風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2019年『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』東日本ツアー第二週目

2019-05-26 20:46:36 | 全国巡回公演

ジャンヌ・ダルクのツアー2週目は

5月21日 宮城県 岩ヶ崎高校 

   22日 岩手県 江南義塾盛岡高校 

   23日 秋田県 角館高校

の公演でした。

4月の初日の公演から、約1ヶ月後の再スタートとなり、僕たちにとっては(帰り初日)となる公演をむかえ、旅メンバー一同、新たに気を引き締めて稽古を重ね、東北に向かいました。

5月21日 宮城県岩ケ崎高校

前日の東京からの移動、そして体育での仕込みを経て、帰り初日に望みます。
学校に到着すると、部活動をしている生徒たちがグラウンドでたくさん、風のバスやトラックを見て驚きと期待の表情で、むかえてくれました。

豪雨のなか仕込みを行ったのですか、本番直前になり照明と音響用に準備していた発電機が漏電してしまい、本番の準備のために急遽全校生徒に舞台見学をしてもらいました。

音響、照明の準備が整って開演すると生徒たちはリラックスして観劇していましたが、芝居が進むに連れて、真剣に舞台に見入っていました。
終演後の生徒代表の挨拶では
「開演前の舞台見学の中で、役者さんの人たちと交流出来て良かった。これからも感動を全国に伝えてください。」と僕たちに励みになる言葉を頂きました。
また、校長先生が実は劇団創立の頃の『ハムレット」をご覧になっていると教えて頂きました。ハムレットは、風を作ってまだ全く芝居の評価もないときに、全国の学校の先生方の協力があり、巡演が可能になり、風の原動力になった最初の作品です。そのハムレットをご覧になって感動した事を今伝えて頂ける先生と再会できたことも、運命を感じる素敵な1日でした。

終演後には、座談会でジャンヌの白根も交流し、沢山のお手伝いの生徒さんとも、貴著なひと時を過ごすことが出来ました。

 


5月22日 江南義塾盛岡高校

岩手県民会館で公演を行いました。



江南義塾盛岡高校は、風の演劇公演初めての学校です。
本番では、楽しげに反応する生徒たちが沢山いたり、真剣に舞台を見たり、様々に個々の中で考えながら感じながら、観劇している生徒たちの表情が印象的でした。



終演後、体育係の部活動の生徒たちは、大会前ということですぐ会場を出なければいけなかったのですが、参加者1人を予定していた舞台見学には、50人程の生徒が参加し、楽しみながら興味深く舞台裏を体験しました。

 


23日 角館高校

角館高校は、数年前に角館南高校と合併しました。僕たち風は合併前の角館南高校で『Touch』を上演しています。

角館高校は、毎年他劇団の公演を、学校外の会場に観劇に出かけているとのことで、今回は満を持して初めて同校の体育館で公演を行うとのことです。
さらに、毎年2年生と3年生が演劇をクラスで作ることを伝統的に続けているとのことで、学校全体が演劇を身近に感じている気持ちが伝わってきました。
本番でも、観劇の態度はとても集中力があり、様々なことを思考し、体感していたようでした。終演後の生徒挨拶でも、
「役者の演技や、照明効果や音響でも、沢山学べました。」
と今後の学校での演劇作りに意欲を感じるきっかけになったようでした。


終演後の座談会でも、長い時間劇団や舞台について、色んな興味や疑問を出す生徒が集まって、充実したディスカッションの場になりました。

舞台撤去には、沢山の有志の生徒が集まってもらい、柔道部も練習の合間をぬって参加してくれました。

 
2019年ジャンヌ・ダルク春のツアーは、まだまだ続いていきます。来週は群馬県から岩手県までを走り抜けます。
 
アンセラン役:栗山友彦
 

2019年春『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』西日本・九州ツアー【第1週目】

2019-05-26 07:59:42 | 全国巡回公演

2019年、春の西日本・九州『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』のツアーが始まりました。
私たちは、5月10日に美しい自然に囲まれた、みなかみ町立藤原小中学校の15名の生徒さん、先生方、地域の方々と共に『星の王子さま』の公演を経て、西日本へと出発しました。

5月13日(月)  [三重県] 鳥羽商船高等専門学校 同校体育館
5月14日(火)  [三重県] 四日市メリノール学院中学校・高校 同校体育館
5月16日(木) [大阪府] 今宮高等学校 クレオ大阪中央
5月17日(金) [福井県] 南越前町教育委員会自主事業 中学校合同公演(南條中学校・今庄中学校・河野中学校) 南條文化会館
5月18日(土) [福井県] 南越前町教育委員会自主事業 一般公演

