CLASS3103 三十三組

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【読書】新選組列伝

2019-05-08 21:08:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
新選組列伝  作:早乙女 貢

新選組の幾人かの隊士について、
そのエピソードを短編小説で見せるものでした
メジャーな隊員が主役のもので、
エピソードとしては、聞いたことがあるというものながら、
作者が大正生まれということを考えると
成立が、最近とはいえ、かなり調べられて
現在知られている話の元ネタになってんじゃないかと
思ったりしながら読んだのであります

土方の描き方が、かなり冷徹なそれになっていて
昔ながらのというか、以前の悪役新選組といったところの
オニ副長といった描かれ方で、こういうのも面白いと
楽しんで読めたのでありました
だいたいどの隊士についても、池田屋の話が主でして
そこでの奮戦や、そこに挑むことで何を得たか
また、どう名を挙げたかが書かれていて楽しい
個人的には、谷三十郎が取り上げられているところに驚いて、
万太郎との違いなんかが、なるほどと解説を読んでわかるようで
新鮮でありました

また、原田を美男子として書いた作品でもありまして、
なんとなく、太っているというイメージがついている原田について、
その美男子ぶりが、京都でも評判であったというのが
好きな解釈だなと感じたりもしたのであります

割と、痴情のもつれではないが、
女との関わりも出てくる内容で、このあたりも面白く
人間臭い感じが素敵だわと、武士になりたかったが、
いかにも、幕末のそれこれといった
ロマンがあふれている作品だったように感じたのでした

芹沢鴨と新見錦のなれそめなんかは
あんまりよく知らなかったが、今改めて解説されれば、
なるほど、同じ常陸の人間で、そういう集まりで首魁であったというのは
想像しやすいなと、ごろつきの集まりである
初期新選組の姿が見えたようでもあって
想像力を刺激されたのでありました
奇をてらわない、面白い短編小説集として楽しんだ
山崎や、河合なんかがクローズアップされているのも
好きなところであります


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