風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』ツアー 最終週

2013-07-22 17:38:27 | 全国巡回公演
4月25日からスタートした2013年春の東日本地域における芸術鑑賞教室のための巡回公演も、いよいよ最終週となりました。

7月16日 板橋有徳高校(東京都)
17日 長岡商業高校(新潟県)
  18日 八王子拓真高校(東京都)
  19日 世田谷学園中学校(東京都)


板橋有徳高校

毎年演劇を鑑賞している板橋有徳高校、風とは2009年の『Touch』以来の再会となりました。


↑開演直前の肝っ玉おっ母とその子供たち。

終演後に座長の柳瀬が挨拶した先生からは「子供たちがここまでのめり込んで観てくれるとは」という嬉しい言葉を頂きました。舞台上からも後半になるにつれて増す子供たちからの視線を感じました。


長岡商業高校

風ははじめて伺う学校でしたが、開演と同時に客席の集中した空気が舞台に流れ込み、始まりの緊張感が終始続いた公演でした。



終演後は放送部のインタビュー形式の座談会がもうけられ、観劇後の興奮も残した交流会となりました。
「私は見続けていくうちに“魂の叫び”みたいなものを感じていました。」―そんな言葉を残してくれた女生徒の眼鏡ごしの表情はとても清しいものでした。


八王子拓真高校

これまで鑑賞行事では映画の上演を行なっていた八王子拓真高校、会場は近年八王子駅前に出来たオリンパスホールでの公演でした。




↑急遽行った演劇部の生徒さんとの座談会。部活での質問が活発に出ました。


世田谷学園中学校

2011年から毎年三年生の皆さんに『肝っ玉~』を見てもらっている世田谷学園中学校が、今ツアーの千秋楽となりました。


↑カーテンコールの最後、また来年の三年生にも風の違う作品で再会できればと願っています。



『肝っ玉~』春のツアーは40校40ステージの公演となりました。
この中には岩手県内の教育委員会主催で行われた中学校合同の公演や、大分大学教育福祉科学部附属中学校・滋賀県の近江高校の公演もありました。

長いツアーの1校1校の公演の重なりあうところに、人との出会いがあります。
1校1校の公演の行われる場である劇場には、未知なるものとの出会いの予感を待つ客席が、確かにあります。
開演のベルと共に訪れるその出会いの場とは、演劇に触れることで実感される若い観客のまなざしです。
肝っ玉たちの運ぶ幌車には、そんな人々の想いが積んであるのではないでしょうか。

文:辻 由美子


そして、本日より拠点劇場レパートリーシアターKAZEでは『ヘレン・ケラー』の凱旋公演が初日を迎えます。皆さんのご来場を劇団員一同お待ちしています。







2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』ツアー 第九週

2013-07-15 12:42:13 | 全国巡回公演
『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』のツアーは、
第九週目、36ステージを数えました!
今週は、

 七月八日 豊多摩高校 (東京都)
   九日 宇都宮商業高校 (栃木県)
   十日 作新学院高校 英進部 (栃木県)
   十一日 伊勢崎清明高校 (群馬県)
   十二日 小山城南高校 小山高校 (栃木県)


での公演でした。
今週は、連日猛暑日が続き、記録的な暑さでした。
肝っ玉の旅もいよいよクライマックスです!
肝っ玉のメンバーは熱中症に気をつけながら、ヒートアップしていきます。


豊多摩高校

豊多摩高校はパルテノン多摩大ホールでの公演でした。
風の公演は初めての学校です。
初めての学校と、どのような出会いができるのか。
とても楽しみにしていました。

↑終演後のバックステージツアーの風景。ラストシーンの雪が降るシーンを再現。

終演後のバックステージツアーでは、
照明、音響、舞台に分かれて行われました。
肝っ玉の舞台装置では、戦争の時代が描かれています。
生徒さんたちは、焼け野原や黒い空をみてどのようなことを感じたのか。
様々な驚きや、発見につつまれた時間になりました。


