風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 七週目

2012-06-30 17:54:35 | 全国巡回公演
春の旅公演も前半の20ステージが終わり、今週の月曜日(25日)には無事、中日を迎える事ができました。

先週までの蒸し暑さがウソのような、むしろ肌寒いくらいの、しかし、体育館公演には絶好の気候だった宮城県は仙台からスタートです。

6月25日 仙台青陵中等教育学校(宮城県)
  26日 埼玉大学教育学部附属中学校(埼玉県)
  27日 田島高校・田島中学校・檜沢中学校・荒海中学校(福島県)
  28日 大館国際情報学院高校(秋田県)
  29日 大館鳳鳴高校・大館工業高校・校大館桂高校(秋田県)



仙台青陵中等教育学校

仙台市街の向こうに太平洋を望む高台にある同校体育館での公演でした。



午前中、演劇部の生徒さんたちが仕込みの見学に来ました。(トップと↑上の画像はそのときの様子)
コック役の柳瀬の説明に熱心に耳を傾け、メモを取る姿に意識の高さを感じました。
今年開校4年目の学校で、演劇部が出来て2年目だそうです。

開演前、柳瀬がご挨拶に伺った時の事を校長先生が生徒さんたちに話して下さいました。
「なぜ、体育館でこんなに大掛かりなセットを組むんですか?」と尋ねたら「本物を見せたいからです。」という答えが返ってきました。プロとしての熱意とプライドを感じました。劇団の方の心意気を楽しみましょう。
と、この言葉を受けて大きな拍手の中、開演しました。
中高一貫校のため、一年生から六年生の生徒さんたちと先生方で約900人。大きな体育館いっぱいの客席でした。とても澄みきったまなざしと柔らかな感性が感じられる清々しい公演でした。

そして終演後、演劇部は肝っ玉おっ母役の辻由美子と座談会へ↓



体育館には、図書委員会のみなさんが撤去のお手伝いに来てくれました。後半はバスケ部のみなさんがバトンタッチ。本当に助かりました。ありがとうございました。



演劇部は初の発表を控えているそうです。様々な質問が出た中で、「演技だけにこだわらず演劇と捉えた時に人間の問題が見えて来るのではないかと思う」と辻が投げかけたところ、それにすごく興味を持った生徒さんたちがいたことに感心していました。

緊張もすると思いますが、思う存分楽しんで上演できたらいいですね。演劇部のみなさん頑張って下さい!


埼玉大学教育学部附属中学校

前日とはうってかわって午前中から水泳の授業が行われているほどの気温になり、すっかり夏を感じながらの仕込みの最中、この日は三年生のみなさんが見学に来てくれました。

“附中祭”という行事の中で、三年生が全員参加して演劇を上演するそうです。
先ずはスタッフ担当の生徒さん70人が体育館にやって来ました。舞台装置、照明、音響の見学をした後、衣装や小道具などに実際に触れたり、装置に上がってみたりする時間を共にしました。







まだ見ぬ『肝っ玉おっ母とその子供たち』の世界に期待が膨らんでいるのを、彼らの積極的な行動が物語っていました。キャスト担当の生徒さん100人も加わったところで柳瀬が「演劇はみんなで協力し合ってひとつのものを創ります。これをしちゃいけないではなく、こんな事も出来る、あんな事も出来るということを見つけてみて下さい。」というメッセージを贈りました。



そして、整然と入場。生徒さんの司会進行で開演。入場時からの凛とした空気を大変な暑さの体育館にもかかわらず最後まで保ち、揺るぎないまっすぐな視線をずっとこちらに向け続けている態度は本当に見事でした。

終演後、生徒さんにいただいたあいさつで、最後に「三年生は自分たちの力で良い劇を創りたいと思います。」と言っていました。

“自分たちの力で創る”という経験はとても大事だと思います。みなさんにとって素敵な思い出になりますように。


田島高校・田島中学校・檜沢中学校・荒海中学校

南会津町の南会津御蔵入交流館というホールでの公演でした。

余談ですが、ちょっと変わったこのネーミング、どこからきたのか気になってホールの方に尋ねてみました。何でもその昔、年貢を納める時に収穫したお米を一時的に保管していた蔵がこの地域にあった事からこの名前になったらしいと教えて下さいました。

美しい自然の中で育まれた地で田島高校、田島中学校、檜沢中学校、荒海中学校計4校の生徒さんが一緒に観劇しました。

田島高校の校長先生の「こんにちは」という呼び掛けに「こんにちは~」ととても明るい声が返ってきて、校長先生も思わず「元気だけが取り柄のみなさんですね。」と笑みをこぼされていました。生徒さんたちも満更ではなかったらしく、笑い声に包まれた和やかな雰囲気で開演しました。

表だった大きな反応という事ではありませんでしたが、確実な手応えが感じられる、それでいてとても楽しみながら観ている。そんな客席でした。終演後、担当の先生が「生徒たち面白かったみたいですよ!」と、とても喜んでいらっしゃいました。きっと生徒さんたちの新たな一面に出会われたのだと思います。

一方、希望する生徒さんたちにはバックステージツアーを行いました。私たちが思いもよらぬ道具に興味を持つ事に驚かされました。





そして、田島中学校二年生の仲良し3人組がバックステージの後もずっと客席で私たちの仕事を見つめていました。
劇場を出たときも見えなくなるまで一生懸命手を振ってくれていました。





南会津町のみなさん、またいつか会える日まで元気で過ごして下さい。


大館合同公演

大館国際情報学院高校

大館市民文化会館にて、一日目は大館国際情報学院高校の公演でした。

とてもリラックスしながら、目の前で起きていることに対して笑ったり、時には疑問を持ったり、涙したり、とてもしっかり見ていてメリハリのある感じを受けました。

こちらの生徒さんとは、終演後も直接会う機会がなかったのですが、担当の先生が楽屋を訪ねて来て下さいました。
先生のご様子からも、生徒のみなさんに何かを残せた事が実感できました。




