風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第7週目

2011-10-30 22:31:45 | トピックス


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第7週目は、

  福島県 福島東稜高校
  静岡県 富士東高校
  茨城県 太田第二高校/太田第二高校・里見分校
  東京都 宝仙学園中学校・高校

での公演が行われました。




第7週目の最初の公演となったのは、福島東稜高校。こちらは、例年芸術鑑賞をすぐ近くの会館で行っていましたが、震災の影響もあり今回は学校の体育館で公演が行われました。公演前日には、生徒会の皆さんが劇団員と一緒に一生懸命搬入をしてくれました。
生徒さん達が舞台の生の息遣いを感じるように、私たちも舞台の上で見ている生徒さんの呼吸や、強く注がれる視線や、息遣いを強く感じられる公演でした。舞台という場を通して空間と時間を共有すること、その中でみなさんはどんなことを感じてくれたでしょうか。
終演後には、演劇部の皆さんとの座談会、そしてソフトボール部、バスケット部、ラグビー部の生徒さんが撤去を手伝ってくれました。座談会では、「あんなに怒っていたお父さんが、最後にヘレンをかばうのが印象的だった」と家族の変化に目を向けたり、「アニーとの出会いを通してヘレン自身も成長していることを感じた」「ヘレンの伝えられないもどかしさが自分に似ていた」など一人一人が率直な感想を聞かせてくれました。


↑福島東稜高校で行われた座談会の様子より

富士東高校の公演は、900人というたくさんの生徒さん、先生方に見つめられるなかでの公演でした。最後までとても集中して見てくれている姿が印象的でした。「つい涙腺が緩んでしまいました」という感想を終演後先生が話してくれましたが、この公演のためにたくさんの先生方が準備して下さる姿を拝見しました。公演を通して先生方の想いが、子どもたちの心に響いてくれたら何より嬉しいです。公演後には新聞部のインタビューと、演劇部との座談会が行われました。「人と人とが関わるには、なんとなくうまくいる、うまくやるのではなくて、疑問をぶつけたり、言いづらいことも言ってみること、刺激し合うことが大事」。みなさんのように一つのものを一緒につくることにしっかりとした意識があれば、刺激や反発も通して、より深くつながっていけると感じました。頑張ってください!応援しています。



↑太田第二高校/太田第二高校・里見分校の公演で、終演後撤去を手伝ってくれる生徒さん達

太田第二高校/太田第二高校・里見分校の公演では、終演後「私の今後の力になった」という言葉をいただきました。まだまだ地震も多い茨城で、ご担当の先生は公演が終了するまで不安はあったようですが、「公演してよかった。大丈夫だと思っていました、予感が当たりました!」と話していました。私たちも、先生が喜んで下さる姿を見てほっとしました。この後も、先生と生徒さん、生徒さん同士で公演についての話が生まれてくれたら嬉しいです。ポンプから水が出るとわっと反応してくれたり、楽しんで舞台に接してくれている様子が感じられ、私たちにとっても楽しい時間でした。


↑ヘレンの母・ケート役の保角と話をする演劇部の生徒さん


↑撤去の時も演劇部の皆さんは元気いっぱいでしたね。みなさんありがとう!


↑太田第二高校演劇部の皆さん、先生方とツアーメンバー


今週最後は宝仙学園中学校・高校の公演。宝仙学園中学校・高校は私たちの拠点レパートリーシアターKAZEの近くにある学校で、以前、風の西垣耕造が英語劇の皆さんとワークショップを行っています。とても静かな観劇でしたが、舞台の後半になるにつれ舞台と客席がぐいっと引き寄せ合うような印象を受けました。みなさんが見ようとしてくれる視線が、私たちにも新しい発見をつくってくれます。「いま、ここで」向き合うことの大切さを改めて実感しました。終演後、ご担当の先生が「良い作品を紹介していただいた。教師の私たちにもグッとくるものがありました」と話してくれました。たくさんの生徒さん先生方が、お互いに悩みや喜びを感じながら向き合っている学校という場で、この公演が自分を見つめなおしたり、日常を振り返ったり、支えてくれる人を発見したりできる機会となることを願っています。
終演後の座談会には、演劇部、生徒会、有志の皆さんが集まってくれました。拠点の東中野でまた会えるかもしれませんね!
近くを通ったらぜひ声をかけてください!