↑豊多摩高校の公演は、授業時間の中でバックステージツアーや、座談会も行われました。
公演後の座談会での集合写真。


宇都宮商業高校

宇都宮商業高校は栃木県総合文化センターでの公演でした。
宇都宮商業高校も風は初めての公演です。
生徒さんたちが開演前の客席に座る姿をみていたら、とても楽しみにしていることを感じ取れました。
開演前の高揚感をお互いに楽しんでいたように感じました。

↑公演後、担当の先生たちと撮影。


作新学院高校 英進部

作新学院高校英進部は栃木県教育会館での公演でした。
99年のヘレンケラー以来の再会となりました。

↑公演後に楽屋を訪ねてきてくれました。

作新学院高校英進部のみなさんは、肝っ玉の公演をみたあとに合唱コンクールがあるそうです。
演劇や音楽に触れることとは、人や心に触れることだと思います。
触れて感じたこと、発見したことは必ず心に残ります。
素敵な時間を過ごしてください。


↑合唱コンクールの裏方をつとめる、生徒会の皆さんと一緒に撮影しました。


伊勢崎清明高校

伊勢崎清明高校は伊勢崎市文化会館での公演でした。
伊勢崎清明高校も風は初めての公演でした。
僕たちは全国の高校生たちとたくさん公演を重ねてきましたが、
初めての出会いとなると嬉しさがこみあげてきます。


↑担当の先生に、記念の色紙を渡している場面。

小山城南高校 小山高校
小山城南高校、小山高校は小山市立文化センターでの公演で、2ステージでした。


↑小山城南高校の生徒さんたちは時間がない中、バックステージに参加してくれました。
公演後、楽屋を訪ねてくれている場面。
辻由美子の言葉に、静かに耳をかたむける姿が印象的でした。


↑小山高校 公演後に楽屋を訪ねてくれました。


↑小山高校 公演後も客席に残って、舞台の撤去を見守ってくれていました。
辻由美子と座談会が行われ、バスの見送りもしてくれました。


肝っ玉の旅は36ステージを数え、ラストスパートにさしかかりました!
夏の暑さに負けないで、元気に素敵な出会いを重ねて行きたいと思います。

スイスチーズ役 車 宗洸






2013『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第7週目

2013-07-14 14:21:36 | 全国巡回公演


トップの写真は、学校を出るバスの窓からの一枚。
最後まで手を振ってくれる生徒さんと先生方。みなさんと会えて嬉しかったです。ほんとうにありがとうございました!!


第7週目の旅となる今週は

大阪府 大阪星光学院高校・中学校
岐阜県 恵那南高校
島根県 島根中央高校
鳥取県 岩美高校


での公演でした。



大阪星光学院高校・中学








土曜日の夕方、学校に到着すると「ここ数年、演劇を鑑賞する機会はなかったので、とても楽しみにしています。」と教頭先生が迎えてくれました。
前日の公演準備から当日にかけて、学校前の大通りでは大阪の夏祭りの始まり“愛染祭り”で大賑わい。
そんな中、中学・高校に分けての2回公演を行いました。
中・高それぞれに、客席の生徒さんたちが舞台上の人間が起こす事を様々な角度から深い関心を持って観察、批評しながら参加してくれました。
公演後には、行事担当の先生が受け持つクラスの生徒さん(高校生)と、文化祭で舞台発表をする中学2年の生徒さんたちが、5階にある講堂から一緒に大道具を運んでくれました。
クラスの雰囲気、先輩と後輩の関係にも自由であたたかいものを感じました。


恵那南高校








今回のツアーで最後の体育館公演。夜中から降っていた雨も止み、7月とは思えない涼しい日で、生徒の皆さんとじっくり向き合えた公演でした。
公演後には、バレー部、バスケ部、テニス部、スピードスケート部、卓球部などの生徒さんが片付けに参加し、皆さんとても生き生きと楽しんで手伝ってくれました。
劇団のトラック、バスが学校を出る時にも、たくさんの生徒さんが見送りに駆け付けてくれました。
担当をされた先生は以前、他の学校でも『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演を企画・担当でお世話になった方でした。またどこかでお会いできたら嬉しいです。


島根中央高校
(島根中央高校の皆さんと、今回写真を撮ることができませんでした、ごめんなさい!皆さんとの公演は、私たちの記憶にしっかりと焼き付いています!)

