風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2024春『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第10週目

2024-07-21 01:18:44 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅公演も千秋楽を迎えることとなりました。

さて、大トリを飾るのは…

7月16日(火)【東京都】 飛鳥高校(練馬文化センター・大ホール)

 

飛鳥高校

こちらは過去に『Touch〜孤独から愛へ』を2回、『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』と4回
上演してきました。
5回目の今回はバリアフリー演劇『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』果たして、初のバリアフリー演劇は飛鳥高校の生徒さんたちにどうひびくのか、こちらも楽しみにしていました。

今回は学校に近い北とぴあではなく、少し離れた練馬文化センター(大ホール)での公演でした。
開場と共にワイワイしながら入場。
楽屋のモニターから生徒さんたちの賑やかな声が聞こえてきました。

司会の先生の諸注意のあと、大きな拍手をもらって開演。

音楽やアナグノス役の緒方の語りに聞き耳を立て、それと同時に始まる小島の手話、字幕に見入る空気感が舞台袖でスタンバイをしている私たちも感じ取れるほど向き合ってくれたところからのスタート。

1幕が終わり、休憩時間の間は10名ほどでしょうか、装置等に興味を持った生徒さんたちが自発的に舞台に上がって興味深そうに見学をしてくれました。

第2幕。
リラックスした中にもラストに向けて集中力が増していき、音声ガイドの辻由美子が客席後方から生徒さんたちを見ていてもそれがとても感じられたと話していました。

カーテンコールでは司会の先生が再度私たちを舞台に呼び込んで下さり、とても盛り上がった中で終演を迎えることができました。

終演後、ロビーには渋谷、倉八、辻、小島の4名で生徒さんたちを見送らせてもらいました。

中には手話を勉強中の生徒さんも何人かいて、かなり刺激になったようです。

皆さんそれぞれに「楽しかった!」「面白かった!」と声を掛けてくれながら元気に会場をあとにして行きました。


今回、新たな演劇の可能性を感じて欲しいとのことで、バリアフリー演劇上演が実現。

飛鳥高校は毎年9月に催される文化祭《飛鳥祭》の一番の目玉に3年生による演劇コンクールが開催され、近隣の中学生も大勢見学に来るなど、大変盛り上がるそうです。

演劇を上演するだけでなく、演劇を通して生徒たちの交流を深めたいという先生の思いを引き受け、劇団員の西垣がコンクールに向けてのワークショップの講師をしています。

演劇が身近に存在し、なおかつ多様性を目指す学校の生徒さんたちに〈障害がある人もない人も、誰もが楽しめる演劇〉の経験が豊かで、実りあるものになっていることを願っています。


今旅も無事に千秋楽を迎えることができました!
振り返ってみると、とても長かったような、あっという間だったような不思議な感覚を覚えつつ、一回一回の公演にとても印象的なエピソードを思い出します。
そこにいた全ての皆さんにとっても素敵な時間となっていたら、こんなに喜ばしいことはありません。

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』上演に向けて尽力下さった方々、そこに一緒にいてくれた皆さん、物理的にも力を貸してくれた皆さん、心から感謝申し上げます。

本当に本当にありがとうございました。

ひとつの区切りは迎えましたが、風の旅は終わりを知りません。
これからも続く旅の中で、またお会いできたら幸いです。

最後になりましたが、どうぞお元気でお過ごし下さいませ。

ありがとうございました。

文:仲村三千代(ケート・ケラー役) 


2024年春『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』東日本・西日本ツアー 第9週目

2024-07-20 11:56:18 | 全国巡回公演

 

厳しい暑さが続く中、『ヘレン・ケラー』のツアーも9週目を迎えました。

 

7月8日(月)

【埼玉県】埼玉大学教育学部附属中学校(同校体育館)

 

7月11日(木)12日(金)

【栃木県】佐野市教育委員会主催 佐野市内中学2年生合同鑑賞会(佐野市葛生アクトプラザ)

 

 

埼玉大学教育学部附属中学校

 

埼玉大学教育学部附属中学校は、

2012年の「肝っ玉おっ母とその子どもたち」

15年「ヘレン・ケラー」18年「ジャンヌ・ダルク」21年「ヘレン・ケラー」に続き風の公演5回目の公演です。

ここの学校は毎年3年生が演劇発表を行うため、9月の演劇発表会に向けて午前中は3年生と劇団員でワークショップ・バックステージを行いました。

役者、照明、音響とそれぞれが担うポジションに分かれてたくさんの質問をし、たくさんのメモをとる熱心な姿が印象的でした。

一人の男子生徒は「今練習している脚本が大好きなので、なんとしてもみんなでいい本番にしたい」と意気込みも聞かせてくれました。

開場すると体育館いっぱいにびっしりと入り、公演中は互いの呼吸や音を感じながらジッと食い入るように舞台を一緒に創ってくれました。

カーテンコールでの代表の生徒さんの挨拶では、「転換は見えてはいけないのではなく、見えてても空間が創られる。そしてセリフを話す時は前を向かないといけないものだと思ってたけど、背中から伝わるものがあるのだと発見しました」と、自分たちの姿と重ね合わせながら自身の言葉で力強く伝えてくれました。