↑宝仙学園中学校・高校、座談会に集まってくれた生徒さん達とアニー・サリバン役の渋谷愛

西日本、そして東日本とたくさんの出会いを重ねてきた『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の旅、来週は再び福島県からの公演です!

2011『ハムレット』九州ツアー  五週目

2011-10-30 17:59:48 | 全国巡回公演

10月24日 弘学館中学校・高校(佐賀県)

    25日 嘉穂東高校(福岡県)

    26日 福岡大学附属若葉高校(福岡県)

    27日 長崎女子高校(長崎県)

    28日 小国高校・小国中学校・南小国中学校(熊本県)

長い『ハムレット』の九州ツアーも初日から早くも一か月が経ちました。毎日沢山の出会いがあるからか、月日の流れを本当に早く感じます。

五週目は佐賀市にある弘学館中学校・高校からのスタートとなりました。朝にトラックが学校内に入ってきたところから彼らの期待が高まっていったような気がします。

観劇後は体育館では2-A組・バスケ部・バレー部の皆さん方がいきいきと片付けを手伝ってくれ、かたや会議室では生徒会・新聞部の皆さんとの座談会が行われました。芝居についてだけでなく、普段の生活についても彼らからの鋭い質問が飛んでいました。

トップは座談会に参加してくれた高校生徒会と新聞部の皆さんとの一枚。

 

嘉穂東高校の公演では開演前に校長先生からの「古典ではなく今のハムレットを感じてほしい」というお話から始まりました。その言葉どうり生徒の皆さんのなかに現在とつながる『ハムレット』の面白さ、そして情熱が伝わっていくような公演でした。

↑図書委員の代表の生徒さんに記念の色紙を渡している様子。

 

若葉高校は近年校名が変わった学校ですが、前身の九州女子高校時代から数えると今回で風の上演は8回目にも上る学校ですが、公演後も大いに盛り上がりました。座談会には約40人もの希望者が参加して頂き、ハムレット役の佐野とガートルード役の柴崎の話に熱心に耳を傾けてくれました。

 

↑座談会に参加してくれた皆さんありがとう。またお会いしましょう!

 

長崎女子高校での公演は「ながさき私学魅力アップ事業」の一環として行われ、会場となった長崎市公会堂には父兄のみならず近隣にお住まいの方も足を運んでくれました。カーテンコールの際には鳴りやむことのない拍手を頂き、学校行事のなかで演劇を見るという体験の魅力が会場全体に伝わっていったようでした。

 

五週目の締めくくりは熊本県の小国町にて、小国高校・小国中学校・南小国中学校の三校合同の芸術鑑賞行事でした。このブログにも公演前からコメントを頂いていましたが、この町に住む中高生の皆さん達が小国高校の体育館に一堂に会し、風の『ハムレット』に触れるのを楽しみにしていただいていました。

公演後は高校生の皆さんと交流しながら一緒に後片付けを行いました。↓下の写真は手伝ってくれた生徒さんの様子。沢山の荷物の量にみんな驚いていました。

 

↑最後の記念撮影。この中には翌日に偶然大津のスーパーで再会し、あらためて「昨日は面白かったです」といってくれた生徒さんもいます。

さて来週は11月に入っていきます。どんな出会いが待っているのか、とても楽しみです。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第6週目

2011-10-29 18:39:18 | 全国巡回公演

10月15・17日 東京都 荒川区一般公演/荒川区汐入東小学校

10月18日    秋田県 能代西高校

10月21日    福島県 福島工業高校

2日間に渡って行われた汐入東小学校での公演は、荒川区の地域のみなさん、そして同小学校の3~6年生が観劇してくれました。一般公演では小さな子どもたち、中学生、大人のみなさん、先生方、いろんな世代の混ざった客席となり、それぞれの目線で舞台を楽しんでくれました。また、3~6年生のみなさんは本当に真っ直ぐな心と熱い視線で、2時間を超える舞台を私たちと共につくってくれました。ヘレン班にとって小学生のみなさんと出会うのはこの公演が初めて。とても貴重で嬉しい経験となりました。両日とも終演後には舞台裏見学が行われました。子どもたちは勿論、お父さん、お母さん、先生方が一諸になって、驚き、楽しみながら舞台装置、音響、照明の仕組みを見ていました。それは、さっきまで見ていた芝居をじっくり振り返ることの出来る時間になったのではないでしょうか。さらに役者たちがみなさんを見送る際、それぞれに伝えてくれた言葉を聞き、みなさんの中に芝居を通して多くの事が刻まれたことを確信できました。舞台設営のために朝早くから重たい荷物を運んでくれた、父親の会のみなさん、PTAのお母様方、そして荒川区地域振興公社のみなさん本当にお世話になりました、ありがとうございました。

