風のBLOG

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2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第1週目

2017-05-29 11:50:15 | 全国巡回公演
春の暖かな気候に包まれて始まった『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』2017年春の西日本巡回公演ツアー、第1週目の公演となったのは、三重県、兵庫県、大阪府でした。

5月22日(三重県) 三重中学校・高校 同校体育館
23日(兵庫県) 尼崎西高校 同校体育館
24日(兵庫県) 香住高校 香住中央公民館
25日(大阪府) 城星学園中学・高校 同校講堂
26日(大阪府) 園芸高校 池田市民文化会館
27日(兵庫県) 自由ヶ丘高校 同校体育館

三重中学校・高校

ツアー初日は、2011年の『ヘレン・ケラー』の公演から、8年ぶりとなる、三重県の三重中学校・高校での公演でした。
前日の正午からの仕込みの作業ではありましたが、なんと、沢山のバレー部の生徒さんと演劇部の1年生の男子生徒さんがお手伝いに来てくれました!
東京を出発した時は肌寒さを残す気候でしたが、西日本に到着してからは気温も高く、皆んな汗だくになりながらも、仲間と声を掛け合いながら、元気にお手伝いをしてくれました。



初日となった三重中学校・高校での公演は全校生徒数が多いため、午前と午後と、2ステージでの公演でした。
入場する生徒さんの中には、「あ!あれ、私達が昨日運んだやつだ!」と声を上げるバレー部の生徒さんの姿もありました。

午前の公演も午後の公演も、それぞれ客席の雰囲気も違い、熱い体育館の中でも、熱さに負けず、それぞれの空間でしっかりと舞台に向き合おうとしてくれました。







終演後には、バックステージツアーとアニー・サリバン役の渋谷との座談会が行われました。
バックステージツアーには、希望者という事でしたが、沢山の生徒さんが集まってくれ、想い想いに舞台を駆け回り、積極的に劇団員にも声をかけていました。

また、舞台の撤去作業には、ダンス部の生徒さんもお手伝いに来てくれました。

撤去作業のお手伝いが終わった後も、体育館の隣のテラスでハツラツと踊る生徒さんのパワフルな姿に私達もこれから始まる公演への活力を貰いました!

尼崎西高校

ツアー2日間目は兵庫県の尼崎西高校での公演でした。
この日も前日の公演が終了後の夜の搬入作業となりましたが、担当の先生方も作業が終わるまで、体育館で暖かい目で見守ってくれていました。

そして、本番当日、普段自分たちが使っている体育館に突然現れた舞台に、驚きの声をあげながら、賑やかに入場する生徒さんの姿。
ですが、公演が始まると、静かに重い視線を向け、一人一人が自分の身体を使い、しっかりと舞台を感じ、観ようとする生徒さんの姿がとても印象的でした。







終演後には、バレー部、バスケ部、バトミントン部、新体操部、演劇同好会の沢山の部活動の生徒さんが撤去作業のお手伝いに集まってくれました。
慣れない作業にも関わらず、皆んな笑顔でとても気持ちよくお手伝いをしてくれました。

また、今日1日の公演を通して、公演に向き合う生徒さんの姿を見ていた担当の先生が、ヘレン役の稲葉に「そのつもりはなかったのですが、彼らに感想文を書かせたくなりました。」と語ってくれました。
仲間や先生や公演を通して過ごしたこの1日の中で、彼らが、何を観て、触れて、感じたのか、彼らがどんなものや瞬間に出会えたか、私達もとても楽しみです。

香住高校

ツアー3日目は、兵庫県の香住高校での公演でした。
風の公演は、「星の王子さま」、「ヘレン・ケラー」、そして今回、18年ぶり2回目となる「ヘレン・ケラー」の公演でした。
今回のツアーでは、初めての会館での公演。
舞台の袖まで、生徒さんの元気な入場の声が聞こえてきました。
公演が始まり、物語が進むにつれて、客席からの真っ直ぐな視線や姿勢から、密度のある空間が生まれていくのが舞台にも伝わってきました。