終演後は40人ほどの生徒さんがアニー役の渋谷とヘレン役の倉八と座談会を行いました。

そして撤収作業も20人ほどの生徒さんが一緒に手伝ってくれました。

一分一秒も無駄にしないぞ。と言わんばかりにたくさんの質問が飛び交い

「舞台に立つ時は何を意識してやってますか?」「声を大きく出すにはどうすればいいですか?」「演出として役者にどう声をかければいいですか?」

「みんなで一緒につくる時に大事なことはなんですか?」と一人一人がみんなで創ることを大切にし、一つの演劇発表を楽しみながら創造していることがひしひしと伝わってきました。

 

 

 

佐野市教育委員会主催 市内中学2年生合同鑑賞会

 

2023年の「ヘレン・ケラー」の公演に引き続き、2年連続の公演です。

この公演は佐野市教育委員会が主催し、佐野市内の各中学校の2年生による合同鑑賞会です。

 

公演は2日間で3回の公演で行われました。

1日目の公演には、

・佐野市立あそ野学園義務教育学校

・佐野市立北中学校

 

2日目午前の公演には、

・佐野市立西中学校

・佐野市立赤見中学校

・佐野市立田沼東中学校

 

2日目午後の公演には、

・佐野市立葛生義務教育学校

・佐野市立南中学校

・佐野市立城東中学校

 

3公演で1000人近くの中学生が観にきてくれました。

どの公演も開場すると一気に会場が明るくなり、舞台説明が始まると大きな歓声と拍手で会場を盛り上げてくれてくれました。

また、サインネームの紹介の時にはサインネームを真似ながら役者と一緒に楽しむ姿が印象的で開演前からどんな本番になって、どんな時間を共に創造できるのかと劇団員一同ワクワクしていました。

開演すると大きく笑う場面もあれば真剣な眼差しで舞台を見つめる場面もあり、その場その瞬間で見て聞いて共にヘレン・ケラーの舞台を創ってくれました。

 

カーテンコールでは綺麗な花束もいただきました。

 

終演後には役者全員でお見送りをしました。

興奮気味に「パーシィーだ!パーシィーだ」とパーシィーに話しかけに行く生徒さんや、

「伝記でヘレンケラー は知ってたけど舞台で観るとそこに本物のヘレンケラー がいるみたいですごく楽しかったです」と声をかけてくれた生徒さん、更には「私も手話を勉強したいなと思いました。」とそれぞれに感じたことや挑戦したいことを役者たちに伝えてくれました。

明るくて元気いっぱいの佐野市の中学生の皆さん、ありがとうございました。

そして、2年連続でこの出会いを繋いでいただいた佐野市教育委員会の皆様はじめご協力いただいた佐野市葛生あくとプラザの皆様にも感謝申し上げます。

 

埼玉県と栃木県の公演でもらった、たくさんの元気と暑さに負けないエネルギーを力に『ヘレン・ケラー』の旅は最後の最後までかけぬけます。

 

ジェイムス・ケラー役 蒲原智城


2024年 春 『Touch〜孤独から愛へ』 西日本・新潟ツアー その8(春ツアー最終)

2024-07-18 17:58:25 | 全国巡回公演

春の『Touch~孤独から愛へ』のツアーもいよいよ千秋楽を迎えました。

今ツアーの最後の公演は

 

7月16日(火) [京都府] 京都橘中学校・高校 同校講堂

 

での公演でした。

 

京都橘中学校・高校

今回でこの学校では、三回目の風の上演になります。校内に建てられている立派な講堂での上演でした。生徒数が中高合わせて約1300名と多いため、午前と午後の二回に分かれての公演でした。

午前(中学校、高校2年生)

元気よく賑やかに講堂に入ってくる生徒のみなさん。担当の先生が「舞台に上がっていいよ。」と声をかけると、これまた元気よく返事をして、たくさんの生徒のみなさんが見学のため舞台にどっと押し寄せてきました。

舞台背景のパネルの絵に注目して見ている生徒さん。美術の佐田(Touch班の舞台監督)が‘’ABC‘’のアルファベットをコミカルに描いた一枚。今旅特に生徒さんたちに人気がありました。

英字の本をじっくり読んでいる生徒さんも。ちなみに、僕はほとんど読めません。

舞台見学を終え、温まった空気の中開演かと思いきや、進行開始を告げるベルが鳴ると、ピタッと話し声が止みました。びっくりするくらいの切り替えでした。

公演が始まると、空気が一変。中学生はよく反応をしながら、高校生は落ち着きながらじっくりとという感じで、それぞれの楽しみ方で観劇をしてくれていました。

 

午後(高校1年、3年生)

入場時間を待たずに、一人の男子生徒さんが「舞台を見学させてもらえますか?」と、講堂に来てくれました。持ってきていたタブレットで写真を撮りながら、隅々まで舞台を堪能してくれていました。