大館鳳鳴高校

二日目、29日の午前中は大館鳳鳴高校。

一つひとつの出来事を見逃すまいとするかのように真剣に食らいついてくる、しかし、ある柔らかさを持って。
芝居が進むにつれてどんどん集中力が高まって来るのは凄いなと思いました。

終演後、演劇部の生徒さんたちが会いに来てくれました。
実は肝っ玉演じる辻と彼らは昨年秋の高校演劇の秋田県の県大会で一度会っており、久しぶりの再会をとても喜んでくれていました。




大館桂高校・大館工業高校

そして最後のステージは、大館桂高校と大館工業高校の二校合同の公演でした。

久し振りに会った友達などもいたのでしょうか、会場はとても賑わっていました。
興奮冷めやらぬうちに開演。
この興奮がそのまま舞台に向けられました。とても細かいところまでの反応は水面の波紋が広がるように大きなうねりも生み出して、最後までこちらに迫ってくるものがありました。



↑上の写真は桂高校の演劇部の生徒さんたちと座談会後、撮影しました。
みなさん、辻の話をとても真剣に聞いていました。


今旅は、特に若い観客の物事を見ていく力の凄さを改めて感じています。
『肝っ玉おっ母とその子供たち』という作品を通して自分や家族の事はもちろん、大人たちが作り出している社会への疑問や不信感、何が自分たちを取り巻き、何に取り込まれてはいけないのか、そのために自分たちは何をしていくべきか?
矛盾を抱え、葛藤している彼ら彼女らと出会って来ました。
これからも客席の生徒さんたちととしっかり向き合って、お互いが何かと出会える、そんな瞬間を創っていきたいと思います。

今週も東京演劇集団風のホームページ掲示板にはたくさんの書き込みがありました。
ありがとうございました。

あと三週間、私たちの旅はまだまだ続きます。

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第6週目

2012-06-29 11:45:36 | 全国巡回公演
巡回公演6週目となった『ヘレン・ケラー』の旅。今週もとても貴重な出会いがありました。

6月25日 吹田第三中学校(大阪府)
      プレミアム公演

  28日 広島文教女子大学附属高校(広島県)



吹田第三中学校

賑やかな客席の様子の生徒さんたち。開演前に先生が生徒さんたちにお話をしてくださったように、本当にひとりひとりが舞台を見ているという視線、空気感を感じました。思ったことを素直に口に出している姿、時折感じる批判精神のある目線、ひとつの言葉を聞き入るように静寂が漂った瞬間。客席に座って舞台を観るという行為だけに留まらず、みなさん自身がそこに居ることで出来上がった空間でした。芸術鑑賞(演劇)という機会を通して、生徒のみなさんは人・自分自身・相手にほんの少しでも出会うことが出来たのではないでしょうか?そしてその背景には生徒さんひとりひとりのことを想う先生方の姿がありました。

公演後は3年生のみなさんとの座談会が行われました。9月に行われる文化祭で3年生のみなさんは演劇発表を控えているとのことでした。
台本作りから始めているようで、みなさんの質問には熱がこもっていました。
クラス全員でひとつのものをつくりあげるのは、きっと大きなエネルギーがいることですね。
楽しいことや、悩むことも勿論あると思います。友達や先生方と“いま”だからこそ出来る経験をたくさんして、みなさんにしか出来ない舞台をつくり上げてくださいね!!
また、会えることを楽しみにしています。


座談会に参加してくれた3年生と先生方との一枚


プレミアム公演


会場は満席!小さい子どもさんたちもたくさん来てくれました


『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』のプレミアム公演は今年で2年目となりました。
『みることの意味』とは何でしょうか。舞台はみせるのも、客席はみるものということに限らず、舞台をつくるものも、客席に座るみなさんも一人一人が無限の感性を持ち、作品を描いていく、そしてそれはどんなにちいさなことであっても、何かを動かす原動力となっていくのかもしれません。『みることの意味』はみなさんと共に考え、問い続けていきたいと思います。
今年は本当にたくさんの方々が足を運んでくださり会場は満席となりました。
また、昨年もご来場くださった方も多く、嬉しい再会となりました。


昨年も観劇してくれたみなさん、今年はどんなことを感じてくれるでしょうか


劇場という場所は、それだけに限らないかも知れませんが、ある条件があって、四方の壁に囲まれ、今日初めて出会う自分の見知らぬ人たちが居る少し異質な空間とも言えるかもしれません。しかし舞台に立ったと同時に私たちが身体で感じたのは、すでにみなさんが会場全体の空気を作り出していてくれたということです。そこにはひとりひとりから発信される想いや、社会、人間を見つめ、そのことについて考える身体がありました。そして時間を重ねていくなかで舞台と客席がどんどん呼応し合い、その瞬間にしか生まれることのなに“何か”をお互いに感じあえたと思います。客席からの笑い声、真剣な眼差しは最後まで舞台を支え続けてくれました。


ロビーには旅の様子や、レパートリー作品の写真を展示しました


終演後にはたくさんの声を聞くことができました。自分自身を振り返ったり、誰かを想ったり・・・。そのみなさんの声や表情を私たちの根っこのひとつとし、旅を続けて行きたいと思います。みなさん、ご来場いただき本当にありがとうございました。