終演後には、先生方の呼びかけもあり、沢山の生徒さんが、バックステージツアーに参加してくれました。
最初は舞台に上がろうか迷っていた生徒さんも、一歩足を踏み出せば、興味の赴くままに舞台に触れていました。
また、友達同士で、「これはどうなってるのかな?」と細かな舞台の機構を観察しながら、話をする姿もありました。

城星学園高校
ツアー4日目は、大阪府の女子高、風は初めてとなる城星学園中学・高校での公演でした。
この日も前日の夜からの搬入作業となりました。
明るく迎えて下さった担当の先生、そして、遅い時間まで、搬入の誘導をして下さった先生方に心より感謝申し上げます。
先生方の熱い協力を支えに始まった当日の公演。
開演前に担当の先生から前日の搬入作業や、公演への想いを伝える話に、じっと耳を傾ける生徒さんの姿が印象的でした。



終演後には、中学生50人くらいによるバックステージツアーも開かれました。





また、終演後には、担当の先生や校長先生、大勢の先生方が総出で撤去作業のお手伝いをしてくれました。
先生方のアイデアにも助けられ、あっという間にトラックまで大道具が運ばれて行きました。
担当の先生を始め、先生方、そして、公演では、生徒の皆さんにと、本当に多くの方々に支えられた公演となりました。
本当にありがとうございました!

園芸高校

ツアー5日目は、大阪府にある園芸高校での公演でした。
公演自体は会館での公演でしたが、会館へ向かうバスでの道のりの途中、園芸高校の前を通りました。
実習場などが完備された、広い学校の敷地に、園芸高校のみんなが、ここできっと、様々な経験や試みをしているのだろうな、と想像し、そんな彼らといったいどんな公演を創ることが出来るかと、劇団員一同胸が高鳴る想いでした。

開演前、校長先生が「この公演で、障害を乗り越えた感動だけでなく、人との出会いや愛情や発見、人との繋がりを感じてほしい」と客席に語りかけ、生徒の皆さんも、私たちも、先生方の想いのバトンを受け取っての公演となりました。







終演後には、バックステージツアーも行われ、生徒さんだけでなく、先生方も率先して舞台に上がり、公演への想いや、生徒さんの話をとても熱く語ってくれました。
生徒の皆と先生方、劇団員と、皆が一体となった、盛り上がったバックステージツアーとなりました。



カーテンコールでは、生徒の皆さんが心を込めて育てた綺麗なお花を頂きました!

自由ヶ丘高校

今週のツアー最後となったのは、兵庫県の緑豊かな高台に建つ、全寮制の男子校である自由ヶ丘高校での公演でした。
入場する生徒の姿からは、穏やかな雰囲気を感じました。
公演が始まると、リラックスしながらも全身で受け止めようと、一人一人が自身の身体を通して、真っ直ぐに舞台を見つめる姿に支えられた公演となりました。

自由ヶ丘高校では、1年生が来月に演劇発表をするということで、バックステージツアーと、ヘレン役の稲葉による座談会が行われました。



座談会が行われるまえに、担当の先生が皆んなを集めて、「この舞台セットは誰が作ったと思いますか?これは、役者もスタッフも一緒になって、劇団員の皆が作りました。演劇は、皆んなで一緒に創り上げるものです。」と、皆んなで創ることに意味があるのだと、先生の熱い想いを伝えていました。
終演後の撤去作業にも、沢山の生徒さんがお手伝いに来てくれ、あっという間に彼らの体育館に戻って行きました。







自由ヶ丘高校の先生方は、7月に行われる大阪府でのプレミア公演にも来て下さるそうです。
また、お会いできる日を心よりお待ちしています。

先生方の情熱や公演や生徒さんに対する想い、そして、様々な表情や想いをぶつけてくれた生徒さんに支えられ、創り上げることが出来た、『ヘレン・ケラー』西日本巡回公演第1週目。
今回、出会い支えてくれた人々の想いを背負い、私たち自身も情熱を持って、これからの始まりの旅を進んでいきます!

