風のBLOG

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2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー [第12週]

2018-12-25 09:25:55 | 全国巡回公演

いよいよ『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアーも最終週となりました。

12週目は鹿児島県種子島ということもあって、前の週とは打って変わって春のような暖かな気候でした。

船も揺れずに進みました。

 

12月17日  [鹿児島県]  種子島中央高校 同校体育館

12月18日  [鹿児島県]  種子島高校 同校体育館

 

 

種子島中央高校

風が4回目の公演です。

仕込みの最中に見学に来た、先生も含め、先生たちが「この日を楽しみにしていました」と口々にしています。

開演前から熱気に包まれた客席は、開演と同時にそのまま芝居に集中していきます。

前半、1幕の終盤にレンタルした発電機の不具合から電源がストップしてしまうというハプニングがありました。

スタッフが体育館の水銀灯を点けて芝居は進行しましたが、客席の生徒さんたちはそんなことは意に介さないという感じで、芝居を見続けています。

ほぼ全ての生徒さんたと目が合いました。

ニコニコしながら、また自分自身と対話しながら観ているみんなの表情が忘れられません。

カーテンコールでお礼の挨拶では、生徒会長さんが「僕にも弟がいて、弟を元気づけてやりたいし、人を元気づけてあげられる人になりたいです」と語ってくれました。

後片付けにも、予定されていた生徒さん以外にも多くの生徒が手伝ってくれました。それを見て「ほっとしました、やってよかったです」という担当の先生の安堵と喜びに満ちた顔が印象的でした。

 

 

 

種子島高校

いよいよ九州ツアーの千秋楽となります。

この学校も種子島中央高校と同じく、「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」の公演以来3年ぶりの、そして4回目の公演になります。

この学校も期待感の強さが伺えます。

「うそーっ!種高の体育館じゃないみたい!」と声を上げながら、あっという間に客席の準備が整います。

校長先生の「この劇場で、しっかりといろんなことを受け取ってください」という言葉で開演です。

その校長先生も生徒たちに混じって、最前列で見ていました。

校長先生の言葉にうながされるようにリラックスした客席で、この時間を噛みしめるように楽しんでいる姿が印象的でした。

後片付けの時もバスケットボール部、テニス部以外にも、全校生徒の半数近くの生徒さんたちが自主的に手伝ってくれ、熱気あふれる時間となりました。

 

後片付けが全て完了した時に「あーあ、元の体育館に戻っちゃった」とつぶやいていた生徒の声が印象に残りました。

 

こうして、9月17日の群馬県みなかみ町での公開舞台稽古から始まった43ステージの長いツアーも終わりました。

この巡回公演のひとつひとつの舞台を通して、演劇とは何かー、我々の成すべきことは何かー、と考えさせるツアーだったと思います。

 

文:ハロルド役/柳瀬太一

 

 

 


2018秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー 【11週目】

2018-12-22 08:41:22 | 全国巡回公演

暖かさを残す九州の気候から一変し、日に日に寒さが増し、冬の訪れを肌で感じ始まった『Touch〜孤独から愛へ』の秋の九州ツアーも11周目を迎えました。


今週は、

12月10日(月)  [鹿児島県]  修学館中学・高校  同校体育館

            13日(火)  [福岡県]  福岡女子商業高校  同校体育館

            14日(水)  [福岡県]  糸島農業高校  同校体育館

の公演でした。


修学館中学・高校

今週第1週目は、鹿児島県の修学館高校での公演です。
修学館中学高・高校では、2015年に公演をした『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』から3年ぶり、風は3回目の公演となりました。
冬でも暖かさを残す九州独特の気候から一変し、冬らしい寒空の下、前日に行われた搬入作業には、サッカー部の生徒さん方や、校長先生を始め、先生方、たくさんの方々がお手伝いに駆け付けて下さり、寒さに負けないくらい盛り上げてくれました。


また、生徒さん方や先生方の中には、3年前の『ヘレン・ケラー』の公演を観て、お手伝いしてくださった方、当時のご担当の先生もいらっしゃり、「任せてください!」、「これは、こっちから運ぼう!」、「こう持ったらいいよ!」と声をかけ合い、前回の公演を思い出しながら、手際よくお手伝いをして下さる姿は、とても印象的でした。
本番当日は、放送部の生徒さんによる司会進行と共に大きな拍手で開演しました。
本番が始まると、とても集中したしっかりとした眼差しで舞台に向き合っている姿に支えられた公演となりました。


終演後には、前日にお手伝いしてくれたサッカー部を始め、運動部の部活動の生徒さん、有志の生徒さん方、先生方が来てくださり、最後の最後まで盛り上がった公演となりました。


また、帰り際には、3年前に『ヘレン・ケラー』の公演を見た生徒さんから「風のトラックを見て、また風が来た!やったー!って思いました。touchの公演もとてもか感じるものがありました」と生き生きとした言葉をかけてくれました。