荒川区での公演後、バスは能代西高校のみなさんに出会うため、北を目指して走ります。18日、能代文化会館の客席には静かに、しかし目の前で起こることを見逃さずにいる生徒さんたちの姿がありました。風は3年前に「Touch~孤独から愛へ」を能代西高校で上演しました。また、みなさんに会える日が来ることを願っています。そして終演後には演劇部の生徒さんたちが興味津々に解体される舞台上を歩き、役者やスタッフとの交流が生まれました。

福島工業高校の生徒さんは、開演前から元気いっぱい、体育館に彼らの声が響き渡っていました。それが一転、芝居が始まるとこちらがびっくりするくらい真剣な眼差しが向けられました。演劇を観るということに構えることなく、時に自由に笑い、反応し、かと思えばピンと張りつめる瞬間があったりと、客席が舞台をつくり出す空間がそこにはありました。

終演後、先生、そして生徒さんが私たちに会いたいと、楽屋を訪ねてくれました。その表情はとても活き活きとしていました。またサッカー、バレー、バスケ部の皆さんが準備や片づけを手伝ってくれました。そこかしこで生まれる会話、いつかまた今日のこと思い出してくれたら嬉しいです。

10月も半ば、寒さに負けず「ヘレン・ケラー」の旅班は次に出会うみなさんのもとへ走ります。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第5週目

2011-10-29 11:12:00 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーも第5週目を迎えました。 

今週からは東日本地域を巡演します。 

 10 9日 岩手県 岩手県社会福祉協議会主催 観劇会 

1011日 岩手県 一関工業高校 

1012日 宮城県 古川黎明中学・高校 

1013日 千葉県 千葉英和高校 

1014日 新潟県 高田商業高校 

 

東日本のツアーのスタートは岩手県から。9日から12日の公演まで、演出の浅野が旅班と合流。芝居の様子や震災の影響や東北地方の現在を劇団員と話し合いました。 

岩手県社会福祉協議会主催の観劇会では、岩手県内の児童養護施設や障害者施設、特別支援学校や高齢者施設など、様々な団体を招待し開催されました。 あまり観劇の機会が少ない皆さんにとって、我々の『ヘレン・ケラー』はどのようにうつったのでしょうか。終演後のロビーでは、俳優達が観客の皆さんをお見送り。一人一人の顔を見ながら、その日の『出会い』をお互いに感じ取ることが出来たと思います。協議会も今回の公演が初めての試みだったそうですが、これからも多くの『出会い』を作っていただきたいと思います。

一関工業高校での公演は撤去作業に沢山の生徒さんが手伝ってくれました。体育館を使う部活動の皆さんも後から合流。舞台装置の大きな台や家具もスイスイとトラックに収められていきます。

↑ヘレン役の白根と共にロープ巻き。

 

↑記念に作った色紙をプレゼント。

 


↑全員で記念写真!

 

古川黎明中学・高校の公演は大崎市民会館を使っての公演。中学1年生から高校3年生まで約1000人の生徒がホール目一杯に集まっての観劇。芝居が始まると同時に静かに、ゆっくりと舞台に集中していくのが印象的でした。カーテンコールでは溢れんばかりの拍手をいただきました。公演後には演劇部や舞台に興味を持ってくれた生徒の皆さんが舞台前に集合。俳優やスタッフと演技や舞台装置についてなど、沢山の質問が寄せられました。その模様を是非ともお見せしたかったのですが、なんとこの日は写真を撮るのを忘れてしまいました!

本当にゴメンナサイ。


千葉英和高校での公演は高校の講堂にて。この日は2年生が修学旅行とのことで1年生と3年生が観劇。普段式典などに使う講堂が舞台へと変わっている事への驚きの声が多く挙がっていました。終演後には音響に興味がある生徒さんや俳優と話をしてみたい生徒さん達と様々な話し合い。将来の進路の事など、質問も幅広いものがありました。

 

↑音響に興味がある生徒さんと一緒に片付け。これからも頑張ってください!

