風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー (第8週)

2018-11-25 23:51:03 | 全国巡回公演

2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー  第8週の公演は佐賀県から始まりました。トップの画像は、佐賀清和高校での1枚です。

11月19日 【佐賀県】佐賀清和中学・高校 同校体育館

   20日 【佐賀県】佐賀女子高校    同校体育館

   21日 【長崎県】猶興館高校     平戸文化センター

   22日 【福岡県】立花高校      そぴあしんぐう

 

佐賀清和中学・高校

この学校は風11回、内Touchは5回目となる公演です。

当日2ステージということもあり、前日の日曜日に公演準備をすることとなりました。

休日にもかかわらず部活に来ていた放送部の生徒たちが、搬入から手伝ってくれました。

手伝ってくれた生徒たちの中には、九州大会を間近に控えた生徒もいて担当の先生も「この中の何人かは九州大会まで連れて行ってくれますよ」と自信満々な表情でした。

 

 

午前中の公演は、高校生のみの観劇です。

体育館に入ってくるところから、すごく集中した緊張感のようなものも感じました。本番前、担当の先生から、生徒たちへなぜ私がこの芝居が好きなのか、自分の出会いの話を話してくれました。

 

 

終演後には、荷物の運び入れを手伝ってくれた放送部の生徒たちが、舞台見学に訪れていました。実際自分たちが触ったものが、舞台上に現れてまた改めて触れる。そんな経験の中で、彼女たちにとって一つの思い出となっていてくれればうれしいです。

2回目の公演は、中学生と高校生の公演でした。体育館に入ってきたところから午前中とは違った高揚感に包まれていました。

開演前には4年前のヘレン・ケラー、2年前のジャンヌ・ダルクにも出演していた高階、倉八の紹介もしていただき、生徒たちにとって、そして私たちにとっても、再会からの始まりとなりました。本番中も生徒たちは、受け取った物を投げ返すように、一緒に芝居を作っていました。

 

 

片付けにも多くの運動部の生徒、放送部の生徒達が協力してくれました。出演者やスタッフも今日のこと、前に見たジャンヌのこと、多くのことを語り合いながら片付けをしていました。

 

 

最後は放送部の生徒たちが見送りをしてくれました。最初から最後までありがとうございました!

 

 

佐賀女子高校

佐賀女子高校は前回のヘレン・ケラー以来、3年ぶりの再会です。

 

 

開場中、体育館に入ってきた生徒たちからは「本物じゃん!」「すごい!」という声も聞こえ、この時間をすごく楽しみにしていたことを感じました。開演前、先生からも「このセットを見てください。今日は生の臨場感、迫力を感じていってほしい」と同じくらい先生方も楽しみにしてくださっていることを感じるあいさつをいただきました。

本番中、後ろのほうまでぎっしりと入った客席にも関わらず、先生の言葉を受け、集中し小さい事柄を逃すまいという姿が印象的でした。

 

 

終演後には、退場の時間を使って、今美術を勉強している生徒たちと舞台裏見学を行いました。美術を勉強しているということもあり、後ろの幕や、二階屋の作りなど、舞台美術を作った佐田を交えながら、細かいところまで見て回っていました。

 

 

その後、そのまま体育館に残ってくれた運動部、放送部の生徒達と共に舞台の片づけを行いました。「次何やりますか!」と率先して手伝ってくれたおかげで、私たちが思っていたよりも早く片付けを終えることができました。ありがとうございます!

 

 

 

猶興館高校

この学校は、「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来、9年ぶりの公演です。

開演前、会場の様子を覗きに行ってみると、もうすでに半分以上の生徒たちが入場を終えていていました。

生徒の進行、文化副委員長のあいさつで舞台は始まりました。

本番中、後ろから見た生徒たちの姿は、笑うところでは笑い、静かにじっと見たりと、メリハリのある空気を作ってくれていました。

 

 

カーテンコールで、文化委員長さんから「独特な世界観がって、楽しめました。」とTouchの世界を肌で感じてくれていたことを実感しました。

お礼の言葉と共に、記念品も頂きました!

 

 

ホールから出てくる生徒たちの顔は、どこか満足げです。

終演後、文化委員の生徒達と担当の先生が、楽屋まで顔を出してくれました。さっきまで舞台に立っていた役者と話している生徒達の姿には、今日のこの時間が1つ大切な物となったことを実感しました。

平戸市は佐世保市よりもっと先に行ったところにあります。普段なかなか芸術に触れる機会の少ない地域で、こうやって公演を続けていけるよう私たちも頑張っていきます。

 

 

立花高校

この学校は、風3回目となる公演です。

 

 

開場前から、ロビーには多くの生徒たちの姿が見え、この公演への期待感をひしひしと感じました。

開場中には生徒と先生が和気藹々と話す姿が見えたり、担当の先生からの挨拶にも生徒が拍手するなど、生徒と先生の仲の良さを感じる時間でした。

開演後、フィリップが舞台上に出てくると、さっきまでの雰囲気とは打って変わり、集中した真剣な表情を見せてくれていました。

カーテンコールでは、生徒会長さんのお礼のあいさつと、なんと花束を出演者全員分頂き来ました。ありがとうございます!

 

 

 

終演後には舞台裏見学や座談会も行われました。ついさっきまで舞台の上で観ていたものに、実際に触れ「こうなってたのか」と新しい発見を感じていました。

座談会は、トリート役の佐野を交えて行われました。

 

 

20018年「Touch~孤独から愛へ」は、後半も半ばにさしかかりました。旅班は一度東京に戻ります。残りの時間も出会い、そして再会を大切にしながら、その一つ一つを糧にして進んでいきます。

 

文:舞台スタッフ・石岡和総


2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー [第7週]

2018-11-21 23:33:29 | 全国巡回公演

この時期でも春のような陽気が続いていた九州地方にもいよいよ冬の空気がやって来ました。

2018年秋「Touch〜孤独から愛へ」九州ツアーは第7週目を迎えました。

 

11月12日(月)【福岡県】東鷹高校 田川市文化センター

11月13日(火)【長崎県】清峰高校 同校体育館

11月14日(水)【熊本県】熊本第一高校 熊本市民会館

11月16日(金)【広島県】呉商業高校 呉市文化ホール

 