福岡女子商業高校
 
 
今週2回目は、福岡県の福岡女子商業高校での公演です。
福岡女子商業高校は、昨年2017年の『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』の公演から2回目となる公演となりました。
福岡女子商業高校での公演は、校長先生や先生方が毎年でも生徒たちに演劇を観せたい、という想いから、生まれ繋がった公演でもあります。
前日の夕方からの搬入には、有志の生徒さん方が「何か手伝えることはありますか!」と続々と集まってくれました。
 
 
本番当日、入場が始まると、「わー!すごい!」と歓声を上げ、元気な姿で生徒さんが劇場へと変わった体育館に集まってきました。
開演前には、生徒会の生徒さんの『Touch』のストーリー紹介から始まり、昨年に続き、一体どんな物語が始まるのか、心を揺らめかせている姿と共に大きな拍手で開演を迎えました。
 
物語の序盤は、笑ったり、驚いたりととてもリラックスした姿で観ていた生徒さんも、物語が進むにつれ、静かな視線で一人一人が思い思いに感じたり、考えながら、舞台に向き合っている様でした。
終演後には、生徒会長さんより、「今回の公演で得たものを通して、1日1日を大切にしたい」と、想いの込もった言葉をもらいました。
終演後のバックステージツアーには、たくさんの生徒さんが集まってくれました。
 
 
また、今回の公演には、ツアーメンバーである、昨年の『ジャンヌ・ダルク』のジャンヌ役の高階もおり、「ジャンヌだ!」生徒さんたちに声をかけられ、昨年、そして、今回の公演を通して感じたことを語り合っている姿もあり、その姿から、公演の繋がりや彼女たちの中に残っていった時間をとても強く感じました。
 
 
後片付けにも、生徒会や運動部、有志の生徒さん方、先生方も多く来て下さり、皆さんのパワフルな姿に私たちも元気づけられました!
 
 
 
糸島農業高校

 
今週最後は、福岡県の糸島農業高校での公演です。
糸島農業高校では、2008年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』の公演より、10年ぶり4回目の公演となりました。
福岡女子商業高校での公演を終え、次の公演場所である糸島農業高校へ向かい、搬入作業を行いました。
糸島農業高校に到着すると、お手伝いのために集まって下さった、生徒会を始め、たくさんの生徒さん方や先生方に迎えられ、慣れない作業にもとても積極的にお手伝いをしてくれ、皆さんのとても生き生きとした姿に、私たちも明日の公演への想いを受け取りました!
そして、生徒会の司会進行で始まった本番。
客席からは、生徒さんも先生方も一緒になって、しっかりとした表情で、時には笑ったり、沈黙の中でひとりひとりが空間を支え、創っている姿がありました。
カーテンコールでは、全校生徒さんから、「ありがとうございました!」と、とても元気な素敵な挨拶を貰いました。
終演後のバックステージツアーや後片付けには、昨日の搬入のお手伝いに来てくれた生徒さんもたくさん集まってきてくれ、「昨日私が運んだやつだ!」と舞台に触れたり、舞台が解体されてもとの体育館に戻っていく姿に、驚きの声を上げていました。
 
 
 
 
公演後には、糸島農業高校の皆さんが愛情を込めて作った、みかんの「はるか」とその皮を使って開発した、「天の皮かりんと」を頂きました!
とても、美味しかったです!
本当にありがとうございました!
 
 
 
 
 
公演を通して、先生方の生徒さんへの想い、そして、人と人との繋がりを心から感じた一週間でした。
次回はついに、千秋楽の種子島の公演です。
 
 
文:倉八ほなみ
 

2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー [第10週]

2018-12-12 11:25:20 | 全国巡回公演

 

12月にもかかわらず、暖かいというよりも暑い日が続いた今週、季節外れの暑さに負けないくらいの熱気をもった公演でした。

今週は

12月   3日(月)  [福岡県]  若松商業高校  同校体育館

            4日(火)  [福岡県]  福岡魁誠高校  同校体育館

            5日(水)  [福岡県]  北九州高専  同校体育館

と、すべて福岡県での公演でした。

 

若松商業高校

この学校は、風の公演は4回目です。新築の真新しい体育館での柿落としの公演でした。

昨年まで福岡女子商業高校にいらっしゃった教頭先生が若松商業の生徒にも風を見せてあげたいということで、この公演が実現しました。

開場中は体育館に元気な声が飛び交っていましたが、本番が始まるとジッと食い入るように舞台に目を向けていました。

公演が終わるとまた賑やかさが戻り、それぞれに見たことや感じたことを友だち同士で話していました。

公演後には、有志の生徒のみなさんと先生方が舞台見学と舞台撤去のお手伝いをしてくれました。

活発な女の子たちが多く手伝ってくれ、積極的に劇団員と交流をしながら楽しい時間となりました。

「感動しました。またお会いしましょう!」と熱く話してくれる先生や「うちの生徒たちは、先生に厳しいんですよ(笑)」と笑顔で生徒と作業をする先生方を見て、生徒のみんなと先生方との温かな関係を垣間見ることができました。

 

 

