風のBLOG

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東日本巡回公演「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第9週目

2016-07-26 13:55:00 | トピックス

7月13日  東京都 鷗友学園女子中学校

 
 
舞台を目の前に声を上げながら会場に入ってくる約800人の生徒さんたち。
 
 
 
開演前には校長先生がヘレン・ケラーが描いた詩を見せて下さいました。
 
生徒さんの進行から開演した舞台に、客席にいる生徒さんたちはリラックスした様子で舞台に体を向けていました。
 
 
終演後の座談会には10人程の演劇部の生徒さん、陸上部の生徒さん、そして、高等部の生徒さん2人が集まり、最初は緊張を感じましたが、座談会を終えると、一人一人声をかけにきてくれ、問いや自分が感じたこと、見たものを伝えてくれました。
 
客席で座談会を行ったのですが、彼女たちの目の前で徐々に撤去されていく舞台装置や照明、音響にも関心を持ち、「どうやって運んでき
たのか」「どうやって11tのトラックに全ての舞台装置を詰めたのか」「照明や音響の道具も自分たちで持ってきているのか」とたくさんの質問がどんどん出てきました。
 
トラックの中が見えるところまで生徒さんと一緒にいくと、さっきまで舞台に立っていた役者がトラックに荷物を運んだり詰めたりする作業を見て、「あ!あの人!!」「みなさんで全部やってるんですね」と驚いたり、自分で発見したことを声に出しながらトラックの扉が閉まるまで見ていました。
 
舞台で生徒さんたちが見て、聞いて、受け取ったもの感じられた、彼女たちの声に、表情に出会うことのできた時間でした。
 
 
 
 
 
7月14日 栃木県 佐野日本大学高校
 
 
 
 
高等部1800人、中等部600が学科、コースで分かれた2ステージの公演でした。
 
客席は2ステージとも満席。
生徒さんの進行から生徒代表挨拶、校長先生の言葉、そして、約1200人の盛大な拍手に迎えられ、舞台は幕を開けました。
 
散漫とした客席から徐々に舞台に集中していき、じっとして舞台に目を向け、一人一人が自身の感覚を持ちながら、発見したことを控えめに隣同士顔を合わせて話たりしながら舞台に起こる出来事、人物の行動としっかり向き合い、劇場空間を1200人が一体となって作り上げていっているように思いました。
 
退場時、見送りのためロビーに向かうと、退場してくる生徒さん、また先生方の何人かが駆け寄り、改めて「すばらしかった!」と拍手を贈って下さったり、「楽しんで見ました」「生徒が何かを感じながら集中して舞台に身を乗り出していたことに驚きました」と言葉を伝えてくれました。
 
その一瞬間がとても濃密に感じられた時間でした。
 
皆さんが感じたものが何かまた自分にとって大切なものとの出会いをつなぎとめるものであったら、と思います。
 
 
 
 
 
 
7月21日 青森県 NPO法人 藤崎町文化協会主催公演
 
 
藤崎中学校、明徳中学校の2校合同、藤崎町文化協会の主催で行われた公演でした。
 
2校合同とは思えないほどの一体感で、沈黙しながらも、時々舞台に自身の中の反発や、驚きをひそひそと役者が聞き取れるくらいの声で反応しながら、”見せられてる”のではなく、リラックスした様子で、不自由なく自分の受けとったものを大切にして見ていたように感じた公演でした。
 
 
 
終演後の送り出しで退場してくる生徒さんたちは、役者に驚きながらも控えめに会釈したり、ニコニコしながらチラっとこっちをみたりしていて、公演中の彼らとはまた違った印象で、生徒さんたちがものすごいエネルギーをもって舞台に一生懸命向き合っていたことを改めて実感しました。
 
 
 
その向き合おうとした自分、何かを発見し、感じようとした自分、自身の感覚の中で受け取ったものをいつまでも大切に持ち続けてほしいと願います。
 
 
 
2016年春「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」東日本、京都プレミアムツアーを終え、その中で若い目にさらされ、自分たちが出会ったもの、そして、客席にとって、彼らにとってこの舞台が何であったのかを問い、考え続けたい。また、秋の東日本、西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」、たった一人でもこの舞台に向き合おうとするものがいるのなら、しっかり立って、真剣に向き合いたい、そう強く思います。
 
 
 
 
アニー・サリバン役
高階ひかり

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』西日本ツアー第9週目

2016-07-19 21:39:26 | 全国巡回公演

大阪高校の先生がつくってくれた公演のチケット。

生徒さん一人一人がこのチケットを持って劇場に入りました。

 

今週は

7月11日 島根県 浜田水産高等学校/石央文化ホール

7月12日 大阪府 長尾高等学校/枚方市市民会館大ホール

7月13日 京都府 立命館宇治高等学校/同校大ホール

7月14日 大阪府 大阪高等学校/高槻現代劇場大ホール

7月15日 大阪府 北千里高等学校/吹田市文化会館大ホール メイシアター

での公演でした。


5月中旬から始まった『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』の旅公演もいよいよ最終週を迎えました。今週は5日間7ステージの公演があり充実したラストスパートとなりました!

