風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第9週目

2012-11-25 20:48:47 | 全国巡回公演
『Touch~孤独から愛へ』の旅は9週目を終えました。
今週は鹿児島から始まり、長崎、福岡と駆け巡りました。
トップの写真は、鹿児島商業高校の体育館から見える桜島です。

11月20日 鹿児島商業高校
  22日 口加高校
  24日 福岡一般公演


鹿児島商業高校は、全国でも珍しい男子校の商業高校です。
朝、学校に着くと、多くの生徒さんが体育館に集まっており、搬入のお手伝いを元気よくやってくれました。
荷物の多さに驚きつつ、「公演楽しみにしています!」と、期待をもって授業に向かっていきました。
本番は、最初から最後までグッと集中して、舞台に熱い視線を送っている彼らの姿がとても印象的で、カーテンコールの割れんばかりの拍手とともに、彼らのエネルギーをすごく感じました。
舞台撤去のお手伝いも、バレー部の生徒さんをはじめ、多くの生徒さんが参加してくれました。

「生徒もよく見ていましたが、教員もすごく喜んでいました。『すごいね。今年の鑑賞会は!』と、驚いていましたよ。」と、担当の先生が話してくれました。そう話す、担当の先生もとても興奮している様子でした。



↑鹿児島商業高校での集合写真。


口加高校は、今回で風の公演は6回目の上演でした。
開演前から「わぁ、すごい!」、「どうなっての!?」などの声がおこり、興奮と期待のなか開演しました。
公演が始まると終始リラックスした雰囲気で、目の前で起こる出来事にそれぞれが自由に反応していました。
公演後は、多くの生徒さんが舞台に駆け寄って、小道具に触ったりスタッフや出演者に質問をしたりしていました。生徒さんだけでなく、多くの先生方も「本物を見せられてよかった。やってよかったです。」など声をかけてくれました。
テスト前ということで舞台撤去のお手伝いの予定はなかったのですが、自主的に「手伝いたい。」という生徒さんが体育館を訪れ、お手伝いをしてくれました。その間にも、下校していく多くの生徒さんが劇団員に声をかけ、質問や感想を伝えてくれました。彼ら彼女らの好奇心の旺盛さ、興味をもったことに進んで飛び込んでいく姿に、僕たちも元気をもらいました。



↑口加高校にて。舞台見学をしている生徒さんから質問を受けるトリート役佐野準。



↑口加高校にて。舞台撤去を最後まで手伝ってくれた生徒さんとの一枚。


そして、週末には、福岡のももちパレスで、一般公演を行いました。
この公演に、今中国・四国地方で『星の王子さま』を巡演している劇団員、ツアーメンバーが応援に駆けつけてくれました。
4年振りとなる福岡の一般公演。小さなお子さんから年配の方まで、さまざまな年代の方々が訪れてくれました。
そのなかには、今ツアーで学校で『Touch』を見て「もう一度見たい!」ということで見に来てくれた高校生や、「高校生の時に『Touch』を見て、大人になった今、見たいと思って来ました。」という方など、数多くのうれしい再会もありました。
本番は、厳しくも優しい客席の視線に支えられて、いい公演をつくることができました。鳴りやまない拍手が客席と舞台のいい関係を物語っていました。

演劇は、見ている人にとってそれぞれを映す鏡のようなものだと思います。
「見る」ことを通して今の自分だけでなく、その後ろにいる過去の自分も映します。
人によっては、思い出したくない部分や触れてほしくない部分が見えてしまうこともあるでしょう。
それでも、「思い出せて良かった。振り返れてよかった。見てよかった。」という人々に、強さと優しさを感じます。
『Touch』が「何か」に触れる瞬間を、一回一回の公演のなかで観客とともに発見する。
そのことの大切さと重さをあらためて考える1週間でした。

人間にとって演劇がなぜ必要なのか。なぜ演劇なのか。
常に問い続け、考え続けています。
自分たちのやりたいこと、観客とつくりたいことをブラさずに、一回一回をやりきっていきます。