 


↑当日かけつけた辻由美子にも質問。

高田商業高校での公演では、開演前に先生から「もっと前で見たい生徒はもっと寄って良いよ」と生徒の皆さんを誘導。皆一斉に舞台に近づいてくれました。そんな和やかな雰囲気で開演しました。公演中はそんな空気のまま、舞台上で行われているすべてをゆっくりと飲み込んでいくように、受け取ってくれていたように思います。終演後には多くの生徒の皆さんが舞台上に上がったり、舞台装置に触ったりと、関心を持って私達に接して来てくれました。劇団員ともヘレン・ケラーの事、劇団の事など、様々な話し合いがうまれていました。


↑ジミー役の中村と共に舞台を片付けていきます。

↑舞台監督の長谷川と。片付けは終始こんなノリでした。



↑本当に多くの生徒さんが手伝ってくれました。本当にありがとう!

 

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』のツアーは今週から東日本巡演をはじめました。巡演していく中で、街並みや人々のふとした時の表情など、東日本大震災の目に見える傷跡、目に見えない傷跡が残っている事を実感しています。それでも、触れ合うことの出来た沢山の人々は笑っていました。こんな時だからこそ、私達も同様、それ以上の『出会い』を毎日届けて行きたいと思います。

来週は東京・荒川での公演からスタートします。

 


2011『ハムレット』九州ツアー  四週目

2011-10-23 20:40:42 | 全国巡回公演

10月17日 尚学館小学校・中学校・高等部/延岡学園高校(宮崎県)

    18日 鹿児島実業高校(鹿児島県)

    19日 博多高校(福岡県)

    20日 唐津工業高校(佐賀県)

    21日 熊本農業高校(熊本県)

『ハムレット』ツアー四週目は今ツアー最初の宮崎県内での公演でした。そして今ツアー唯一の小学生も鑑賞するという公演でした。客席から返ってくる反応も年代によって様々で、舞台と客席とでとても面白い空間を創ることが出来ました。

トップの画像は尚学館高等部一年生の生徒さんと。上演後、彼らが楽屋を訪ねに来てくれました。話によると毎年秋の文化祭で演劇発表があるとのことでしたが、「約一年後の演劇発表を良いものにするために」という意気込みを持つ彼らと急遽座談会が行われることに。

とても強い気持ちを持った彼らであれば、きっと来年の演劇発表は素晴らしいものになると感じました。

 

全国的にもスポーツで有名な鹿児島実業高校での公演は、普段体育や部活で慣れ親しんだ体育館の新しい一面に驚いてくれたようです。

片付けの時には沢山の生徒の皆さんが手伝ってくれましたが、あの大がかりな舞台がどのように出来ていたのか興味津々といった様子でした。

↑上は片付けの様子と最後の記念撮影。スポーツで鍛えられた彼らのチームワークとパワーにはとても助けられました。皆さん有難う!

 

博多高校も体育館での公演でしたが、上演後は大盛り上がりとなり沢山の生徒の皆さんが体育館を訪れてくれました。

皆さん、気になった役者に積極的に声をかけに来てくれたので、様々な交流が体育館のそこかしこで起こっていました。

 

 

↑上は博多高校の皆さんと。どの写真からも彼らの興奮が伝わってきます。

 

唐津工業高校では風の創立時に『ハムレット』を上演して以来の22年ぶりの公演でしたが、なかなか目にすることのない本格的な舞台を楽しんでくれました。

メンバーの乗ったバスが学校を去るときには体育館の前やテニスコートから、「また来年来てください!」という大きな声が響いてきました。僕らも出来ることならば来年『ハムレット』とは違う作品で彼らに再会できたら、と願っています。

↑片付けの様子。劇団員と生徒の皆さんが力を合わせて重たいものも運びます。運びきった時には自然と拍手が沸き起こりました。

 

↑片付けを手伝ってくれた皆さんとの記念の一枚。

 

週の最後は二年前にも体育館で『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を上演した熊本農業高校での公演。しかし今回は学校としても久しぶりだったそうですが崇城大学市民ホールでの公演でした。ホールの席で観る演劇は初めてだった生徒さんもいたかと思いますが、皆さんとても集中して鑑賞をしてくれました。

↑カーテンコールの際に、公演のお礼として彼らが作ったみかんを頂きました。『ハムレット』メンバーで美味しく頂いています!