この生徒さん。入場時間になると、担当の先生に代わって「みなさん、ぜひ舞台に上がってください。面白いですよ。」と、マイクを使って積極的にほかの生徒のみなさんに呼び掛けてくれました。そのおかげもあって、午後の公演前の舞台見学にも多くの生徒さんが参加してくれました。

『Touch』の舞台見学で一番人気の二階の部屋。見に行った人しかわからない。一体何があるのでしょう。見えない所って、気になっちゃいますよね。

このアメフトのヘルメットも舞台小道具です。違和感なく?会話を楽しんでいます。

懐かしいブラウン管テレビ。一体何が映っているのでしょう。

小道具の拳銃に夢中になっています。なーんか「武器」ってロマンを感じますね。

開演前。担当の先生の、「待ちに待った団体鑑賞の日です。みなさん、リラックスして楽しんでください。」という言葉を受けて、拍手の中開演です。

午後の公演は、ジッと食い入るように、真剣に舞台に視線を注いでくれているのを感じる客席でした。静かな客席の中、息をのむ音や、鼻をすする音が会場に響いていました。

公演後に、劇団代表の柳瀬が校長先生にご挨拶に伺ったときに、「見終わったあとの生徒たちの表情が晴れやかでした。」と仰っていたそうです。生徒のみなさんひとりひとりの中に何か響くものがあってくれたらと思います。

公演後に、舞台撤去のお手伝いも兼ねて、舞台見学と交流の時間を過ごすことができました。当日の呼びかけにもかかわらず、なんと100人を超える生徒のみなさんが参加してくれました。

担当の先生も、「みんな部活動が大会前などで忙しいから正直あんまり来てくれないんじゃないかと思っていましたが、こんなに集まってくれるとは思っていませんでした。完全に想定外でした。」と驚きとともに嬉しそうに話してくれました。

そんな担当の先生。生徒にトリートの帽子を被せられて、ニッコリの一枚です。

写真のような感じで、みんなが行列になって、荷物を凄まじい早さで運んでくれました。そのおかげで、驚異的な早さで舞台の片付けが終わりました。みなさん、本当にありがとうございました。

最後は、お手伝いをしてくれた生徒のみなさんと集合写真(写真には写っていませんが、途中で帰らなくてはいけない生徒さんたちもありがとうございました。

 

楽しいことも大変なこともあった今年の春の『Touch~孤独から愛へ』のツアーが終わってしまいました。

今回のツアーを通して、先生方との繋がりや信頼関係はさることながら、地域の方々や親御さんなど、たくさんの大人たちも子ども達同様に公演を楽しみにしてくれていることを感じることのできたツアーだった様に感じます。

ちょうど同じ日に、主に東日本地域を巡演している『ヘレン・ケラー~ひびきあうものたち』のツアーも終わりました。

互いのツアーの余韻に浸るまもなく、すぐに約二週間に渡る北海道の『星の王子さま』のツアーが始まります。

それぞれの旅で得たこと、感じたこと、つくってきたことを持ちながら、新たな出会いを求めて、北の大地へ歩みを進めていきます!

 

文:佐藤勇太(フィリップ役)


2024年 春 『Touch〜孤独から愛へ』 西日本・新潟ツアー その7

2024-07-17 16:53:25 | 全国巡回公演

『Touch~孤独から愛へ』の春ツアーもいよいよ終盤になってきました。

全国的に雨模様が続いていますが、旅は雨にも負けない、晴れやかで充実した公演をつくっています。

さて、今回は

 

7月11日(木) [岡山県] 久世中学校 エスパスホール

7月12日(金) [香川県] 大手前丸亀中学校・高校 同校体育館

 

での公演の様子をお届けします。

 

久世中学校

真庭市スポーツ文化振興課主催の公演でした。同課主催の公演は2019年から続いていて、今回の久世中学校の公演で市内に6校ある中学校、すべての学校で公演をすることができました。

公演前日は大雨で、公演当日もどうなることかと心配していましたが、天候も回復し、生徒のみなさんは、自転車で会場まで来ていました。

入場中。「舞台の見学してもいいよ。」と、劇団員が声をかけると

「えっ!いいんですか!」と、早くに移動してきていた生徒さんが舞台に上がると、それに乗じてたくさんの生徒のみなさんが見学に来てくれました。「うわぁ!めっちゃ楽しい!」と、みんな遊び場のように舞台や裏側を探検してくれていました。新聞に落書きをしている生徒さんもいますね。

ひとしきり見学を終えて、座席に座って開演を待っているときも、これから始まることにワクワクしてくれているようでした。

開演前。担当の教頭先生が「みんな、楽しんでください。おかしければ笑ったり、悲しいときは泣いてもいいです。みんなが楽しんで、客席のみんなと舞台が一緒になってつくるのが演劇です。先生も楽しみです。」と、生徒のみなさんに声をかけて開演しました。

無邪気に笑い、細かいところにも反応しながら、最後はあたたかい拍手に包まれる、一体感のある客席でした。

カーテンコールでは、生徒会長さんが、「役者さんの迫力のある演技と、細かい仕草や感情の変化に魅力を感じました。」と、緊張しながらもしっかりとした言葉で感想を伝えてくれました。

