風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2011『ハムレット』九州ツアー  九週目

2011-11-27 21:41:51 | 全国巡回公演
11月21日 佐伯豊南高校(大分県)
  22日 津久見高校(大分県)
  23日 岩川高校(鹿児島県)
  24日 北九州工業高等専門学校(福岡県)

佐伯豊南高校

ホームページ掲示板にも沢山の書き込みが届いていますが、長年風の芝居を見続けている担当の先生からも「今日の上演は生徒たちの心を掴みました」という言葉を頂くほど体育館全体が一つになったような公演でした。

公演後は何十人もの生徒が片付けを手伝ってくれましたが、そこで生まれた劇団員との交流もきっと彼らの心に残ってくれたと感じました。



↑トップと上の画像は片付けの様子。担当の先生が持っている紙は…そう、劇中使ったあのポスターです。



↑片付けを手伝ってくれた皆さんとの一枚。

この日は地元佐伯で活動している劇団『SWING-BY企画』の皆さんも鑑賞、そして片付けを手伝ってくれました。本当に有難うございました!


津久見高校

火曜日の津久見高校の公演では上演後10人ほどの生徒との座談会が行われました。

質問は『ハムレット』の感想だけでなく、「役者になろうと思ったきっかけ」や「周囲に反対されなかったか」という質問もありました。高校生にとって将来の夢や目標は、期待とともに不安を抱くときもきっとあるのだと思います。しかし、あの日の芝居や交流の思い出がエールとなり、そっと彼女たちの支えになるようなものになってくれたらと願っています。



↑座談会に参加してくれた皆さんと。


岩川高校

岩川高校では二年前にも『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を上演しました。本来は鑑賞行事は三年に一回ということになっているそうですが、創立70周年記念として上演させていただきました。

公演後、担当の先生の呼びかけで有志の皆さんとの座談会が行われましたが、率直な彼らの質問に笑いと発見に溢れた交流が出来ました。座談会後も会館を出るバスの姿を手をふり、そして男子は走って追いかけ、見送りをしてくれました。





↑座談会後の記念写真と、バスを見送ってくれた彼らの様子。


北九州工業高等専門学校

今回の九州ツアーの中では唯一の高専での上演となった北九州高専ですが、担当の先生も「学校の歴史の中でも初めての鑑賞行事」とおっしゃっていましたが、生徒にとっても先生にとっても未知の体験に溢れた一日になってくれたようです。

上演後の片付けも沢山の生徒が進んで手伝いに来てくれましたが、見たこともない機材や、どのようにして体育館が劇場に変わった仕組みにも興味を持ってくれていました。



↑体育館の天井に設置されていた照明機材にも触れてもらいました。





↑記念の色紙を渡している様子と集合写真。「今日は楽しかった!」というみんなの言葉が本当に嬉しかったです。


週末は山口市の湯田温泉で王子班と合流しました。自分たちが公演を通じて、子どもたちと出会いどんな発見をしているのか、お互いの旅の様子を話しながら「最後までいい旅を創っていこう」という意気込みがさらに強くなったように感じます。

それでは、また来週!

※東京演劇集団 風の公式ホームページにある掲示板には、芝居を観た皆さんから沢山のメッセージが届いています。
『ハムレット』を観た感想や質問などがあれば、是非掲示板に書き込みをしてみてください。

“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』②

2011-11-27 17:19:12 | “文化芸術による子供育成推進事業”
(島根県)
飯南町立頓原小学校(115名)


↑呑み助を演じてくれた頓原小学校の先生とのリハーサルの様子。

『星の王子さま』第一週目、11月16日は飯南町立頓原小学校の公演でした。先生方はなかなかない機会だと、たくさんの交流の場をつくってくれました。児童さん達は朝から学年ごとに体育館を訪れ舞台見学を行いました。


↑照明の操作を教えてもらう子どもたち。舞台見学では、実際に触れてみること、仕組みを知ってみることを大事にしています。いつも使っている体育館が人の力で劇場に変わる―創意や工夫によってつくられることを感じてほしいと考えています。