こちらの学校は今まで『星の王子さま』『Touch』『肝っ玉おっ母とその子供たち』の公演もしており、『ヘレン・ケラー』の公演は、なんと3度目の上演となりました。
生徒代表の女子生徒さんから「一人ひとりが葛藤する姿がとても印象に残っています。そして、人への想いは諦めなければいつか伝わるのだと思いました。」と言葉を頂きました。
先生も公演後すぐに「今日の君たちの鑑賞態度は最高だった。」と話されました。
またいつか新しい作品を持って伺える日を楽しみにしています。


岩美高校




先月に引き続き、鳥取県文化振興財団主催による3校目の公演でした。
公演前の教頭先生の挨拶で「一年に一度は君たちが“本物”に触れる機会をつくれるようにと思い、昨年のうちから応募していました。」と、鳥取県と財団の取り組みに感謝の言葉を話されました。
公演後には生徒会執行部の皆さんとの座談会を行いました。
岩美高校は県内で初めて、生徒全員が部活動に加入するという試みを始めた学校だということで、生徒さん一人ひとりが部活動を通して挑戦したこと、自分自身の可能性に出会った経験などを話してくれました。
「人と上手く関わるのが苦手な自分だから、演劇をやってみたい」「人前に出るのが怖かった。放送部で少しだけ自信を持つことが出来たので、専門学校へ進んでみたい。」「吹奏楽で演奏する側だったので、将来はスタッフとして支える仕事をしたい」との3年生の言葉には、人と繋がっていきたいという想いが溢れていました。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の西日本ツアーは残り2週間となりました。
一つ一つの出会いが、人の可能性を少しでも開けることを願って、旅は続きます。

ヘレン・ケラー役:稲葉礼恵



2013『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』第6週目

2013-07-14 14:04:56 | 全国巡回公演


毎日新しく出会う体育館、会館で公演を続けていますが、今週はこのツアーで2度目となるホールでの公演もあり「場との再会」の週でもありました。


今週の公演は
大阪府 千里高校
京都府 京都教育大付属高校
鳥取県 境高校


どの公演の客席からも演劇を楽しもうという雰囲気を感じました。




千里高校は、今ツアー2度目となる劇団のアナウンスから始まる一般公演の形態で行われました。終演後には演劇部の生徒さんたちと先生との座談会が多くの先生方が見守る中で行われました。演技や技術の話だけでなく、「友達・将来・社会」のことなどについて、あっという間の時間の中で大切なことを交感できた場となりました。




京都教育大付属高校は担当の先生の話で笑いも起こり、とてもなごやかに幕が開きました。
この日はクラス演劇を行う2年生代表の生徒さんたちが座談会に参加し、脚本のこと、演じること、それから「どのようにクラス全員で演劇発表に取り組むか」などの話をしました。その表情は真剣そのもの。皆さんの熱い気持ちが伝わります。苦しいこともあるかもしれませんが、そこを乗り越えたときの喜びを味わってほしいです。






境高校の担当の先生も、客席にいる皆も一緒に舞台をつくるんだよと話されていました。
終演後には演劇発表をすぐに控えた3年生が舞台見学を行いました。
まさに公演直後の舞台上で、驚き、楽しみ、また発見をしている生徒さんたち。
実は彼らの発表は今日、会場となっていた境港市民会館で行われるそうです。
「ここか、大きいな」「緊張するー!」と言った言葉には「待ち遠しい」という心の声の気持ちが溢れていました。