終演後には役者がみなさんを送りだしました



広島文教女子大学附属高校

広島文教女子大学附属高校のみなさんはひとつの大きな波の動きをつくりだしてくれました。
開演前に先生が「笑うところは笑い、感動するところは感動してください」と声をかけてくださいました。その数十秒後にはみなさんが何を見ているのか、感じ取っているのかが、会場から溢れ出るくらいに伝わってきました。ひとりひとりの役が持つ細かいしぐさや、その背景に描かれた意味を見つけるように、またその場で感じたように舞台を見据えてくれていました。
空間全体に広がる笑い声、空間全体を包む緊張感、その連続はまるで波のような動きでした。そこで呼吸し、何かを吸収してくれているみなさんの姿は圧巻でした。あっという間の2時間、みなさんとでしか感じられない時間を過ごせたことが嬉しいです。
終演後には先生方が楽屋を訪れてくださいました。「自分の胸にドキッと突き刺さる言葉もありましたよ」とお話をしてくださりながら、生徒さんたちの成長を見守るだけでなく、どのように向き合えるかを考えている姿がありました。

学校、社会、友達、先生、家族、そして自分。この環境の中でお互いを感じあいながら夢や、明日に向かっているみなさんとの、大切にしたい出会いがあった一週間でした。

次の出会いに向けて、鳥取県へ出発です!





2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 六週目

2012-06-24 11:21:30 | 全国巡回公演
6月18日 飛鳥高校(東京都)
  19日 東海大学付属望洋高校(千葉県)
  20日 いわき秀英高校(福島県)



飛鳥高校
6月18日、東京の北区で、飛鳥高校の公演です。
飛鳥高校は、以前から私たち風のメンバーとコミュニケーションワークショップなどを通じて、演劇にふれ合ってきました。

飛鳥高校は、演劇に対する考えかたや、生徒の創造性に力を入れていて、生徒の演劇の発表会も行います。
前回の演劇の発表会には、審査員として、今回肝っ玉役の辻由美子が関わってきました。
ですから、今日の肝っ玉の公演では、辻や風のメンバーにとっては、飛鳥高校のみなさんとは、再会することができる、貴重な機会です。

飛鳥高校のみんなの、肝っ玉を鑑賞する眼差しは、そのこまやかな反応まで、舞台上の私達にもとても伝わってきました。舞台に対して、次にどんなことが起こるのだろうという、今行われている出来事にワクワクしている感覚が、印象的でした。

終演後には、バックステージワークショップを行い、参加者の生徒のみなさんは、真剣に舞台裏を見学し、楽しそうに武器をもったり、馬車に触れたりしていました。
トップと↓下の写真はそのバックステージの様子。






東海大学付属望洋高校
6月19日は、千葉県の東海大学大学付属望洋高校の公演です。
会場は、同校のとても立派な講堂で行いました。

本番では、生徒のみなさんの芝居に集中している姿がとても印象に残っています。

観客席は静かですが、舞台上で行われていることに対して、生徒のみなさんの内に感じていることが、ひしひしと伝わって来ました。

カーテンコールでの代表の生徒さんがおっしゃったように、それぞれ違うものを感じて、皆さんの記憶に残ってくれたら嬉しいです。

公演後はバトン部のみなさんとの座談会、そして舞台の撤去を陸上部・サッカー部・吹奏楽部のみなさんが手伝って頂きました。ありがとう御座いました。
↓下の写真はその座談会と片付けの様子。






いわき秀英高校
6月20日は、いわき秀英高校の二年生全員が東京の小平にあるルネ小平までバスで移動しての公演でした。
同校は、去年公演を予定していたのですが、3月11日の震災により、演劇鑑賞を中止しました。ですが、今回先生方の芸術鑑賞に対する強い思いとご尽力により、今年の公演が実現しました。

生徒のみなさんの集中力が素晴らしく、上演中は、みなさんの緊張感がずっと伝わってました。



↑カーテンコールでの、代表の生徒さんの挨拶では、演劇を通して歴史や、今生きている社会や、これからの人生を考え、感じてくれたことを、話していただきました。素敵な挨拶ありがとう御座いました。



↑終演後、舞台上で記念撮影を行いました。1クラスずつ舞台上にあがって、風のメンバーと交流できた貴重な時間でした。


『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第5週目

2012-06-23 16:00:21 | トピックス


『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』5週目は

6月18日 太田中学校(香川県)
  20日 関西中央高校(奈良県)
  21日 金岡高校(大阪府)


での公演が行われました。


太田中学校


太田中学校での公演は、中学校の体育館で行われました。暑い中の観劇でしたが、みなさんとてもよく見てくれましたね。
ヘレンがアニーにいたずらをする時などは、客席から「あー!危ない!」という声が聞こえたり、みなさんが一緒に進行していく舞台を見つめながら楽しんでみてくれている感じが、舞台にいる私たちも私たちもとても楽しかったです。
一人一人感じてくれたことは違うと思いますが、どんな印象が残っているでしょうか。
公演後には生徒会のみなさんを中心とした生徒さん達が、舞台を見学に来てくれました。また体育館の片づけを手伝ってくれた3年生のみなさんも一緒に舞台見学に来てくれ、俳優と話したり、ポンプの仕組みや、舞台の仕組みなどをスタッフに聞いたりする時間になりました。公演後も元気なみなさんと触れあえたこと、「楽しかった、また来てください!」と声をかけてくれたこと、本当に嬉しかったです。
風の公式ホームページの掲示板にも、書き込みをいただきました。みなさんありがとうございました。


