
前期末のスタジオライブ試験が始まりました。
このMP9000は僕の私物で「よかったら」ということで学生に使ってもらうために大学に置いている二台のうち一台です。
カワイのMP9000を弾いた学生と、ヤマハのCP88を弾いた学生がいるのですが、
好みもあると思いますが(慣れもあるとおもいますし(笑))まあ、僕の耳には圧倒的にMPの方が、ちゃんとしたピアノ音に感じるのですよね
。
でも、不思議なもので、カワイのデジタルピアノでも、このMP9000、MP9500以降のモデルに関しては、
かれこれ、後発機種が出て、もう20年とか、そのくらい経つのではと思うのですが、……この音はしないのですよ。
ヤマハもカワイもピアノメーカーですから、できれば、いずれは、でも、生ピアノを購入して欲しいわけですよね。
でも、その入門であったり、ある意味は宣伝として、あるいはそれぞれのメーカーのファンの為にも、これらのデジタルピアノが位置付けられていると思いますし、
確かに、それぞれのブランドの音には近いのですが、といって、やはり生ピアノとは圧倒的に違うのです。
でも、このMP9000は、僕にはとても音楽的なピアノに思えるのですよね。
勿論、弾き方もありますよ。
タッチでも全然違いますもの。
今日、他の先生と話をしていて、「ヤマハのCP88は、(弾き手にとって)親切なピアノではないかもね」、という話も出ました。
僕にとっては、楽器は、自分の力を増幅させてくれるものであってほしい。
あるいは、思ったよりも、時には実力以上に、というのも変ですが、自分を上手に聞かせてくれる楽器が、自分にとって、いい楽器なのです。
裏を返せば、あまり自分にとって良くない楽器は、自分の実力を下げてしまう可能性だってあるのです
。
まあ、本物の達人は、何で弾いても、なんならカシオトーンのミニ鍵盤でも、上手いといいますか、説得力があるなんて、そういうことはあるわけですが(笑)。
でも、そんな達人が、素晴らしい楽器で弾いた日には、ですから。
楽器と僕たち弾き手の関係は、奥が深いです。
そして何より、その楽器に対する「愛情」と「信頼」が一番の接着剤であるんだろうなあ、と思います。
明日の試験二日目でも、両方のピアノが聴けます。
気持ちなのか、技術なのか、愛情なのか、その全てなのか。
楽しみです
。
ではー。