岡魁誠高校

この学校は、風の公演は初めての上演でした。

この公演は、PTAの主催行事ということもあり、多くの保護者のみなさんや地域の方々も一緒に観劇をすることとなりました。

例年は講演会や音楽鑑賞が多く、演劇を見るということで、みなさん、とても楽しみにしてくださっていました。

体育館に入るや「マジ!スゴいじゃん!」「どうなってんの!」と劇場に変わった体育館に驚き、興奮した様子が舞台裏にも伝わって来ました。

公演が始まると会場は静まりかえり、目の前で起こる出来事に息をのみ、舞台の進行とともに動いている客席でした。

カーテンコールでは、PTAの健全育成委員長の方から「子どもたちにとっても、私たちにとっても、とても有意義な時間となりました。」といううれしい言葉をいただきました。家に帰ってから親子でこの日の芝居がどうだったかを話してもらえたらと思います。

公演後には、体育館で行う部活動の生徒のみなさんが舞台撤去のお手伝いをしてくれました。そこに、別室で座談会を行っていた演劇部のみなさんも加わり、みんなで声を掛け合って、まるでお祭りのように盛り上がりました。

撤去が終わったあとも、演劇部のみなさんは、劇団員からいろいろな話を聞こうと、しばらく体育館に残って交流をしていました。表現をすることに対して純粋で、真剣な態度、いつまでも忘れないでいてください。

 

 

 

北九州工業高等専門学校

こちらの学校は、風は3回目の上演となります。

1年生から5年生まで、約1000人の学生で体育館は超満員!彼らの舞台に向ける眼差しと興奮も相まって、まさに熱気溢れる公演となりました。

公演後に、この『Touch』の公演を企画した担当の先生が「今日、みなさんは劇団の方から水を注がれたと思います。それをみなさんが、どんな器でどのように受け止めたのかが大切です。これから是非考えてみてください。」と、学生たちに熱いエールを送っていました。先生の情熱も含めて、きっと学生のみなさんの心に響いてくれたのではないでしょうか。

そのあと、体育館では、学生会の学生のみなさんと、有志のみなさんとが、舞台見学をしたのち撤去を手伝ってくれました。高専生だけあって、照明や音響機材、舞台機構を見ては、「へぇ!こうなっているんだ。」と、目を輝かせていました。

 

 

『Touch』の九州ツアーも残すところあと、2週となってしまいました。毎年思うことですが、いつもあっという間に旅の時間は過ぎていきます。楽しい時間というのはいつもあっという間です。ですが、ひとつひとつの公演で出会ったものは確かに残っています。その出会いの積み重ねをもって、この先の2週間、そして東京での凱旋公演と気を引き締めていきます。

 

文:佐藤勇太(フィリップ役)


2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー [第9週]

2018-12-09 00:12:56 | 全国巡回公演

 

11月30日 (佐賀県) 北陵高校 同校体育館

12月 1日 (福岡県) 九州産業大学付属九州高校 同校講堂

 

 

北陵高校

 

 

 

朝から生徒会の生徒や先生方が体育館に集まり出迎えてくれました。

 

この学校には一昨年『ジャンヌ・ダルク』、四年前『ヘレン・ケラー』、六年前『Touch』と隔年で上演しており、開演前の生徒会の司会でも「六年前に芸術鑑賞行事が始まるきっかけとなったのがこの『Touch』という作品です」と紹介がされてとても嬉しかったです。

 

 

公演中も大きな笑いもおこりながら楽しんで観てくれ、本当に子供たちが盛り上げてくれた公演でした。

 

そして圧巻は公演後の片付け、生徒たちだけでなく先生もトラック内まで手伝って頂き、あっという間に終わってしまいました。

担当の先生に「生徒たちも先生方もすごいチームワークですね」とお礼を伝えると「改めて(チームワークを)確認できました」と目を細めていました。

 

 

 

九州産業大学付属九州高校

 

 

北陵高校をあとにし、その夜は九州高校内のKYUSHUコミュニティホールで翌日の公演準備、元気な吹奏楽部の皆さんが作業を手伝ってくれました。

 

四年前から毎年1年生が風の舞台を見ることになっている九州高校ですが、私(佐野)は四年前の公演のために建設時からKYUSHUコミュニティホールを下見させて頂いていました。いよいよ、そこで『Touch』を上演する日を迎え、企画した先生方や職員の方と感慨もひとしおでした。

 

子供たちも最初から最後まで強い眼差しを舞台に向け、カーテンコールでは鳴りやまないような拍手を頂きました。終演後も沢山の生徒たちが舞台裏や音響照明席などを巡り楽しい交流が出来ました。

 

 

片付けを手伝ってくれた演劇部の皆さん、最後までトラックで作業してくれた三人の男子生徒たち、本当にありがとう!

 

 

 

この週末は『Touch』班と文化庁公演で九州北部地域を巡演中の『星の王子さま』班が北九州市内にて合流をしています。

お互いの近況を話ながら「お互いに最後まで良い旅をしよう」と刺激しあっています。

日に日に寒くなって来ましたが、年末のレパートリーシアターKAZEの凱旋公演まで元気に突っ走っていこうと思います。

 

 

文:トリート役/佐野