この舞台の初演から8年、「17歳のジャンヌの物語を若い人たちに届けたい」と願い模索し続けてきた時間を改めて振り返り、今日の出会いを喜び、更に全国を旅することが楽しみになる西日本の旅でした。

 

浜田水産高校

全校生徒150人ほどの学校ですが、一人一人がとても生き生きとした生徒さんたち。客席に入って行く旅役者たちを元気に迎えてくれました。生徒の皆さんの近くで一緒に観劇した校長先生が終演後、舞台袖に来て気持ちを伝えてくれました。「とても心配していましたが、今日は生徒たちが本当によく見ていました! 3年後もこの学校にいますので、ぜひまた来て下さい」。

そして会場に残っていた男子生徒さんたちと座談会をする流れに。なんと中学校で『星の王子さま』を観たという生徒さんがいました。ジャンヌ役の白根有子の“声”で王子さまを思い出したそうです。嬉しい再会です!

 

長尾高校

枚方市民会館の広いホールが一階はほぼ満席。

よく観察している一人一人の視線、生徒会長さんの挨拶、演劇部顧問の先生からの閉会式の話などから、クラスでの演劇づくりにとても熱心に取り組んでいる様子が伺えました。関西地域では特に演劇発表が盛んに行われているのを感じます。生徒の皆さんの創意工夫、人との協力、演劇を通して人生にとって大切なことを高校生の皆さんが発見できることを願います。そして芸術鑑賞行事が生徒さん一人一人の意欲に繋がるように、私たちも工夫し続けていきたいと思います。

終演後には演劇部の皆さんとの座談会で、舞台創りについてじっくりと話を交わせたようです。

 

立命館宇治高校

校内の講堂での2回公演。講堂の特徴を生かした舞台の仕込みで、生徒の皆さんに細かいところまで見てもらえる劇場空間になりました。

午前中は1年生が観劇。代表の女子生徒さんからは「一番前の真ん中で見ました。すごい迫力があって……言葉になりません」と、言い尽くせないほどの心に渦巻いている言葉をもらいました。その後、白根からの舞台挨拶の言葉を受けて、教頭先生が「一人一人の感じたことや考えたことの違いを大切にして下さい」とお話しになりました。

午後の部では昼休みに舞台裏見学に来た人がいたり、テスト後の開放感もあり、リラックスしてあらゆることに反応を示す生徒たち。代表の男子生徒さんからは「それぞれの人が個性的で楽しかった」という感想をいただきました。


大阪高校

蝉の大合唱が響くなか、1800人もの大規模校の生徒さんたちが午前・午後に分かれ、満席の客席で迎えてくれました。笑顔で手を振ってくれるオープニング、その熱気に応えたいと臨んだ公演でした。元気な声が聞こえていた客席がす~っと静かになり、舞台で起こる出来事に集中してくれているのをひしひしと感じつつ、また素直に起こってくる笑いに、ともに創る空間を実感させてもらいました。

午前の部は生徒会長さんが、午後の部は演劇部の生徒さんが、率直な感想をお礼の言葉として述べてくれました。舞台を見終わった高揚感そのままに、言葉を探して伝えてくれたメッセージは、とても心に響くものでした。終演後は演劇部の生徒さんたちと舞台上で、また座談会で、積極的な交流が図られました。その熱意と個性を大事にして欲しいと思うと同時に、私たちも刺激を受けました。

 


北千里高校

この日の公演も1000人を越える客席、そして私たちにとっては春のツアーの千秋楽、ひと味違う気合いが入ります。明るい笑顔で迎えてくれた客席の皆さんが、芝居の流れとともに自然にわき起こってくる個々の反応を舞台に返してくれました。ジャンヌ役の白根を囲んだ座談会には、30人近くの生徒さんが残ってくれたようです。演劇部の生徒さんをはじめ、これからクラス劇に取り組む3年生の皆さんが、自分たちで“一”から創る演劇について、率直な悩みや疑問を投げかけてくれ、徐々に打ち解けて盛り上がったところで時間が来てしまったようで、残念そうでした。

 

2016年の春のツアー、34ステージを無事に終えることが出来ました。ご尽力いただいた先生方、鑑賞してくれた生徒の皆さん、そして保護者の皆さま、ありがとうございました。どの学校も温かく迎えたくださったことに感謝いたします。

皆さんの中に、600年前に実在したひとりの少女の声が、どのように届いたでしょうか?  今夏は初めて18歳から投票権が与えられた参議院議員選挙がありました。いまいる社会について、時代について、自分自身について、将来について、思い悩む時期でもあると思いますが、お友だちや先生方に囲まれているのですから、助けてくれることでしょう。楽しい高校生活を満喫してください。ふとした瞬間に、「ジャンヌ」で舞台と客席がともにつくった2時間を思い出してくれれば幸いです。思い出してくれたときには、ぜひ、Mailや掲示板、お手紙で知らせてくださいね!

