風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第4週〕

2018-10-28 11:02:02 | 全国巡回公演

10月22日(月)〈鹿児島県〉枕崎高校 同校体育館

   23日(火)〈鹿児島県〉国分高校 霧島市民会館

   24日(水)〈熊本県〉熊本中央高校 熊本市民会館

   26日(金)〈福岡県〉敬愛中学校・高校 同校講堂

  

枕崎高校

校舎の坂道をトラックが入るか、前日より学校に伺いました。用意した板をタイヤの下に敷き、何度も繰り返したのですが、なかなか登れず・・・

と、学校で使わなくなった枕木を先生が持ってきてくれて、再度TRY! やっと体育館までトラックをつけることができました!!

気持ちも新たに、今週最初の公演に向かいました。

 

こちらの学校では風は13年ぶり4回目の上演です。一番最初に公演したのが今回と同じ『Touch〜孤独から愛へ』、メンバーも替わり25年を経ての同作品の上演です。

その頃は『孤児たち』という原題で上演していました。

照明の変化とともに歓声が上がり、公演が始まりました。何が起こるのか一生懸命に舞台に視線を注ぐ姿が印象的で、時々笑いもあり、最後まで集中して観てくれました。

公演後、カーテンコールで代表の生徒さんから「ひさしぶりに私たちの学校に来ていただいてありがとうございます。今日は舞台を通して貴重な体験をさせてもらいました」と挨拶をいただきました。

公演後には、何人かの生徒さんと先生方が舞台に興味を持って近寄ってきてくれました。

装置の二階家が何でできているのか、フィリップ役のバックに入っている小道具や地図を眺めたり・・・・。

 

 

 

舞台撤去には、全校生徒170人の半数以上の生徒さん、野球部、文化部のみなさんが元気に積極的に手伝ってくれました。

 

 

みなさんにとって、『Touch〜孤独から愛へ』で過ごした僅かな時間が、ひとりひとりの思い出となり、時には引き出してもらえたらと思います!

みなさん本当にありがとうございました!!

 

国分高校

 

 

この学校では、伝統的にこれから受験、進路に向かう「3年生を励ます会」を行っています。パズルには下級生全員が書いた「キバレ!」「頑張れ!」「Fight!」など3年生への熱い応援メッセージが込められています。「先輩の後ろ姿を見て励まされてきました」という言葉とともに、プロジェクターに映した3年生の姿、全員起立して拍手とエールを送るなど、僅かな時間の中で工夫され愛情のこもった演出で行われ、盛り上がっていました。

その後、観劇の前に校長先生(風の舞台を2回担当されたことがあるそうです)から「君たちの見る姿が、出演者の方たちの緊張感にも繋がります。客席と舞台が一体となって、楽しい半日を過ごしてください」とご挨拶をいただき、いよいよ開演です。

すっかりリラックスした生徒さんたちは、楽しんで時には会場が笑い声に包まれながら、真剣に見入っていました。公演後、生徒会長さんが「今日の演劇で人とのコミュニケーション、一人ひとりの生き方、人間関係を考えさせられました」と述べてくれました。

生徒のみなさんのまなざし、様々な反応や声に舞台も支えられともに創ることができたのではないかと思います。この作品から一人ひとりの中に何が生まれるのか、まだまだ未知なることとの出会いがあることを期待したいと思います。

公演後には、舞台見学と演劇部のみなさんとの座談会が行われました。

 

 

熊本中央高校

風の公演が、8回目となるこの学校では、2年前に『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』を上演し、3年生が見ています。

公演前に担当の先生から「みなさん“touch”という意味は知っていますか?(生徒たち「触る!」)今私たちは携帯電話やSNS等でコミュニケーションをとっています。今回の作品は、人の手が触れることによって、あたたかさやぬくもり、そして変化していくというテーマがあります。しっかり見て感じてください」と話しがありました。

触れられることで心の中に温かい気持ちが広がっていく弟フィリップと、そのことを拒み、自身の悲しみ、痛みを内に持ち続けている兄トリート、二人を優しく、厳しく愛情をもって向き合う紳士ハロルド。3人の過去、未来、そして“いま”をじっと見つめる生徒さんたち。ラストシーンは息を呑むように静まり、そのなかで一人ひとりの視線が伝わってきました。代表の生徒さんから「演劇は好きなので楽しみにしていました。今日の舞台を観て、芸術は私たちを成長させてくれるものだと思いました」とありました。