東鷹高校

この学校での公演は2009年の「肝っ玉おっ母とその子どもたち〜あとから生まれてくる人たちへ」の公演以来、2回目となる公演でした。

開場前には以前勤めていらした学校で風の公演を繋いでくださった先生が東鷹高校の教頭先生になられていて、楽屋にハロルド役の柳瀬を尋ねて来てくださいました。

思わぬ嬉しい再会に当時の公演の日の思い出を互いに思い起こしながら話していました。

 

 

入場時の生徒さんたちは組まれた舞台に、「なんか、凄そう!」「楽しみ!!」と期待の声を上げながら会場の静けさを一気に吹き飛ばす勢いでやって来ました。

 

 

行事は生徒さんたちの司会で始められ、文化委員長さんの号令がかかると一気に会場は静まり、生徒さんたちは舞台に体ごと向けていました。

本番中の彼らは一緒に観ている友達やクラスメートを互いに感じながら、笑いあったり、グッと前のめりになりながら観たりしていました。

 

 

終演後の舞台見学は先生の呼びかけで希望者の生徒さんたちがたくさん集まってくれていました。

道具に触れ、一つのシーンを友達同士で再現している生徒さんの姿もありました。

 

 

座談会に参加していた生徒さんから、劇団のHPの掲示板へメッセージが届けられていました。

メッセージを残してくれた生徒さんの言葉の中には、「今年1番の思い出になりました!」とありました。

 

 

清峰高校

この学校のご担当の先生は以前勤めていらした学校で「Touch」の公演を観たことがあり、その時の記憶もきっかけとなり今回、清峰高校の生徒さんたちに繋げられた公演でありました。

入場時、体育館に組まれた舞台に興奮している様子の生徒さんに声をかけてみると「舞台、上がっていいんですか!?」「ものすごい興味あります。」と勢いよく舞台に上がったり、恐る恐る手で触れて観たりしていました。

 

 

 

開演前のご担当の先生からの挨拶で「私には前の学校でこの舞台を観たことがあり、とても感動した思い出があります。皆さんの中に登場人物に共感する人もいるかもしれません。この時間が皆さんにとって大事な時間となればと思います。」と話していました。先生の言葉をじっと聞く生徒さんの姿が印象的でした。

彼らはとても自由な態度で自分が見たいもの今、感じたことをぶつけるように真っ直ぐに舞台に向かってくれていました。

終演後すぐに舞台に上がってくる生徒さんたちは、トリートやフィリップの身振りを真似して見せたり、「元気付けてやろう」と友達の肩を抱いてやったりしながら、舞台見学をしていました。

舞台撤去作業には朝の道具の運び入れ作業にも手を貸してくれた生徒会の生徒さんたちを始め、40人以上の部活動の生徒さんたちがお手伝いに駆けつけてくれました。

 

 

 

生徒さんたちは役者に積極的に話しかけたりしながら”お手伝い”というよりは、劇団員と一緒になって作業に取り組んでいる様子でした。

 

 

熊本第一高校

熊本第一高校での風の公演は今回が初めてとなる公演でした。

会場は1000人を超える生徒さん、先生方でいっぱいとなり、圧倒的な存在感を放っていました。

 

 

 

開演前は放送部の生徒さんたちの司会進行で、1000人を前に堂々とした姿勢で劇団紹介から作品の紹介、キャスト紹介をしてくれ、しっかりと始まりを作ってくれました。

公演中の生徒さんたちは1番後ろの席の子たちまでしっかり体を合わせていました。舞台がクライマックスに向かっていくのに連れ、徐々に集中力が増し、1000人が一体となって舞台空間を共に作っているようでした。

カーテンコール時の代表の生徒さんの挨拶の言葉の中に「愛情を持って少年たちにいろんなことを教えようとするハロルドの姿を見て、自分の家族のことや、友達のことを改めて考えました。私たちにとってとても大事な時間になりました。」とありました。

彼女はその時に自分の中に生まれて来た言葉や、今自分が感じていることの一つ一つを伝えるように言葉にして届けてくれていたように思います。

 

 

終演後の舞台見学には舞台にいっぱいになるほどの生徒さんが集まっていました。

道具の工夫や仕組みに強い関心を持って、舞台スタッフや役者の言葉を聞いていました。

座談会は時間ギリギリまで行われている様子で、舞台見学と座談会の両方に参加した生徒さんから劇団のHPへの書き込みもあり、その生徒さんのその時の思いがとても伝わってくる文面の中には「自分の世界が広がったような気がします!」と書かれていました。

 

 

 

呉商業高校

九州ツアー第7週目を締めくくるのは、学校行事実施の時期の関係もあり九州ツアーに組み込まれた広島県呉市の学校です。

熊本第一高校に続き、この学校での風の公演も「Touch〜孤独から愛へ」が風”初”となる公演でした。

 

 

 

開演前、校長先生の挨拶では「演劇は観るだけではなく、観ている皆さん何かを感じながら、一緒に作るものです。この演劇鑑賞会の時間や経験が皆さんにとって高校生活の思い出の1ページになってもらえたらと思います。楽しんで観劇してください。」と生徒さんたちに言葉がかけられました。

生徒さんたちは校長先生の言葉にじっと耳を傾けているようで、すでに”観る”という姿勢になっている様子で集中した視線が舞台に注がれていました。

客席が生み出した沈黙の空間は波紋のように広がっているようで、とても繊細なように感じました。

 

 

終演後の舞台見学には多くの生徒さんが参加していて、本番中のあの緊迫感のある沈黙の時間と違った生徒さんたちの姿がありました。

とても積極的に、ついさっきまで観ていたものや自分が受け取ったもの、感じたことを爆発させるかのような勢いで道具に触れ、役者や舞台スタッフに言葉を投げかけて来てくれました。

 

 

座談会には舞台見学に来ていた生徒さんの殆どが参加していました。生徒さんたちは互いに自分以外の人の言葉をよく聞いていて、質疑応答というよりはハロルド役の柳瀬太一へ投げかけた言葉や、返ってきた言葉からそれぞれの会話がその場に生まれているような時間であったようです。

 

 