公演後舞台見学に来てくれた生徒さん達。


公演の感想を俳優と話す生徒さん達。




関西中央高校


関西中央高校の公演は桜井市民会館で行われました。公演が始まるととても静かな客席でした。みなさんの見方、感じ方はそれぞれだと思いますが、その中にも舞台と客席との駆け引き、やり取り、その緊張関係のなかでみなさんから投げかけられる視線を感じることができました。
そして私たちも公演に向かう態度、瞬間瞬間の大切さを改めて感じた公演でした。
公演後にはアニー役の渋谷と、有志の生徒さんとの座談会が行われました。将来舞台俳優になりたいという子や、ダンスをやっている子、すでに舞台を経験している子など、個性的な生徒さん達が集まってくれました。夢を持って、夢に向かっていくことは大変なことですが、夢を持っているということはとても素敵なことだと思います。「自分の好きなこと」を通してたくさんの経験をしてください。そして自分自身を豊かに育ててくれることを願っています。
座談会には校長先生も来てくれ、「お父さんや、お母さんの気持ちがよくわかりました」と伝えてくれました。世代によって、環境によってみなさんの見方や感じ方も違うと思いますが、公演で感じたことを大切にしてくれたら嬉しいです。




公演後ロビーで行われた座談会の様子。




金岡高校


5週目の最後の公演は、堺市民会館で行われた金岡高校での公演でした。金岡高校では毎年文化祭で3年生のみなさんが演劇に取り組んでいるそうです。この日も9月に演劇に取り組むことになる3年生のみなさんが観劇してくれました。開演前、ご担当の先生が「たくさんの作品のなかから、みんなにこの作品を見てほしいと思った」という話をしていただきました。芸術鑑賞の場は、普段学校で生徒さんの様子を見ている先生の、「こんなことを感じてほしい」「何かの発見があるかもしれない」という想いでつくられています。この公演が何かひとつでも、みなさんの新しい出会い、これからの成長の支えとなればと願っています。
公演後には、俳優・戯曲、演出・照明・音響・衣裳、メイクアップと、興味のある部門に分かれてバックステージツアー・座談会が行われました。




↑公演後の楽屋で、衣裳やメイクアップに興味のある生徒さん達とのバックステージツアー。


↑照明に興味のある生徒さん達は、実際に明かりの当て方などを体験しました。


↑音響操作を体験する生徒さん達

9月はいよいよ文化祭ですね。まだ作品や配役などは決まっていないとのことでしたが、先生もおっしゃっていたように失敗も、成功も、すべてひっくるめて高校生活の大切な思い出となることを願っています。そして創意・工夫によって出来上がる舞台、人との関わりなしではつくれない舞台を通してたくさんの経験を胸に刻んで下さい。


『ヘレン・ケラー』の旅はまだまだ続きます!来週は、大阪府、吹田市文化会館で行われる吹田第3中学校と(一般公演)プレミアム公演から旅がスタートします!





『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第4週目

2012-06-17 21:07:23 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』4週目は

6月11日 聖カタリナ女子高校(愛媛県)
  12日 大阪薫英女学院中学校(大阪府)
  13日 開星中学校・高校(島根県)
  14日 青嶺高校(山口県)
  15日 大阪国際滝井高校(大阪府)


での公演でした。

聖カタリナ女子高校


今旅で初めての1000人を超える客席は開演前から盛り上がりをみせていました。
公演中は、目の前で起こる出来事ひとつひとつに対して反応しながらリラックスして観劇していました。

終演後には演劇部の皆さんとの座談会が開かれました。
打ち解けた雰囲気の中、公演の感想やキリスト教の学校ならでは、ヘレンのお兄さんのジミーが食事の場面で言うお祈りに関しての質問など互いに楽しい時間を過ごすことができました。このとき顧問の先生が、アニーの恩師であるアナグノス校長の言葉に対して「自分におちてくるものを感じた。」とおっしゃっていました。生徒だけでなく先生方の中にもさまざまな発見があったのでしょう。今演劇部は8月にある大会に向けて部長さんが書いた脚本での稽古の真っ最中だそうです。今回の公演が何かの参考になってくれたらと思います。


公演後に行われた座談会の様子



大阪薫英女学院中学校


大阪薫英女学院中学校での風の公演は2002年以来10年振りとなる公演でした。
おかしいところは笑い、真面目なところはグッと真剣にと、とても素直な客席でした。

終演後は、担当の先生を含めた何人かの先生方と生徒の皆さんが楽屋を訪ねてきてくれました。
公演の余韻を感じながら興奮した様子で感想を伝えてくれました。その中に「以前伝記を読んだことがあって今回楽しみにしていました。将来、今日のアニーのような先生になりたい。」と言ってくれた子がいました。それを聞いていた先生方の表情は喜びに満ちていました。そんな彼女たちと先生方の姿に私たちも元気をもらいました。


開星中学校・高校


この学校は、芸術鑑賞自体が9年振りということで、生徒たちもさることながら先生方も興奮と期待をもって観劇していました。
この日は、演劇部の皆さんと担当の先生そして教頭先生が仕込みから舞台撤去まで、一日を通して見学とお手伝いをしてくれました。みんな汗だくになりながら元気に手伝ってくれました。



開演前に教頭先生が一言、「私も舞台設営の手伝いを一緒にさせてもらいました。汗だくです。それだけすごいんです。観てください。」そのあとそれまでにぎやかだった客席が一変。公演が始まると食い入るように観ていました。

この日、芸術監督の浅野、芸術監督アシスタントの江原が訪れ、舞台と客席の間でどんなことが交感されているのか、どういう場を互いに創りあげているのかを観劇。終演後には演劇部の皆さんとの座談会も開かれ、公演の感想から音響、照明、舞台装置や旅中の健康管理に関することに至るまで多くの質問が飛び交い、とても盛り上がっていました。
「今の子たちは実際に触れたり、体験するという機会が少なくなっている気がする。今回の体験は彼らにとって大切な経験になったと思います。」と教頭先生。芸術鑑賞はただ観るだけではなく、いろいろの発見の場であると思います。そういう意味でも今回久々の芸術鑑賞を目一杯生徒の皆さんも先生方も楽しんでいたように感じました。



