風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第1週目

2017-09-30 10:27:20 | 全国巡回公演
「ヘレン・ケラー」の旅班を見送った翌日
『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の旅班は九州に向けて出発しました。
大阪からフェリーに揺られ北九州へ。北九州から一路最初の公演地、熊本へ。

写真はフェリーから北九州・新門司港に上陸するトラックです。

第1週目は

9月27日(水) 熊本県 西合志南中学校
  28日(木) 鹿児島県 ラ・サール中学校・高校


での公演でした。

西合志南中学校

2006年の「肝っ玉おっ母」以来2回目の風の公演。人権教育の一環としての公演でした。
公演前日の舞台設営には、バスケットボール部の生徒の皆さんが道具の搬入を手伝ってくれました。

それに加えて、体育館を通りかかった生徒の皆さんや先生方が
「明日の公演、楽しみにしています。」
「頑張ってくださいね!」
と、声をかけてくれたり、図書担当の先生が図書室に「ジャンヌ・ダルク」コーナーを作ってくれたりと、公演への期待を感じました。

本番当日は、雨で蒸し暑い体育館にもかかわらず、前列の1年生から後ろの3年生まで、みんな一生懸命に舞台に視線を注いでくれていました。
カーテンコールでは代表の生徒さんから
「自分の意見や意思を相手にしっかり伝えることの大切さを学びました。今度の文化祭では劇団の皆さんのように見ている人たちを楽しませたいです。」と、しっかりと自分の言葉をかみしめるように話してくれました。

公演後には、前日もお手伝いをしてくれたバスケットボール部の皆さんとバレーボール部の皆さんが舞台撤去を手伝ってくれました。







ラ・サール中学校・高校



2007年の「ハムレット」以来4回目の風の公演でした。
中学1年生から高校2年生までの観劇でした。
開演前から既に客席の彼らからは、見ることへのエネルギーを感じました。公演が始まってからもそのエネルギーは尽きることなく最後まで続いていました。リラックスしながらも何かを発見しようという彼らの見る姿勢、感じる姿勢を強く感じる公演でした。

公演後にロビーではジャンヌ役の髙階と新聞委員の生徒さん、有志の生徒さんとの座談会が行われました。
「今の僕たちにとっての奇跡とはなんだと思いますか?」
「ジャンヌが裁判で自分の信じたものを一度否定してしまうときどんなことを感じましたか?」
など、演じる側がどんな姿勢で『ジャンヌ・ダルク』に臨んでいるかを知ろうという質問や感想が多く聞かれたようです。
そんなそれぞれの感性で自分の感じたことを話す生徒の皆さんの姿を先生方は笑顔で見つめていたそうです。
きっとお互いに刺激のある時間になってくれたのではないでしょうか。



2週目は宮崎の公演から始まります。
12月まで続く長い旅のなかでどんな観客と出会い、ともに公演をつくれるのか。
そして、一回一回の公演を通して彼らがどんな発見をしてくれるのか。
楽しみで仕方ありません。

文:佐藤勇太(伝令、死刑執行人)

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』秋 東・西日本巡回ツアー第1週目

2017-09-29 15:30:09 | 全国巡回公演
劇団創立30週年記念の新作『バールの賛歌 〜バールを愛した女』の公演を終え、風は全国巡回公演のシーズンを迎えました。
今回『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』の巡回公演は東北地方から四国まで、東日本・西日本地域を駆け抜けます!

第1週目の上演は関西地方2校3ステージの公演でした。

9月25日(月) 添上高校(奈良県)
  27日(水) 柏原高校(兵庫県)


添上高校



9月24日、東京を出発した旅班はこのツアーの初日の公演場所である奈良県添上高校へと向かいます。
初日ということもあり、公演前日から学校の体育館をお借りして準備をさせていただきました。搬入作業、設営、細かい照明や音響の調整作業・・・公演までには様々な準備があります。旅班12人全員で分担しながら作業が進められていきます。
また設営中には部活動を終えた吹奏楽部の生徒さん達が体育館を覗きに来てくれました。体育館の天井付近に吊られる照明のライトの量の多さにビックリ!照明担当の江田に「ライトは一体何台あるんですか?」という率直な質問も。「60台ぐらいありますよ!」との回答にまた声を上げてビックリしていました!
準備作業は夜までかかってしまいましたが、ご担当の先生が最後まで残って下さいました。本当にありがとうございました。

公演当日、開場時間になると体育館に続々と生徒さん達が入場してきます。生徒数の関係で体育館のステージやサイドギャラリーも客席となりました。公演前には人権行事という事で、人権作文の発表が行われました。代表の3名の生徒さんが自らの体験を基にした、様々なテーマを朗読で発表してくれました。





そして、舞台が始まります。まだ若干の暑さもあり、体育館の環境も懸念されましたが、生徒の皆さんは舞台に集中してくれていたように思います。静かに、舞台上の出来事に目を、耳を傾けています。カーテンコールではお礼の言葉と花束をいただきました。また、割れんばかりの拍手と共に舞台に向かって手を振る生徒さん達の姿が。ステージやギャラリーの皆さんも大きな動きで舞台上のヘレンとアニーに手を振ってくれていました!

終演後には体育館を使う部活動の皆さんや生徒会の生徒さん達が撤去作業を手伝ってくれました!
今まで自分達が観ていた舞台が少しずつバラバラになっていく様子をみながら、それぞれ役者やスタッフに公演について、劇団や演目について、そして自分自身のことなど、積極的に話し掛けている様子が体育館のアチラコチラで見られました。それにしても皆さんパワフル!あっという間に劇場が元の学校の体育館へと戻っていきます。最後までにこやかに笑顔で手伝ってくれた皆さん、どうもありがとうございました!

柏原高校

添上高校での公演を終え、次の公演の地、兵庫県丹波市へ。
柏原高校での公演は公演場所である丹波の森公苑ホールの座席数の関係で2ステージとなりました。午前中が1・2年生、午後が3年生と保護者の方々が鑑賞しました。



柏原高校は23日から25日の間、文化発表会が行われていたそうです。合唱コンクールやステージ発表、部活動の発表など、今週はまさに芸術に触れる1週間となったのではないでしょうか。当日は私達の演劇を観て、自分達のステージ発表と重ねせてみていた生徒さんもいたのかもしれませんね。

開演前には校長先生から「個性を尊重し合うこと、伸ばし合うことを大事にして欲しい」との生徒さんたちへのメッセージを頂きました。
午後の回の終演後にはバックステージツアーと座談会が行われ、舞台上の大道具や小道具、俳優やスタッフにそれぞれの生徒さん達が思い思いに自分の興味のある所へと向かっていきます。中には「どうやったら音響スタッフになれますか?今のお仕事は楽しいですか?」なんてストレートな質問も!座談会を終えた生徒の皆さんの顔が素敵な笑顔だったので、回答した身としては少しホッとしました。またいつかどこかでお会い出来ることを楽しみにしています!



『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』の秋のツアーが始まり、また一日一日新しい出会いが待っています。
そうして少しずつ繋がれていく人と人との繋がりが、またいつの日にか新たな出会いを創ってくれる事を祈りながら、このツアーを楽しめたら、と思っています。
来週は高知県四万十市からのスタートです。

文:渡辺雄亮(音響)