3ヶ月に及ぶ2018年「Touch〜孤独から愛へ」九州ツアーは後半に突入しています。

些細な時間も何かに、誰かに繋がっていることを改めて考える日々です。

20年以上若い観客の目に晒されている「Touch〜孤独から愛へ」を通じて繋がった出会いや再会の中で人の大切な記憶や経験、歴史に触れていることを感じます。

 

 

舞台スタッフ/高階ひかり

 


2018年秋『Touch〜孤独から愛へ』九州ツアー [第6週]

2018-11-19 19:27:11 | 全国巡回公演

 

長いツアーの折り返し点を過ぎ、秋晴れの続く一週間でいよいよ後半へと入りました。

今週の公演は、

11月5日(月)【福岡県】 福岡工業高校

   7日(水)【長崎県】 口加高校

   8日(木)【福岡県】 久留米学園高校

   9日(金)【鹿児島県】鹿児島商業高校

     10日(土)【鹿児島県】神村学園

でした。

 

福岡工業高校

体育館が2階なため、前日の日曜日に道具の搬入をしました。

途中から、練習試合から帰って来た剣道部の生徒さんと引率の保護者の方々や先生方も加わって手伝ってくれました。ありがとうございました。

この学校は、風の公演は3回目です。1000人の生徒たちでビッシリの体育館は、開演前から元気いっぱいの客席でしたが、芝居が始まると真剣に見入っている姿が印象的でした。

撤去作業にも、情報科をはじめ沢山の生徒さんと先生方も参加してもらい、印象深い公演となりました。

 

口加高校

この前日に、スタッフのメンバーの一部が入れ替わりました。この日から、『ヘレン・ケラー』のツアーを終えたばかりの高階(アニー・サリバン役)、倉八(ヘレン・ケラー役)、石岡(パーシー役)、照明の江田が新しくスタッフとして加わりました。

口加高校は3回目の『Touch』の公演となります。

体育館の朝の仕込み中から生徒たちの公演への期待感の高さをひしひしと感じます。職員室では、「あの大きなトラックをどうやって入れたの?!」と話題になっていたそうです。口加高校での公演は7回目なので、入り方は熟知しています。

熱気にあふれる客席で、笑ったり、考えたり、泣いたりしながら、ひとりひとりの中で『Touch』と向かい合っている姿を強く感じました。

カーテンコールでのお礼の言葉では、「人が演じるという芝居が、こんなにも沢山のことを豊かに伝えてくれることに感動しました。」という嬉しいあいさつをいただきました。

 

 

久留米学園高校

この学校では、風は5回目の公演となります。

今週の中では唯一のホールでの公演でした。

開場を待ちきれない様子で、公演を楽しみにしている様子がうかがえます。

本番ではリラックスした客席で、小さな動きも見逃さず反応してくるのが印象的でした。

カーテンコールでは「自分はこれまで多くの人に愛情を注がれてきたんだな、ということを感じました。だから私も人に愛情を注ぐことのできる人になりたいと思いました。」という言葉が心に残っています。

終演後の座談会も、演劇をする人に対して興味・関心を持って質問が飛び交い、活発な時間となりました。

 

鹿児島商業高校

この学校も風は7回目の公演となります。『ヘレン・ケラー』以来3年ぶりの公演です。

朝からバレー部の生徒さんが体育館への搬入を手伝ってくれ、活気のある仕込みとなりました。

少し暑さのこもる体育館の中でしたが、自分と重ね合わせながら、また、友だちを発見し、新しい世界に触れていくという集中力で、さらに熱い公演となりました。

終演後には大勢の生徒さんが撤去作業を手伝ってくれ、劇団員と一緒に道具を運びながら感想を述べたり、質問を繰り出してきたりと交流の輪で賑わう時間となりました。手伝ってくれた生徒のみなさん、ありがとうございました。



神村学園

この学校では、風は11回目の公演となります!

3年前には『ヘレン・ケラー』、6年前には『Touch』を上演しています。初等部、中等部、高等部とある学校です。初等部4年生以降は『ヘレン・ケラー』を、さらに中等部・高等部のなかには『Touch』を見るのは2回目という生徒さんもいます。

小学校1年生の初等部から高校3年生までが一緒に芝居を見るというのは、私たちにも滅多にない公演です。言葉のひとつひとつ、動きのひとつひとつを見逃すまいとする視線が印象です。初等部、中等部、高等部とそれぞれが反応するところが違い、興味深い公演でした。

撤去作業では、先生方を含め100人以上の生徒さんが手伝ってくれました。「ヘレンがいる!」、「アニーがいる!」との声も聞こえ、賑やかな撤去作業となりました。

 

 

九州ツアーはまだまだ続きます。ひとつひとつの公演をつくり出していくなかで、様々な生徒さんと出会い、その姿を見た先生方と出会うことによって、演劇とは何かということを問い続けていきたいと思います。

 

:柳瀬太一(ハロルド役)

 

2018年秋 「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」西日本・東日本ツアー[第8周目]

2018-11-15 10:55:34 | 全国巡回公演
 
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演も富山県で迎えた初日から、西日本地域、東日本地域を駆け回り、ついに千秋楽を迎えました。
千秋楽である31回目を迎えたのは、徳島北高校での公演です。
私たちは、一度東京へ戻り、11月10日から始まる文化庁の『星の王子さま』の稽古を終え、徳島県へ向かいました。

11月5日(月) 【徳島県】徳島北高校 同校体育館

徳島北高校
 

千秋楽を迎えた徳島北高校での公演は、2009年に公演した(現在九州地域で公演中の)『Touch』から9年ぶり2回目になりました。
徳島北高校では、人権学習行事として、人権演劇鑑賞会として公演が行われました。
また、担当の先生方が「公演の日を楽しみにしていました。私たちの徳島北高校の公演が千秋楽であることを、ぜひ、最後の挨拶で生徒たちに伝えてほしい。」と、おっしゃって下さり、皆さんが、公演の日をとても楽しみにしてくれていたことが伝わってきました。

徳島北高校の体育館は、2階の為、前日の日曜日に搬入が行われました。
日曜日にも関わらず、多くの部活動の生徒さんも学校に来ていたようで、風の11tトラックを見て、「明日の演劇のやつだ!」、「明日楽しみにしています!」と掛けてくれる声に、私たちも明日の公演で、彼らと一体どんな出会いが待っているのだろうかと、とても楽しみになりました。

