり暮らし。娘さんを2年前に亡くしました。娘さんは独身で家族を守り、最後は壮絶な闘病生活・・・、闘病中も愚痴ひとつこぼさず、そして自分より早く逝ってしまったことを自身の責任だと思い、自身を責めていたのが、最近やっと心の整理がついてきたようです。

ご自宅へ伺わせていただいたことがあります。

彼女が集めた仏像類、写経などの処分の仕方を相談しに行ったのですが、そこで見た文集に大変感動を受けました。
「悟った方だな」というのが第一印象でした。

今回、その文集の中からお婆さんが好きなひとつを写して持ってきてくれました。
許可を得て、UPさせていただきます。

「 額出たりと雖も 出すぎず
   頬高しと雖も 高ぶらず

  鼻低しと雖も 心至って高し
  はきだめにえんど豆の花咲き
   泥地に蓮の花が育つ

  人みなに美しき種子あり
   明日は何が咲くか。

  旅人は一筋の道を歩くなり
  他の道が美しくもあり 立派であるが
  彼は自分に許された一筋の道を歩くなり

  その道を行けば 何処に行くか 彼は知らぬなり
  されど歩くなり その道にのみ 彼に許された道なり

  淋しくとも歩くなり コツコツと歩くなり
  つまらぬ道と他人は言えども
  彼はその道を愛して コツコツと進むなり

  平凡な道なれども その味わいは限りなしと思うなり
  彼は感謝しつつ その道を歩くなり

  人間は自分に出来る事をすればいいので
  人間は自分に出来ない事はしないでいいのだ 」

思いを文字にできることはスゴイことだと思います。
生涯を独身で貫き通し、その中で考え、戦い、悟った境地・・・、説得力があります。

そして、やはり最後は「心」にポイントがあると思います。

私は彼女とお会いしたことはありませんが、彼女が母親であるお婆さんを千手院に導いてくれたのだと信じています。肉体はこの世にはありませんが、彼女の言葉に触れるたびにすぐそこにいらっしゃると感じます。

このような方が世の中いるのだとお伝えしたく、書きました。。。