いよいよ『Touch~孤独から愛へ』の西日本ツアーが、本格的に動き始めました。
今週は―
5月13日(月) [福井県]福井大学教育学部附属義務教育学校
14日(火) [和歌山県]紀北工業高校
15日(水) [三重県]四日市メリノール学院中学・高校
17日(金) [山口県]田布施農工高校
の公演でした。
・福井大学教育学部附属義務教育学校(7年生~9年生)
この学校では、風は5回目の公演となります。7年~9年生とは、中学1年~3年生ということになります。
実は2022年にも『Touch』を上演しているのですが、その時はコロナ禍ということもあり、9年生(当時7年生)だけはリモート(ライブ配信)での観劇でした。
なので、ちゃんと生で見せたいと、今回公演の運びとなったそうです。うれしい限りです。
「すごい!うちの体育館じゃないみたい!」と入場してくる7、8年生と、「あの時はモニターで見たけど、こんなんだったんだ!」と口々に声を上げる9年生とが入り混じった公演となりました。
今日のこの日を楽しみにしていた、という思いがいっぱいの客席です。芝居中もひとつひとつ反応しながら、一緒に『Touch』をつくっているという感じにあふれた2時間でした。
終演後には、9年生がクラスごとに出演者、音響・照明スタッフ、舞台スタッフとそれぞれ交流の時間を持ち、賑やかな時間となりました。
その後、有志の生徒さんがバラシ・撤去も手伝ってくれました。
・紀北工業高校
この学校も風は4回目の公演で、『Touch』は3年前にも上演しています。
体育館にしてはめずらしく可動式階段席を備えていて、体育館はまさしく劇場となりました。
開場すると、すごい勢いで入場してきます。直接には会えませんでしたが、小学生の時に「星の王子さま」を見たという生徒さんや、「ヘレン・ケラー」を見たよという生徒さんもいて、思わぬ再会です。
舞台を見ることを通して、自分自身と対話しているような客席が印象的でした。
終演後には舞台見学があり、ほとんどの生徒さんが舞台に上がりました。セットや道具に手を触れながら、沢山の質問が飛びかいました。そして野球部、ウエイトリフティング部はじめ80人ほどの生徒さんが、あと片付けを手伝ってくれました。ありがとうございました。
・四日市メリノール学院中学高校
この学校では風は3回目の公演となります。
今回は、通信制の生徒さんも一緒に観劇しました。
「パンだけではなく、芸術も生きるための大切な糧です。みなさん、リラックスして充分に楽しんで下さい。」という校長先生のあいさつで開演です。
リラックスした客席は、芝居を味わうように楽しみながら笑い声にあふれています。
終演後の舞台見学に続いて、活発な座談会行われました。「自分が捨てろと命じた母のコートを抱きしめている兄・トリートを責めなかった、弟・フィリップの成長に感動しました。」と、いつまでも泪している生徒さんの姿が忘れられません。
また、カーテンコールでいただいた3本の花束それぞれにメッセージが付いていました!ありがとうございます。
・田布施農工高校
この学校では、2019年の「ヘレン・ケラー」に続き風は2回目の公演となります。
劇場に変わった体育館を見て、「えっ!うちの体育館じゃないみたい!」と口々に声を上げながら、入場してきます。入場と同時に舞台見学も行われました。
先生かと思うくらいに落ち着いた生徒会の生徒さんの司会進行で始まりました。
芝居が始まるとうって変わって、舞台を見つめる真剣なまなざしとなりました。
終演後のお礼のことばで語られた、「インターネットがあふれる時代のなかでは、触れあうことが人とのつながりを作りだしていくのだと強く感じました。このことを心の支えにしたいです。」というあいさつでは、拍手が起こりました。
舞台見学にはほとんどの生徒さん、先生方が舞台に上り、バラシ・撤去では生徒会はじめ、たくさんの有志の生徒さんの手伝いがあり、まるで大交流会のようでした。
こうして、7月中旬まで続く『Touch』の東日本・西日本ツアーが本格的に始まりました。
これから様々な観客と出会い、劇場という場を共有できることを楽しみにして、旅を続けていきたいと思います。
来週は、愛知、富山、兵庫と飛び回ります。
文:柳瀬太一(ハロルド役)