『Touch~孤独から愛へ』の旅はこの後も12月19日まで続きます。
そのあとは、拠点劇場レパートリーシアターKAZEでの凱旋公演が待っています。
凱旋公演については、また追って更新しますので、お楽しみに。



佐藤勇太





Touch~孤独から愛へ 福岡公演

2012-11-20 13:39:56 | 公演情報
現在、九州各地を巡演中の『Touch』ですが福岡市民芸術祭参加作品として11月24日にももちパレス(福岡市)にて一般公演が行われます。

詳細はこちら↓

◇平成24年度福岡市民芸術祭参加作品◇
東京演劇集団 風 福岡公演
『Touch~孤独から愛へ』


作:ライル・ケスラー 演出:西垣耕造 翻訳:小田島恒志

出演:柳瀬太一/佐野準/佐藤勇太

日時:11月24日(土) 午後6時30分開演(午後6時開場)

会場:ももちパレス 福岡県立ももち文化センター

入場料:一般前売 2500円 学生前売2000円(当日券はそれぞれプラス500円となります)

後援:福岡市/福岡市教育委員会 (公財)福岡市芸術文化振興財団

協賛:TAO CAFE



「Touch」(原題「ORPHANS(孤児たち)」)は、1985年にシカゴで上演され、オフブロードウェイで絶賛を浴び、1987年には映画化もされた作品。
 作者ライル・ケスラーは、ニューヨーク、ロスアンゼスを中心に、演劇の持つ創造性を使って、リスクを負っている子どもたち、精神治療を必要とする患者、ホームレスの人たちとのワークショップを30年以上に渡って行い、閉ざされた心を開いていく活動を実践しています。この作品も、そこでの経験を通じて描かれたものです。

 北フィラデルフィアのアパートの一室。アレルギーの発作でほとんど外に出られない弟フィリップと、不良の兄トリート、2人の孤児の兄弟が暮らしている。ある日、2人の前に現れた謎の紳士ハロルド。ハロルドは彼らを「デット・エンド・キッド(行き止まりの子どもたち)」と呼び、「元気づけてあげよう」と手を差し伸べる。次第に心を開いていくフィリップ、それとは対照的に触れ合いを拒絶するトリート。
 「孤児」である3人の出会いが、孤独を抱えながらも、真剣に相手と向き合うことで、新たな一歩を発見していく。

 東京演劇集団風は1991年に原題「孤児たち」でこの作品を初演しました。翌年1992年からは全国巡演公演を開始し、「Touch-触れること」に焦点をあて、『Touch~孤独から愛へ』とタイトルを変更し、今なお日本全国で巡演を行っています。

 そしてこの度演出・翻訳・キャスティングを新たにし、今日も九州の学校での巡演を行っています。
皆さんの御来場を心よりお待ちしております。


チケットのお問い合わせは↓

東京演劇集団 風
03-3363-3261
info@kaze-net.org

Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第8週目

2012-11-18 11:43:02 | 全国巡回公演
『Touch~孤独から愛へ』8週目が終わり、上演は41ステージを数えました!

今週は

11月12日 小倉西高校
  13日 熊本信愛女学院中学・高校
  14日 中村学園三陽中学・高校
  15日 香椎工業高校
  16日 大分豊府中学・高校


での公演でした。

小倉西高校の公演では、前日に搬入をしました。
トラックが体育館に着くと、搬入のお手伝いの生徒さん達が待っていてくれました。
この公演を楽しみに待っていてくれたようで、明日への期待に胸をふくらませながらの
搬入は、体育館の階段を登る姿を軽やかにしてくれます。
お手伝い、ありがとう!