そして迎えた本番当日。
劇場となった体育館には、先生方、保護者の方々も含めて、約1000人の客席はとても濃密な空間を生み出していました。
また、開演前には、担当の先生が『ヘレン・ケラー』の作品について語り、「ヘレンとアニーの出会いの中から、皆さんはいったい何をみるのでしょうか。」と、生徒さん方にメッセージを送り、先生の想いのバトンを受け取るように、大きな拍手で本番が始まりました。

本番が始まると、体育館いっぱいに座る客席からは、後ろの方まで、しっかりと存在を感じ、時には笑ったり、驚いたり、ふと静かな視線を向けたりと、ひとりひとりが舞台や人の存在を感じ合う客席を捉え通して、発見したり、探求しながら、しっかりと自分の身体で向き合っている姿勢に、私たちも支えられながら共に公演を創ることが出来たように感じる時間となりました。
 

カーテンコールでは、人権委員長の生徒さんから「人と人との繋がりの大切さを改めて感じました。」と、とても素敵な言葉を頂きました。
 
 
 
 
 
終演後には、バックステージツアーが行われました。
 


また、アニー・サリバン役の高階ひかりと共に希望者の生徒さん方との座談会も行われました。
なんと、座談会には、今回の公演をとても楽しみにしていらっしゃった、校長先生も参加されていたそうです。
 


後片付けのお手伝いも、バスケットボール部や前日の搬入作業で声を掛けてくれた野球部の生徒さん方、また、様々な部活動の生徒さん方がたくさん駆けつけてくれました。
皆さんの溢れんばかりの生き生きとした姿と力に助けられ、あっという間に劇場から皆さんの馴染みの体育館に戻っていきました。
本当にありがとうございました!!

そして、担当の先生からは、徳島の特産品であるすだちを頂きました。
劇団員皆んなで、美味しく頂きました!
 
日々、友人や家族や先生たちと共に、たくさんの経験や出会いを積み重ねて、未知なる可能性と未来をその身体に秘め、“今”をしっかりと生きる若い観客たちの姿、そして、そんな生徒さん方の姿を信じ、温かく見守り、彼らに公演の時間を通して、何かを伝えたい、残したいという先生方の力強い想いに支えられ、共に創ることの出来た時間となりました。
本当にありがとうございました。
 
私たちは、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の千秋楽を迎えた後、11月10日から始まる『星の王子さま』、そして、9月19日から始まっている『Touch〜孤独から愛へ』の九州ツアーへ合流し、新たな旅公演が始まります。
公演で出会った皆様の想いと姿を原動力に、まだまだ私たちの出会いの旅は続きます!
 
文:倉八ほなみ(ヘレン・ケラー)
 
 
 
 



2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第7週目]

2018-11-13 20:54:34 | 全国巡回公演

919日から始まった「ヘレン・ケラー」の旅もいよいよ終盤に差し掛り、第7週目をむかえました。

 

10月29日(月)【静岡県】日本大学三島中学校・高等学校 同校アリーナ

10月30日(火)【岐阜県】郡上高等学校 同校体育館

10月31日(水)【栃木県】真岡女子高等学校 真岡市民会館

11月  2日(金)【静岡県】加藤学園暁秀中学校・高等学校 沼津市民文化センター

 

 

日本大学三島中学校・高等学校 

7週目の初日は1993年を初めに6回目のとなる日本大学三島中学・高校での公演です。

 

トップの写真は三島中学・高校の『桜アリーナ』です。バスケットコートが4面、天井までの高さも20メートル以上あるとても大きなアリーナです。

 

本番が午前開演ということで前日に仕込みをさせていただきました。

搬入中には、テニス部やバレー部の皆さんが通りすがりに大きな声で挨拶をしてくれたり、アリーナの入り口で練習をする吹奏楽部のフルートの音色が聞こえてきて、心暖まるような雰囲気で搬入ができました。

搬入が終わり、仕込みをしていると演劇部の皆さんが体育館をのぞきに来てくれたので一緒に舞台を廻って、音響機材に触れたり、灯り当てのモデルになりました。

 

そして翌日の本番前には図書委員の皆さんが舞台を見学に来て、舞台設営にかかる時間やツアー中の旅班の動きなど様々なところに関心をもって質問をしていました。

なかには「八百屋舞台になってる!」と驚く生徒さんや「お父さんの実家にも同じようなポンプがあるんですよ!」とポンプに目を輝かせる生徒さんもいました。

そして開場すると1000人近い生徒や先生、保護者の皆さんが客席いっぱいに入り、もの凄い熱気で開演を待ちます。

 

司会の先生から「桜アリーナが桜劇場に変わりました。初めての桜アリーナでの試みです。大きな拍手で始めましょう」という挨拶があり、開演です。

公演中、真剣な眼差しを舞台に向け、一人ひとり全身で何かを受けとめているようなそんな印象を受けました。

休憩中もドロップを指差して話す姿や天井に吊ってある照明の灯体をじーっとみつめる生徒さんもいて、舞台に関心を持って向き合ってくれました。

 

終演後の代表の生徒さんの挨拶では「中学生時代に読んだ奇跡の人やヘレン・ケラーの自伝を思い起こしながら観ていました。でも文章とは違って体当たりでつくる関係性をとても感じました。」と自分自身が感じた事を自分の言葉で伝えてくれました。

 

 

搬出作業は図書委員の皆さんが手伝ってくれました。

運んでいる道具がどこで使われていたか劇団員に質問しながら作業し、とても良い交流の場となりました。

演劇部の皆さんはお昼休みギリギリまで劇団員と談笑し、お昼休みの時間に友達同士追いかけっこをしながら、元気よく声をかけてくれた中学生の生徒さんたちと最後に記念写真を一枚。

 

 

 

郡上高等学校

二日目は郡上高校での公演です。

学校はたくさんの山に囲まれており、体育館の横には大きな野菜畑も広がっていてとても自然豊かな場所です。

この日の公演も前日に搬入を行い、担当の先生も搬入を手伝ってくれました。、

 