仕込みのお手伝い、そして座談会に参加してくれた演劇部のみなさんと、アニー役の渋谷。



青嶺高校


この学校は、開校6周年記念と人権教育としての演劇鑑賞でした。
この公演は学校の呼びかけもあり、同じ市内の美祢高校、近隣の中学校5校の生徒も一緒に観劇。盛大な鑑賞会となりました。
その中に、昨年文化庁の“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”で訪れた大嶺中学校の皆さんも観劇に来ているといううれしい再会もありました。
公演中は会場全体が集中していて、カーテンコールは割れんばかりの拍手に包まれました。そのときの生徒会長さんのあいさつからも彼らが、ヘレンやアニー、そして二人を取り巻く人々の姿からさまざまなものを受け止めていたことを感じさせてくれました。
公演後は、多くの生徒たちや先生方が舞台に上がり、ポンプなどの舞台装置に興味を持って触れたり、写真を撮ったり、劇団員と話をしたりと積極的に交流をはかっていました。生徒や先生方から「すごいよかった。」「またこう言った鑑賞の機会をつくって
もらいたい。」「感動しました。」など多くの声が聞かれました。今回の公演が彼らにとって何かを考えたり、発見するきっかけになってくれたらと思います。また再会する日が来ることを願いつつ。


公演後舞台を見学に来てくれた生徒さん、先生方と。



大阪国際滝井高校


この公演は『星の王子様』以来約20年振りとなる風の公演でした。
開演前から公演中も終始グッと入り込んでくるように観ている姿がとても印象的でした。
カーテンコールのあたたかな拍手から彼女たちが作品をとおして何かと出会ってくれたことを感じました。

公演後には演劇部の皆さんとの座談会が行われました。
細かなシーンの意味や部活をしている上での悩みなど話はつきませんでした。途中、照明オペレータの坂野も加わり照明に関しての質問もされ、彼女たちの真剣に演劇に打ち込んでいる様子が伺えました。


座談会に参加してくれた演劇部のみなさんと、ヘレン役の白根。


『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』の旅は今週でちょうど折り返し地点を迎えました。
これまでひとつひとつの公演で出会ってきた人々、そして彼らから受け取ったものを持ちながら、これからひびき合っていくであろう人々との出会いに胸を躍らせています。そして、その場その場で何を交感しえるのかを大切にこれからの公演に向かっていきます。



2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 五週目

2012-06-17 11:49:47 | 全国巡回公演
6月12日 潮来高校(茨城県)
  14日 小諸商業高校・小諸高校(長野県)
  15日 盛岡白百合学園中学校・高校(岩手県)



潮来高校 

潮来高校での公演は『星の王子さま』以来14年ぶりの公演となりました。
公演前、盛り上がりがやまない生徒たちに、校長先生がご挨拶の言葉で「あなたたちは今後、今の3倍も4倍も生きるでしょう。今日、観劇する作品に出てくるアンナ・フィアリングは戦争のなかで生き、軍隊を相手に商売をして生活していす。あなたたちがこれから生きていくなかでは、不自由なことや理不尽なことを経験することもあるでしょう。今日の演劇を通して“生きる”ということを考えてほしいと思います。あなたがたが静かにできないでいるのは興奮しているからでしょう。でもあなたがたは決める時は決めることができると思っています。決める時は決めて下さい」生徒たちへの優しく、暖かいメッセージでした。
そして公演が始まると校長先生の期待以上に生徒たちのまなざしは好奇心でいっぱいで、真剣に、楽しんで見ているのがよく伝わってきました。客席からは何度も笑いが起こりました。一人ひとりが自由に豊かな感性で創り出されていった舞台でした。

そして公演後は多くの生徒さん方が、体育館での撤去の様子を見に来ていました。
トップの画像は話をしたいと楽屋に訪ねてきた生徒さんたち。



↑片付けに自主参加してくれた女子生徒さん達。ありがとうございました。


小諸商業高校・小諸高校

この日は小諸商業高校と小諸高校の合同公演。この合同公演で、風は4年振り、3回目の公演となります、両校とも生徒会の進行で行われ、前日の仕込みの時から市民会館に打ち合わせに来るなど、生徒たちを自主的に公演に参加させ、ともに創り出していこうとする学校の意向が伺かがわれました。
午前が小諸商業高校、午後が小諸高校の公演で、学校の反応は違いますが、両校とも開演すると一瞬に集中し、最後まで途切れずしっかりと見ていました、
各校の先生、生徒から「とにかく生徒がよく見ていた」「生の舞台を見る機会が僕たちはないので感動しました」「とにかく感動した、すばらしかった、泣いていた生徒もいた、皆さんにくれぐれもよろしく伝えてほしい」といった声を聞くことができました、一人ひとりのなかに、作品を通して振り返るものがあることを願いつつ、また新しい作品で再会できることを願っています、



↑カーテンコールでは綺麗な花束もいただきました。


盛岡白百合学園中学校・高校

一山ほどある壮大な敷地内にある、学校の白百合ホールで公演が行われました。
柔らかなまなざしが印象的で、そのまなざしに支えられながら舞台と客席でたくさんのことが交感されていったように思います。