今日の芸術鑑賞で人との関係を考えたり、身近にいる人の存在を発見したりみなさんのなかの大切なものに触れる場であってほしいと願っています。

公演後には先生の呼びかけで、舞台見学が行われたくさんの生徒さんが参加しました。役者と交流したり、なかにはトリートがフィリップのために買ってきた特大マヨネーズ瓶を見たいという生徒さんたちもいました。その時に説明できなかったのですが、実はあのマヨネーズ瓶は、ハロルド役の柳瀬が初演時フィリップ役を演じていた頃、トリートのために3日かけて作った大事な小道具だそうです。

 

 

 

 

 

演劇部の皆さんとの座談会

 

敬愛中学校・高校

2階にある学校の講堂での公演で、前日に道具の搬入があり、10人以上の有志のみなさん、先生方も手伝ってくれました。4回目となる風の公演。3年前には『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』を上演しています。お手伝いをしてくれた生徒さんたちも覚えてくれていて、その時を思い出しながら楽しそうに話していました。

仏教の学校で、講堂では毎朝お晨朝(朝のお勤め)が行われています。

みなさんがいつも使っている場所を活かして、舞台が設置されました。700人の生徒さんがぎっしりとなった客席。舞台、そして人を見つめるまなざしがあたたかく、2時間という時間が刻々に交差して、役者も客席もお互いがともに創り出していること、ここにいることが喜びとなっているようでした。

「トリートとフィリップが最後抱き合うシーンでは感動しました。人のあたたかさ、愛情の深さを感じることができました」代表の生徒さんからの挨拶です。

公演後、昨日同様に有志のみなさんが道具の搬出を手伝ってくれました。役者、スタッフとも交流しながら、みなさん快く、積極的に最後まで手伝ってくれてありがとうございます!

 

解体された舞台を前に驚く生徒さんたち。 

 

生徒会のみなさんと座談会も行われました。観た感想、作品について、なぜ演劇を始めたのか等々、様々に質問があったそうです。

 

 

最後まで手伝ってくれた生徒さんに座長の柳瀬から昨日、そして今日一日のお礼

生徒のみなさん、先生方本当にありがとうございました。私たちもみなさんの心の深さに触れ、楽しい時間を過ごすことができました。

まだまだ序盤の『Touch〜孤独から愛へ』。来週から公演も続きます。刻々につくられていく舞台が生徒さんたちの心に触れ、喜びや発見となる場をつくってゆきたいと思います。

 

文:工藤順子(舞台スタッフ)

 


2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第4週目]

2018-10-24 22:27:00 | 全国巡回公演

 

『ヘレン・ケラー』の旅公演もいよいよ中日を迎える週となりまた。

あれだけ暑かったのに、この頃は朝夕に肌寒さを感じます。公演も順調に毎回の本番を迎えられています。

 

10月9日(火) 【島根県】大社高校 同校体育館

10月10日(水) 【兵庫県】猪名川高校 同校体育館

10月11日(木) 【香川県】高瀬高校 同校体育館

10月12日(金) 【香川県】多度津中学校 多度津市民会館〈会館自主事業〉

 

 

大社高校

 

三連休のあと島根県出雲市の大社高校・体育館での公演でした。

 

風の上演は6年ぶり、5回目となる学校です。900人の大きな学校ですが、その一人一人の集中力には驚くほどのものがあり、後ろの生徒さんたちまで自分の目で見逃すまいという気迫を、舞台上からもオペレータ席からも感じられた時間でした。開演前校長先生のお話では、自分の小学校6年生の時出会った芸術が時間を経て、その後の自分の心をほぐしてくれたという経験談から芸術の楽しさや歓びを語ってくださいました。あれだけの集中力で観てくれたみなさんですから、何年かしてふと今日感じた自分の姿を思い起こしてくれる日がくるでしょう。

 

終演後も授業時間を使って2クラスの生徒さんたちがお手伝いに来てくれました。女子生徒さんの力強さには本当にびっくりでした。一年三組・二年五組の皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

猪名川高校

 

翌日は兵庫県・猪名川高校の体育館での公演です。

芝居をリラックスして楽しみながら観ている姿が印象的でした。バックステージの見学も大変盛り上がり、後片付けにもたくさんの部活の皆さんが集まって元気に手伝ってくださり、私たちもその元気をいっぱいもらいました。

 

生徒さん同士の仲のいい感じがこちらにも伝わってきて、学校生活を楽しんでる雰囲気が素敵でした。この学校内には[こやの里特別支援学校]があり、一緒に観てくださいました。終演後真っ先に舞台見学にきていただき、ありがとうございます。