鳥羽商船高等専門学
今週最初の公演は、三重県の鳥羽商船高等専門学校です。
風は初めての公演、そして、演劇の芸術鑑賞自体初めてという学校です。
また、今回の公演は、「命を育む教育事業芸術鑑賞会」として行われました。
近年、若い人たちが自ら命を絶ってしまうという事件が増えています。
若い学生たちに命の大切さ、生きる、ということを考えて欲しいという取り組みの中で行われた公演でした。

公演が始まると、体育館いっぱいの客席からは、真っ直ぐな視線で舞台に向き合う姿に支えられた公演となりました。

終演後には、バックステージツアーも行われ、多くの学生の皆さんが生き生きと舞台に触れていました。







そして、そのまま集まってくれた学生の皆さんが舞台の撤去の作業をお手伝いしてくれました。





先生方の想いと共に実現した今回の公演が、若い観客たちにとって、未来に向け自身の一歩を踏み出す一つの糧となることを願います。

四日市メリノール学院中学校・高校 
今週2回目の公演は、同じく三重県の四日市メリノール学院中学校・高校です。
四日市メリノール学院中学校・高校では、2015年に『ジャンヌ・ダルク』の公演を行っており、今回風の公演は、2回目、4年ぶりの公演となりました。
四日市メリノール学院中学校・高校は、『ジャンヌ・ダルク』を公演した当時は女子校でしたが、2017年に共学となりました。
ご担当の先生方の中には、『ジャンヌ・ダルク』の公演を観た先生もいらっしゃり、先生方の強い想いと共に実現した公演となりました。

劇場となった体育館に入場する生徒さんは、「体育館が変わった!」、「すげー!」と想い想いひ声をあげながら、これからいったい何が始まるのかと、期待に満ちた姿で空間を感じている姿が印象的でした。
公演が始まると、ひとつひとつの出来事に反応したり、静かに見つめたりと、とてもリラックスした姿勢で一人一人が敏感に空間を感じているようでした。

終演後には、バックステージツアーも行われました。





そして、舞台の撤去の作業のお手伝いの生徒さんもたくさん集まってくれました。
お手伝いをしてくれた生徒さんの中には、『ジャンヌ・ダルク』の公演を観た生徒さんもおり、再会の時間ともなりました。



また、劇場から体育館に戻っていく様子を眺めながら、演劇部と有志の生徒さん方がアニー役の渋谷との座談会も行われました。



とても活動的な演劇部の生徒さん方ですが、生で演劇を見る機会はあまりないそうで、自分たちの活動を通しての話や、とても広い視野を持って、熱の込もった姿勢で話をしている姿がありました。



撤去の作業が終わった後も、演劇部の生徒さんやお手伝いの生徒さん方が、劇団員に声をかけ、最後の最後まで、公演を通して感じたことや考えたことを語ってくれ、前に進もうとする生命力溢れた姿に私たちも多くのことを気づかされる時間となりました。

今宮高等学校
今週3回目のは、大阪府の今宮高校の2年生の皆さんとの公演です。
風の公演は、2000年に行われた『ヘレン・ケラー』の公演以来、19年ぶりとなりました。
担当の先生の、風の公演を生徒たちに見せたい!という熱意と共に実現した公演でした。
本番が始まると、客席からの集中した視線に支えられた公演となりました。
終演後には、演劇部さんによる「ヘレンの諦めない姿とアニーの情熱を感じることができました。」と素敵な挨拶と花束を頂きました。
 
 
また、終演後には、バックステージツアーも行われました。
 
 
 
 
 
 
多くの生徒さんや先生方が舞台上に集まってくれました!
実際に自分の手で触れ、感じたり、気になることや感想を積極的に俳優に語っている姿が印象的でした。
 
南越前町教育委員会自主事業 中学校合同公演
今週4回目の公演は、南越前町教育委員会自主事業による、南條中学校・今庄中学校・河野中学校との合同公演です。

また、公演と共に会場のロビーには、劇団との交流も深く、活動を支えて下さっている、越前市出身の放送作家、向瀬杜子春さんが撮影したインドのシャンケニケタンの子どもたちやその豊かな土地でで暮らす人々の生き生きとした姿を写した写真展も行われました。
ロビーには、続々と中学生たちが集まり、友達や先生たちと話しながら公演が始まるまで、夢中で写真を見つめていました。
 
 
 