↑丸い明りだったライトが、カッティングで三角に!みんなとても楽しそうでした。

頓原小学校では出演者6名が、各学年のクラスで一緒に給食をいただきました。舞台の前の交流のひと時、子どもたちからは「何で俳優になったのですか?」「今日はどんな役で出るのですか?」などたくさんの質問が飛び交っていました。


↑ヘビ役の田中と給食を食べていた1年生のみなさん。ヘビのことに詳しい子どもたちに田中もたじたじでした^^


↑こちらは5年生と給食を食べるバオバブ役の武田、なぜ俳優になったのかという質問に、劇団員も知らない秘密の過去が語られました^^

頓原小学校ではカーテンコールで、低学年・中学年・高学年それぞれが詩の群読を聞かせてくれました。また、お礼にと歌ってくれた「ふるさと」、人が生きる土地、その土地への感謝の気持ち、たくさんの想いが伝わってきました。またいつか帰る場所、記憶のなかの宝箱としてみんなで一緒につくった公演を故郷と共に思い出してくれたら嬉しいです。

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(島根県)
知夫村立知夫小学校・知夫中学校(40名)

頓原小学校での公演を終え、旅班はフェリーで隠岐の島(島前)にある人口600人の島・知夫里島へ。11月18日は、知夫小学校・知夫中学校での公演が行われました。


↑「僕の旅は続く」を王子・飛行士と一緒に歌ってくれた、知夫小学校5・6年生と知夫中学校3年生の皆さん。やわらかい歌声がとても印象的でした。

↑隠岐の中でも一番小さな島である知夫里島は、芸術に触れる機会も少なく、村の人々、教育委員会の方々、先生方などたくさんの人たちがワークショップから楽しみに待っていてくれました。


↑前日の準備から、教育委員会の方々、村役場の方々が公演の準備を手伝ってくれました。


↑公演当日の午前中には、本番前のリハーサルが行われます。みなさん緊張もしていましたが、しっかりと舞台に向き合っていました。
本番はたくさんの村の方々が来てくれました。みなさん、子どもたちの姿に感動していたようです。/リハーサルの説明をする演出の江原




↑公演後には先生方と中学生の皆さんも撤去を手伝ってくれました。中学生のたくましい姿が、とても素敵でした。一緒にひとつのものをつくるという経験、一緒に過ごした時間があるからこそ、私たちは繋がることができたのだと改めて感じました。


↑お世話になった教育委員長さんに色紙が手渡されました。
「島の子どもたちに、本物の文化、本物の芸術に触れてほしい」教育委員長さんのたっての願いで実現した公演でした。みなさんのもてなしの心、しっかり旅班は受け取って次のエネルギーとなっています。本当にお世話になりました。






↑翌日、フェリー乗り場で島をたとうとしている旅班を見送りに、小学校のみなさんが会いに来てくれました。みなさんからもらったお手紙や記念にくれた品は私たちの宝物です。

本当にたくさんの方々にお世話になりました。今回、『星の王子さま』は小規模な学校でも多く公演ができることとなりました。「日本の子どもたち誰もが同じように、芸術や文化に触れる機会を持ってほしい」というこの事業の重要な目的が、各地域の方々に伝わる公演となっているのではないでしょうか。


↑フェリーを見送ってくれたみなさんと。



★おまけ・・・
旅班は教育委員会の方々の計らいで、知夫里島観光をさせていただきました!
素晴らしい景色とゆったりとした時間が過ごせる素敵な島でした。


↑教育委員会の方の案内で、旅班は島内観光へ


島の人口に匹敵するほどの牛がいる知夫里島、夏にはゆったりとした時間を味会うためにたくさんの人が訪れるそうです。私たちも短い間でしたがよい時間を過ごさせてもらいました。


↑壮大な景色の知夫里島の“赤壁”