 

 

 

高瀬高校


瀬戸大橋を渡り香川県三豊市へ。

高瀬高校は“風”3回目の上演です。『ヘレン・ケラー』は6年ぶりの上演でみなさん楽しみに待っていてくださいました。吹奏楽部の活動がとても活発な学校です。その吹奏楽部のみなさんが朝から搬入を手伝ってくださり、元気いっぱいで礼儀正しいみなさんとの交流から本番への期待感の大きさを感じます。一日中朝から降り続く雨でしたが、高瀬高校のみなさんの熱気のなかで公演は大好評でした。

希望者がほぼ全校生徒とも言えるバックステージの見学とバレー部をはじめとしたたくさんのお手伝いで熱い体育館となりました。座談会には吹奏楽部・生徒会をはじめ40名を超える生徒さんがアニー役の高階ひかりを囲み、大いに盛り上がったようです。照明と音響の学校に進学する生徒さんもいて、音響チーフの渡辺雄亮と照明チーフの江田健に熱心に質問していました。

 

校長先生とたくさんの生徒さんたちに雨の中を見送っていただき、同じく香川県の多度津町民会館での準備に向かいます。

 

 

 

 

多度津中学校

今年はこれまで大きな災害や地震が全国各地で発生しています。

一学期に上演予定だった学校も五校が順延となり、その中のひとつの多度津町民会館主催による多度津中学校の公演をやっと迎えることが出来ました。

以前、文化庁主催の(文化芸術による子供の育成事業)『肝っ玉おっ母とその子供たち』でお世話になった、当時多度津小学校の校長先生と、多度津中学校の校長先生として再会しました。あれから四年経っているので『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を小学生の頃に観た子どもたちとの再会とも言える公演です。ちょっと緊張して入場してきた彼らでしたが、始まりの音楽とともにぐっと存在感を出してきた客席を受け取っての本番となりました。

終演後、にこやかに劇場をあとにしていくみなさんを劇団員全員でお見送り。

校長先生・教頭先生と握手を交わし、今日の日を迎えられた歓びを分かち合いました!

四時間の移動ののち、翌日公演の大阪市の相愛中学校・高校の準備へと向かいます。

 

 

相愛中学校・高校

6月の大阪北部地震の影響で開演一時間前に中止となり、公演ができないまま後片付けをした学校です。

その日交通機関が止まっていくということで、下校途中の何人かの生徒さんたちが講堂に設置された舞台を見学に来てくれました。高校三年生の生徒さんが残念そうに話しかけてくれたのを覚えています。「ぜひ今年度中にまた来て欲しい。来年だと卒業しているから‥楽しみにしていました。」

やっとその願いに応えられることができて、わたしたちも感激でした。

女子校独特の華やいでおだやかな雰囲気と、こじんまりとお互いを身近に感じられる劇場空間の中、役者もしっかり客席を感じることができたと思います。保護者の方も多く観劇してくださり、バックステージには真っ先に舞台見学に上がってくださったぐらい興味を持って頂けたようです。

 

わたしたちは土曜日の公演を終え、日曜日の公演地である東京・立川市へ向かいました。

旅公演の折り返しを過ぎた『ヘレン・ケラー』。健康にも気をつけて後半に向かいます。

 

アナグノス校長役   緒方一則


2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第3週〕

2018-10-21 17:01:08 | 全国巡回公演

10月10日 〈福岡県〉福翔高等学校   同校講堂
10月19日 〈熊本県〉必由館高等学校   熊本県立劇場・演劇ホール


福翔高校
これまでに4回も風の公演を観てくれている学校です。到着すると係の先生方が出迎えて下さり、講堂には約1000人が座れるベンチ席が綺麗に並べられていました。凄い迫力!明日ここに学校の皆さんが座る光景を想像して気合いが入ります。先生方は3年前の『ヘレン・ケラー』の公演をよく覚えていてくれました。


        
間口の広い舞台と客席で、どの角度からも見やすいようにと大道具のセッティングを工夫して
いよいよ開場です!
以前にも公演でお世話になっている担当の先生が想いのこもったお話をして下さり、客席からの熱気に包まれて公演が始まりました。
兄弟2人のやり取りに楽しそうな笑いが起こったり、ハロルドが登場してからの展開に驚きの声が上がったり…。学校の講堂で演劇を観ることを心から楽しんでいる様子が舞台裏まで伝わってきました