パーシィ役 倉八ほなみ

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー スタート!

2017-05-26 11:21:27 | 全国巡回公演
4月の劇場での、新作『窓辺の馬』の公演を終え
今年の巡回公演が始まりました。

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』は関東・甲信越・東北地域を巡回していきます。

4月28日(金) [千葉県]柏井高校・千葉市文化センター
5月 1日(月) [東京都]小平高校・ルネこだいら
  22日(月) [岩手県]西和賀高校・同校体育館
  25日(木) [群馬県]太田フレックス高校・同校体育館


での公演がありました。

柏井高校
2013年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来4年ぶりの公演で、3年生のみの鑑賞でした。
舞台に向けて注がれる静かで真剣な眼差しが印象的でした。
今目の前で起こっていることは何なのかをそれぞれが感じているようでした。







公演後には演劇部と希望者の生徒の皆さんとの舞台見学が行われました。
大道具や小道具、衣装などを見て、触れながら劇団員の話にじっくりと耳を傾けてくれていました。


小平高校
風の公演は初めてとなる学校でした。
開演前の客席からは元気な話し声が聞こえてきて、これから始まることへの期待が感じられました。
開演すると一変、食い入るように舞台に視線を送ってくれていました。
カーテンコールでは生徒会長さんが緊張しながらもしっかりとした言葉で想いを伝えてくれました。





小平高校も公演後に演劇部の皆さんとの舞台見学が行われました。
「こういうふうになってるんですね。」「客席で見ているときは人形は怖かったけど、近くで見ると意外とかわいいですね。」
など、興味津々な様子で楽しんでくれていました。

旅は少し間を置いて一路岩手県へ。

西和賀高校
2014年の「ヘレン・ケラー」以来で5回目の風の上演でした。
全校生徒100人未満の客席は、まさにひとりひとりの顔が見える空間でした。
じっと集中して見ている生徒、友だちと笑い合いながら見ている生徒。そんな彼らを見守る様に見ている先生方。
そんな、あたたかな雰囲気の客席でした。







舞台撤去には、文化部の生徒の皆さんと飛び入りで野球部の生徒さんが手伝ってくれました。
元気な笑い声の響く、楽しい時間となりました。


集合写真を撮ったあとに、シャルル七世役の石岡和総に話を聞きたいと集まる生徒たち。

「生徒の人数は減ってしまいますが、生徒のために芸術鑑賞をこれからも続けていきたい。」
と、担当の先生が力強くおっしゃっていました。
また、お会いできることを願っています。


太田フレックス高校

2012年「Touch」以来3回目の風の上演でした。
定時と通信で単位制高校の昼間部の生徒の皆さんが鑑賞しました。
とてもリラックスした客席で、そこここで反応しながら見てくれていました。
カーテンコールでは生徒会長さんが「俳優の皆さんの表情や感情から色んなことを感じ、これが演劇なんだと思いました。」
と、自分の中で起こったことを素直に話してくれました。


公演後には、先生の呼びかけで集まってくれた生徒の皆さんと、舞台見学が行われました。







舞台見学後はそのままみんなと舞台撤去へ。40人ほどの生徒の皆さんが手伝ってくれました。
先生方も「まさかこんなに集まってくれるとは思っていませんでした。普段はおとなしい生徒もあんなに元気に。
きっと、それぞれに感じてくれたんですね。」と嬉しそうに話してくれていました。


東日本での巡回公演は今年が初めてとなる『ジャンヌ・ダルク』ですが、この4校の公演を終えた中でも
大きな手応えを感じています。
これから7月まで続く公演の旅。これからの出会いがとても楽しみです。
来週は栃木県へ向かいます。

文:佐藤勇太(伝令・死刑執行人役)