CLASS3103 三十三組

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【読書】ホテル・ピーベリー

2018-04-07 21:01:27 | 読書感想文とか読み物レビウー
ホテル・ピーベリー  作:近藤 史恵

驚きの一冊でありました
なんとなく、主人公が隠し事をしていて、
それが徐々に明らかになっていく、そういう物語だと思ってたら、
あらあら、突然に死人が出てくるというお話で、
なかなか衝撃的だったのであります
序盤から、まったくそんな雰囲気を感じていなかったのに
終わってみれば、そういう舞台が整っていたというか
そういう小説に決まっているじゃないかと
そんな風にも思えた、非常に面白い推理小説でありました

推理部分が、本当に最後のほうに唐突に出てくるというか、
あれ?そういう話だったの、しまった、序盤なんか
完全に読み飛ばしている、
と思ってしまって、まったく解らないうちに
謎が発生して、さらに解決してといったところに
なかなか、振り回されてしまったのであります

読み終わってみると、すっきりしないというか、
誰も彼もが、何かしらを抱えていて
なんともしょんぼりしてしまう感じなんだけども
なんだろう、物語にミスリードされた、そういう
よくわからん言葉を吐いてしまうのであります
本当に着眼しないといけない部分じゃなくて、
恋路でもないが、主人公の過去だったり、主人公の行き方だったり、
どうも共鳴しにくい主人公の行動だったりなんか
そういうのにばっかり気をとられてしまって、
漫然と事件の中を歩いていたというような
不思議な体験をしたのでありました

主人公に感情移入していないはずだったのに、
気付いたら、主人公と同じくらい
何も見ていなかったという体験を読書でしてしまい
私のような、自分しか見えない人間には
非常に面白い小説だったと思えたのであります
レトリックといったらいいのかわからんが、
本当にもう、横合いから突然殴られたくらい
驚いたのであります
全然、そういう小説だと思えずに終盤まで過ごしていたわね

ともかく楽しんで読み終えたのでよしよしというところ
近藤史恵さんは、様々なジャンルを書くけども
これもまた、面白かったなと感心しきりなのであります


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