この日は、鹿児島の高校でワークショップを行っていた演出の浅野と芸術監督アシスタントの江原も訪れ、『肝っ玉』で生徒たちと何を創り出しているのか観劇。公演後には、午後出張のため不在だった校長先生の代わりに教頭先生と担当の先生方が楽屋に来られ、教頭先生が「すばらしい演劇をありがとうございました。今日のことは校長先生にも伝えておきます」とおっしゃると、肝っ玉おっ母の辻が「すばらしい観劇態度でした。生徒さんたちをほめてあげて下さい」という言葉に担当の先生方も満面の笑みで、顔を合わせてホッとしていました。作品の検討、そして公演に向けての準備と本当にありがとうございました。



↑ホールから歩いて5分位の所にある高校の校舎で演劇部の皆さんと行われた座談会。感想には「舞台を見て自由な感じがしました」という声もあり、生徒さん方の豊かな感性が創り出した舞台だったと実感しました。



↑部活をしていたテニス部のみなさん



↑帰り際、声をかけてくれたり、手を振ってくれたり、握手したりと学校での公演ならではの交流がありました。



↑走りながら手を振ってくれたみなさん



「毎日上演していくなかで、何を反復しているのか見逃さないように」という演出の言葉をそれぞれがしっかり受けとめ、来週は旅も中盤を迎えるなかで、生徒たちとどんな出会いをして、何を創り出せるか一回一回の公演に向かいたいと思います。

2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 四週目

2012-06-11 12:30:51 | 全国巡回公演
『肝っ玉~』ツアー四週目は盛り沢山の内容です。

6月4日 栃木女子高校(栃木県)
  5日 雫石町教育委員会主催 雫石中学校(岩手県)
  6日 関東学園大学附属高校(群馬県)
  7日 伊那西高校(長野県)
  9日 ACC公益財団法人 荒川芸術文化振興財団主催 
     〈昼〉荒川区立第五中学校(東京都)
     〈夜〉一般公演



栃木女子高校

栃木女子高校では朝の仕込みから演劇部の皆さんが見学にきてくれました。トップと↓下の画像はその時のもの、舞台上から舞台裏まで興味津々な様子でした。



楽しんで観劇をしてくれた彼女たちですが、カーテンコールの際の生徒会長さんから送られた言葉はとても深く残ったものがあることを感じさせてくれました。



↑公演後の座談会も大盛況でした!


雫石町教育委員会主催 雫石中学校

火曜日は教育委員会の主催で雫石中学校の公演でした。



↑開演前の様子。彼らの興奮が伝わってきます。

公演中の客席は大いに、笑い・楽しみ、手を叩いて喜ぶ時もあったほどで、カーテンコールでも何度も拍手が沸きあがってきました。



↑カーテンコールの様子。拍手だけでなく、役者が退場するときには舞台上に向けて手を振る子供たちが沢山いました。


関東学園大学附属高校

水曜日の関東学園は学校で初めての芸術鑑賞行事、先生方が数年がかりで創り上げた新たな行事の日に風の『肝っ玉~』を子供たちに届けることができ、本当に嬉しかったです。

公演後に演劇部の皆さんを中心に座談会がありましたが、その中の三年生は二年前にレパートリーシアターKAZEまで『肝っ玉~』を観に来てくれた子達でした。二年前感じたこと、今回新たに思ったこと、彼らの高校生活の思い出の中にきっと残してくれることでしょう。





↑座談会の様子と最後の記念撮影。


伊那西高校

伊那西高校では校内の講堂での公演でしたが、演劇部の子達が出迎えてくれ、搬入も手伝ってくれました。



↑演劇部の皆さん、朝早くから有難う!



↑開場前のサウンドチェックを見守る演劇部の皆さん。

公演も大いに盛り上がり、放課後の講堂には片づけを手伝ってくれた演劇部の子達だけではなく、沢山の子達が様子を覗きに来ていました。





↑公演後のバックステージ、ここでも笑顔が絶えることはありませんでした。



↑バックステージと並行して座談会も行われていました。ここでは“役を演じる側の感情表現”についての質問から、劇作家ブレヒトについて色々な話が展開されました。


ACC公益財団法人 荒川芸術文化振興財団主催 荒川区立第五中学校

今年で三年目となる荒川区内の学校の体育館での公演。今回は第五中学校の子供たちと出会えました。
開演前の挨拶で校長先生が「いつか子供たちに演劇をみせたいと思い続けていた」という言葉は私たちにとっても心に残るものでした。財団の方々、先生方、そして荒川に住む大人たちの想いを受け、子供たちは伸び伸びと二時間の舞台を楽しんでくれました。



↑荒川ケーブルテレビの皆さんも撮影に訪れ、公演だけでなく、その後のバックステージまで子供たちの様子を追っていました。



↑音響ブースを囲む子供たち、興味津々です。



↑こちらは照明機材の体験。自分たちがお芝居の中で見た明かりがどんな風にして出来上がっていたのかを知ると、とても驚いていました。



↑『肝っ玉~』の最後に降る雪に手を伸ばす子供たち。



↑今回バックステージツアーに参加してくれた子供たちは総勢50人以上。このみんなで手を振る様子が『こんにちは 荒川区』という番組でも見れるかもしれません。


ACC公益財団法人 荒川芸術文化振興財団主催 一般公演

夜はそのまま第五中学校の体育館での一般公演が行われました。



↑開演前の様子。子供からお年寄りまで大勢の皆さんが足を運んでくれました。

普通の劇場とは違う体育館での特設舞台。そこで友達や家族とともに観る舞台は客席の皆さんに非日常の体験となっていました。

そして、夜の回でも上演後はバックステージツアーを行いました。



↑家族で演劇を観て、舞台裏まで体験するこの公演ならではの光景がありました。



近隣の中高生たちも沢山来場してくれました。中には去年まで第五中学校に通っていた卒業生たちもおり、自分たちの思い出が詰まった体育館が劇場になっている様子を楽しんでくれていました。



↑こちらは深夜に行われた片付けの様子。遅い時間にも関わらず“第五中学校 おやじの会”の皆さんが手伝ってくれました。

沢山の皆さんの協力により実現した荒川での公演はメンバー全員にとっても本当に思い出深いものでした。
荒川の皆さん、有難うございました!またお会いしましょう!