12日の公演は、元気な笑い声に包まれた熱気のある公演でした。
舞台と客席に一体感が生まれていく中、
皆さんの明るい学校生活が見て取れるようで、僕たちはたくさん元気をもらいました。

小倉西高校での公演が終わり、舞台のバラシが始まります。
トラックに搬入しているとき、お手伝いの生徒さんから質問を受けました。
「ボランティアなんですか?」
違うよ、と答えると
こんな仕事があったのか・・・。と、不思議そうな表情で瞳を輝かしていました。




↑小倉西高校集合写真

実は、小倉西高校はハロルドを演じた柳瀬の母校です。
柳瀬が生徒さんにサインをしているときに、
柳瀬の母校と知り、驚く生徒さんの姿が今でも印象に残っています。



↑小倉西高校の正門の前でお手伝いをしてくれた生徒さん達が見送りをしてくれました。



熊本信愛女学院中学・高校は、市民会館崇城大学ホールでの公演でした。

開演前の生徒さんたちが、客席に座る姿はとても静かで美しく、
本番に向けて集中していました。
舞台袖中も集中力が高まり、自分たちの公演に向ける姿勢を正していました。

本番中は、楽しそうな笑い声や、細かいところまで良くみている反応がありました。
生徒さん達が自ら参加して、一緒に演劇をつくりあげていくような公演で、
お互いに愛や温もりを感じあう公演になりました。



↑熊本信愛女学院の三年生と生徒会長さんが上演後楽屋を訪ねてくれました。


今ツアー数少ない男子校である中村学園三陽中学・高校は、ももちパレスでの公演でした。



Touchの登場人物は3人とも男性で、女性はひとりもでてきません。
世界には男女等しく存在しますが、Touchの世界には登場しません。
僕は高校生のころ、男子校だったので、女性の居ない安心感を懐かしく思うことがあります。

本番中はとてもリラックスしてみてくれていました。
Touchという作品が、男女間ではない友情や応援してくれる人の愛を感じる
きっかけになったのなら嬉しく思います。



↑カーテンコールでは、生徒さんからお礼の言葉をいただきました。

「僕にはひとり弟がいるんですけど、兄として恥じない行動をしたいと思います。」

人と人とを繋ぐ、見えない絆を大切にする公演でした!


香椎工業高校の公演では
泣いたり笑ったりすることが、誰かと一緒なら楽しいものになる。
そんなことに気付かせてくれました。

一幕が終わり、休憩を挟み、二幕が始まる音楽が鳴ると、
客席から「しー!、しー!」と聞こえてきます。
楽しそうに観劇する様子がうかがえました。

二幕が終わり、舞台が暗転すると
客席から拍手がわきあがり、カーテンコールの明かりがつきます。
大きな拍手はなかなか鳴りやみません。
感動的な公演になりました。



↑香椎工業高校バラシの中での1ページ




↑香椎工業高校集合写真


大分豊府中学・高校での公演は
ひとりひとりが自分の感じたところで反応していて、
演劇を楽しむ自由さをのびやかに感じていました。



↑大分豊府中学・高校バラシの中での1ページ

生徒さんたちのチームワークの良さ、みんなで声をかけあっている姿に感動しました。
「次、何持ってくればいいですか!」
「その次はなんですか!」
「上の人は下げて、下の人は上げて持つとバランス取れるよ!」
「そうそう、いいよ!」

元気な声が飛び交っていました。



↑別れを惜しむように運転席の柳瀬にサインを求めて、
生徒さん達が並んで待っています。



学校から学校へ、人と人を繋ぐTouchの旅はまだまだ続きます!
公演を重ねるたびに優しくふくらんでいく、人と人が出会い、感じあった思い出を大切に。
そのとき生まれたひとつひとつの贈り物を、トラックいっぱい積み込んで。




車 宗洸

ヘレン・ケラー ひびき合うものたち 2012秋 西日本・東日本巡回公演 第6週目

2012-11-17 11:36:16 | 全国巡回公演



10月29日 茨城県  常磐大学高校
  31日 福島県  本宮高校
11月 1日 神奈川県 平塚中等教育学校
   2日 福島県  福島成蹊高校・中学校 
 



すでに公演を行った各県の学校から多くの感想文が届きました。
そこには、ひとりひとりがその日に見、聞き、感じたこと、考えたことが率直な言葉で綴られていました。「なるほど」と思うことや心が温かくなる言葉、さらには私たち自身が行ってきたことを振り返させてくれる言葉など様々です。
中学校・高校時代は多彩な出会いを繰り返す時期ではないでしょうか。
多くの人に見守られ、支えられながら自分自身と向き合い、時に悩み、そして喜ぶ・・・。
また自分の周りにいる人について深く考え、この現代社会がどのように息づいているかを感じるかもしれない。
ひとりひとり異なるものをその身体に持ち込む、そんな皆さんが私たちに投げかけてくる言葉、姿はこの社会を表すひとつのサインなのではないかと感じています。