 



公演後には演劇部の皆さんが舞台見学を行いました。地図、本、酒瓶、赤い靴など、小道具の一つ一つに興味津々。二階屋の上はどうなってるんだろう⁉︎ と目を輝かせている生徒さんの様子にこちらも嬉しくなります。
その後、演劇部の女子生徒さんたちが劇団員に混じって一生懸命片付けを手伝う姿を見て、バトミントン部、バスケ部などの生徒さんたちが駆けつけてくれました。
重い荷物は任せろ、と頑張ってくれる生徒さんたちはとても頼もしく、演劇部の皆さんも嬉しそうでした。トラックの中で出演者の佐野、佐藤と一緒に頑張ってくれた生徒さんもいました。本当に助かりました。皆さん、ありがとうございました!


 

 


必由館高校
生徒数1000人を超える大きい学校です。熊本の震災後は学校の体育館が使えない時期もあり行事の実施が大変だったと聞いています。今回は県立劇場・演劇ホールでの公演が実現したことをとても嬉しく思います。私たち風の公演は14年ぶりの久しぶりの公演です。
この日は隣の音楽ホールでも市内の高校が鑑賞行事を行なっており、開場前のロビーは大賑わいでした。いよいよ生徒の皆さんが入場すると3階席まで満席になりました!


 

 

開演前の先生のお話の時は、先生の言葉一つ一つに生徒さんたちが元気に盛り上がっていました。

開演すると、意外なくらい静かに舞台を見つめている生徒さんたち。今までに見たことのない世界に驚きを持って出会っている様子でした。
カーテンコールでは代表の生徒さんが「こんなに本格的な演劇を見るのは初めてで嬉しかったです。」と挨拶をしてくれて、客席からはあたたかい拍手が送られました。

 


終演後はロビーが混雑するため速やかに退場しなければならなかったのですが、演劇部の子たちだけでも出演者と会わせてあげたいと、先生が3人の生徒さんを連れて来てくれました。ハロルド役の柳瀬が生徒さんたちと小さな座談会を行いました。



『Touch〜孤独から愛へ』は高校の巡回公演をしている風の作品の中で一番長く上演し続けている舞台です。約25年の時の中で台本を見直し、舞台装置を新しく変え、役者も代替わりしてきました。この舞台を上演し続けているのは、『Touch』がある一人の人間の経験や、心の奥深くの哀しみに突き刺さる特別な芝居だからだと思います。男ばかり3人のこの舞台を10代の頃に見て、内臓が飛び出そうなくらい泣いて生きている喜びを感じた、私もその一人です。
今、公演で一人一人の心と特別な出会いが生まれますように。旅班のメンバーの熱い気持ちを結集して、公演に向かっていきたいと思います。

文    稲葉礼恵(舞台スタッフ)


2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第2週〕

2018-10-08 06:14:47 | 全国巡回公演

台風24号と交差するように九州に上陸した「Touch」班。
暴風雨のなかを走ってきたバスの洗車からこの週ははじまりました。

第2週は、

10月2日 〈宮崎県〉宮﨑日本大学中学・高校 同校体育館
10月3日 〈佐賀県〉伊万里商業高校 伊万里市民センター
10月5日 〈福岡県〉小倉西高校 同校体育館

以上、3校4ステージの公演を行いました。


宮﨑日本大学中学・高校

台風の影響で1日順延となったこの日の公演。
開演前の担当の先生のあいさつでも、「まずはこうして芸術鑑賞会が開催できることに感謝しましょう」と生徒たちに語りかけていました。
午前と午後の2回公演、約850人ずつの生徒さんが体育館に集まり、熱気あふれる空間をつくってくれました。

各回の終演後には、希望する生徒さんたちが舞台を見学。


午後の公演終了後には、舞台から溢れるほどの生徒さんが!
舞台装置や、衣装・小道具に興味津々に触れながら、俳優やスタッフとの交流も楽しんでくれました。

「ただ感動しました。人に愛を与えられる存在になりたいと思いました」
カーテンコールで代表の生徒さんが言った言葉が印象的な、あたたかな雰囲気の一日でした。


前日の搬入から、男子サッカー部や放送部の生徒さんが、搬出にはさらに女子バレー部や女子サッカー部、男子バスケ部のみんなも加わり、元気いっぱいにお手伝いをしてくれました。
本当にありがとう!!