開場中には「すげーっ!」「おぉなんだこれ!」と普段使っている体育館が劇場に変わった事に驚く声が舞台裏でスタンバイしている役者たちにも届いてワクワクしていました。

 

 

そして開演すると開場中の雰囲気がガラッと変わり一人一人が集中して舞台へ視線を向け、取っ組み合いのシーンなどではクスッと笑う瞬間もありました。客席全体がリラックスしながらも集中する時はジッと舞台に集中している柔軟な身体で舞台と向き合っているような印象でした。

 

終演後の生徒会長さんの挨拶では「諦めずに人と接する事で新しい人間関係が生まれると思いました。」と2時間という時間の中で感じた事を素直に伝えてくれました。

 

そして終演後のバックステージには演劇部の生徒さんや運動部の生徒さん50名ほどが参加してくれました。

二階屋に登って初めて体験する感覚にドキドキしている生徒さんやテーブルの下までのぞき込む生徒さん、音響の渡辺に話を聞く生徒さん、ヘレン・ケラーの細かなところまで興味を持って舞台を見学していました。

 

 

バックステージ後には演劇部の皆さんはアニー役の高階と座談会へ、運動部の生徒さんや図書委員の生徒さんはバラシのお手伝いをしてくれました。

座談会では基礎練習の話を中心にたくさんの質問もでてとても盛り上がっている様子でした。

お手伝いの生徒さんたちも重いものがあればみんなで協力し、声をかけ合い、驚くようなチームワークであっという間に一階まで舞台装置を運んでくれました。

 

最後に担当の先生から「ヘレンケラーは映画などで見たことがありました。でも映画とは全然違う生のものを感じました。そして子供たちの観ている時の熱気にも感動しました。」とまた次の公演に繋がる力強い言葉をいただきました。

 

 

 

真岡女子高校 

3日目は真岡女子高等学校での公演です。

開場中は二階席から一階席の友達に手を振る生徒さんもいて、明るく活き活きとした雰囲気で開演を待ちます。

 

公演中は舞台の上で起こっている一つ一つの出来事を少しでも見逃すまいと真剣な表情で舞台をみつめ、客席に吸い込まれるかのような感覚でした。

 

終演後の代表の生徒さんの挨拶では「アニーがヘレンに人生を楽しんでほしいからからこそ厳しく教育するのだと思いました。そして障害を乗り越えるのではなく向き合うことが大事だとも思いました。私も辛い事があっても向き合っていき、そして周りにはヘレンの家族のように支えてくれる人がいる事を忘れないでいきたいです。」と2時間で感じた事ほぼ全てを言葉にしてくれたのではないかと思うような堂々とした挨拶にはとても刺激的で感動しました。

 

バックステージでは「衣装はどこで作っているんですか」という質問や「なぜ転換には役者も入っているんですか」などと様々な役者にたくさんの質問がありました。

バックステージ後はバラシを見学しながらヘレン役の倉八との座談会です。 

座談会の最後にはトラックの中まで見学をし、役者たちとトラックをバックに記念撮影もしました。

 

 

加藤学園暁秀中学校・高等学校

4日目は加藤学園曉秀中学・高等学校での公演です。

2007年の星の王子さま以来の公演です。

 

開場すると元気に会場へ入って来て一気に会場が賑やかになりました。

 

開演前は副校長先生の「演劇を見て、聞いて、感想を語り合いましょう。」という挨拶があっての開演です。

 

公演中様々なシーンで反応し、色んな場面で笑いが起こり、明るい雰囲気を感じると、前半とはまた違う集中力で舞台と対話するようにヘレン・ケラーを創ってくれこました。

 

 

終演後の生徒代表の挨拶では「ヘレンの内なるものを見たいという気持ちを観た時にとても感動しました。今でも言葉にすると泣きそうになっています。」と涙をこらえながらに強く想いを伝えてくれました。

 

そしてカーテンコール後はヘレン役の倉八とアニー役の高階と全校生徒での座談会がありました。「背景幕はなんの絵でどんな意味があるんですか」「なぜガーデンハウスのシーンではネットがあったんですか」など舞台装置の様々な所に関心を持った質問が多く短い時間ではありましたが、すごく盛り上がっていました。

 

 

 

「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の旅も残すところあと1ステージとなりました。

一回一回様々な出会いや驚きのある時間の中でその瞬間を大切に最後の最後まで駆け抜けていきたいと思います。

 

 

ジェイムズ・ケラー(ヘレンの兄)役/蒲原智城


2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第5週〕

2018-11-03 17:09:32 | 全国巡回公演

朝晩が肌寒くなり、九州も秋の深まりを感じてきました。

今週は

10月29日(月) 福智高校 田川文化センター

   30日(火) [AM]佐賀西高校 佐賀市文化会館

        [PM]佐賀北高校

   31日(水) [AM]佐賀商業高校

        [PM]龍谷中学校・高校

11月1日(木) 柳ヶ浦高校 同校体育館

   2日(金) 城北高校 同校体育館

で、公演をしました。

 

福智高校

2012年以来6年ぶり、5回目の風の公演でした。

開演前、みんな元気でこれから始まる公演への期待が高まっています。

校長先生からの「テレビや映画とは違う、生の面白さを感じてください。」という言葉を受けて、いよいよ開演です。

開演前の賑やかさとはうって変わって、ひとりひとりが何かを掴み取ろうと、真剣な眼差しを舞台に向ける姿が印象的でした。

休憩中の客席からは、「めっちゃ面白い!」とか、「難しいけど、なんか面白い。」という声が聞こえていたそうです。

終演後には、カーテンコールで謝辞を述べてくれた生徒会長さんと担当の先生が楽屋を訪ねて来てくれました。

「カーテンコールでは緊張してうまく喋れなかったんですけど、兄の歪んだ愛情だったり、登場人物3人の関係が繊細に描かれていて、すごく面白かったです。」と、想いを語ってくれました。 

 

佐賀西高校

この日から、2日間4ステージの佐賀市内の高校の合同公演でした。

佐賀西高校は、2年ぶり4回目の風の公演となりました。

「家族や友人にTouchし、人と人の関係のあり方を改めて、感じ、考えることができました。」と、図書委員の代表の生徒さんが、熱く話してくれました。

彼の言葉にもあるように、客席のそれぞれが、公演を通して何かを考え、感じるように『Touch』の世界に触れてくれていました。

終演後には、担当の先生とカーテンコールで話してくれた図書委員の生徒さんが楽屋を訪ねてくれました。ありがとうございました。 

 