イザボー王妃/召使い役:稲葉礼恵 ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役:木村奈津子

 


東日本巡回公演「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第8週目

2016-07-12 20:23:55 | 全国巡回公演




東日本巡回公演「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第8週目。

まだまだ肌寒く、羽織物が手放せなかった5月下旬にスタートした東日本の巡回公演も、
雨とともに蒸し暑さが日ごとに増す7月に入りました。
夏休みという大型連休を目前になんとなく落ち着かないこの季節。
そんな大人の気だるさを吹き飛ばす勢いをなみなみと持ちながら、
先生の言葉に「はい!!」と返事する小学3年生に続いて、
目の前の舞台に自由に声を上げながら小学2年、
1年生と次々と会場に入ってくる3校の低学年の子供たち。
今週の第1日目となった公演は、聖籠町教育委員会の主催による
蓮野小学校、山倉小学校、亀代小学校の3校合同公演。
午前低学年、午後高学年の2ステージが今週の始まりでした。



7月7日(木) 新潟県聖籠町教育委員会


3校、午前午後と合わせて約800人の子供たちがつくる興奮に満ちた客席は
アニー・サリバンをヘレン・ケラーの元へ送った恩師アナグノス校長役、緒方一則の
影マイクでの冒頭の語りと音楽、
舞台の真ん中に置かれたベビーベットに集まってくるヘレン・ケラーの家族、
緞帳幕で始まりを示さない舞台の、幕開けをしっかりと受け取り、
徐々に沈黙を作っていく子供たち。

舞台上に起こる出来事に笑ったり、怒りや疑問を投げかけ、
まるで800人のヘレン・ケラーが客席にいるように感じ、
子供たちは舞台に自ら参加しながら舞台と向き合っていたと思いました。

終演後、退場してくる子供たちを見送るためロビーで待ち、
会場から出てきた子供たちは列になって役者とタッチしたり、握手したり、
控えめに会釈をしてくれる子、「面白かったです!」と声をかけてくれる子、
「"a"ってどうやるの?」と劇中に出てくる指文字、
実際当時アニーがヘレンに教え続けたその指文字のやり方を聞いてきて、
それを見せると"a"とその小さな手で指文字を形づくり、
その後に"L"と劇中でアニーが最初にヘレンの手に打った"DOLL"の"L"を手を突き上げ、
やって見せてくれる子、
子供たちが舞台を見て、自分の感覚を持って受け取ったものを感じることのできた時間でした。








全員が退場した後、空っぽの客席に先生と共に戻ってくる子供たち。
「子供たちが写真とりたいっていうものですから」と子供たちの声、
姿を見て「バスの時間まで」と子供たちを連れてきてくださった先生と
時間が来てもまだまだ!と言わんばかりに次々と声をかけてくれました。



また、その女の子たちに続いて男の子が2人、
先生と共にやってきて舞台装置のポンプを目の前に「水だしてみたい」とポンプに触れ、
撤去されていく舞台に「もう、バラバラだ。じゃあ今のうちに!」と言って
まだトラックに積まれていない道具を手に取ってみて、
「これはどうなってるの?」とか「あの絵は何ですか?僕には目に見えます」と
彼らにとってこの舞台は何であったのかと改めて考えさせられました。









7月8日(金)栃木県日光明峰高校


少し行ったところには"日光東照宮"という歴史ある街並みと、修学旅行の団体、
海外からの観光客が多く、その場所に長くある日光総合会館での公演。
1995年の風の公演「星の王子さま」、2007年の「Touch」を公演して以来の日光明峰高校の皆さんとの再会、
そして新たな出会いある公演となりました。

目の前に飛び込んでくる舞台に元気よく声を上げながら会場に入ってくる生徒さんたち。
そのエネルギーが充満した客席と、校長先生の開演前の挨拶で生徒さんたちに向けられた言葉、
「芸術に触れ、自分の目で見て、耳で聞いて、心で感じてほしい」「感動は心の栄養です」
この言葉を受け取った生徒さんたちの体に迎えられ開演した舞台でした。
公演中の皆さんは凄まじい静けさで舞台に体を向け、その少しピリッとした客席、
厳しい目と態度をを持ちながら舞台と向き合う彼らを
ひしひしと感じながら舞台に立っていました。



終演後には先生の呼びかけで、舞台見学と
演劇部の皆さん、ヘレン・ケラー役の倉八ほなみと共に行われた座談会は、
最初は緊張感を感じたものの、徐々に舞台で見たもの、
受け取ったものを持ちながら倉八に問い投げかけ、
先生も一緒になって座談会に参加してくれていた、
声が聞けたいい時間であったと聞きました。





この舞台を見ようとした自分、見た自分、たった一瞬でも何かを感じた自分を大切に、
そのことが自分と出会えるきっかけ、
発見になるほんの力になってくれたら、と思います。




今週の3ステージは聖籠町の子供たちと共に在った公演、
日光明峰高校の生徒さんたちと互いに競り合いながら作っていった公演でした。


残りの4ステージ、その彼らの姿、彼らの姿を見守る先生方の目、
そして彼らに「本物の芸術を」と公演を企画した教育委員会の皆さんや各校の先生方の姿を
しっかりと受け、私たち自身、
たった一人の誰かのために今日の舞台がその誰かにとって何であったのか、
考え続け、一回一回、一瞬一瞬やりきっていきます。





文:
アニー・サリバン役 高階ひかり

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』西日本ツアー第8週目

2016-07-11 22:56:15 | トピックス
トップ写真は、フェリーから撮った隠岐の島です。

今週は

7月4日 大阪府 住吉中学校 同校講堂

7月6日 島根県 隠岐高校・隠岐水産高校 隠岐島文化会館

7月8日 大阪府 金剛高校 河内長野市立文化会館ラブリーホール

での公演でした。


住吉中学校

公演前日、道幅の関係で11トントラックが学校に近づけないということで、大阪南港フェリーターミナルでのトラック積み替え作業をしました!
炎天下の中、11トントラックから講堂の舞台設営に必要な道具を、3トントラック2台に積み替え、
住吉中学校に向かい、講堂(三階)に搬入!
汗だくになりながら、明日の公演への期待が燃え上がります!