 

10月の下旬に差し掛かり、九州といえどだんだん寒くなってきました。しかし、ハムレット班は寒さに負けず来週も元気に九州を駆け巡ります!


2011『ハムレット』九州ツアー  三週目

2011-10-16 20:03:02 | 全国巡回公演

10月11日  伊集院高校(鹿児島県)

    12日  阿蘇高校・阿蘇清峰高校・阿蘇中央高校(熊本県)

    13日  杉森高校(福岡県)

    14日  真和中学・高校(熊本県)

    15日  久留米信愛女学院中学・高校(福岡県)

『ハムレット』ツアー第三週目は鹿児島県の伊集院高校の公演から始まりました!担当の先生が開演前に話していた「to be or not to be このままでいいのか、いけないのか」という言葉は観てくれた生徒さん達がそれぞれの思いをもって受け止めてくれました。

座談会の予定はありませんでしたが、観劇後「どうしても会いたい」と残った生徒さん達が楽屋を訪ねに来てくれました。トップの画像はその生徒さん、担当していただいた先生との一枚です。

二日目の熊本県の阿蘇高校・阿蘇清峰高校・阿蘇中央高校の三校合同での公演でした。実は阿蘇高校・阿蘇清峰高校は現在三年生のみの学校で、その二校が統合されたのが阿蘇中央高校ということでした。

最後の一学年となった学校と、新しく歩み始めた学校…開演前から客席がこの公演を楽しみにしているのが舞台裏まで伝わってきました。そして観劇後は体育館中が温かい拍手に包まれました。

↑片付けには生徒さん達と先生方が手伝っていただきました。それだけでなく沢山の生徒さん達が体育館を覗きにやってきて、ツアーメンバーとの交流を深めていました。

↑最後に片付けを手伝ってくれた皆さんとの記念の一枚。

 

杉森高校では二年前にも『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を上演しています。客席の皆さんは前半はとてもよく笑ってくれ、後半は打って変わって集中して舞台に視線を送っていました。

終演後、興味を持った生徒さんとハムレット役の佐野・ガートルード役の柴崎との座談会が行われました。そこでは「難しかった」という感想と同時に「でも、このシーンがすごく印象に残った」という感想が多くありました。柴崎が彼女たちに送った「今の時代だからこそ上手く言葉に出来ない自分の感じたもの」を大事にしてほしいという言葉は、彼女たちに深い想いを残したように感じました。

↑座談会に参加してくれた生徒さんと担当していただいた先生との一枚。

金曜日に行われた真和中学・高校は代表して上演後に挨拶をしてくれた生徒さんの言葉を一部借りれば「客席の皆さんが自分自身の感性に触れた公演」でした。今まで知らなかった自分の感覚との出会いを大切にしていってくれたらと願っています。

終演後は国王クローディアスを演じた柳瀬と演劇部の皆さんとの座談会が行われていました。この記事をアップしているころには彼ら自身の本番も終わっているかとおもいますが、どうでしたか?

↑真和高校演劇部の皆さんとの一枚。

週の最後は久留米信愛女学院中学・高校での公演。会場となった学校内のグローリアホールには生徒さんだけでなく保護者の方や近隣にお住まいの方も足を運んでくれました。91年・2001年の『星の王子さま』、そして今年の『ハムレット』と不思議なことに十年の間隔をおいての公演でしたが、学校の中でなにか生徒の皆さんにとっての盛り上がりを作れたように思います。

↑音響オペレーターの酒見と片付けを手伝ってくれた生徒さん。

↑片付け後には急遽握手会が行われました。

↑片付けを手伝ってくれたバスケ部・演劇部・新聞部の皆さん、本当に有難うございました!

来週は今ツアー初めての宮崎県での公演から始まります、お楽しみに!