『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第3週目

2012-06-09 19:30:10 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』西日本巡回公演は第3週目を迎えました。

峰山高校
(京都府)

公演は午前・午後の2ステージに分けられての公演となりました。開演前には校長先生から歌舞伎の例を用いて観客と舞台の関係性をとてもわかりやすく説明していらっしゃいました。
午前は1、2年生で、午後は2、3年生と弥栄分校の皆さんが鑑賞。客席の反応も午前と午後では全く違います。峰山高校では文化祭で演劇発表があるそうで、その参考になったでしょうか?
午後の回の終了後には座談会が行われました。







ヘレン役の白根の言葉を真剣に受け取ろうとしている生徒の皆さんの表情が印象的でした。

益田東高校
(島根県)

峰山高校の公演後、旅班は島根県益田市へ。会場は島根県芸術文化センターグラントワ小ホールでの公演でした。
開演と共に流れる音楽に合わせて、生徒一人一人が集中していく様子が印象に残っています。また、公演後の座談会では生徒会の皆さんと有志の皆さんが集まってくれました。





今度はアニー役の渋谷が座談会に参加。全員の顔が均等に見れるよう、車座になって様々な質問に答えていきます。最後にはヘレン役の白根から記念の色紙のプレゼント。

平田高校(島根県)

平田高校での公演は6年振り。前回も『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』を上演しました。今週では唯一の体育館での公演。しばらくホールでの公演が続いていましたので、体育館での設営作業(仕込み)も久し振り。それでも仕込みはスムーズに進められていきます。体育館での公演の場合、設備や形状に合わせて「どうやったら一番見やすいのか」を劇団員一人一人が考えながら作業します。

開演前には芸術鑑賞担当の先生から「演劇には俳優だけではなく、裏方もいる。そして風の皆さんは全員でこの体育館を劇場にしてくれた。どうやってこの芝居が出来上がったのか、色んな事を想像しながら観て欲しい。」という言葉が生徒の皆さんに投げかけられました。
上演中の客席は静かに、じっくりと舞台上の出来事を観察するように観ていたように思います。







終演後の撤去作業には3年生の有志がお手伝いしてくれました。中には中学生の時に風の『ヘレン・ケラー』を観た、という生徒さんも。劇団員それぞれが生徒達と芝居の感想や彼らのこれからの進路の事など、様々な話をすることが出来ました。皆さんお手伝いどうもありがとうございました!


座談会や撤去作業など、生徒達と同じ時間を共有し、お互いの話を聞き、考える交流の場は、演劇と同様に様々な『発見』が出来る場ではないかと思います。
相手の話を聞き、考え、その中で自分の中に生まれた『発見』をまた相手に返す。そんな循環を生徒達と共有する。それが『出会い』の一つの形ではないでしょうか。

これからも様々な『出会い』を楽しみながら、巡回公演は続いていきます。来週は愛媛県松山市から公演はスタートします。

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第2週目

2012-06-04 19:03:40 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』のツアー第2週目は、兵庫県、静岡県、岡山県、愛知県での公演が行われました。
各地、そして各学校で、芸術鑑賞の持たれ方やあり方の違いを感じ、また学校の特色や、生徒さん達の鑑賞の様子も本当に様々でした。
一回一回、その時、その場で、その瞬間に起こることを見逃さぬよう、旅は続いています。


伊丹北高校(兵庫県)

第2週目、最初の公演となったのは、兵庫県のいたみホールで行われた伊丹北高校の公演。伊丹北高校では毎年2年生が文化祭で演劇の発表をされているとのことです。
昨年舞台に立った3年生、そして来年には自分達も舞台に立つという1年生も含めて、舞台に注がれている視線はとても真剣でした。
とても静かな会場のなかで、時折みなさんから送られてくる視線や、空気感、柔らかな波を感じながらの公演となりました。



公演後は6月に文化祭が控えている2年生のみなさん、そして演劇部のみなさんと座談会が行われました。一緒にお話ししたことが、何かの役に立てばうれしいです。
今のメンバーで一緒につくる舞台は複製や再生不可能で、一度きりのものです。おそらく本番だけでなく、共に過ごす練習の時間、ひとりで考える時間も含めてたくさんの経験の場、貴重な時間だと思います。
演技の技術や、やり方だけでなく、クラスメイト、友だち、先生方との暖かい思い出となるような舞台をつくってください。
そしていつか「あの時、楽しかった」「普段には感じられないことを感じられたな」と思い返せる舞台になってくれることを心から願っています。


東海大学付属翔洋高校・中学校(静岡県)




東海大学付属翔洋高校・中学校の公演は、学校の講堂で公演が行われました。公演の前日から、演劇部・吹奏楽部・放送部のみなさんがお手伝いをしてくれました。
本番の午前中には高校2年生と3年生、午後は高校1年生と中学生のみなさんが観劇してくれました。午前中も午後も元気な生徒さん達で、ところどころ、みなさんが舞台を見ながら発している声や、友だちと話しながら鑑賞している様子が舞台にも伝わってきました。
また学校特有の礼儀正しさと、押し付けられていない自由な雰囲気も感じることができました。
東海大学付属翔洋高校では、2年前、2010年に現在もツアー中の『肝っ玉おっ母とその子供たち』の公演を観劇していただいています。覚えていてくれた生徒さん達も何人か話しかけてくれ、わたしたちも再会がとてもうれしかったです。
公演後には、演劇部との座談会、そして吹奏楽部・放送部のみなさんが撤去を手伝ってくれました。生徒のみなさん、そして先生方本当にありがとうございました。