宮﨑日大での「Touch」の公演は、じつに3回目となります。
前回の公演の思い出から、今回の公演が決定する経緯まで、いまの生徒さんに丁寧に担当の先生が話してくれたりと、学校と劇団のつながりを強く感じる公演となりました。
これから2か月半つづく九州公演。その大きな弾みとなる一日となりました。


伊万里商業高校

久しぶりの伊万里市内での公演。
会場となった伊万里市民センターでの公演は初めてでした。


観客席に入場し、開演を待つ生徒さんたち

元気いっぱい、開演直後は大きな笑いにつつまれた舞台でしたが、徐々に集中する観客の姿が印象に残る公演でした。
この時間と空間を通して、なにか自分にとって大切なものを見つけてもらえたなら嬉しいです。


終演後には、希望者を募って舞台見学と座談会が行われました。
「部屋の2階はどうなっているんだろう?」とみんなが階段を駆け上がっていきます。


電車の時間もあるなか、「俳優たちと写真が撮りたい!」と撤収が終わるまで待ってくれた生徒さんたち。
全校でひとつの舞台を観る、そのことが学校生活のひとつの思い出になってくれたらと願っています。


小倉西高校

座長でハロルド役の柳瀬太一の母校である小倉西高校。
今年は創立120周年ということで、その記念公演となりました。

こちらも宮﨑日大同様、前日の2階にある体育館アリーナへの搬入から生徒会執行部の皆さんにお手伝いいただきました。
重い荷物、大きい荷物、持ちにくい荷物・・
大小さまざまな道具がある「Touch」。
そこは生徒会の仲の良さを見せ、和気あいあいとどんどん体育館に荷物を運び入れてくれました。

客席のつくり出す凛とした空気が空間を満たすような公演。
新たな台風の近づくなか、体育館にも時おり強風か吹き込んできましたが、生徒さんたちは全く気にすることなく舞台にまなざしを送っていました。



搬出には前日の生徒会の子たちに加え、女子バレー部、バスケ部、そして有志の生徒さんたちが100人以上集まってくれました!
トラックの積み込みも息の合った姿を見せてくれ、スムーズに作業は進みました。



後輩の頼もしい姿を見つめる、先輩柳瀬の姿。
先輩の雄姿から、なにか受け取ってくれたでしょうか?


搬入、搬出だけでなく、当日の進行など2日間にわたって行事を支えてくれた生徒会執行部のみなさん、本当にありがとうございました!



この写真の倍以上の生徒さんが搬出のお手伝いをしてくれたのです。
最後まで疲れも見せず、笑顔を送ってくれて皆さんからは大きな力をもらいました!

5年ぶりとなる「Touch~孤独から愛へ」の巡回公演。
公演を通して、観客のなかに何が生まれるかを注視しながら、メンバー全員で充実した公演をつくっていきたいと思っています。

文:田中賢一(舞台スタッフ)


2018年 秋「ヘレン・ケラー~ひびき合う者たち」東日本・西日本巡回公演 第3週目

2018-10-06 20:56:42 | 全国巡回公演

暑さ寒さも彼岸まで。あっという間の9月を駆け抜け、朝晩の涼しさを感じるようになってきました。暦はいつの間にか10月です。
先週末の台風に戦々恐々としながら、大阪で週末を祈るように過ごしたヘレン班でしたが、無事大きな影響もなく第3週目のステージに臨むことが出来ました。

10月1日 北摂三田高校 (兵庫県) 三田市総合文化センター 郷の音ホール
10月2日 倉敷天城中学校・高校 (岡山県) 倉敷市民会館
10月3日 和気閑谷高校 (岡山県) 和気町総合福祉センター
10月4日 垂井町青少年芸術鑑賞会 (岐阜県) 垂井町文化会館
10月5日 洲本実業高校 (兵庫県) 同校体育館

今週は公共ホールでの上演が多い週となりました。

北摂三田高校

台風の影響もなく、月曜日の公演を迎えることが出来ました。今週の最初のステージは、北摂三田高校での公演となりました。
会場は三田市総合文化センター 郷の音ホール。初めて伺うホールでしたが、とても綺麗な建物、ホールでした!
当日から10月、ということもあり、開演前には北摂三田高校の後期始業式が行われました。



会場と同時にホールの客席には生徒の皆さんが続々と入場していきます。1000人ほど入る客席も生徒の皆さん、先生方、そして保護者の皆様でほぼ一杯に!