みなさまも機会があったらぜひ、訪れてみてくださいね。


第1週目から濃密な時間を過ごした『星の王子さま』の旅、次週は再び島根県奥出雲からの公演です。










“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』①

2011-11-25 09:54:49 | “文化芸術による子供育成推進事業”

↑『星の王子さま』カーテンコールより。

今年も、平成23年度文化庁“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”(旧 “子どものための優れた舞台芸術体験事業”)『星の王子さま』の生徒・児童参加型公演がスタートしました!
『星の王子さま』は前年度に引き続き、中国地方(鳥取県・島根県・山口県・広島県・岡山県)19校の学校での公演が行われます。
また、今年から3年間同地域での公演を行うB区分団体として、上演をすることとなりました。

それでは、旅の様子を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

智頭町立山形小学校
+智頭小学校・富沢小学校・那岐小学校・土師小学校・山郷小学校(120名)




平成23年度“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”『星の王子さま』、初日となったのは、鳥取県智頭町の小学校6校合同で行われた山形小学校体育館での公演でした。
豊かな山並みに囲まれた山形小学校の体育館には、近隣の智頭小学校・富沢小学校・那岐小学校・土師小学校・山郷小学校の5・6年生が集まり、山形小学校の児童さんと一緒に歌や台詞で参加してくれました。


↑山形小学校に集まる児童さんたち


↑山形小学校の木造の古い校舎は、校長先生が「子どもたちの安心感をつくる校舎です」と話されていました。

来年には6校が統合され、子どもたちの学びの場は智頭小学校へと移ります。統合する前の、各校の思い出づくりのひとつとなればと今回応募されたそうです。山形小学校のみなさんにとっては、慣れ親しんだ校舎での最後の大きな行事となりました。


↑地理学者、呑み助の役は合同公演ならでわで智頭小学校、富沢小学校の先生が演じてくれました。写真は地理学者を演じてくれた富沢小学校校長先生とのリハーサルの様子。

各校の先生方が協力して子どもたちの思い出をつくってあげようとしている姿がとても印象的でした。公演でともにつくったもの、一緒に過ごした時間を、この暖かな校舎と共にいつか思いだしてもらえたら嬉しいです。



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米子市立就将小学校(383名)



↑就将小学校での舞台見学で、実際の舞台に触れてみる子どもたち。


11月15日は、米子市立就将小学校での公演が行われました。この日は、朝8時から子どもたちが体育館へと集まり、前日の夜間に準備された舞台に驚きながら、舞台見学が行われました。


↑舞台袖にセットされた様々な小道具に触れてみる子どもたち。舞台見学では、舞台監督から舞台の裏側や、照明や音響の操作などが説明されました。


↑王子が地球へ旅立つときに歌う旅立ちの歌“僕の旅は続く”を歌ってくれたのは、卒業を控えた6年生のみなさん。みなさん素敵な歌声を聞かせてくれました。立っている姿もかっこいいですね!

公演後、先生の計らいで1年生から6年生各クラスにお伺いして一緒に給食を食べさせていただきました。『星の王子さま』の俳優・スタッフも公演後に一緒に食事をしながら、公演の感想や、色々な話を聞くことができてとても楽しかったです。
終演後ご担当の先生から、「公演が始まるまでは参加のタイミングや歌のことなど覚えているか心配だったけれど、子どもたちはすごいなと改めて感じました」という声を聞くことができました。先生方が子どもたちの新たな面を発見できる場を私たちもつくっていきたいと考えています。


↑就将小学校のカーテンコールで。きれいなお花をありがとうございました!










2011『ハムレット』九州ツアー  八週目

2011-11-20 20:49:24 | 全国巡回公演
中国・四国地方では『星の王子さま』の公演がスタートしました!そちらも楽しみにしてもらいつつ『ハムレット』九州ツアーの八週目です。

11月14日 鹿児島女子高校(鹿児島県)
  15日 杵島商業高校(佐賀県)
  17日 浮羽工業高校(福岡県)
  18日 八女農業高校(福岡県)

週の始めの月曜日は鹿児島女子高校での体育館での公演でした。カーテンコールでは大きな拍手と歓声が体育館の中を包んでいました。



↑トップ画像とこの写真は片付けの様子。体育館を使う部活動の皆さんが楽しみながら手伝ってくれました!