公演後にも、舞台見学が行われ、開演前に見学ができなかった生徒さんをはじめ、先生方や保護者のみなさんも、子どもたちに負けないくらいはしゃぎながら、見学も楽しんでくれていました。

真庭市では、コロナ禍にあった頃も、振興課のみなさんや各中学校の先生方の熱意とご配慮とご尽力のおかげで公演をすることもできました。ありがとうございました。ひとつの節目を感じつつ、これからも真庭市のみなさんに公演を届ける機会をつくっていけたらと思います。

 

大手前丸亀中学校・高校

風の公演は初めて上演する学校です。コロナ禍の影響でなかなか上演が叶わず、実に四年越しの公演ということで学校としても劇団としても、待ち遠しかった公演でした。担当の先生も「ようやく風さんを呼ぶことができました。」とおっしゃっていました。こうおっしゃっていた担当の先生は、なんと以前、琴平高校での公演でお世話になった校長先生の息子さんということで、親子二代で風を呼んでくれました。ご縁に感謝です。

この日、保護者の方も40人ほど見に来て下さり、生徒さんより一足早くいらっしゃった親御さんが舞台見学をしていました。生徒さんが来るまでの短い時間でしたが、小道具や舞台装置などを興味津々に見てくれていました。

生徒さんも入場中に舞台見学をしていました。「僕らの知ってる体育館じゃないみたい!」「細かいところまでつくってある。」と、見て、触って、驚きながら見学をしてくれていました。

創立百周年を記念して建てられた大きな体育館。通常、風は広さの制約が大きいため、学校のステージは使わずに、フロア面に舞台を組み立てますが、今回はステージが広かったこともあり、学校のステージに張り出しを作って組み立てました。

開演前。副校長先生が「コロナが落ち着いて、久しぶりの演劇鑑賞です。映像では味わえない、生の臨場感と迫力を感じる貴重な機会です。存分に楽しみましょう。」と、生徒のみなさんに語りかけ、開演を迎えます。

舞台前よりに中学生、後ろが高校生という客席。芝居に対しての反応の波が、前からも後ろからも伝播していくような、躍動感のある客席で、最後は大きな拍手の波を舞台に注いでくれました。

カーテンコールでは、生徒会長さんが、「入ってきた瞬間から、学校の体育館じゃないみたいで、最初から世界に引き込まれました。今も涙が止まらなくて、うまく話せないんですが、自分もTouchの世界にいるようで本当に感動しました。」と、涙ながらに思いを言葉にしてくれました。

公演後には、演劇部のみなさんとの舞台見学と座談会が行われました。公演の余韻を感じながら、興奮した様子で見学をしてくれていました。座談会では、ハロルド役の柳瀬の話に真剣に耳を傾けていました。その中には、東京の大学に通う卒業生の姿も。たまたま、帰省した折に親御さんに誘われて見に来たそうです。「東京の劇場にも公演を見に行きます。」と言ってくれていました。これも何かのご縁ですね。

その後、有志で舞台の片づけに駆けつけてくれた生徒さんと一緒にそのまま演劇部のみなさんも、舞台撤去のお手伝いをしてくれました。

手伝いも含めて、楽しそうに交流をしている生徒さんの姿を見て、先生方も笑顔があふれていました。

担当の先生をはじめ、前日の準備に付き添ってくださった教務主任の先生、公演の実現を後押ししてくださった先生方、本当にありがとうございました。

 

香川での公演を終え、旅もいよいよ次が千秋楽です。最後まで気を抜かず、走りぬいていきます!

 

文:佐藤勇太(フィリップ役)


2024年 春『Touch孤独から愛へ』西日本・新潟ツアー その6

2024-07-16 23:36:02 | 全国巡回公演

7月1日(月) 堺東高校 (国際障害者交流センタービックアイ)
7月2日(火) 京都市立堀川高校 (長岡京文化記念会館)
7月4日(木) 出雲高校 (出雲市民会館)
7月5日(金) 大社高校 (出雲市民会館)


堺東高校
いよいよ、7月に入りました。

2024年度『Touch』の春旅も後半戦に入り、今日は、堺東高校の演劇観賞会。

大阪府堺市にある国際障者交流センタービッグアイでの公演になります。

     
共生社会のモデルとなるべく作られたこの施設での公演は、バリアフリー演劇を追究していく劇団風にとっても参考になる部分が多いです。

13時になり生徒達が入場して来ました。

開演前のバリアフリー演劇の説明を聞きながら、「バリアフリー演劇とはなんだろう。」とワクワクした空気で、登場人物のサインネームを真似してくれていました。

芝居が始まると、すっと『Touch』の世界に入り込んだ様子が見られました。

カーテンコールでは、代表の生徒さんがあいさつをしてくれました。

終演後は、希望者による舞台見学が行われました。

その後、ハロルド役の柳瀬を交えた座談会。

大勢の生徒さんが、参加してくれました。


学校の関係者の皆さま、会館の皆さま、どうもありがとうございました。

 