始業式ということで、全校の皆さんで校歌斉唱です。言われてみると沢山の学校には伺っていますが、一校一校の校歌って聞いたことがあまりありませんね・・・。ちょっと新鮮でした。



始業式では校長先生から生徒の皆さんへ向けて「生活にメリハリをつける事」「今まで踏み込めなかった新しいことに是非チャレンジして欲しい」といったメッセージ。芸術鑑賞会から始まる生徒の皆さんの高校生活1年の後期。充実し、素敵な時間となることを私達も願っています!



公演が始まると客席の空気はガラッと変わります。皆さん静かに、音も立てずに舞台上で起きている事柄を一生懸命捉えようと必死でした。本当に集中しているのを肌で感じました!
カーテンコールでは生徒会長さんから「自分自身初めての演劇鑑賞でしたが、この作品を見ることが出来てとても良かったです。」「自分がその場にいるような迫力を感じました!」と心のこもった感想をいただきました。素敵なメッセージ、ありがとうございます!
また、終演後のバックステージツアー(舞台見学)、座談会には演劇部の皆さん、そして希望者の皆さんが本当に沢山参加してくれました。



当日呼びかけて見学に来てくれた皆さんで舞台上が一杯に。そしてその様子を客席から見ていた先生方も徐々に舞台上へ・・・。
先生もいつの間にか見学の一員に。舞台装置のポンプの仕組みを尋ねたり、触ってみたり。生徒の皆さんと一緒に舞台裏やセット、小道具など、あらゆるものに興味津々の皆さんでした!





最後には座談会に残ってくれた皆さんと記念撮影!皆さんまたお会いしましょう!

倉敷天城中学校・高校

兵庫県三田市での公演を終え、旅班は隣の県、岡山県へ。次の日は倉敷天城中学校・高校での公演となりました。
こちらの学校も二期制を実施しているので、当日が始業式となりました。また、創立記念日でもありましたので、創立記念式典が行われました。



創立記念式典では校長先生が建学時の校長先生大塚香(鉄軒)先生の「鉄軒精神」を用いて生徒の皆さんに学校の歴史や精神をお話して下さいました。なんと高校は創立1906年!今年で112周年だそうです!



公演中は静かながらも面白い場面ではクスッとした笑いが起きたりと、リラックスして舞台を楽しんでいるように見えました。
カーテンコールでは高校の図書委員長さんから「舞台上から家族の皆さんの、ヘレンを教育していくことへの不安や怖れ、またアニーの中にあるヘレンに対する迷い、それ以上の想いを感じることが出来ました。」との真っ直ぐな感想を、そして中学校の図書委員長さんからは綺麗な花束のプレゼント!どちらもありがとうございました!

終演後には演劇部の皆さんとのバックステージツアー、座談会が行われました。舞台の上のセットだけではなく、ホールの搬入口に停まっているトラックも見学しました。公演するために必要な大道具や小道具、衣装や音響、照明機材などを隙間なく積み込んで日本全国を巡回しているトラックです。普段あまり見ることがないトラックの空の荷台を眺めたり、積込みのためのパワーゲート(昇降機)に実際に乗ってみたり、初めての経験に興味津々な様子でした。











舞台見学した後、撤去作業(バラシ)と並行して進められた座談会も笑いが絶えない、和気藹々とした会になりました。
自分たちが先程まで見ていた舞台が少しずつ解体され、トラックに積み込まれていく様子を客席から眺めたりしたこと、沢山の道具や機材に触れたこと、俳優と近い距離で話が出来たこと、どれも皆さんの大切な思い出の一つとなってくれれば嬉しいです。

和気閑谷高校

倉敷を出発したのち、同じ岡山県の和気(わけ)町へ。移動後にその日のうちに公演準備に取り掛かりました。

和気閑谷高校での公演は4度目。一番最初の公演は29年前!最近では3年前に「ハムレット」を上演しています。
前日までの2公演は大きなホールでの公演でしたが、和気町総合福祉センターのホールは約半分の客席数。
劇場空間がコンパクトに纏められていて、俳優の息遣いまで聞こえてきそうな、そんな空間でした。

和気閑谷高校での公演も創立記念行事の一環として開催されました。こちらはなんともうすぐ創立350年!を迎えるそうです。



和気町総合福祉センターと高校は目と鼻の先。皆さん徒歩で会場に移動です。行事などでよく利用しているようで、入場もスムーズでした。開場中は、客席内に設置された音響ブース・照明ブースにも生徒の皆さんの視線が。照明オペレーターの江田に声を掛けてくれたりと、和やかな時間となりました。