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー 第4週目

2011-10-11 00:05:02 | 全国巡回公演

10月3日 岐阜県 海津明誠高校

10月4日 静岡県 藤枝明誠高校・中学校

10月5日 大阪府 金光藤蔭高校

10月6日 岐阜県 恵那農業高校

10月7日 岐阜県 八百津高校

西日本巡演の最終週となった第4週目、今週もたくさんの生徒さんや先生方との出会いがありました。しんと静まり返った会館の中での熱い視線、ひとつひとつの細かい動き、言葉、表情を捉え、体育館の客席から聞こえてくる瞬時に生まれた反応、そして笑い声、芝居の間に自らの中に出てきた疑問を座談会で語りあった時間、組み上げられた舞台が解体されていく様子を見つめる驚きの表情、楽しかったと旅メンバーに声をかけてくれながら一緒に荷物をトラックに積め込んだ撤去作業、そのひとつひとつの瞬間が私たちの力となり、明日へ繋がっていく大切なことだと実感させられました。

その日、一回限りの舞台は、役者やスタッフだけでなく、客席に居る生徒のみなさん、そしてその生徒のみなさんに芸術を通じて何か感じてもらえたらと願う先生方とつくりあげるものです。様々な思いが交差しながら舞台と客席は時間を共有し、そこで起こる出来事をそれぞれが思考します。今、その瞬間に感じたこと、考えたことを大切にしてくれたらと願うと同時に、私たちはその思いを受け止め、皆さんの前に立つ意味を、皆さんと共になにを作り出していくべきなのかという考えや行動を止めることなく、旅を続けます。

上の写真は海津明誠高校の公演終了直後。先ほどまで使われていた道具を触りながら演劇部の皆さんと舞台見学が行われました。下の写真は座談会の様子。照明オペレーターの坂野さんにも質問が集中しました。

藤枝明誠中学・高校の公演後、顔を輝かせながら感想を伝えてくれた生徒さん、部活の最中に窓から身を乗り出して声をかけてくれる生徒さんがいました。いつかまた皆であの日のこと話してみてくださいね。

金光藤蔭高校では演劇部の皆さんが楽しみながら片づけを手伝ってくれました。また演劇部と有志の生徒さんが座談会に参加してくれ演技についての質問が出たり、自分が行っている活動について語ってくれたり、将来についてや友達関係について、と色んなことを話すことができました!!

恵那農業高校の生徒さんと学校からいただいた手作りジャムを持って、の一枚。片付けの間、客席からずっと見ていた生徒さんたちがいました。私たちが会館を出発しようと駐車場へ向かったら、なんと寒い中待っていてくれました。そして感想を伝えてくれました。どうもありがとう!

八百津高校では、朝の搬入を生徒さんが手伝ってくれました。実は昨年「Touch~孤独から愛へ」という作品を八百津高校で公演し、現2・3年生とは嬉しい再会。「あっ、フィリップ!」や「ハロルド、どこ~?」など元気いっぱいの声が、朝の体育館に響き渡りました。昨年は会館で、今年は体育館での公演、体育館に入ってきたときの皆さんの歓声、舞台裏までしっかり届きましたよ。公演後の座談会では生徒さんから出た質問をきっかけに、先生、役者ともにそれぞれの想いを語りあいました。今はまだ言葉に出来ない、と言い伝えてくれた感想、嬉しかったです。また片づけにも多くの生徒さんが参加してくれ、あっという間にいつもの体育館に戻りました。また、すぐに皆さんと再会できますように。

ほんとうに多くの生徒さん、先生方、地域の方々との出会いがありました。その体中に漲るエネルギーを受け取り、私たちは秋旅の後半へと続く、東日本へ向かいます。


2011『ハムレット』九州ツアー  二週目

2011-10-08 21:57:32 | 全国巡回公演

10月3日 白石高校(佐賀県)

    4日 鹿児島中央高校(鹿児島県)

    5日 直方高校(福岡県)

    6日 九州国際大学付属高校/九州国際大学付属中・高一貫部(福岡県)

    7日 八代東高校(熊本県)

 

『ハムレット』班の二週目のスタートは佐賀の白石高校からでした。白石町総合センターの超満員の客席は、舞台に食い入るような視線を送ってくれ、カーテンコールでは大きな拍手でメンバーを包んでくれました。

普段なかなか触れる機会のない演劇、そして風の『ハムレット』が白石の生徒の皆さんにどのように残ってくれたでしょうか。

 

トップの画像は鹿児島中央高校の演劇部&生徒会の皆さんたちと。開演前に先生が「約400年前に生まれたこの作品が君たちに何を投げかけるか」という話をされていました。その想いは確かに届いたのだと思います。公演後、出演者と話したいという生徒さん達がロビーに残ってくれていました。

演劇部の皆さんももうすぐ本番が控えているということでしたが、今回の公演そのものが彼らにとってのエールとなってくれたようです。

 