向瀬さんと話をしながら写真を見る生徒さん。
 
終演後には、南條中学校・今庄中学校・河野中学校の皆さんが1校づつ舞台に上がり、全校生徒によるバックステージツアーも行われました。

 
 
 
ひとつひとつの舞台の仕組みを説明する劇団員。
その説明を真剣な表情で耳を傾けたり、『ヘレン・ケラー 』の公演を通して、感じたり、考えたことや、質問をとてもダイレクトに、劇団員に投げかけている姿もありました。
バックステージが終わり、開場を去っていく最中、また、再びロビーの写真に触れる生徒さん方。
『ヘレン・ケラー』の公演の一日、そして、シャンケニケタンの人々の写真展を通して、何か彼らの中で繋がったり、残るものがあれば幸いです。
 
南越前町教育委員会自主事業一般公演
今週最後の公演は、前日に続き、南越前町教育委員会自主事業による公演です。
南越前町教育委員会による自主事業での一般公演は初めての試みだそうです。
前日に続き、向瀬さんの写真展も行われました。
『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の公演は午後から。
午前中には、向瀬さんの知り合いの方々や、告知を見て来られた方々、用事のついでに立ち寄って下さった方など、様々な人たちが写真展に足を運んでくれました。
観に来られた方々の中には、昭和の時代、日本の戦後間も無く、ものは無いけれど自然や人の豊かさに溢れていた時代と香りを残すシャンケニケタンの風景や人々の姿に、自身の幼少時代や思い出を重ねながら、眼差しを向けている姿もありました。
また、南越前町教育委員会の皆さまを始め、地域の方々、多くの方々が今回の公演に向けて、宣伝や告知をして下さったそうで、公演当日にもたくさんの方々が観に来て下さいました。


たくさんの人たちとの繋がりや支えによって実現した今回の公演に感謝の言葉を送る向瀬杜子春さん。


終演後には、バックステージツアー、そして、ヘレン・ケラー役の稲葉、ヘレンの父、アーサー・ケラー役の酒井による座談会も行われました。
 
 
 
座談会には、福井商業高校の演劇部の生徒さんと先生方、武生東高校の生徒さん、地元の劇団の方々や地域の方々が集まり、とても、盛り上がっているようでした。
南越前町教育委員会の皆さんを始め、共に公演を創り支えて下さった方々に心より感謝申し上げます。
南越前市の皆さんとの再会の日を心より楽しみにしています。
 
1日1日がとても濃密な時間となった一週間。
公演の実現に向けて、強い情熱や熱い想いを持った皆さんの力に支えられ、そのひとつひとつの公演を共に創ることが出来きたと感じる時間となりました。
 
 
パーシィ役・倉八ほなみ
 

2019年『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』東日本ツアー第一週目

2019-05-02 01:09:58 | 全国巡回公演

今年の巡回公演第一公演目は神奈川県からスタートしました。

4月25日 神奈川県 横浜女学院中学校

 

横浜女学院中学校

横浜女学院中学校では、前回のヘレンケラーから4年ぶりの再会です。

開場を前に、ホールの前に集まっている生徒さんの姿からは、この公演を楽しみにしてくれている様子がひしひしと伝わってきました。

 

 

いよいよ幕が開け会場内に入ると、元気のいい笑顔を見せて私たちを出迎えてくれました。

芝居中は開演時とは打って変わって、芝居に隅々まで見逃さないというようなすごい集中力で、本当に中学生なのか!?と思わせるくらいの雰囲気が会場に広がり、舞台に立っている私も多くのエネルギーをもらいました。

終演後には代表の生徒さんからその時その場で芝居を観た率直な喜びを語ってくれました。この観劇の時間がみんなにとって何かのきっかけであったならうれしく思います。

 

 

 

 

終演後にはバックステージツアーには、全校の約3分の2もの生徒達が舞台上に上がってきて、自分たちが今まで見ていたものを確かめるように舞台の隅々まで見て回っていました。この光景には担当の先生も「こんなに参加してくれるとは思わなかった」と喜んでくれていました。

 

 

 

ゴールデンウィークには、詩劇「十番目の詩女神(ムーサ)」の公演も控えています。その後はまた西日本「ヘレン・ケラー」東日本「ジャンヌ・ダルク」と多くの出会いの場が待ちかまえています。その一回一回の公演、そこに携わる一人一人を大切に、今なぜ芝居をやるのか、巡回公演、劇場での公演、多くの場を通して考え感じていける集団であり続けたいと願います。

 

シャルル7世役・石岡和総