そして、開演。開演の合図である生徒の皆さんの拍手の音の中から、音楽、そしてアナウンスが聞こえてきます。
最初こそザワザワとした音が聞こえますが、きっと今感じているものへの反応でしょう。あっという間に静寂が広がってきます。
それでも笑ったり、驚いたりといった客席の反応はダイレクトに舞台に伝わっていきます。
またラストシーンでヘレンがポンプの水を浴びるシーンでは大きな歓声が。生徒の皆さんが五感をフルに使って公演を感じてくれいるように思いました。



終演後のバックステージツアーには演劇部の皆さんが参加してくれました。去年まで部員が2名だったのに、今年1年生が4名入部してくれたことで部全体が盛り上がっているそうです!ドアのセットから実際に出てみたり、二階部分に登って照明を浴びたり、俳優やスタッフと話をしたり、一人ひとり思い思いの場所へ行き、楽しんでくれていました。













ヘレン班と演劇部の皆さん、そして公演に際してご尽力下さった先生方との記念撮影!

公演終了後、風のHPの掲示板に早速演劇部の部長さんから素敵な感想・書き込みをいただきました。本当にありがとうございます。皆さんの一言一言が私達の明日への原動力となります。
高校生活、部活動、仲間の皆さんと共に楽しんで下さい!

垂井町青少年芸術鑑賞会

岡山県を離れて岐阜県垂井町へ。約300キロの大移動です!
垂井町青少年芸術鑑賞会では2年前にも町内の中学2・3年生を対象として「ヘレン・ケラー」を上演しています。
ちなみに2年前のブログはこちら



今回の公演では町内の小学5・6年生の皆さんをホールに招待しての公演となります。
ホール内は7つの小学校(表佐小学校・東小学校・宮代小学校・垂井小学校・府中小学校・岩手小学校・合原小学校)の5・6年生の児童の皆さんで一杯となりました。小学校以外でも交流があるのでしょう。遠くの客席にいる他の学校の児童の皆さんに向かって「おーい」と手を振る姿がアチラコチラで見られました。昨日までの会場の雰囲気と大きく違い、いい意味で力が抜けてリラックスすることが出来ました(笑)



公演中は舞台で起きる様々なことに驚いて歓声を上げたり、笑ったり、急に静まり返ったり。小学生の皆さんにしか出せない反応をダイレクトに舞台に返してくれました。私個人としては「赤ちゃんが実際に舞台上で泣いてる!どうなってるの?」という声が上がったのがこっそり嬉しかったです。



終演後には表佐小学校の尾畑校長先生が代表してご挨拶下さいました。自身の感想を交えながら、児童一人一人が持った感想を尊重し、自分が感じたままが正解だと児童の皆さんに訴えかけていらっしゃいました。素敵なメッセージをありがとうございました。





舞台見学は出来ませんでしたが、代わりにヘレン班全員でホールのロビーに出てお見送りをしました!(ある2校の校長先生も一緒にお見送りして下さいました。児童の皆さん、気が付きましたか?)
「さようなら!」と元気な声で挨拶してくれた子、言葉には出さず私達に満面の笑みを見せてくれる子、「良かったよ!」と演技を褒めてくれる子・・・。一人ひとりの顔を見ながら、手を振り、声を掛けます。最後の送迎バスが見えなくなるまでお互いに手を振り続けました。
そして最後に今回この場を設けて下さった垂井町文化会館の皆様と声を掛け合います。

「お疲れ様でした!」

また舞台の上で、いつの日にか皆さんに会えることを楽しみにしております!


洲本実業高校

洲本実業高校での公演は2度目。前回は18年前だそうです。
今週のステージでは唯一の体育館公演となりました。演劇を上演する為に設計されたホールでの上演も勿論良いのですが、体育館での上演もなかなか楽しいものです!



体育館に「ヘレン・ケラー」の舞台が設営されました!やはり体育館に入ってくる生徒さんの驚きの声を聞くと嬉しくなりますね。
そして相変わらず音響ブースを見た生徒さんからは「DJいる!DJ!」と言われます・・・。いえ、DJじゃないです・・・。でも舞台装置だけでなく音響や照明に関心を持ってもらえることはとても有り難いことです。

公演は笑いたい時に笑い、声を上げたくなったら上げ、生徒の皆さんが自由に舞台を観てくれていたように思います。それでいて最後まで集中を切らさずに良く観てくれました!
終演後すぐに演劇部の皆さんとバックステージツアー、座談会が開かれました。
部の皆さんが固まってそれぞれセットや俳優、衣装など、見学してまわっていました。皆さん仲がいいんですね!