京都市立堀川高校
あいにくの雨模様になりましたが、長岡京記念文化会館での公演になります。

昨日と同じく、そして春の『Touch』のツアーでの最後のバリアフリー公演です。

開場し、開演までの時間で舞台見学が行われました。

多くの生徒さんが、役者やスタッフの説明を受けながら、見学をしてくれました。

本日は、6回目の公演になる、堀川高校の演劇鑑賞会です。

一番最初は1997年とのことなので、大分昔になります。今日のバリアフリー演劇を、今の生徒さん達が、どのように見てくれるのか、私達も楽しみです。

舞台の上に、<手話通訳が役者の一人として存在する>、<音声ガイドがオープンにスピーカーから流れる>、<舞台の真ん中に字幕が表示される>という形態は、演劇を見慣れている人にも不思議なものに映るかも知れません。しかし、新しい演劇のジャンルとして確立されるようになればより一層、共生社会という意味を社会が考える一端になるのではないかと思います。

観劇後、生徒さん達の舞台見学では、バリアフリーについての質問も多数あったようでした。

若い世代にインクルーシブな社会について一緒に考える機会になってくれたら嬉しいと思います。

堀川高校の関係者の皆さま本当にありがとうございました。

 

出雲高校
今日は出雲市民会館にて、出雲高校の演劇鑑賞会です。

学校から各々で会館に来たそうです。そのため、早めに到着した生徒さんや保護者の方にお声がけし、舞台見学を行いました。

多くの生徒さんが舞台に上がり、大道具や小道具を触ったり、スタッフや役者に質問などをしておりました。

司会進行は生徒さんがされ、開演です。

開演すると、芝居の中に客席全体が集中して入り込むような感じがしました。

終演後はまた舞台にたくさんの生徒さんが見学してくれ、役者やスタッフに芝居の感想などを話してくれました。

座談会に移行して劇団との交流が行われ、演劇鑑賞会は終了いたしました。

出雲高校の担当の先生方、関係者の皆さま、生徒の皆さま、どうもありがとうございました。

 

大社高校
昨日に引き続き出雲市民会館での公演です。

9時30分の開場でしたが、今日も開演前の舞台見学を行いました。

普段見ることがない舞台の大道具や小道具についていろいろと質問したり、興味津々といった感じでした。

その効果もあってか舞台は盛り上がりを見せて客席の反応が劇場の空間に染み渡るようでした。

終演後、舞台見学があり、役者との写真撮影などを行い、公演は終了いたしました。

大社高校の担当の先生方、生徒の皆さまどうもありがとうございました。

 

 

公演の中や開演前・開演後の舞台見学での生徒の皆さんの眼差し・熱意を感じながら、演劇と観客の関係を、そして、これからの社会についてあらためて考える、そんな公演でした。

暑さも厳しくなりますが、あと残り少なくなってきた『Touch』春ツアーで次なる観客との出会いを一つ一つ大切に進んでゆきます。

文:佐田剛久(舞台監督)

 


2024春『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第8週目

2024-07-16 22:47:05 | 全国巡回公演

今年も1年の半分が過ぎて7月となりました。

連日各地の最高気温がニュースになっています。雨にも負けず、夏の暑さにも負けず、、、旅公演は続きます。

 

7月1日(月) 【秋田県】 鹿角高校 鹿角市文化の杜交流会館コモッセ

7月2日(火) 【宮城県】 仙台城南高校 東京エレクトロンホール宮城

7月7日(日) 【埼玉県】 社会福祉法人 清心会主催 秩父特別支援学校

 

鹿角高校

この学校は、花輪高校、十和田高校、小坂高校の3校が統合され今年4月からスタートした新しい学校です。統合前の3校には、『星の王子さま』や『ジャンヌ・ダルク』を観てもらっていました。統合後の最初の鑑賞行事でヘレンとアニーの出会いを描いた『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を選ばれたのには、統合で新しい友達と出会っていく生徒さんたちへの想いも託されていました。

会場となった鹿角市文化の杜交流館コモッセは一席一席がゆったりしていてリラックスして観劇ができそうです。朝、約500人の生徒さんたちが入場し始めるとまもなく入場完了。開演と共に舞台へのリアクションは聞こえてきますが、舞台への集中力も感じました。

午後からは通常授業があるため、学校へ帰る生徒さんたちとヘレンとお父さんがロビーでお見送り。生徒さんたちは笑顔で帰っていかれましたが、その様子に先生方も喜んでられました。

また、先生方は、観劇中の生徒さんたちの集中力に驚かされたと話しました。

 

仙台城南高校

風を観ていただくのは初めての学校で、演劇を観る機会もなかったけれど、風の舞台と『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』という作品に多いに期待していただいていました。

当日は、図書視聴覚委員の生徒さんたちが受付や司会進行されました。開演前に教頭先生がお話をされましたが、先生は盲学校で校長先生をされていた時、子どもたちが懸命に食事をとる姿に感動されたこと。自立しようとする子どもたちと、仙台城南高校の校長先生は、日頃から「自立」ということを話されている。「自立」について改めて考えてほしいと話されました。