翌日にはまた九州北部に戻り直方高校での公演でした。学校としても初めて行う本格的な鑑賞行事ということでホール内は開演前から大きな期待に包まれていました。

そして、公演後に代表して私たちに言葉を送ってくれた生徒さんは、見たばかりの公演から自分が感じたことを思い浮かべながら感謝と激励のメッセージを私たちに送ってくれました。

↑上は公演後の座談会に参加した皆さんと。座談会では、舞台のことだけではなく、物事に対する時の取り組む姿勢であったり将来のことに関してだったりと色々な質問が飛び交いました。生徒さんが舞台から見ているものは内容だけでなく、私たちの舞台・そして客席への向かう姿勢でもあるのだと改めて感じました。

 

九州国際大学付属中学・高校では約2000人の生徒さん達が午前午後の二回に分かれ、『ハムレット』を観てくれました。

公演前・公演後と担当の先生が風のホームページを紹介して下さったので、きっとこのブログを観てくれている生徒さんもいるかと思います。あの体育館の思い出を是非大切にしてくれたら嬉しいです。

 

↑そして公演後の体育館には沢山の生徒さん達が僕らに声をかけてくれました。

また片付けにはテスト前だというのに、高校三年生の男子たちが手伝ってくれました。↓下の写真の通り、クラスメイトとはしゃぎながら舞台の裏側も楽しんでくれました。

 

最後は八代東高校での公演。舞台上に起こることに驚き、楽しむ様子が客席の反応から伝わってくるような公演となりました。公演後には演劇同好会の生徒さん達との座談会がありクローディアスを演じる柳瀬に色々な質問をしていました。

皆で何か一つのものを創るというのは、演劇だけに限らず大変なことであると思います。しかし、だからこそ新しい出会いや感性の発見に溢れていると言えます。是非、それを高校生活の中で楽しんでほしいと思っています。

↑八代東高校演劇同好会の皆さんと。

さて、風の『ハムレット』にとって来週はどんな出会いや発見が待っているのでしょうか。私たち自身もこれからを楽しんでいこうと思います!

 

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー 第3週目

2011-10-07 00:37:03 | 全国巡回公演

9月25日 滋賀県 市制施行75周年記念事業 ヘレン・ケラー来彦75周年 障害者のつどい

9月27日 福井県 大野東・奥越明成高校

9月28日 大阪府 楠根中学校

9月29日 香川県 香川中央高校

彦根市制施行75周年記念事業の公演から幕を開けた第3週目の旅。たくさんの彦根市のみなさんが公演を楽しんでくれました。会場に足を運んで下さった方には、視力や聴力に障害を抱えている方々もいらっしゃいました。終演後にロビーでお会いした皆さんはどの方も力強く、そして希望に溢れていました。握った手の温かさ、掛けてくださった多くの言葉は私たちの勇気となり、お互いにエネルギーをぶつけ合い、交換することが出来ました。ヘレン・ケラーが75年前に訪れたこの彦根の地で公演できたことに喜びを感じると同時に、またいつかの再会を願う一日となりました。

ロビーには彦根市福祉保健部障害福祉課障害福祉係のみなさんがつくってくれた“ヘレン・ケラー”パネルが展示されました

皆さんの出会い、忘れません

文化祭の中で行われた大野東・奥越明成高校での公演。前日の夜、搬入で訪れた私たちを「風さ~ん、来てくれてありがとう」と校門で文化祭準備をする生徒さんたちが出迎えてくれました。公演当日は文化祭一日目、仕込み作業の間も中庭では、皆さんが盛り上がっている声が体育館にも届いてきました。撤去作業を手伝ってくれた生徒会のみなさんにお礼の色紙を渡した時の笑顔を見て、今日この日に出会えて良かったなと感じました。文化祭最中ということもあり多くの皆さんと話す機会はありませんでしたが、窓から手を振ってくれる生徒さんたちはきっと、公演を通して何かを感じてくれていたと思います。

楠根中学校の生徒さんたちは元気いっぱい!!ほんの少しの動きや言葉のひとつひとつに瞬時に反応し、舞台に返してくれました。鋭い、という言葉がぴったりくるような反応に、私たちも驚かされたり、なるほど、と思ったり、とてもおもしろい時間を共に過ごすことができました。演劇の発表があると先生がお話されていましたね、その鋭い感覚で、どうぞ皆さんらしい演劇をつくりあげてください。