座談会と並行しての撤去作業は沢山の部活動の皆さんが手伝ってくれました。野球部の皆さんはトラックの周りに集まってくれて、トラックの積み込みに力を貸してくれました。他の部活動の皆さんも体育館に点在するありとあらゆる道具を、俳優スタッフと共に集めたり、運んだり、ロープの片付けを手伝ってくれたり、と本当に助かりました!ありがとうございます!









積み込みが終わってから皆さんに挨拶、記念の色紙のプレゼント・・・。



からの記念写真大会!





が終わっても私達が学校を去るまでの間、沢山の生徒の皆さんがヘレン役の倉八、アニー役の高階の周りを囲んで別れを惜しんでくれました。
そして、学校の皆様から洲本実業高校の皆さんがプロデュースしたパウンドケーキ「八狸おれんじ」をプレゼントして下さいました。淡路県南部でしかされていない希少なオレンジを使用したケーキだそうです!旅班一同で美味しくいただきます!ありがとうございました!




巡回公演も3週目が終わりました。
一日一日の新しい出会いを大切にしながら、次のまだ見ぬ出会いを楽しみながら、巡回公演をこのヘレン班12名で最後まで走り抜けたいと思います。来週は島根県出雲市からのスタートです!

文:渡辺雄亮(音響)


2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第一週〕

2018-10-04 12:55:52 | 全国巡回公演

先日『ヘレン・ケラー』のブログで紹介がありましたが、2013年以来五年ぶりに『Touch ~孤独から愛へ』のツアーが始まりました。

9月17日 群馬県 みなかみ町「ふじや」体育館〈公開舞台稽古〉

      19日 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校

 

みなかみ町「ふじや」体育館〈公開舞台稽古〉

トップ画像の看板のとおり、まずはみなかみ町にて公開舞台稽古からスタート!

「焼きそば」「かき氷」「生ビール」と書かれたのぼりがたち体育館前には出店が並びました。地元みなかみ町の皆さんも、遠方からお越しの皆さんもこのお祭りに駆けつけてくれました。そして体育館の中では、

舞台装置を使って“かくれんぼ”、子供たちが元気に走り回っています。

開演前は「ふじや」のご主人・林さん(写真左側)の司会で副町長さんをはじめとする来賓の方々のご紹介やご挨拶で客席もどんどん盛り上げていただきました。

小さいお子さんからご年配の方まで沢山の方々が集まりスタートした〈公開舞台稽古〉は、これから始まる秋のツアーをみなかみ町の皆さんに送り出して頂いているような温かい客席でした。

終演後は舞台上だけでなく、客席の後ろにいた劇団員スタッフにも拍手をいただき、『Touch』班も『ヘレン』班も大きなエールを客席の皆さんからもらいながら旅立ちを迎えました。本当にみなかみ町の皆さんとの繋がりを有難く思います。

 

岐阜大学教育学部附属中学校

タイトルで九州ツアーと銘打ちながら、ツアー初日は毎年私たちの舞台を観てもらっている岐阜大学教育学部附属中学校での公演です。この学校では例年11月に全学年全クラスが演劇発表を行います。校内には各クラスが創った自分たちの演目のポスターも飾られ、演出・浅野もその出来栄えを絶賛していました。

今年も公演の最初から最後まで真剣な眼差しを向けてくれました。終演後の座談会では『Touch』を振り返りながら、自分たちの舞台づくりに向けて沢山の質問が飛び交いました。仲間たちと発表に取り組む真摯な姿勢がとても伝わり、彼らならきっと素敵な舞台を創ってくれると確信しました。

↑座談会に参加してくれた皆さんと。

一方、終演後の体育館でも舞台裏見学や片づけを通じて子供たちとの交流を行いました。彼らの発表では音響や照明・小道具・大道具・衣裳、舞台に関わる全てをクラス内で分担しながら行います。ここでもスタッフに「こういうことをしたい時プロはどうするのか?」と具体的な相談をするなど彼らの熱意がひしひしと伝わってきました。

 

五年ぶりのツアー初日を再会となる附属中の子たちと創ることができ、本当に嬉しく思います。

 

次回からはいよいよ九州地域に入っていきます。今回は更新が遅くなりすみませんが、こうご期待ください!

 

文:佐野準