佐賀北高校

佐賀北高校も、2年ぶり4回目の風の上演です。

物静かな客席でしたが、目の前の出来事を見逃すまいと、ジッと向ける視線を舞台から感じました。

カーテンコールでは前生徒会長さんが、

「私たちも、部活や勉強を通して、皆さんのように全身で感動を与えられる人になりたいと思います。」

という素敵なあいさつをもらいました。

そして、公演後には、演劇同好会、吹奏楽部、放送部の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われました。

来年、全国総合文化祭が佐賀で行われるそうで、文化を通して、自分たちのいるところを盛り上げようという情熱を感じる時間となりました。

 この日は、会館に舞台を仕込んだままということもあり、舞台を彩る道具の手直しをしました。

まだまだ続く旅のためにも、補修は大事な作業です。

 

佐賀商業高校

こちらの学校も2年ぶりの公演で、風の公演は6回目の公演でした。

まさに「凝視」ということばがぴったりなくらいに、食い入るように見ている彼らの姿が印象に残っています。

カーテンコールでは、生徒会の生徒の皆さんが、出演者ひとりひとりに綺麗な花束を渡してくれました。

その後、舞台上では、舞台裏見学が行われました。みんな思い思いに興味があることや小道具などを見ては、劇団員に質問をしたり、衣装を身に纏ってみたり、わずかな時間でしたが楽しい時間を過ごしてくれていました。

 

龍谷中学校・高校

この日の午後は、龍谷中学校・高校の公演。

6年ぶり3回目の風の公演です。

リラックスしながらも集中して、見ることを楽しんでくれていました。

 公演後には、小さな色紙を持った生徒さんが舞台袖に来て、「人の優しさ、愛情を感じて、涙が溢れてきました。」と、自分が受けた感動を興奮した様子で話してくれました。

 

柳ヶ浦高校

3年ぶり、3回目の風の公演でした。

この日は、文化祭のなかでの公演ということもあり、朝から『Touch』の舞台設営と平行して、体育館の飾りつけを生徒の皆さんがしていました。

体育館の入り口では、開場を待つ生徒の皆さんですでに賑わっていて、開場と同時にあっという間に体育館は生徒の皆さんでいっぱいになりました。

「やばっ!なにこれ、すごい舞台。」とそこここで、驚きの声があがっていました。

そして、文化祭の開会式を終えていよいよ開演。

リラックスした様子の客席で、3人登場人物が起こす出来事に反応しながら、楽しんで見てくれていました。

公演後の舞台撤去には、文化委員と生徒会の生徒の生徒の皆さんがお手伝いをしてくれました。

生徒会長さんは柔道部、そして、文化委員もなぜか柔道部の生徒たちが多いようで、とても、力強くそして元気に劇団員と交流しながら手伝ってくれました。

ありがとう!

文化祭、目一杯楽しんでください!

 

城北高校

旅班は柳ヶ浦高校を出発しそのまま城北高校へ。

城北高校は午前中の公演のため、前日に舞台設営を行いました。

こちらの学校も文化祭での公演ということもあり、夜8時頃に学校に着いた時にも、たくさんの生徒たちが文化祭の準備のために残っていました。

搬入、設営には、生徒会・文化祭実行委員の男子生徒が一人、寮の門限ギリギリまでお手伝いをしてくれました。話を聞くと、なんと!2年前に南小国中学校で風の『ジャンヌ・ダルク』の公演を見たとのこと。

「文化祭前はいつも夜遅くまで残っているんです。明日の公演も楽しみだし、準備の手伝いもめっちゃ楽しいです。」とうれしそうに話してくれました。

一層、明日の公演への気合いが入ります。

学校のセッティングした照明の手直しを生徒と一緒に。

いつもとは、違う雰囲気の体育館にみんな驚いていました。

城北高校は、じつに10年ぶり5回目の風の公演となりました。

開演前、文化祭のオープニング企画があり、公演への期待が高まります。

開演すると、興奮した雰囲気は一変。

『Touch』の世界を一瞬で、彼らのまっすぐな視線が貫き、体育館全体を彼らの空間に変えてしまいました。

彼らの「見る・感じる」力の強さを改めて感じる公演でした。

終演後には、委員会の生徒の皆さん、総勢60人ほどが、入れ替わりながら舞台撤去のお手伝いをしてくれました。午後の企画の準備もしながらの忙しいなかでも劇団員と積極的に交流をしてくれていました。

皆さん、頑張ってください。文化祭の成功を願っています。

 

9月に始まった『Touch』の旅ももうすぐ折り返しを迎えます。一回一回の公演で、どんな出会いができるのか、期待と願いをこめて、旅は続いていきます!

 

文:佐藤勇太(フィリップ役)

 


2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第6週目]

2018-11-02 21:03:35 | 全国巡回公演

10月22日(月) 【富山県】高岡工芸高校 同校体育館

10月24日(水) 【宮城県】宮城第一高校 仙台国際センター

10月25日(木) 【群馬県】桐生工業高校 桐生市市民文化会館

10月26日(金) 【兵庫県】淳心学院中学・高校 姫路市民会館

 

 

今週は、今旅3度目の高岡市訪問から始まりました。

1996年『星の王子さま』以来、上演2回目の高岡工芸高校からスタートです。

 

高岡工芸高校

 

体育館の入り口が溢れんばかりの生徒さんたちでひしめき合っていたのは、何と開場時間の10分前。

今か今かと押し寄せて、いざ開場!

