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千手院のBlog

タイトルそのまま・・・お寺の紹介・生活日記!冬期は墓地の積雪状況もアップしています。

老僧の命日

2007年03月08日 | 教えられたこと
今日は先代、賢能和尚の祥月命日でした。

平成10年の今日、本当に眠るが如く旅立ちました。行年83歳。

3月7日、朝の勤行に姿を現さないので寝室に行ってみると、少し様子がおかしい・・・、医者を呼ぶと今日か明日までもつかどうか?と言われ、急いで身内に連絡をしました。意識も戻らずに夜になり、「もうダメか」と思った瞬間、パチッと眼を開いて皆を驚かせました。

子供達の「向こうの岸で女の人達が待っていんかったか?」との冗談まじりの問いに、笑って「バカ言うな!」と。

頭も回り、皆の顔を見て、一言会話を交わしたあと、「水が飲みたい」といって一杯の水を飲みました。

「末期の水」とは、まさしくこのことだと思いました。

水を飲んだ後、再び意識がなくなり、そのまま眼を開けることなく8日に亡くなりました。

6日の日まで普段と変わりなく心配事相談を行い、たったの2日で、あれよあれよという間に旅立ってしまいました。

こんなふうに亡くなれるのか・・・、最後の最後まで身をもって教えてくれました。感動のあまり、あふれる涙を止めることができませんでした。どちからというと現場主義だった老僧の最後は今でも脳裏に焼きつき、「自分もこうありたい」と思いました。

その人生をひたすらに「毘沙門様」と「千手院」に捧げ、迷い、苦しみ、困った人達と60年以上に渡って相対してきた姿勢は、本当に尊敬に値するものでした。

その姿を今一度思い出し、今日も相談事を受けている1日でした。感謝!

運命の世界

2007年02月10日 | 教えられたこと
皆さんは「運命」という言葉をどのように考えますか?

それは決められたもの?変えられるの?・・・いろんなご意見があるかと思います。

私が尊敬するある先生に質問したことがあります。

「運命とはどういうものですか?」

「運命には2種類あってなぁ~、ひとつは宿命、もうひとつが運命。宿命は字の如く宿った命、使命、例えばおまえさんが日本という国の、新潟県に、お寺の、長男として、この日に、授けられた命は誰も選べない。これを宿命という。

一方で運命の「運」とは「軍」に「しんにょう」で字ができているだろう。これは軍隊が動いている様子を表していてな、常に動いているものなんだよ。だから宿命は変えることができないが、運命は変えることができるし、変えていかなければいけないものだよ。このふたつを総称して運命と捉えなさい」

・・・・・との教えでした。
私が20才前後のことでしたが、妙に納得してしまった事を覚えています。

また、こんな事も続けて話してくれました。

「だから、運命を語るときにはまず宿命を知らなければいけない。それをキチンと知るところから勉強を始めなさい。

例えばボタンの若木があったとき、それをつつじの若木だと思って育てると、芽のつきも悪く、下手をしたら花が咲かなくなる。運命の世界も一緒だよ。あとは自分で考えなさい。答えは自然界の中にあるよ。そして、決して運命だけにとらわれないように。気をつけないと振り回されるようになるからな。」

もっと教えて下さーい!と思いましたが、その先生はそれからも時間をかけて丁寧に教えて下さいました。有り難い限りです。

この教えは宗派で教えられているものではなく、あくまで個人的な師弟の関係の中でのお話ですのでご了解下さい。

「運命の世界」もそうですが、いろんなジャンルの世界を聞いたり、学んだりする事はとても楽しいことですね。