カーテンコールでは、図書視聴覚委員長の生徒さんから、アニーとヘレンの出会いから、これからの自分たちの出会いに思いを馳せてメッセージをいただきました。花束も頂きました。

音響に興味のある生徒さんからの希望で舞台見学の時間がとられましたが、たくさんの生徒さんたちが舞台に上がってこられました。舞台装置だけでなく客席からは見えなかった照明や舞台機構に興味を持つ生徒さんもいて、それぞれに出演者やスタッフと交流の時間を持ちました。この舞台見学の生徒の皆さんの様子にも先生方に喜んで頂けました。

 

社会福祉法人 清心会主催

誰もが楽しめるバリアフリー演劇 in埼玉・プレビュー公演

社会福祉法人 清心会主催で、秩父特別支援学校の体育館公演でした。

 

前日は、清心会利用者の皆さんや職員の方々、理事長の岡部さんらが途中雨が降ったりするなか、大汗をかきながら搬入を手伝ってくださいました。強力な助っ人を得て、元気をもらい、公演準備を続けました。

今回は開場前に学校関係者の方々への事前説明会の時間を設定しました。

障害のある方も障害のない方も共に楽しめる演劇ということから始めたバリアフリー公演。

内容が理解できるか、興奮して声を出したり、立ち歩いてしまったら、演劇は観たいけど、地理的条件がある、年金生活に入って観劇は最初に切り捨てた、、、公演を重ねてきて、別のバリアが現れると、その都度ともに考え、力を貸して下さる方々がふえてきました。

事前説明会には、埼玉県下の特別支援学校と小学校の先生方が参加されました。

 

開場から開演まで1時間50分。その間に舞台見学の時間があり、共にクライマックスを盛り上げてもらうためのワークショップの時間があったり。暑さ対策のための休養室、ミネラルウォーターの準備があり、のぞみ工房ぽっぽのパンも販売され、開演までの時間をゆっくりすごしていただきました。

 

開演前の舞台説明、役者、スタッフの紹介にすすむ頃には、舞台と客席のバリアは無くなっています。フロアに直座りしている人も少しずつ体が舞台に近づいてきます。

 

芝居が始まって、いつの間にか共演者がふえています。

舞台に登場した彼は、ヘレンを守ってねと声をかけ、自然なリアクションを返してきます。客席からもアニーとヘレンにがんばれ、がんばっての応援の声。最後にクライマックスを客席と創り、カーテンコールでは客席の半分以上の人々が舞台にあがって、アニーの子守歌を歌いました。そして、清心会理事長岡部さんから客席の皆さんへ、バリアフリー演劇の機会が広がっていくよう応援して下さいと呼びかけていただきました。

外の暑さに負けないくらいの熱気が会場内にあふれていました。

長時間、最後まで公演をともに創ってくださった客席の皆様、ロビーや会場設営などご配慮いただいた清心会の皆様、秩父特別支援学校の先生方、本当にありがとうございました。

文:清水菜穂子(メイドのビニ―役)


2024年 春 『Touch〜孤独から愛へ』 西日本・新潟ツアー その5

2024-07-13 23:59:53 | 全国巡回公演

この記事ではTouch班の6月後半の様子を振り返ります!(文化庁主催公演など一部掲載していない公演もございます、ご了承ください)

 

6月17日 〈岡山県〉勝山高校

  18日 〈三重県〉暁中学・高校

  20日 〈山口県〉華陵高校

  27日 〈新潟県〉新潟大学附属新潟中学校

 

勝山高校(トップ画像は開演前の司会などをしていただいた生徒と舞台監督の打ち合わせ風景です)

岡山県真庭市にある勝山高校。真庭市は市主催で風の舞台を毎年市内の中学校に私たちを派遣してくれています。つまり勝山高生には、中学時代にTouchを観た生徒たちが多くいます。今回の上演はなんと、子どもたちから『もう一度Touchを観たい』という声が上がったからでした。

↑開演前の客席の様子。勿論Touchを初めて観る子もいれば、久しぶりの再会となった子も多くいました。

終演後の舞台裏見学でも「二年前に○○中学校で見ました!あれから音響の仕事に興味を持っています。」など嬉しい声を沢山いただきました。

↑こちらは終演後の座談会にて。前列の女の子たちが手に持っているのは…Touchをご覧になった方はご存じのあの小道具です。

 

暁中学・高校

今回で風の上演が5回目となる中高一貫の学校です。

今回も最初から最後まで大盛り上がりで見てくれた生徒たち、舞台裏見学・座談会も子供たちにも大好評でした↓

そして先生方の中にもとても興奮していただいた方が…公演翌日フィリップ役佐藤にこんなメッセージをいただきました。

「佐藤さん、昨日ありがとうございました。今中学生の生活ノートチェックしてるんです。今日は英語 day. たくさん生徒さんが「昨日の劇は素晴らしい」って

Very good

Very funny

I enjoyed it

I liked the play
などなど
 
よかったです。(中略)ありがとうございました。 ジョーンズより」
 
↑最後まで盛り上げていただいたジョーンズ先生の後ろ姿です。
 
 
華陵高校
山口県にある華陵高校は、近年高校演劇の世界で全国大会に出場するなど目覚ましい活躍をしている舞台芸術部があります。
二階の体育館ということで公演前日から準備を始めたのですが…
 