公演当日、学校に到着すると、生徒さんたちが全体朝礼をしていました。その朝礼で、担当の先生が劇団風の紹介をしてくれていました。
仕込の時は、学校の廊下で偶然出会った生徒さんが『楽しみにしてます!本当に楽しみです。頑張って下さい。』と明るい笑顔で声をかけてくれました。

この日の公演は350人の生徒さんが見てくれました。
終演後のカーテンコールで、担当の先生が『ジャンヌが生きた時間、時代も違う、言葉も違う、汚い言葉も使うけど、本当に伝えたいことはなんだったのか考えて下さい。ひとりひとり答えは違うだろう、違くてもいいので探してみて下さい。』と生徒さんにおっしゃっていました。担当の先生の想いが伝わってきました。本当にありがとうございます。

終演後の座談会では、演劇部の生徒さんと有志で集まってくれた生徒さんが参加してくれました。住吉中学校の演劇部は大会でも勝ち進む強豪校だそうです。『自分たちも、風さんみたいにできたらなーと思うんだけど、どーしたらできますか』などなど熱心な質問をしてくれていました。『始まった時から、情景が浮かんでくるような劇でした!』と感想をいただきました。素敵な感性が輝く座談会でした。







座談会後には舞台撤去も演劇部の生徒さんたちが手伝ってくれました!


隠岐高校・隠岐水産高校

境港からフェリーに乗り、隠岐島に向かいました!風の旅公演では、11トントラックとマイクロバスで移動するので、島に行くときは必ずフェリーに乗ります。
天候にも恵まれ、次の日の公演に期待がふくらみます。

ジャンヌダルクのオープニングでは、生徒さんたちが、温かく迎え入れてくれたことが印象的でした。

この日の公演は終演後にバックステージツアーが行われました。いたるところで役者をつかまえて記念撮影が行われていました。元気な様子で、気さくに話しかけてくれて、『島に住んでいると、演劇を見る機会がないので、大変貴重な体験をさせてもらえて、嬉しい!興奮しています。』と感想を話してくれました。







終演後の舞台撤去の時から、トラックに積み込みが終わるまで座談会がありました。トラックに積み込みが終わると、トラックの周りで、サイン会と記念撮影が行われました。僕たちも楽しい時間を過ごせました。ありがとう!






金剛高校

800人近くの生徒さんたちが、ジャンヌダルクの舞台に対して、静かに視線を注ぐ姿が印象的でした。終演後のカーテンコールでは、舞台上に生徒さんが上がって、花束とお礼の言葉をいただきました。和やかな雰囲気が会場全体に広がりました!

終演後には座談会が行われ、そのなかで『他の役者さんにも会いたい!』ということで、舞台撤去後に短い時間ではありましたが、ツアーメンバー全員が生徒さんと交流し、記念撮影をしました。
『役作りについて、質問してもいいですか?』『あの登場人物の場面で、ジャンヌの世界観に引き込まれました。』『とても哀しい気持ちになりました。あの登場人物が大好きです。』などなど具体的な気持ちを伝えてくれました!
このような時間を作れたことは僕たちにとっても貴重な時間になりました。名残惜しそうに帰る生徒さんの姿が心に残りました。








そして、今週は公演とは別に
7月9日 立命館高校ワークショップ
がありました。

立命館高校は先月、6月6日に公演をした学校です。
今回のワークショップは、公演の担当の先生が、秋にある文化祭でクラス劇を行う生徒のみなさんに向けて企画されたものです。
生徒さんたちは3年生全クラス、2年生2クラスの各クラスからの代表3~4人、計30人ほど集まってくれました。
各クラスでオリジナルの台本をつくり、かなり熱心に取り組んでいる様子で、はじめは座談会形式で『ジャンヌ・ダルク』の公演の感想や
演劇をつくる上で大切にしていることなど、多くの質問が飛び交い盛り上がりました。
それだけでは面白くないと、座長の栗山と劇団員、そして生徒のみなさんと一緒に劇団で行っている体操をして体を動かしながら演劇に向かう
きっかけを体験し、はじめは恥ずかしがってはいたものの最後にはそれぞれに楽しんでくれていました。
この日話したこと、経験したことが各クラスでの演劇にさらにはみんなでつくる文化祭に活かされてくれたらと思います。



ワークショップのあとには、ダンス部のみなさんが演舞を披露してくれました。
というのも、彼女たちはダンスの大会で、風も上演している「ヘレン・ケラー」をテーマにしたダンスを発表したということで、
先生方がぜひ風のみなさんに見てほしい。と、わざわざ計画してくれたのです。
加えて、彼女たちは先日京都で行われた風のプレミアム公演の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を見に来てくれました。
ダンスは、躍動感と彼女たちひとりひとりの中にあるヘレンへの想いに溢れた素晴らしいものでした。
劇団員皆、驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。
とても素敵なプレゼントをありがとう!


ジャンヌダルクの旅もいよいよ最終週を迎えます。
旅で燃え上がった炎を来週の子どもたちにつなげていきます!

