政略結婚 作:高殿円
タイトルの印象とは異なる内容だった
江戸末期から昭和の頃までを描いた小説なのだけども、
大名家のお姫様、華族、その末裔といった感じで
緩やかにつながりがあるものの、それぞれの縁が淡く重なる感じで、
それぞれの女性の生き方、成長が見所の
よい物語を堪能できたのであります
三つの物語、三人の女性が描かれているんだが、
それぞれ面白いし、当時の女性の在り方というものが解りやすく
その女性だからこその理不尽みたいな安易なテーマではなく、
一人の人間の一生、むしろ生まれというものに対してどう責任を持つのかという
精神的な成長が描かれているのがすごくよかった
加賀前田家の傍系にあたり、九谷焼の復興に尽力した話を振り出しに、
大正時代にその子孫が小松に帰って、ものすごく歓待されたという話が
感動的すぎて、お姫様、領主というものの存在がどういうものか
このあたりの描写が本当に素晴らしかった
三つ目の昭和の話は、没落華族の末といった感じで、
この編だけではっきりと一本の映画みたいな良さがあって、
ドラマチックな内容が、他の2本と印象を別にしていて面白い
ここだけ切り取って映画にしたらすごく面白そうと思うほどでありました
没落華族の娘が舞台にあがって歌うという話なんだが、
前2編から続く華族の血筋がどうなったか、その没落ぶりでもないが
往時との落差というのが、読み手としてはくっきりとわかって、
だからこそでもないが、その流れの末でありながらも、
そこに意味がないとすら思える、血筋という文脈ではなく自分自身という強さをもって、
一人の人間としての女性が描かれていて感動的なのでありました
凄いよかったわ
九谷焼復興の話がさりげない形で彩りの一つとなっているけども、
その役割というものがどういうものだったか、
地域振興について考えるところもあって、勉強になるよい小説でありました
タイトルの印象とは異なる内容だった
江戸末期から昭和の頃までを描いた小説なのだけども、
大名家のお姫様、華族、その末裔といった感じで
緩やかにつながりがあるものの、それぞれの縁が淡く重なる感じで、
それぞれの女性の生き方、成長が見所の
よい物語を堪能できたのであります
三つの物語、三人の女性が描かれているんだが、
それぞれ面白いし、当時の女性の在り方というものが解りやすく
その女性だからこその理不尽みたいな安易なテーマではなく、
一人の人間の一生、むしろ生まれというものに対してどう責任を持つのかという
精神的な成長が描かれているのがすごくよかった
加賀前田家の傍系にあたり、九谷焼の復興に尽力した話を振り出しに、
大正時代にその子孫が小松に帰って、ものすごく歓待されたという話が
感動的すぎて、お姫様、領主というものの存在がどういうものか
このあたりの描写が本当に素晴らしかった
三つ目の昭和の話は、没落華族の末といった感じで、
この編だけではっきりと一本の映画みたいな良さがあって、
ドラマチックな内容が、他の2本と印象を別にしていて面白い
ここだけ切り取って映画にしたらすごく面白そうと思うほどでありました
没落華族の娘が舞台にあがって歌うという話なんだが、
前2編から続く華族の血筋がどうなったか、その没落ぶりでもないが
往時との落差というのが、読み手としてはくっきりとわかって、
だからこそでもないが、その流れの末でありながらも、
そこに意味がないとすら思える、血筋という文脈ではなく自分自身という強さをもって、
一人の人間としての女性が描かれていて感動的なのでありました
凄いよかったわ
九谷焼復興の話がさりげない形で彩りの一つとなっているけども、
その役割というものがどういうものだったか、
地域振興について考えるところもあって、勉強になるよい小説でありました
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