↑早くも舞台芸術部の二人が仕込みの様子を見学。
↓だけではなく、スタッフとして参加!照明の操作卓で明かりをつけてみたり、舞台幕を劇団員とともに吊り上げたり。
 
 

そして迎えた本番当日。改めて舞台芸術部の皆さんが始業前から舞台裏を見学↓

その盛り上がりのまま本番がスタート!

↑終演後、高校生の司会によるインタビューをケーブルテレビが撮影されていました。一体どんな番組になったのでしょうか。

 

新潟大学附属新潟中学校

今回のTouchツアーの最北となる新潟中学校では毎年子どもたちの演劇発表が上演されます。

↑この3役というのは各クラスの演劇発表に向けて監督などのリーダーとして活動している生徒のことだそうです。

↑「すごい!」「どうやったの!?」前日までとは一変した体育館の様子に子どもたちも興味津々です。

 

↑皆が演劇に関わるだけあって、舞台裏見学でも細かいところまで見てくれています。

↑座談会でも演劇づくりに向けて、真剣な質疑応答が続きました。

彼らが各クラスでどんな芝居を創るのか、とても見たくなりました!

 

文:トリート役 佐野準

 

 


2024春『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第7週目

2024-07-01 00:08:25 | 全国巡回公演

まもなく今年も上半期を終え、7月を迎えようとしています。時間の流れは早いものだと感じるこの頃です。今週は岩手県遠野市にやってきました。

 

6月28日(金) 【岩手県】遠野高校・遠野緑峰高校(遠野市民センター 大ホール)

遠野高校・遠野緑峰高校
遠野高校と遠野緑峰高校の合同鑑賞会です。
会場の遠野市民センターは、客席にある木材のモニュメントが印象的な、すばらしいホールでした。
風の公演は1997年以来の27年ぶりとなります。ふたたび公演できることを大変嬉しく思います。
そして多分、前回風を見た生徒さんたちの息子さん娘さんがいるんだろうな、と思いつつ公演を迎えました。

開演のベルが鳴ると、ものすごい盛り上がりの声とともに芝居が始まりました。
ですが、始まった途端そして最後まで、芝居と真剣に向き合う姿は、私たちに遠野のみなさんの人となりを伝えてくれるように感じました。


公演後のバックステージには、たくさんの生徒さんたちが参加してくださり、それぞれ興味津々に舞台上を歩きまわって楽しそうです


座談会にはヘレン役の倉八ほなみが出席。衣装や舞台美術・大道具のこと製作費用のことなど、生徒さんだけでなく先生からも様々に質問があり、演劇への興味が溢れ出ていたようです。


最後は大型トラックへの積み込みの様子を搬入口に見に来るほどに、盛り上がってました。

旅も後半へ向かいます。僕らはいつも旅の途中!!

文:緒方一則(アナグノス校長先生役)


2024春『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第6週目

2024-06-30 00:04:30 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の春のツアーも中頃が過ぎ6月18日 江戸川学園取手中学高校(茨城)と、6月20日 田園調布学園中等部(東京)の公演を報告します。

 

6月18日(火)【茨城県】 江戸川学園取手中学校・高校(同校ホール)

6月20日(木)【東京都】 田園調布学園中等部(同校講堂)

 

江戸川学園取手中学高校

自称「江戸取」という江戸川学園取手の公演は自前のオーディトリアムという立派なホールで実施しました。これまでは、オーケストラの演奏など音楽鑑賞が多く、演劇鑑賞は風の公演が初めてでした。

午前の公演は、中学1・2年生と高校3年生で1000人が、午後は中学3年生と高校2・3年生の1200人が観劇しました。

コロナ感染以後、、1回に1000人以上の生徒さんたちに観てもらうのは久しぶりでした。

午前も午後も開場し生徒さんたちが入場してくる時、私語はなく、静かにスムーズに客席に着き、開演を待っている姿に私は驚かされました。

今日の公演はバリアフリー演劇としての上演になり、開演前にその上演の特色をパーシー役の稲葉と舞台手話通訳者の小島が説明すると生徒さんたちも反応をはじめました。開演する時には、会場が暗転するだけで、盛り上がっていました。

ヘレンとアニーが向き合う様々な姿に、またその周囲の人々の姿に集中したり笑ったりしながら思いっきり楽しんでくれた生徒さんでした。

退場する際には、私たちに手を振りながら帰っていく生徒さんも多くいました。その生徒さんたちの姿を担当の先生方も見ていらっしゃいました。初めての演劇の鑑賞であり色々と気苦労もあった担当の先生方です。

 