ベッドフォード・死体泥棒役/車 宗洸

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』東日本地域・京都巡回公演第7週目

2016-07-05 15:35:31 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』の旅も7週目を迎えました。

今週は、岩手県北上市から始まり、盛岡市、大槌町、野田村と岩手県内を周る週でした。

6月28日 黒沢尻北高校 北上市文化交流センター さくらホール

6月29日 盛岡工業高校 盛岡市都南文化会館 キャラホール

6月30日 大槌高校 同校体育館

7月1日 野田村芸術文化協会 野田村体育館

 

黒沢尻北高校

 

開演前、担当の先生がお話ししようと舞台に上がると客席から大歓声が起こりました。

全校生徒が集まったエネルギーを舞台の袖で感じながら、これからの2時間、どういったことが生まれるのか楽しみと少しの緊張を持ちながらスタンバイしていました。

本番中は、みんなすごい集中力で観劇していました。

終演後、担当の先生から「舞台に上がっていいよ」と声がかかると、前列の男の子たちが「やったー!」とまずポンプへ、その後も続々と50人くらいの生徒さんが舞台に上がり、先生方もこんなに上がるとはびっくり。1つ1つの道具の工夫や舞台装置、眺めなど、見学をしました。

その上がっている姿を客席から眺める生徒さんもいて、お互いのいろんな表情を見れる時間にもなりました。

終演後には、ヘレン・ケラー役 倉八との座談会が行われました。また皆さんに会える日を楽しみにしています。

 

盛岡工業高校

盛岡工業高校は、風初めての上演になりました。

開演前、客席のいろんなところで笑い声や会話が飛び交い、都南文化会館にほぼ満席の客席はとてもすごいエネルギーでした。担当の先生の影アナウンスが入り「みなさん、大きな拍手で迎えましょう!」と笑顔で話す先生の姿を感じ、舞台へ。とてもリラックスした雰囲気で始まりました。見ている最中には、アニーやヘレンと一緒に盛り上がり、緊張のシーンではじっくりと。舞台の鼓動を掴み続ける、そんな印象を受けました。

 

終演後には、演劇部のみなさんと、希望する生徒さんが舞台見学。舞台監督佐田の説明をとても熱心に聞いていました。

その後、演劇部のみなさんはアニーサリバン役 高階ひかりと座談会を行い、たくさんの質問を投げかけ、自分たちの公演の中に生かしたいという強い気持ち、まっすぐな姿勢に彼らの情熱を感じました。また会える日を楽しみにしています、ありがとうございました。

 

大槌高校

公演が終わり、バスを見送ってくれる生徒さんたちの写真です。

大槌高校は風4度目の上演となりました。

開演前の校長先生の話では、劇団の紹介とヘレン・ケラーの話があり、その中で「東日本大震災の時に、風の人たちが震災後すぐに水や食料を持って大槌高校に来てくれました。その気持ちや、人と人とが繋がっていくことから生まれる可能性、これから上演するヘレン・ケラーは、きっとみんなにその可能性を感じさせてくれる作品です。」と生徒さんにエールを込めた力強いメッセージを話してくれました。

終演のお礼の言葉では、その場で一言一言考えながら一生懸命に言葉を伝えてくれようとする姿が印象的でした。

撤去のお手伝いでは、部活の生徒さんがたくさん手伝ってくれました。

はじめはみんな緊張していましたが、少しづつ会話があり、ものを一緒に運んでいく中でほぐれて明るい雰囲気になっていきます。舞台装置はバラバラになっていきますが、体育館の中では一体感が生まれていくような感じでした。

バス、トラックが学校を出るときには、たくさんの生徒さんが校門で待っていてくれ、一生懸命に手を振ってくれていました。別れの寂しさと充実感を持ちながら、今日出会えたお礼の意味を込めて「また会いましょう!ありがとうございました!」と劇団員一人一人声をかけました。

 

野田村芸術文化協会

野田村芸術文化協会主催公演は、風3度目の公演です。

朝、野田村体育館に到着すると、玄関や体育館の中に今日の告知が貼ってありました、劇団員も気合が入ります。

この公演には、野田小学校、野田中学校、久慈工業高校、近隣の方々が観劇しました。そして今月19日に公演した久慈市教育委員会の方も足を運んでくれました。開演前、一同が集まった体育館は、様々な世代のエネルギーが溢れ笑い声と熱気に包まれます。そして大きな拍手と共に開演。

小学生からご年配の方まで一緒にヘレン・ケラーの2時間を過ごしました。

終演後、見送りの様子です。小学生はみんなハイタッチ。

見送りの時に、協会の方が「みんな引き込まれるように見ていましたよ」と笑顔で話してくれました。

同時に舞台では舞台見学が行われました。小学生から近隣の方々たくさんの人が舞台に上り、今自分が見ていたものの感触を確かめるように歩いていました。近隣の方では「こんなに素晴らしいものを見せていただいてありがとうございました。」と涙ながら出演者一人一人と手を握る方がいらっしゃいました。この日に対する人の想いの重なりがこの時間を作ることができたと改めて実感しました。

ポンプの周りには、人だかりができます。

公演後の撤去には、文化協会の方々も手伝ってくださり、とても早く終わりました。皆さんの手伝ってくださっている時の笑顔が印象的でした。また会える日を楽しみに。野田村芸術文化協会の方々、本当にありがとうございました。

旅は残り7ステージとなり、終盤を迎えました。メンバー1人1人の中に実感の蓄積を感じられます。自分たちのすべきことをぶらさず、1回1回の公演を大切に、大胆に客席に向き合っていきたいと思います。

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』東日本地域・京都巡回公演第6週目

2016-07-05 10:46:53 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』巡回公演も第6週目。

春の旅も折り返し点を過ぎ、今週は日曜日から土曜日まで、東北地方、そして京都と計7ステージ(総移動距離3200キロ!)を駆け抜けてきました!