最後は手伝ってくれた皆さんとの記念の一枚!


火曜日の杵島商業高校では文化祭のスタートを飾る公演となりました。会場となった体育館には↓下のような展示もありました。



文化祭の開会の言葉のあとに行われた『ハムレット』の公演は公演後に担当の先生が「みんなの感じたものを書いてほしい」といっていた感想文にどのように書いてくれたのでしょうか。



↑上は片付けの様子。生徒の皆さんがどんどんトラックにものを流してくれています。



↑片付けの合間の一幕。国王クローディアスを演じる柳瀬が体育館の天井にどのように照明機材を設置したのか、その秘密を教えている様子です。


木曜日の浮羽工業高校では前日の夜の搬入時から沢山の生徒の皆さんと先生方が手伝ってくれました。

みんなの力を合わせて創った舞台だからこそ上演の中でも特別が想いがこみ上げた子もいたと思います。

みんな有難う!



↑部活や委員会に関わらず本当に多くの生徒が準備・片付けに参加してくれました。





↑色紙の贈呈と記念撮影。学校生活の中で思い出の一つとしてどんなふうに残ってくれるのか、風のメンバーにとっても楽しみです。


金曜日は八女農業高校での公演、生徒会長の開演の挨拶には「心で感じてください」という言葉がありましたが、彼らにとって決して馴染みがあるとはいえないシェイクスピアの『ハムレット』という作品をそれぞれの心で受け止め楽しんでくれたと思います。





↑体育館の公演後の片付けの様子。作業をしながらも彼らは楽しんでくれました。トラックの中でも劇団員と生徒の威勢のいい掛け声が響いていました。





↑最後の記念撮影と記念品として頂いた品々。有名な八女茶だけではなく、この花も学校で育てたものです。

思い出の写真も贈り物もますます増えていっていますが、なによりもこの出会いの思い出を胸に残り一カ月を切った『ハムレット』九州ツアーを駆け抜けていきます!


※東京演劇集団 風の公式ホームページにある掲示板には、芝居を観た皆さんから沢山のメッセージが届いています。
『ハムレット』を観た感想や質問などがあれば、是非掲示板に書き込みをしてみてください。

2011『ハムレット』九州ツアー  七週目

2011-11-12 22:14:42 | 全国巡回公演
12月半ばまで続くこの2011『ハムレット』九州ツアーも初日から一ヶ月半が過ぎました。

11月7日 大村高校(長崎県)
  8日 精華女子高校(福岡県)
  9日 高稜高校(福岡県)
  10日 鵬翔中学校・高校(宮崎県)
  11日 小浜高校(長崎県)

今週は長崎県の大村高校から始まりました。約千人の生徒さんが公演の最初から最後まで真剣な眼差しを舞台へと送ってくれました。担当していただいた先生からも「子どもたちに深く考えさせるものが残ったと思います」という言葉を頂き、彼らが風の『ハムレット』から感じたことから自分自身の感性と出会ってくれた気がします。

トップの画像は公演後の片付けの様子。沢山の生徒さんが参加してくれました。



↑手伝ってくれた生徒さん以外にも写真の通りずっと窓から見守ってくれている子たちも沢山いました。



↑クローディアス役の柳瀬から記念の色紙を手渡している様子。


火曜日は福岡市民会館にて精華女子高校の皆さんに向けての上演でした。この会場では今ツアーで筑紫台高校・城南高校・福岡大学附属若葉高校に続いて四回目の上演となりましたが、今回も大きな盛り上がりが起こった公演でした。

終演後には演劇部の皆さんとの座談会もありましたが、1つのシーンのことでも「私はこう感じた」「いや私はこんなふうに思った」と色々な意見がとび、お互いの発見を楽しんでくれていました。