香川中央高校の演劇部の皆さんと

29日の香川中央高校の公演は、当初21日に行われる予定でしたが、台風の影響があり、日付を変更し皆さんに会うことが出来ました。ご協力いただいた先生方に本当に感謝しています。香川中央高校では2009年に『Touch~孤独から愛へ』という作品を上演しました。3年生とは久しぶりの再会です。今回の旅班メンバーやスタッフの中には2年前に訪れたメンバーがたくさんいます。3年生は「あっ、トリートだ!」などと声を掛けてくれ、しっかり覚えていてくれました。2年前のことが皆さんの記憶の中に刻まれていたこと、嬉しかったです。公演中は、真剣にこちらを見つめる眼差しを感じ、互いにその空間を共有することが出来ました。座談会では演劇部のみなさん、そして先生、一人一人が部活に掛ける思いや演劇への情熱を感じる質問が飛び交い、とても充実した時間でした。また座談会と並行して行われた撤去作業をたくさんの部活の皆さんがお手伝いしてくれました。その時に感じたチームワークの良さ、素敵でした。舞台、座談会、撤去作業を通して感じたことを友達や先生と話してみてください。自分がまだ知らなかった相手の一面に出会えると思います。本当にどうもありがとう!

ここで旅班は一度、東京へと戻り、来週は岐阜県からのスタートです。

これからの出会いに期待を膨らませながら、バスは東京へと向かいます。

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー 第2週目

2011-10-06 23:41:21 | 全国巡回公演

9月12日から始まった『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の秋のツアー、1週目のブログ掲載から時間が経ってしまいました。お待たせしました、第2週目の旅の様子をお届けします。

9月20日 愛媛県 大洲高校

9月22日 香川県 高松中央高校

台風が近づいていたこの週、20日に行われた大洲高校の公演では大雨が降りました。体育館中に響き渡る雨の音、その中で大洲高校の生徒さんたちは、じっとその目とその耳をしっかり舞台に向けてくれました。その皆さんの様子をまるで空が見ていたかのように雨がピタッと止みました。あの大雨の中で、そして雨が止んだ後も皆さんが私たちに向けてくれたその身体を受け止め、私たちも舞台の上から発信することができた公演でした。

公演が始まる前に先生が皆さんへ「演劇は舞台上だけでつくるものではなく、客席が演劇をつくるのです」と話してくれましたが、その言葉の通り、本当に客席がひとつとなって、大洲高校での『ヘレン・ケラー』をつくることが出来ました!!公演後には有志で集まってくれた皆さんと、ヘレン役の白根とで座談会も行われました。また、座談会終了後に体育館での後片付けを覗きにきてくれた生徒さんたちから「楽しかった」という言葉と笑顔をもらいました。私たちの思い出となる公演がまたひとつ増えました。皆さんの心の中にも今日の事が思い出となってくれれば、と願います。

体育館に目いっぱいの生徒さんたちが集まった高松中央高校での公演、それぞれの反応を舞台に向けてくれました。隣の友達と、目の前で起こった出来事を話しながら見ていたり、ある場面では全員の視線がぐっと舞台を見つめたり、ひとりひとりが何かを感じて、そのことを客席から素直に私たちに伝えてくれていたと思います。

公演後は多くの生徒さんが撤去のお手伝いをしてくれました。3階の体育館から大きなもの、重たいものを皆で声を掛け合いながらトラックまで運び出しました。元気いっぱいの皆さんのお陰であっという間に、いつもの体育館に戻りました。お手伝い、どうもありがとうございました!

体育館が劇場へと変わり、そしてまた少しずついつもの体育館に戻っていきます

「重たい~!」と言いながら笑顔で荷物を運び出してくれる生徒さんたち

運び出された荷物はどんどんトラックの中へ

最後に皆で記念撮影!いつかまた今日の事、思い返してみてください、どうもありがとう

バスが学校から出発するときまで見送ってくれて女の子たちがいました。彼女たちが先生に「先生、来年も(演劇鑑賞を)やろう!」といってくれたこと、本当に嬉しかったです。これからも芸術や自分たちにとって興味が湧くもの、そしてたくさんの友達、先生と触れ合い、素敵な時間を過ごしてください。

一回一回の公演で出会った皆とまた会える日を信じて、私たちはこれからも旅を続けます。