6月19日(日) 久慈市教育委員会主催公演 (岩手県)

6月20日(月) 花泉高校(岩手県)

6月21日(火) 向陵高校(青森県)

6月22日(水) 双葉中学校(福島県)

6月23日(木) 宮古高校(岩手県)

6月24日(金) 楢葉中学校(福島県)

6月25日(土) 京都プレミアム公演(京都府)

 

久慈市教育委員会主催公演

第6週目のスタートは岩手県久慈市から。今回は久慈市文化会館アンバーホール主催での公演となりました。

 

日曜日の昼間の公演という事で、会場には小さな子供を連れた家族や高校生、また年配の方まで、幅広い年齢層の方々が集まっていらっしゃいました。開場前にすでに劇場のロビーには沢山のお客様が!会館の受付・場内スタッフの皆さんも、にこやかな笑顔でお客様たちをお迎えします。

 

上演中は幅広い世代がいるからなのか、様々な反応が舞台に返ってきます。最初は一人一人で観ていた舞台が、いつの間にか客席全員が一つになっていた、そんな風に見えました。

 

終演後のカーテンコールでは、最後の挨拶を終え、手を振って舞台から去ろうとしているヘレンやアニーに、本当に沢山の方々が手を振り返して私達に感謝の気持ちを届けて下さいました。また、ロビーでのお見送りの際も、多くの方が俳優に声を掛けてくれ、また俳優達も更に一歩踏み出して皆さんに言葉を掛けていました。

 

お見送りと並行して、舞台では希望者によるバックステージツアーが行われていました。舞台監督の佐田から、舞台美術についての説明を受けたり、実際にセットに登ってみたり、ポンプから水を出してみたり。今回の公演では久慈高校の演劇部の皆さんが20名程集まってくれましたので、演劇部の皆さんもバックステージツアーを体験しました!他のお客様たちに混じって、舞台上のアチラコチラへ。お見送りを終えた俳優達とも公演について、演劇についての質問なども沢山飛び交いました。最後まで残ってくれた皆さんとアニー役の高階はそのまま座談会へ。そこでも高階の言葉を真剣に聞き入っていた事がとても印象に残っています。

 

 

 

 

会館を退館する際にも、アンバーホールの沢山のスタッフの皆さんが私達のトラックとバスを見送って下さいました。本当にありがとうございました!

 

花泉高校

久慈での公演を終えて、同じ岩手県内の一関市へ。花泉高校での公演です。花泉高校での公演は風3度目となります。

 

開演前は校長先生から「テレビや映画では味わえない生の迫力を感じて欲しい」「『観劇』する事で『感激』して欲しい」と生徒の皆さんに投げかけられました。また終演後には図書委員長から「劇団の皆さんの演劇にかける情熱に圧倒されました。」とのメッセージと花束を頂きました!

 

 

終演後の撤収作業にも全校の3分の1位の生徒の皆さんがお手伝いしてくれました。運動部、図書委員会の皆さんが積極的に劇団員に話しかけながら、舞台装置や照明、音響機材をトラックに運んでいきます。劇団の事や、演劇について、または自分の進路について・・・。様々な会話があちらこちらから聞こえてきます。

体育館からは劇団員と沢山の生徒の皆さんの声が溢れかえっていました。

 

とても重い荷物も皆で持てば重くありません!皆さんのおかげで片付けもとても早く終えることが出来ました。

 

無事トラックに荷物を積み終えて、皆で記念写真!お疲れ様でした!

 

 

・・・の後にも更に記念写真。この一日が皆さんの高校生活の思い出の一つとなればと思います。

 

向陵高校

向陵高校での公演は創立40週年記念公演として行われました。生徒玄関の横に体育館がある学校だったので、搬入作業中には生徒の皆さんと朝の挨拶を掛け合いながら、作業が進みます。また、設営作業中には3年生の女子の皆さんが体育の授業を早めに切り上げて体育館に舞台見学に来てくれました!照明の作業中だったので、少し暗い中舞台裏を見学。準備された小道具や衣裳に触れたり、眺めたりしながら、「皿にはなんでテープが貼ってあるの?」「赤ちゃんの人形、少し怖い!」など、思い思いに舞台の裏側を楽しんでくれました。

 

 

終演後には全校生徒で「ありがとうございました!」とお礼を頂きました。その後、全校の皆さんと一緒に記念撮影!120名程の生徒の皆さんが舞台の上へ。こんなに沢山の人が舞台上に登ったのは初めてではないでしょうか?皆とても良い笑顔です!