↑座談会に参加してくれた皆さんとの記念の一枚。


水曜日は高稜高校主催の公演でしたが、実はこの学校では2007年にも学校の体育館で風の『ハムレット』を上演しています。
先輩たちも観てくれたこの舞台を今の生徒たちも楽しんでくれたようです。上演後はハムレット役の佐野・ガートルード役の柴崎に対して生徒会役員の皆さんによるインタビューが行われましたが、まさに興奮冷めやらぬ様子で熱心に話に耳を傾けてくれていました。



↑インタビューの最後に生徒会長さんへ劇団から色紙を手渡しました。


鵬翔中学校・高校の公演でも本当に生徒の皆さんは集中して『ハムレット』を鑑賞してくれました。生徒会役員の男の子がハムレット役の佐野に話しかけてくれましたが「難しかったのにどんどん引き込まれていきました。本当に楽しかったです。」という率直な感想を聞かせてくれました。

分かりやすさや、理解することが大切だと思われてしまいがちな現代の中で、「自分自身が感じること」に今回彼は触れてくれたような気がします。


週の最後は長崎県の小浜高校での公演でした。朝の準備から陸上部の生徒さん達が手伝いに来てくれ、学校全体で公演を楽しみにしてくれているのが伝わってきました。

保護者の方々も多く体育館にご来場いただいたようですが、最後のカーテンコールで生徒たちからだけでなく保護者席からも舞台に手を振ってくれた様子を観て、家に帰って親子でどんな感想を話してくれるのか楽しみに感じました。



↑片付けの際に劇団員と生徒さんとで力を合わせロープを引いています。風の体育館公演を観たことがある方なら何を吊るすためのロープなのかおわかりでしょう。



↑本当に学校を去る瞬間まで体育館の中には笑顔があふれていました。



↑最後は片付けを手伝ってくれた皆さんとの集合写真。皆さん有難うございました!

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2011秋ツアー第8週目

2011-11-07 17:13:49 | 全国巡回公演
トップの写真は福島県の会津学鳳中学・高校の公演後、お手伝いをしてくれた皆さんとの一枚

ヘレン・ケラーの旅は第8週目となりました。今週は
10月31日 福島県 清陵情報高校
11月 1日 福島県 会津学鳳中学校・高校
11月 2日 東京都 三鷹中等教育学校
11月 4日 千葉県 天羽高校
での公演でした。

皆さんが生活をする学校で、または地域の会館で、生の舞台を全員で観るという経験は中学生活や高校生活の今だからという機会だと思います。そして先生方が、生身の人間や芸術に触れて生徒のみなさんに何か感じてほしいと願う思いは、私たちに強く伝わってきます。だからこそ私たちはその日一度限りの出会いに大きな期待と緊張をもって臨みます。

体育館の照明が落ちると同時にわき上がる拍手と歓声、舞台の導入を不思議そうに見つめる眼差し、どんなに小さなことも見逃さないその洞察力、感じたことを思わず口に出してしまう素直な心、こちらが「さすが!」と思うほどタイミングの良いつっこみ、笑い声、舞台と客席が一体になる瞬間、それは客席に座るひとりひとりがつくり出している時間であり、空間です。
皆さんはもの凄い吸収力でその場に起きることを感じ、同時に考えているんだということを私たちは肌で感じることが出来ました。舞台と向き合った時に起こったその気持ちや感覚を忘れずにいてほしい、そして共につくりあげた舞台がほんの少しでも皆さんの生きる希望になることを私たちは願っています。



大がかりな舞台装置を一生懸命、力持ちの生徒さんたちが運び出してくれるその姿はなんとも頼もしいものでした。
どうもありがとう!!