待ってました!と言わんばかりの勢いで入場してくれました。

前日は文化祭だったそうで、公演当日の午前中後片付け。

準備から含め、生徒さんたちは結構疲れていたようですが、元気な姿を見せてくれました。

賑やかだった開場中とはうってかわって生徒さんの司会が始まった途端一斉に集中。

校長先生から劇団紹介をいただき開演しました。

800人の生徒さんに埋め尽くされた客席は上演中も最初の集中が途切れることなく、全てを吸収するくらいの吸引力を感じさせてくれました。

カーテンコールでは、生徒会長さんから「ヘレン・ケラーの世界観を堪能しました。この作品を通して違う視点でもの作りを捉える事ができました。」という工芸高校ならではの感想をもらいました。

終演後は演劇部と放送部の皆さんがバックステージツアー。

その後ヘレン役の倉八と座談会に向かいました。

撤去には先ずバドミントン部の皆さん、続いて柔道部、座談会終わりの演劇部、放送部の皆さんが駆けつけてくれました。

本当にありがとうございました。

 

 

宮城第一高校

 

こちらは“風”初上演でした。

会場の仙台国際センターも私たちは始めて使う会館で、今旅初の東北地域での公演でした。

創立120余年になるこちらの学校は2010年から男女共学になったそうです。

元女子校の名残りも色濃く、私服で自由なおしゃを楽しめる客席はカラフルに彩られていました。

観賞行事ご担当の先生から少しコミカルな諸注意の間はリラックスしていた生徒さんたちも先生の「ちょっと静かにしましょう。」のひと言で一気に集中。

シンプルにすごいなと思いました。

校長先生の「皆さんは普段テレビやDVDや映画などを見ていると思いますが、今日はメディアを介したものとは違う演劇を観ます。

演劇は舞台で演じられているものを見るだけでなく、観客の皆さんも一緒に空間を創る芸術です。

高校時代は心が柔らかくて柔軟です。

皆さんの柔らかい心に劇団の皆さんが種を撒いてくれるはずです。

ぜひそれを育てて欲しいと思います。」

というお話を受けて開演。

かなり集中して観てくれていた生徒さんたちも井宗親演じるヘレンの父アーサー・ケラーの動きには会場中が思わず吹き出すという一面も覗かせてくれました。

カーテンコールでは学友会長さんが「人と人が繋がる時には障害があると思いました。

高校生活でも人間関係には障害があります。

でも、今日得たものをこれからの生活の中で活かしていきたいと思います。」と語ってくれました。

とても綺麗な花束もいただきました。

ありがとうございました。

バックステージツアーは演劇部の皆さんが参加してくれました。

構造や仕組みにとても興味を持って、自分たちが作るとしたらどうするかというところまで発展させて仲間同士話し合っていたのは驚きました。

軍手を持って来てくれている生徒さんたちもいて、座談会までのほんの短い時間でしたが一緒に作業する事ができました。

そして、アニー・サリバン役の高階ひかりと客席にて座談会。

とても盛り上がっている様子が見えました。

参加してくれた皆さん、聞きたいこと聞けましたか?

私たちが撒いた種、これからも育てていってもらえたら嬉しいです!

 

 

桐生工業高校

 

2012年『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』以来“風”は2回目の上演。

こちらの学校は昭和9年に開校、今年で創立84周年を迎える歴史と伝統のある工業の専門高校。卒業生の皆さんは地元のみならず国内外で活躍されているそうです。

会場のシルクホールは屋根に繭玉(群馬県と言えば絹ですからね。)をイメージした高さ25メートル、450人を収容できるとてつもなく大きな繭形のスカイホールを載せた桐生市の皆さんの憩いの場。

この屋根のホールに行ってみたかったのですが、もしかしたら桐生工業高校の卒業生の方も建設時にはたくさん関わっていらっしゃったかも知れないなと思いながら公演準備をしました。

前日までの肌寒さから一変ポカポカ陽気の中、学校から移動してきた生徒さんたちの高揚感が開場と共に場内に流れて来ました。

ご担当の先生から観劇についての諸注意があり、生徒さんたちの拍手で開演。

客席のそこここで友達と感想を言いながら終始リラックスした中で、細かいところまで興味を持って観てくれていました。

終演後、ご自身では15,6年ぶりの観賞行事でしたとおっしゃる校長先生が楽屋を訪ねて下さり、刺激を受けましたとメッセージをいただきました。

こちらこそ、素敵な時間をありがとうございました。

一方その頃、舞台では生徒会、放送委員の皆さんとのバックステージツアーが始まっていました。

舞台上だけでなく、楽屋や搬入口に停めてあるトラックまで見学に来てくれました。

撤去の間、客席で行われていた座談会からはたくさんの質問が聞こえていました。

片付けが終わる最後の最後まで時間を共有してくれて、本当にありがとうございました。

 

私たちは次の公演地、兵庫県は姫路市に向けて出発進行!

(ただいま移動のバスの中で作成中!)

桐生出発8時間後、到着しました!

今日もらったエネルギーを蓄えて、明日の出会いに繋げたいと思います!

 

 

淳心学院中学・高校

 

今週ラストの公演は何と1989年『ハムレット』以来29年振り“風”2回目の上演でした。

シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれ、

大天守閣は400年以上が経過した現在でも、その美しい姿を残す国宝姫路城のお膝下にある完全中高一貫校。

最上級生以外の生徒さんたちが鑑賞しました。

開場中の雰囲気から伝わって来るのは、自由でおおらかな男子校という感じ。

皆さん楽しい学校生活を送っているのでしょう、あちこちで友達と笑い合っている声が聞こえていました。

生徒さんたちの期待がこもった拍手で開演。

集中とリラックスを繰り返すメリハリのある鑑賞態度は私たちにも心地よい刺激を与えてくれました。

終演後、ご担当の先生のバックステージツアーと座談会の呼び掛けには、私たちも驚きの数の生徒さんたちが応えてくれました。

衣装から着替えてステージに戻った時には、もう入り込めないほどの生徒さんたちで埋め尽くされていました。

今日の会場だった姫路市市民会館は他の学校行事でも使われているようで、生徒さんたちには馴染みのある場所。

そこにできた『ヘレン・ケラー』の舞台がどのように組み立てられているのか、何でできているのか、細部に至るまで興味を傾けてくれました。

座談会にもざっと50名くらいでしょうか?