撤収作業も3年生の皆さんがお手伝いしてくれました。劇団員の「次はこれをトラックにお願いします!」という指示に、テキパキと返事をしながら道具をトラックへと運んでくれ、また女子の皆さんは幕や遮光用の黒ビニールを綺麗に畳んでくれました。あっという間に劇場へと変わっていた体育館が元の体育館へと戻っていきます。

撤収作業終了後のご挨拶。最後まで残ってくれた皆さんに御礼の言葉と色紙のプレゼントです。

穏やかなのだけれど、懸命に手伝ってくれた生徒の皆さんがとても印象に残っています。どうもありがとうございました!

 

双葉中学校

 双葉中学校の公演は、2週間前の浪江高校同様、日本赤十字社福島県支部の皆様の協力の元、行われました。いわき市に建設された仮設校舎、仮設体育館での公演です。当日は併設されている双葉北小学校・双葉南小学校の5・6年生、そして双葉中学校の生徒の皆さん、先生方、保護者の方合わせて40名程の客席となりました。いつも使っている体育館がシアターへと変わっていて、皆さんビックリしたのではないでしょうか?

 

公演が始まる前には日本赤十字社の活動についての説明や報告が行われました。

 

午前中の定期テストを終え、少しリラックスした様子で舞台を楽しんでいるように見えます。プレハブの体育館で、館内の暑さも懸念されましたが、当日は曇りで風もあり、かなり観易い環境になりました。

 

カーテンコールでは、生徒会長さんが「障がいを持っているのにも関わらず、何事にも前向きなヘレンの姿勢に感動しました」とメッセージを頂きました。終演後、全員で記念撮影!それから各学校に色紙のプレゼント。そしてそのまま舞台袖に帰らずに、体育館から校舎に戻る皆さんをお見送りです。

撤去作業を終え、校舎へ向かうと早速記念の色紙がポスターと共に飾られていました。

色紙を見て、また公演の事を思い出してくれたら嬉しいです!

 

宮古高校

 福島県いわき市での公演を終えて、旅班は再び岩手県へ。宮古高校は2度目の公演となります。実は2011年度にこの『ヘレン・ケラー』の公演が予定されていたのですが、東日本大震災の影響で延期となってしまいました。なので、今回は5年越しの『ヘレン』公演です。

 

会場には公演の手作りの看板が建てられていました!

しばらく体育館での公演が続いていたので、会館での公演が久しぶりに感じます。宮古高校には定時制もあり、定時制課程の皆さんも鑑賞します。宮古市民文化会館の客席は生徒さんでほとんど一杯に!700人以上の生徒の皆さんが開演を興奮しながら待っています。開演の合図の音楽が鳴り、客席の明かりが暗くなっていくと、会場内の歓声もどんどん盛り上がっていきます。そして、舞台上が明るくなり、ヘレンの生い立ちを告げるアナウンスが始まると、とたんに舞台に集中するように客席に静寂が訪れます。

1時間の公演の後の休憩時間となった瞬間、客席からは緊張を解きほぐす様にため息が漏れ、そしてまた開場中と同じ風景へと戻っていきます。

 

カーテンコールでは「人と人の繋がりや運命を感じました。それに私達は言葉を持っています。言葉を使ってもっと親や友人、部活の仲間と分かり合いたいです。」と素敵な言葉と花束を下さいました。ありがとうございます!終演後ヘレン役の倉八とアニー役の高階が会場のロビーで生徒さんをお見送り。手を振ってくれたり、二人に感謝の言葉を直接伝えてくれたり、僅かな時間ですが、生徒さん達にとっても、俳優2人にとっても、いい時間となったと思います。

 終演直後の会場。芝居の余韻と熱気が漂っているように思いました!

楢葉中学校

楢葉中学校での公演も日本赤十字社福島支部の皆さんの支援により、実施させた公演です。双葉中学校同様に仮設の校舎・体育館での公演となりました。当日の朝、11トントラックを仮設体育館に駐車し、窓からの搬入です!大きなセットも声を掛け合いながら搬入してきます。

 

荷物全部下ろすと体育館はこのような姿に。あまりの道具の量に先生もビックリ!

 

照明のためのバトンを天井から吊るす際の、ロープをどのように、どこに結ぶか、劇団員皆で相談し合いながら最も安全な策を検討します。

 

完成形はこちら。

 

これも双葉中同様?定期テスト後の鑑賞となった公演ですが、生徒の皆さんは体育館の変化に声は出さないものの、驚いている様子でした。1年生から3年生まで、それぞれ場所をゆったりと使って演劇が鑑賞できるように整列。上演中も緊張したりせずにリラックスしていたようです。公演終了後、そのまま出演者全員でお見送り。皆さんの晴れやかな笑顔が印象的でした!

 

 

 楢葉中学校、隣接する楢葉北小学校・楢葉南小学校は来年度楢葉町で学校を再開するそうですので、この仮設の校舎・体育館とは今年でお別れとなります。4年間、こちらに通った生徒さんも多いのではと思います。ふとした時に「あの仮設の体育館でヘレン・ケラーを観たなあ」と、あの時間、あの場所を是非思い出して下さい!