この事を受け止めて、演劇を通じて発信していきたいと考え、そしてそれは形に捉われずに常に動いているものだと思います。皆さんの中に微細に繊細にうごめく何かを共に過ごす時間の中で気がつき、そこに私たちはひとりの人間として、演劇という芸術を体全てに持つものとして応えていきます。『ヘレン・ケラー』を見て、また演劇と触れ合った時間や空間の中で皆さんの中に湧いた小さな反応のひとつが、新たな出会いを生みだすきっかけとなってくれたらと願っています。
















9月24日から始まった『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』。
バスとトラックで東へ西へ駆け巡ったこの旅は今週でいちど節目を迎えました。
ほんとうにたくさんの生徒さん、先生方に出会いました。
皆さんには勿論、皆さんと私たちが出会うため、皆さんのこれからのために一生懸命になってくれた先生方に感謝しています。

今だからこそ、自分自身を大切にしてください。
時間がかかっても、必ず、お互いをぶつけ合い想い合える誰かに出会える、そう信じています。

アニー・サリバン役:渋谷愛




Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第7週目

2012-11-11 23:33:40 | 全国巡回公演
『Touch~孤独から愛へ』7週目が終わり、上演は36ステージを数えます。
全行程のど真ん中、折り返し地点を通過し、「ようやく半分」「もう半分」という相反する思いが交差しています。


11月5日(月) 武雄高校
  7日(水) 鳥栖商業高校
  8日(木) 鳥栖工業高校
        三養基高校
  9日(金) 日田高校
  10日(土) 翔陽高校



月曜日、開演前にご担当の先生から生徒さんたちに向けてこんな話をされました。「みなさんは、朝の読書の時間に本を読みますね。小説は言葉が記号です。舞台は出演者のセリフ、動き、舞台装置が記号です。この記号からはたくさんのことが発せられます。演劇は“記号の生きた集合体”です。何ひとつ見逃すわけにはいきません。」と。

この“記号”には<情報伝達や思考・感情・芸術などの精神行為の働きを助ける媒体のことである。狭義には、文字やマークなど、意味を付された図形を指すが、広義には表現物、ファッションや様々な行為(およびその効果)までをも含む。>という意味がありました。印やマークということだけではなく、客席をも含めた演劇行為そのもが“記号”であるということ。

先生のおっしゃったように私たち演じる側も共演者、舞台装置、照明や音響、裏にいるスタッフからたくさんの記号を受け取ります。そして何より大きいのは、客席にいるみなさん一人ひとりから受け取るたくさんの記号です。
それは色や形、大きさ・・・その場その時で様々に変化し、色々な速さや角度でそこここから、時には同時に、時には一つのうねりとなって私たちに投げかけられます。この記号が発するものの交感によって私たちはお互いに何かに出会い、発見し、つながっていける。これは、私たちが生きる上での大きな喜びだと思います。

この演劇が持つ力や可能性を信じ、常に探求し続けながら若い観客たちや先生方と出会いの場を共に創っていきたいと改めて思う一週間でした。


今週は2度の座談会が開かれました。



↑鳥栖商業高校の演劇部の生徒さんたちです。
演劇部ならではの質問や疑問、それぞれ印象に残った場面や感想をたくさん述べてくれました。



↑こちらは三養基高校放送委員の生徒さんたち。
ハロルド役の柳瀬が出席しました。とても身近なこととして感じられたと話してくれたそうです。


日田高校のカーテンコールでは生徒会副会長の生徒さんから「お礼を言いたいんですけど、もう出てきてくれないんですか?」と急きょ俳優たちが舞台に呼ばれ、「大事なものはすぐ近くにあるんだと思いました。」という言葉をとっても嬉しいサプライズと共にもらいました。
↓上演後に楽屋を訪ねてくれた日田高校の皆さんと。