女子生徒さんだって力持ち!「これ、本当に重たいよ」と言うと「大丈夫です!」と言ってヒョイと荷物を運んでくれるその笑顔、素敵でした。恥ずかしいけど自分の気持ちを伝えたいという思いから話しかけてくれる生徒さん、自分たちの生活についていろんなことを語ってくれる生徒さん、彼らの中が垣間見えるその瞬間は喜びへと繋がります。


最後の一枚hは、天羽高校の皆さんとの記念写真。楽しみながら片づけを手伝ってくれました、ありがとう!!

『ヘレン・ケラー』の旅はここで一度区切りとなります。
旅班メンバーは『星の王子さま』を西日本で上演し、12月には再び『ヘレン・ケラー』の旅を続けます。
今日まで出会ったたくさんの皆さんの思いを胸に、私たちは新たな出発を迎えます。

鹿児島城西高校の皆さんが今年も風にやってきました!!

2011-11-07 14:33:13 | ワークショップ
10月25日鹿児島県、鹿児島城西高等学校の芸術文化コースの皆さんが研修旅行の一環として、レパートリーシアターを訪れました。3年前、私たちのレパートリーのひとつである「フランクフルトに恋人がいるサックス奏者が語るパンダの物語」を観劇してくれたことをきっかけに彼らとの交流が深まり、それから毎年、レパートリーシアターを訪れてくれています。
また、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」の九州ツアーでは、私たちが彼らの住む鹿児島を訪れ、上演を行いました。



今年も多くの生徒さんがKAZEを訪れ、中には3年連続で来てくれた3年生の生徒さんもいました!!
皆さんがKAZEに到着してまずは、普段は私たちが演劇について自由に話せる場所であり、公演中はロビーともなる場所で顔合わせ。初めての出会いや久しぶりの再会で大賑わい。鹿児島からのお土産もいただきました、ありがとう^^

その後は劇場に上がり、芸術監督の浅野から皆さんに「風はどんな劇団か、どのような活動をしているか」「芸術、演劇についてどのように思考しているか、現在何を勉強しているか」など、たくさんの話をしました。
その中でいくつかのキーポイントとなる言葉がありました。「ミメーシス能力」「流行」「今的―現代」皆さんのなかにこの言葉はどんな風に響いたでしょうか。




また、劇場空間がどのようになっているか、皆さんには劇場探検もしてもらいました。
一通り劇場を探検してもらったところで、去年も参加してくれた生徒さんの「ニュートラルはやらないのですか?」という一言があり、ワークショップが始まりました。
「ニュートラル」、いずれにも片寄らないさま、中性的、中立的、中間的という意味を持ちますが、私たち俳優の身体に置き換えると、“自分の身体の本質を探す作業”“出発点”とでもいうのでしょうか、身体自体がゼロであるという状態を探し、相手を受け取り、受け入れることの出来る状態をつくる作業。風の俳優は、公演前や風独自で行うワークショップでも常にこの「自分自身のニュートラルをみつける」ことを行っています。
どのワークショップでも言えることだと思いますが、「ニュートラル」に正解はありません。なぜなら、身体のつくりや特徴はひとりひとり異なるからです。また日々の中で私たちは多くの事と出会い、それらを感じ、身体は変化していくと思います。今の自分を見つめ探す「ニュートラル」、いろんな思いが交差し、会話が生まれながら、真っ直ぐな思いを持つ生徒さんたちと風のメンバーは楽しい時間を過ごしました。

ワークショップの最後は、「距離」。
「現代に生きる私たちは、人といる身体をなかなか持ち得ない、だからこそ、いつも人といる感覚を忘れないでほしい」というメッセージを浅野は皆さんへ贈りました。


この日に受け取ってくれたこと、また私たちに発信してくれたことを時々思い返してみてください。そしてその目を、心を、感覚を大きく開き、どうぞ夢に向かって羽ばたいてください。
また、KAZEの劇場で、どこかで再会できる日を楽しみにしています!!