 

京都プレミアム公演

福島を離れ、旅班は京都へ。毎年学校関係者の方々や養護施設の皆さん、地域の方々を招待して開催している<プレミアム公演>です。会場では現在西日本を巡回公演している『ジャンヌ・ダルク』班や現在西日本地域での巡回公演を企画・制作している劇団員が合流。旅班だけではなく、多くの風のメンバーと共にいらっしゃるお客様をお迎えします。開演前にはバックステージツアーも行われました。

 

沢山の参加者の皆さんが舞台上だけでなく、舞台裏や劇場機構など、普段目にすることのない劇場の『裏側』を見学しています。実際にこれから舞台に登場する様々な物に触れながら、これから観る舞台について、ヘレン・ケラーについて、想像が膨らんだのではないでしょうか。劇団員の佐野が「バックステージツアーをしてからの上演は、会場内の観る、観ようとする力に溢れている様に感じる」と公演後に言っていました。上演中は正にその言葉どおり、舞台に向けての集中力を同じ客席内にいてひしひしと感じることが出来ました。

公演終了後には日本学校演劇教育会関西支部の吉田先生が司会を務めて下さった、アフタートークを行いました。旅班からはヘレン役の倉八、アニー役の高階、そしてアナグノス役の緒方が参加。会場内からは俳優について、演技について、そして演劇とは何か、多くの質問や意見が寄せられました。アフタートークが終わってからも、出演者にもっと話したい、聞きたいと集まって来てくれた生徒の皆さんがとても印象に残っています。

 

第6週目も沢山の出会いや再会がありました。一日一日、場所も人も違うなかで生まれてくる「出会い」。人であったり、自分であったり、ある発見であったり・・・。何一つ無駄にせず、すべてをまた自分の糧としながら、日々の公演を楽しんでいけたらと思います。

文:渡辺 雄亮(音響)


『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』 西日本ツアー 第7週目

2016-07-04 22:40:50 | トピックス
今週は上演する学校全てが再会となる公演となりました。

6月27日(月) 福島県 浪江高校津島校/安達文化ホール

  28日(火) 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校高校/同校体育館

  29日(水) 静岡県 組合立御前崎中学校/同校体育館




浪江高校津島校

浪江高校津島校は東日本大震災で被災し、今も仮設校舎で学校生活を送っています。その支援の一つとして、この公演は日本赤十字社福島県支部主催で行われました。

津島校は2014年に『ヘレン・ケラー』、2015年に『ハムレット』、に続く3年連続しての上演です。今年度での休校が決定し、最後の学年となる12人の生徒の皆さんと先生方に贈る公演となりました。









3年間日本赤十字社福島県支部の支援を受け、芸術鑑賞の時間を通じて交流を重ねてきた津島校とも最後の公演となります。担当の先生の話からは「3年間続けて良かった。芝居を観て思考を感化させられる。生徒に貴重な体験をさせられた。」としみじみと語られていました。生徒の皆さんからは、「迫力が凄くて面白かった、観入っていました」といった感想を耳にしました。その時の笑顔がとても印象にのこりました。

まだ復興は続いています。演劇を通じて我々のすべきことをこれからも届けたいとあらためて感じる時間でした。



岐阜大学教育学部附属中学校

附属中では、2014年文化庁の公演で『肝っ玉おっ母とその子供たち』、2015年『ハムレット』に続いて今回で3年連続の上演となりました。そして、演劇の発表会を毎年取り組まれている生徒の皆さんの演劇への興味、関心は驚く程の熱がありました。





開演前の体育館では養護のクラスの生徒の皆さんにバックステージツアーを行い、小道具や衣装に触れてさらに公演への期待が膨らんでいました。

終演後の副校長先生からのご挨拶では、「今、声が出ません。胸がつまって声になりません。俳優の表情、1人1人の語る言葉、照明や、音響、衣装に至るまで観入ってしまった。引き込まれました。」という言葉を頂きました。



座談会にはこの日来ていた演出の浅野とジャンヌ役の白根が参加しました。文化祭の発表に向けて積極的に質問が出ていました。演出の浅野からは、「教わるよりも、自分たちがやろうとすることを大事にしてください」といった言葉がかけられました。



引き込まれたという感覚を舞台上の私たちも受け取りながら共につくることができた公演でした。人間を観て感じていた公演の様に思います。



組合立御前崎中学校

御前崎中学校は2年前の2014年に文化庁の公演で『肝っ玉おっ母とその子供たち』で訪れています。

静かに観入る生徒の皆さんが印象的でしたが、終演後の5時間目に行われた、俳優、スタッフ1人ずつ11クラスに伺う交流の時間では、“とても元気”な印象に変わりました。舞台の仕事や夢についての質問や、ジャンヌ・ダルクの中で好きな台詞は何か、他にもユニークな質問を用意するクラスがありました。その後はほぼ全クラスが体育館に集まり、バックステージツアーが行われました。









かなり盛り上がる生徒の皆さんの姿を見た担当の先生からは喜びの声と、こういう体験をさせたかったと伺いました。また、14年に上演した肝っ玉おっ母を振り返った先生からは、「あまり人と話ができなかった子が、芝居を観てからは日常で人と話ができるようになったんです。演劇の力は想像以上に子どもたちが感じることがある」と力強い言葉を頂きました。


去年、一昨年に上演した3校ともに引き込まれたという言葉が聞かれました。その場で感じることや、また生徒の皆さんと先生方との間に生まれる時間が私たちの喜びでもあります。千秋楽まで2週間となります。ひとつひとつの出会いを大切に、新たな出会いに向かいます。

シャルル7世役 田中悟