田園調布学園中等部

田園調布学園は、中学1・2年(約300人)が講堂で実施しました。この学校はほぼ2年に1回は風の公演を観ていただいています。今日は、7回目になり『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』は5回目になります。

舞台と客席は近く、まるで境がないような、出演者と生徒さんたちが触れ合えるような気がする空間が出来上がりました。

客席の息づかいも伝わってくる生徒さんたちと私たちが、世界のどこにもない“今 ここ”を共に感じ合っていました。一人ひとりが楽しみながら様々に感じたり、考えたりしている生徒さんたちとの時間がつくりだされました。

終演後のバックステージにも多くの生徒さんたちが積極的に舞台を歩き回ったり、道具に触れたり、質問をしてきたりしてくれました。

それぞれもまだ話が聞きたいという生徒さんたちが残り、アニー役の渋谷と座談会をもちました。どんな座談会だったかを渋谷に聞くと、「積極的で元気もあり、一人ひとりが本当に色々なことを考えていました。」とのこと。共につくった公演のなかで、今を生きている自身や友達や家族のことや、色々と思い起こす時間でもあったなら私たちもうれしい思いです。

また、いつの日かお会いできる日を楽しみにしています。

 

文:坂牧明(ケラー家の主治医 医者役)


2024春『ヘレンケラー~ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第5週目

2024-06-29 13:51:08 | 全国巡回公演

 

 

6月12日(水)【栃木県】壬生高校(壬生町中央公民館)

旅の途中のバスから見える水田には、
青々とした若苗が並んでいます。

5週目のヘレンの旅の報告です。

壬生高校での風の公演は、なんと6回目になります!!


外は蒸し蒸しとした暑さの中、450名の皆さんが、壬生町中央公民館に続々と集まって来てくれています。


開演までの間、興味深げに舞台を見てくれている生徒さんたちが、舞台を体感しに来てくれました。上ってみたり、ポンプを触ったり衣装を着たり。ワクワクしている様子や、知りたい!という気持ちがその表情や仕草からとても感じられました。

教頭先生のお話で、観る準備を整えてくれている様子です。

校長先生が風の活動のことをたっぷり紹介してくださいました。その手には、なんと、10年前のヘレンケラーの公演の際の色紙が!


「10年前と社会情勢、時代も変わりました
6人のキャストさんはそのままです。
ジャンヌダルク(2018年公演)の色紙は図書室に飾ってありますね。
先輩たちがメッセージを受け止めてきたから、今も見れます。
ぜひ、メッセージを受け取ってくださいね。それぞれの立場で見てみてください。」
壬生高校の皆さんとの時間に思いを馳せながら、校長先生の熱い想いが込められた言葉を、舞台袖で控える役者や客席にいる他のメンバーも聞かせていただきました。

 

教頭先生からは、
「楽しみにしています」
「よろしくお願いします」と、
いくつかの手話のレクチャーが生徒の皆さんにありました。
劇団へのプレゼントのような
生徒の皆さんの動きのおかげで、あたたかい開演となりました。

本番中は、気になることを共有しあったり、
それぞれのタイミングで笑ったり、
リラックスして見てくれているのがわかる背中が客席にありました。
カーテンコールでは、2人の生徒さんが舞台に上がって来てくれました。

「ヘレンケラーとアニーサリバンのようにわたしも響きあえたと思います。
進路とかに対するプレッシャーとか思い悩むことがありますが
見て聞いて感じたことそのままに進んでいきたいです。」

勇気をいただける決意表明をしてくださいました。

本番終わりのバックステージツアーでは、生徒さんたちが誘い合って舞台に上がってきてくれました。劇団員に声をかけてくれ、溢れる思いを伝えてくれた生徒さんもいらっしゃいました。

本を読んだ時とは違い、
闇の中に中に光が灯っていく感じがあった。
明るさの中に苦悩と葛藤があったし、
自分の身にもなって色々考えることができた。
舞台だったから全身で感じられた!

という彼女の言葉が、劇団員たちにも優しく染みこんでいくようでした。

座談会は、ヘレンケラー役の倉八ほなみと、撤去作業の様子を見ながら、
気になったことや感想を生徒さんたちが話してくれ、
その様子を先生たちが見守る場となりました。
「小道具や大道具たちを、どこに収納しているの?」
という質問から派生して、何度も同じ演目を上演する中で
お客さんと時間をかけて作品を共に育て、試行を繰り返していく
レパートリーシステムの話をしたり、背景の幕の絵の話をしたり、と
生徒さん同士でも掛け合いをしならがらの時間となりました。

わたしたち教員の実習にもなる、
教員のための芝居みたいだと校長先生から力強いお言葉もいただきました。

 

最後に、東京の劇場にも足を運んでいただいたこともあり、深いお付き合いをさせていただいている先生との再会があったことを記しておきます。風と生徒の皆さんとの時間に何かを託してくださった先生方、あの会場で出会ってくださった生徒のみなさんが、今日、小さな歓びをあたためながら過ごせていますように。

私たちもそれぞれに願いながら、次の公演に向かっていきます

 

スタッフ:水流かなこ