大勢の生徒さんたちが自主的に参加してくれました。

またもや撤去をしながら聞いていたのですが、質問が質問を呼ぶというか、ひとつの質問からどんどん広がっていって最終的にはひとりの人間への興味に絞られていくというような連鎖と一体感が生まれていました。

たくさん参加してくれてありがとうございました。

 

私たちは静岡県で一泊した後、一度東京に戻ります。

四校四様の地域性や校風を感じました。

しかしそれだけではない、そこに息づく一人ひとり個である生徒さんたちと、そして個である俳優一人ひとりがそれぞれに“個”の出会いができたのではないかと思える一週間でした。

 

今週も、ご尽力下さった先生方には心より感謝を申し上げます。

また、お忙しい中お運び下さった保護者の皆さま、そして何より『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を一緒に作り出し、共有しててくれた生徒の皆さん本当にありがとうございました。

 

私たちの旅はまだまだ続きます。

またいつか、どこかで再会できる事を願いつつ、新たな出会いに向かっていきます。

 

秋も深まり、冬の準備を考える頃になりました。

皆さまお元気でお過ごし下さい。

 

本当にありがとうございました!

 

ケート・ケラー役:仲村三千代


2018年秋「ヘレン・ケラー〜ひびきき合うものたち」西日本・東日本ツアー [第5週目]

2018-11-02 07:33:22 | 全国巡回公演

寒い日も増えて来ました。

私たちが生徒さんたちと作っていく時間は、決して寒くないと自負しながら今週も元気に旅を続けています。

 

10月14日(日)【東京都】立川市地域文化振興財団 たましんRISURUホール

10月16日(火)【富山県】高岡南高校 同校体育館

10月18日(木)【香川県】多度津高校 多度津市民会館

10月19日(金)【岡山県】岡山御津高校 同校体育館

 

 

立川市地域文化振興財団

 

この公演は立川市地域文化振興財団の主催で、申し込みのあった立川市在住の子供たちと保護者の方々が一緒に演劇に触れるという取り組みで行われた公演でした。

会場はたましんRISURUホール。

1000人程の申し込みがあり、主催した立川市地域振興財団の方々も期待を膨らませていました。

終演後には希望した600人との舞台見学も企画されていました。

開演すると、客席の半分以上が小学生とは思えない程、食い入るように観ているのが伝わって来ました。

その時間の中で子供、お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんたちがさまざまに何かを感じたり、考えたりしているのだと思います。

舞台見学も子供たちだけでなく、「初めてのこと」だと子どもたち以上に興奮されている保護者の方もいらっしゃいました。

少し緊張感を持ちながら、慎重に舞台の道具に触れている娘の姿を、じっと見守っているお母さんの姿も印象的でした。

 

きっと、帰り道やお家で今日の舞台の話を家族や友達とされるでしょう。

その瞬間がみなさんの姿に垣間見えた公演でありましたし、その瞬間が感じられる舞台見学でした。

 

 

高岡南高校

 

私たちの東京にある拠点劇場、レパートリーシアターKAZEでの「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の凱旋公演を、富山県高岡市から遥々東京まで直接観にいらした教頭先生の声から実現した公演でした。

体育館での公演で、本番ではしっかり観ていながら、リラックスして楽しんでいる生徒たちを感じました。

終演後、生徒会長さんの挨拶がありました。

「ラストシーンでヘレンが自分の思いを溢れさせるところは、自分の中にも同じようなものが込み上がってくるように感じました」と言葉の一つ一つを噛みしめるように自分の感じたことを伝えてくれました。

私は彼の姿に涙が溢れました、「ありがとう!」と思いながら。

舞台撤去のお手伝いをしてくれたバレーボール部と図書委員の生徒さんたちは、作業に手を貸してくれる中で、ヘレン・ケラー役の倉八ほなみやヘレンの兄ジミー役の蒲原智城に声をかけていろいろなことを質問したりしている姿があり、彼らの中に何か弾けるものを受け取りました。

その彼らの姿を見ている先生方の喜びを持った表情がとても印象的でした。

 

 

多度津中学校

 

一学期の公演予定だったのですが、集中豪雨の影響で一度は中止となった公演でしたが、なんとか今年中に生徒に「ヘレン・ケラー」の舞台を観せたいという先生方の思いや主催している会館の思いも強くあって、今年中に多度津中学校の皆さんに公演を届けることができ、またこの日を迎えられたことが私たちにとっても喜びでした。

午前中はテストだったそうで、中には眠たそうな生徒さんもいましたが、公演中の彼らはどことなく緊張感や期待も持ちながら、真剣に舞台に向かっている様子でした。

カーテンコール時の代表の生徒さんの挨拶では「言葉を理解することより、心の繋がりを強く感じました。」と述べてくれました。

ついさっきまで学校でのテストで勉強する身体になっていた生徒さんたちの一人一人が、「観る」芸術家となって舞台に向かい、生きることや、自分のこと、相手のことを感じてくれていたのではないかと思います。

 

 

 

岡山御津

 

この学校も一学期に予定されていた公演だったのですが、豪雨被害の影響で一度は中止となった公演でしたが、先生方の努力が大きな力となり、今年中に公演を届けることができました。

生徒さんたちはリラックスして、それぞれが自由に舞台に向き合っている様子でした。

ヘレンとアニーとの取っ組み合いやすれ違う姿に、笑い声をあげたり、反応したりしながら観てくれているのがとてもよく伝わって来ました。

終演後すぐに多くの生徒さんが「会いたくて来ました!」と体育館に来てくれ、「こんなに舞台しっかり観たの初めてです!」「公演後にこうして私たちに構ってくれるのが本当に嬉しい」「寝ないでずっと観てた自分に驚きました」と発見したこと、出会ったもの、感じたことを本当に真っ直ぐに言葉を伝えてくれました。

 

舞台撤去作業には先生方が力を貸してくれ、途中から、作業の様子を見ていた生徒さんたちが参加してくれました。

真っ直ぐな目をした彼らにその輝きを失わないでほしいと願うのと同時に「彼らはすごく正直なんです。その彼らのあんなに真剣に何かに向かう姿は忘れません。」と彼らと向き合う先生方の熱を強く感じました。

 

出会った人たちとの思い出の一つ一つは私たちにとっても、お互いの目には見えない、手に取ることのできないものですが、この時間や出会いは演劇の可能性が生み出してくれたものなのだと改めて実感しました。

「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の秋の旅公演も後半に入り、一回一回、そこでしか作り出せない舞台を、旅を続けて行きます。

 

 

医者役/坂牧明