吹奏楽部のみなさんと公演後の撤去の様子。


演劇部と行われた座談会。


玉島商業高校(岡山県)


全体がぐっと舞台に視線を注ぐ時の集中力がすごかった、玉島文化センターで行われた玉島商業高校の公演。
公演後生徒のみなさんとお話しすることはできませんでしたが、みなさんはどんな感想を持ってくれたでしょうか。
公演後には校長先生やご担当の先生方が控室を訪ねてくれました。公演後生徒会長さんがお話してくれたように、みなさんにとって演劇鑑賞という場は、高校生活ではめったにない機会ですね。親しい友達、先生方と一緒にひとつの物語を共有する時間、
その一日、その2時間のなかに、今後何か思い出したり、振り返ったりしてもらえるものがあったらうれしいです。
そしてみなさんがこれからいろんな人と出会っていくときに、「ひとつの出会いの形」として心にとどめてくれたらうれしく思います。


愛知県高校演劇連盟主催《愛知県・高校生のための演劇教室》


愛知県で行われた《高校生のための演劇教室》は、毎年、愛知県内の演劇部が集まる演劇鑑賞会。『ヘレン・ケラー』の公演は2日間、名古屋市青少年文化センターで公演が行われました。
7月には大会で各地域ごとに競うことになる演劇部のみなさんが、心をあわせてひとつの公演に向かう姿はとてもすてきでした。
実行委員会のみなさんは、様々な学校の生徒さんたち約60名ほどが集まり、「みんなで公演を有意義なものにしよう、成功させよう」という気迫が伝わってきました。
公演後にはバックステージ・ワークショップ、公開座談会が行われ、出演者やスタッフへの質問コーナーが設けられました。
たくさんの生徒さんが手をあげてくれ、時間が足りないくらいでしたね。ホームページにもたくさんの感想・質問をいただきました。



公演後に行われた、座談会。


公演後、舞台に残って俳優やスタッフに質問してくれる生徒さんもたくさんいました。

どうぞみなさんが演劇を始めた時の気持ちを忘れず、触れ合ったり、刺激しあったり、新しい自分、新しい相手を発見したりしながら、演劇を存分に楽しんでください。
公演の成功のためにがんばってくれた、実行委員会のみなさん、先生方、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!いつかまたみなさんと出会えることを、願っています。


公演のために頑張ってくれた実行委員会のみなさんと、乾杯!


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演はまだまだ始まったばかり。第3週目は京都府から、新しい出会いがまた始まります。

2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 三週目

2012-06-02 15:10:58 | 全国巡回公演

明秀学園日立高等学校 (茨城県)

2010年『Touch~孤独から愛へ』の公演以来、2年ぶりの再会となりました。

今公演は近隣の会館が震災の影響を受け、先生方、生徒の皆さん、様々な協力を得て体育館での公演となりました。

11トントラックに満載の舞台装置が体育館に出来上がり、会場と共に、「凄い迫力!」「うわ~!」と感嘆の声が上がっていました。

終演後、観劇した生徒の皆さんの姿を見た先生方の感想に、「様々に考えさせられる部分が良かった。」「矛盾や相反するものの中で翻弄されながらも人が生きる姿に感動しました。」「生徒たちも楽しんで、それと考えることもできたと思います。」といった言葉が印象的でした。

 

片付けを積極的に手伝ってくれた女子バレーボール部の皆さんありがとうございました。

また再会できる日を心から楽しみにしています。

 

 

海城中学校 (東京都)

希望者を募ってのバックステージツアーとなり、約120名の生徒の皆さんが参加しました。 

上の写真は「この馬車本当は軽いんですね。」劇中の幌車を引く姿を真似ての一場面。

 

ラストシーンで降る雪に盛り上がり、雪や小道具、舞台装置などについてもたくさんの質問がありました。

クスクスと遠慮がちに笑いながら、集中して観ていた空気が舞台にも伝わる公演でした。

今回の公演が皆さんの記憶に残ることと思います。その断片がいつか今の自分を

ふり返るきっかけの一つになることを願っています。

 

海城中学校とレパートリーシアターKAZEとは歩いて来られる程の距離にあります。

是非、レパートリーシアターKAZEでまた会えることを楽しみにしています。

 

東海大学甲府高校 (山梨県)

2階に建つ大きな体育館での公演。屈強な野球部員の皆さんが公演前日の舞台装置の搬入と、

公演後の片付けと連日のお手伝いに加えて、バスケットボール部の皆さんが手伝いに参加してくれました。

暑い体育館でも、3年生の集中して観る眼差しが印象的でした。

公演でその時に感じたことと、この先、あの時間を省みた時に自分自身にとっての発見が生まれるのだと思います。

 

 また座談会では肝っ玉おっ母役の辻を囲んで、吹奏楽部の皆さんと演劇部の3名が参加しました。

表現方法についての質問などがでましたが、どう演じるかということや乗り越えるといったことではなく、例えばその音を出したい時、自分自身が腑に落ちるまで考えて繰り返して発見することが、結果として聞いている、見ている人に伝わるものではないか、といった話に真剣に耳を傾ける皆さんとの時間を共有しました。

帰り際、「おっ母!楽しかったです!」など元気の良い声がかけられました。

担当の先生からもレパートリーシアターKAZEに是非観に行きます。と声をかけられました。

 

この3週目の旅も新たな出会いと、人の繋がりを感じました。

肝っ玉の旅も中盤に入ります。たくさんのことを受け取りながら、風を待つ皆さんの元へと繋がっていきます。