私が将来、演劇の道に進もうと決めたのは高校1年生の秋。
しかしその道は真っ直ぐでも平坦でもなく、自分自身に自信が持てたり、不安になる時もありました。
それでも「そうありたい自分」の像(イメージ)に向かって歩き続けるのだと思います。
カーテンコールでは2時間10分を共に過ごした客席と改めて向き合います。
舞台を見つめているのは私が将来を決めた頃の世代の皆さん。
皆さんがこれからの日々の生活の中でこの作品のことを、この作品を観た頃の自分や仲間や先生方のことを思い返してくれるときがあれば嬉しく思います。


ビニー役 清水菜穂子

2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』ツアー 第八週

2013-07-08 22:34:34 | 全国巡回公演
『肝っ玉』のツアーも第8週目、いよいよ7月に入りました。

7月1日 大分大学教育福祉科学部附属中学校(大分県)
  3日 開智学園中高一貫部開智中学校(埼玉県)
  4日 中央中等教育学校(群馬県)
  6日 田園調布学園中等部(東京都)



大分大学教育福祉科学部附属中学校

今週は、前々日に東京を出発して、九州大分で始まりました。
大分大附属中学校では、毎年「風」の公演を行っていて、今回が9回(年)目です!
『肝っ玉』だけでも既に3回目の上演となります。体育館での公演なので、暑さを考慮して今回は午前中の開演となりました。今ツアー最後の体育館での公演です。
開演前に担当の先生からあった、「伝統になった風の演劇鑑賞会です。」という挨拶に、思わず嬉しさが込み上げます。


↑開演前の体育館の様子。楽しみにしてくれているのが、舞台の上からでもひしひしと伝わってきました。



↑終演後は毎年恒例となっている三年生たちとの交流。役160人の生徒が舞台の片づけと座談会に分かれ劇団員との交流を深めていました。


↑学校を去る間際に手渡された学内新聞。終演後の二時間足らずの出来立てホヤホヤのものを頂きました。


開智学園中高一貫部開智中学校

会場は、春日部市民文化会館。
開智中学校も、1年おきの演劇鑑賞会ではずっと「風」を観続けてくれています。
終演後に楽屋口である生徒にばったり会いました。「先輩から聞いて楽しみにしていました。そしていろんなことを考えさせられたし、励まされた気がします!」と言って走り去った生徒の顔が忘れられません。




↑開演前の客席の様子、とそれを窺う肝っ玉おっ母。


中央中等教育学校

中央中等教育学校は、前橋市民文化会館大ホールでした。
「風」は初めて公演する学校です。開演前の先生の挨拶では、英語で劇団と『肝っ玉』の紹介がされ、生徒が応えるというなかで芝居の始まりです。


↑開演前に気合をいれる辻由美子、思いにふける栗山友彦。


↑1年生から6年生(高3)までが一緒でしたが、本当に細かいところまで観ていて、あらゆる場面で笑いが起きます。
積極的に『肝っ玉』を観ている客席を感じました。


↑終演後の座談会の様子。


田園調布学園中等部

田園調布学園中等部での公演は、田園調布学園の講堂でした。
2年前にも『肝っ玉』を上演しています。2年前に出会った先生方が「また観たいのに今回は観られないんです。残念です!」と何人も挨拶に来られました。


↑開演前の拍手、いよいよ本ベルが鳴ります。

ここの講堂は、客席が特によく見えます。身を乗り出して『肝っ玉』を観ている生徒たちが印象的でした。


↑座談会に参加した新聞委員とメディア活用委員のみなさん。



今週は、偶然ですが中高一貫校を含めて中学校での公演が続きました。
カーテンコールをこんなに何回もやったのは初めてでした。
リラックスと集中とが、いつも入れ替わりながら、それぞれの心の中に『肝っ玉』を受け止めているということを強く感じた1週間でした。
数年後に、もしかしたら来年、高校生になった彼らと再会できるかもしれないと思うと、こんなに嬉しいことはありません。

『肝っ玉』東日本ツアーも残すところ、あと2週。気負わずラストスパートです。

コック役 柳瀬太一でした。