今週唯一の体育館公演は翔陽高校、文化祭での上演でした。







野球部やサッカー部を初め、大勢の生徒さんたちがこれでもかという元気の良さで搬入と搬出のお手伝いをしてくれました。階段での写真は演劇部のみなさんです。

どの部活動、委員会にしてもそうですが、高校の三年間だけでしか味わえないものです。まして、同じメンバーで活動できるのはその中でも一年間だけ。毎年三年生は卒業し、新たに一年生が入ってきますから。卒業して何年も経ってもふとした瞬間に高校生の頃のことを思い出すことがあります。一年一年を大事に、そしてステキな思い出をたくさん仲間たちと一緒に作ってほしいと思います。

そのひとつにこの日のことを加えてもらえたら嬉しいです。




若い観客たちのノリで、と言ってもテンションが高いとか、浮かれているとか、悪ふざけなどとは全く異なるその場、その空間を自分たちで盛り上がりを作り出し、「僕たち私たちはこう見るよ」と提示してくるパワーの凄さを感じました。もちろん一般公演とは違い、自分たちしかいない、自分たちのためだけの特別な空間と言うことはありますが、だからこそ出来ることがあると思います。

先生方の思いや願い、生徒さんたちの社会に対する欲求や声にならない叫び・・・。
この空間には様々な思いがうごめき合い、ぶつかり合います。
そこから生まれてくる、生み出されてくる“何か”に期待を込めて『Touch~孤独から愛へ』の旅は後半戦に突入です!

ここで、鳥栖商業高校のご担当の先生の言葉をお借りするならば

Touch“触れる”というこに思いを馳せつつ・・・。



仲村三千代

Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第6週目

2012-11-03 05:07:28 | 全国巡回公演


10月28日(日) 国見高校
  29日(月) 文徳中学・高校
  30日(火) 加世田高校
  31日(水) 宮崎工業高校
11月 1日(木) 玉名工業高校
   2日(金) 熊本工業高等専門学校 八代キャンパス


『Touch』九州ツアーは5週目から6週目を合わせて、なんと12日間連続の公演でした。上演数にして13ステージ。
9月24日の初日以来ちょうど30ステージを終え、今年の九州ツアーの折り返し地点に近づきました。
新生『Touch~孤独から愛へ』が九州に上陸し、「今なぜ、生徒が演劇と真剣に向き合っているのか」という問いを学校とともに考え、終演後の生徒の姿を共有しています。その時、あの場にいた私たちにしか解らない、湧き上がるような感覚が生徒のいまに繋がってくることを願いながら、次の公演の地へ向かいます。



公演後の挨拶の写真です。
「私たちは地域の方々や保護者の方に見守られながら日々の学校生活を送っています。」と全校生徒を前に堂々と話す生徒の背中をそっと見守る先生の背中です。私たち風の公演を学校を代表して支えてくれているこの背中が、どんな大変なスケジュールであろうと踏み込んでいく力を湧き上がらせ、学校とともに特別な空間を創造させてくれます。













様々な劇場、体育館にその日、その場限りの空間を作り、そして次の公演地へ向かう。
舞台装置を完全に撤去された劇場、体育館は数時間前の面影を残すことなく普段通りの姿に戻ります。
撤去のお手伝いの生徒に向かい、座長の柳瀬は言います。
「これで皆さんの知るいつもの体育館に戻りました。さっきまでの劇場の姿はもうありません。しかし、君たちの心の中にその空間は存在しています。胸の中にある興奮や感動をたまに思い出してください。」
長いツアーの中のたった一日。このかけがえのない時間が観劇する生徒の中に、芸術と触れた痕跡が残っていることを先生方と共有し、また新たな公演の地へバスを走らせる日々。
決して連続されない一回一回の出会いを積み重ね、新生『Touch』は風と学校がともに織り成す舞台となって次の出会いを待つ学校へ紡がれていきます。形はなく生徒の内に存在する作品となっている実感を持ち、いまだ出会いを待つ生徒の元へKAZEのトラックとバスは走ります。





白石圭司