2011『ハムレット』九州ツアー  六週目

2011-11-05 23:29:29 | 全国巡回公演
お待たせしました!「早く写真が見たい」というコメントも頂き、このブログを楽しみにしてい生徒さんがいることを本当に嬉しく思います。

それでは今週の『ハムレット』班の様子です。

10月31日 れいめい中学校・高校(鹿児島県)
11月1日  玄洋高校(福岡県)
  2日  筑紫女学園中学校・高校(福岡県)
  3日  大分商業高校(大分県)
  4日  筑陽学園中学校・高校(福岡県)

れいめい中学校・高校では二年前にも『肝っ玉おっ母とその子どもたち』を上演しており、久しぶりの再会となった生徒さんも沢山いました。片付けを手伝ってくれた生徒の皆さんも自分からどんどん声を出していて、トラックの前は常に大きな盛り上がりが生まれていたように感じました。

トップの画像と↓下の画像は片付けの際の交流の様子。体育館の至るところで劇団員と生徒の交流がありました。





↑最後に片付けを手伝ってくれた生徒の皆さんとの集合写真。




次の日は一気に九州を北上し福岡県の玄洋高校での公演でした。会場が二階の体育館だったので準備は日の出前から始まりました。↑上は朝日と共に搬入作業をしている様子です。

この公演は玄洋高校の創立29周年記念として学校で初めて行われた観劇行事でした。普段とは違う体育館の姿、そして全校生徒での観劇に生徒の皆さんは大きな刺激を受けてくれたようです。
カーテンコールで全校生徒が立ち上がり舞台に向かって「ありがとうございました!」と声を合わせてくれた瞬間は思わず鳥肌が立ちました。
公演後の体育館には何百人という生徒さん達が劇団員に会いに来てくれました。





↑上は片付けを手伝ってくれた生徒さんの様子。一枚目のショーケースの中に入っている生徒さんがどのシーンを再現しているか、『ハムレット』をご覧になった方ならピンとくるはず。


筑紫女学園中学校・高校では学校内の講堂での公演でしたが、ホームページの掲示板を観ていただければわかるかと思いますが学校全体が公演を通じて興奮してくれたようです。

↓下の写真のように公演後の講堂やトラックの周りには常に多くの生徒さんが取り囲んでいました。



一方演劇部の皆さんとはガートルード役の柴崎を囲んでの座談会が行われました。エネルギー溢れる彼女たちとの交流は笑いの溢れる楽しいものでした。↓下はその座談会の様子と記念の一枚。






大分商業高校では大翔祭と呼ばれる文化祭の中での公演でした。体育館に設営された『ハムレット』の舞台上では吹奏楽部の演奏やスピーチ発表などが風の照明機材も使い大がかりに行われました。この文化祭のテーマが「東日本大震災後の復興を目指す東北へ応援メッセージを送る」ということで文化祭のオープニングには全校生徒での黙祷や、『ハムレット』の公演後には劇団員を代表しクローディアス役の柳瀬が今年の春に行われた東北での『肝っ玉おっ母とその子どもたち』の様子をエピローグとして話しました。

遠く大分から元気を届けようという雰囲気が生徒の皆さんそれぞれの中にありました。



↑体育館には復興への願いを込めて創られた壁画が沢山展示されていました。





↑片付けを手伝ってくれた生徒の皆さんとの様子。実は前日の夜の準備には多くの先生方が手伝ってくれました。
本当に皆さん、ありがとうございました。


週の最後は福岡サンパレスホールで行われた筑陽学園中学校・高校での公演。公演前には表彰式や英語スピーチなども行われ、多くの保護者の方も会場に来ていただいていました。

そして開演前には校長先生自身が学生時代に観た『ハムレット』の思い出を話して下さり、会場全体が公演中は張り詰めるように集中していました。

残念ながら写真はありませんが、カーテンコールでは立ちあがって舞台に手を振ってくれる姿が沢山あり、校長先生の話のようにこの体験がいつまでも彼らの中に残ってくれる気がしました。


もうすぐ『星の王子さま』の旅も西日本で始まりますが、『ハムレット』班も良い刺激を与えられる九州ツアーを創り上げていこうと思います。

それでは、また来週!