風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 最終週(第13週目)

2012-12-21 19:21:35 | 全国巡回公演
12月17日 佐賀清和中学・高校(佐賀県)
  18日 隼人工業高校(鹿児島県)
  19日 久留米工業高等専門学校(福岡県)



佐賀清和中学・高校

9月24日から始まった『Touch』の九州巡回公演も、いよいよ最終週となりました。

12月17日は風にとっても馴染みの深い佐賀清和中学・高校での公演でした。
佐賀清和での風の公演が8回目(!)ということもさることながら、『Touch』(改題前の『孤児たち』を含めて)の上演が4回目(!!)という全国でも唯一の学校です。


↑開演前の挨拶に立つ担当の田川先生、「風は佐賀清和にとって大切な劇団です。みなさんの先輩もみんなこの『Touch』を観てきました。一生懸命観て下さい。」嬉しい言葉です。

本番は、リラックスしつつ集中した客席とともに行われました。鏡のように自分を写しながら芝居を観ている、という公演でした。
鳴り止まない拍手と田川先生の号泣が印象深い公演でした。


↑後片付けの搬出を手伝ってくれた新体操部のみなさん。ストレッチのよう。さすがです。


↑片付けを手伝ってくれた女子バスケ部のみなさんと。


↑同じく演劇部のみなさんと。


↑同じく放送部のみなさんと。


↑4枚目の『Touch』の色紙を手に感慨深げな田川先生。5枚目も間近かもしれませんね!


隼人工業高校

3年前に『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演し、続けて風の『Touch』の公演となりました。
このステージが九州巡回公演の60ステージ目です。

「みなさんにとって大切なものを受け取って下さい」という校長先生の挨拶の言葉に始まり、先生方も一緒になって熱心に観てくれました。
みんなが楽しみに待ってくれていたことを端々で感じた公演でした。


↑朝から搬入を手伝ってくれた生徒たちに照明を吊すロープ降ろしの説明をする様子。




↑沢山の生徒たちが片付けを手伝ってくれました。


↑生徒を代表して色紙を受け取ってくれたオカモト君。


↑片付けを手伝ってくれたみなさんと記念の一枚。


久留米工業高等専門学校

いよいよ九州巡回公演の千秋楽です。
この公演は、学生会の学生たちが主催し、久留米高専で初めての演劇鑑賞行事でした。


↑開演前の体育館の様子。学生たちの興奮が伝わってくるようです。


↑同じく開演前の音響・照明オペレート席。

「一番寒い日に当たってしまいましたね」と担当の先生。
しかし本番は、千秋楽にふさわしい熱いものとなりました。
企画した学生会会長の竹之内君の「実現できて本当に良かった。実現できたことも、観たことも大きな宝物になるでしょう」という言葉は61回の九州巡回公演そのものを言い表しているようでした。


↑今ツアー最後のカーテンコール。


↑片付けを手伝ってくれた学生会のみなさん。公演を観ることが出来なかった4・5年生も駆けつけてくれました!


↑学生会のみなさんと。企画の立案から片付けまで本当に有り難うございました!


12月20日、一路東京へ。
来週24日~26日はいよいよレパートリーシアターKAZEでの凱旋公演です。24日はすでにソールドアウトとなっておりますが、みなさんのご来場をお待ちしています。


記:柳瀬 太一



Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第12週目

2012-12-15 13:51:54 | 全国巡回公演
12月10日 久留米筑水高校(福岡県)
  11日 北陵高校(佐賀県)
  12日 三池工業高校(福岡県)
  13日 頴娃高校(鹿児島県)
  14日 敬愛中学・高校(福岡県)



久留米筑水高校

今週のスタートは久留米の筑水高校からスタートしました!
トップの画像はカーテンコールの際に体育館の最後列から撮影したものですが、生徒たちは最初から最後まで笑いながら、驚きながら目の前の舞台にのめり込む様に鑑賞してくれました。

片付けの際には文化委員の生徒たちが手伝って下さいましたが、あとからあとから部活動の子達が駆けつけてくれたり、生徒も先生方も劇団員もワイワイと盛り上がりながら交流ができました!


↑上の写真は生徒会や文化委員の皆さんとの一枚。もっともっと沢山の生徒たちが手伝ってくれていたのですが、ちょっと撮るタイミングが遅れてしまいました。


北陵高校

佐賀県の北陵高校では学校としても初めての演劇鑑賞だったそうです。

朝、私たちが学校に着くと早速沢山の生徒たち、先生方が迎えてくれました。「これから何が起こるのか」…そんな皆さんの期待が伝わってきました。
『Touch』を子どもたちに見せたいという想いのもとで新たに企画をして頂き、担当の先生方にとっても大変なことがあったかと思いますが、生徒たちは公演を存分に楽しみ、体育館は大盛り上がりとなっていました。


↑公演中の盛り上がりはそのまま片付けの時間も続いていました。


↑最後に朝も公演後も手伝ってくれた皆さんと記念の一枚。今年の盛り上がりをきっかけに、是非また彼らに再会したいものです。


三池工業高校


↑三池工業高校は会館での公演でしたが、珍しい写真を一枚。

上の写真は開場前に行われている打ち合わせ風景、彼らはカーテンコールの際に生徒代表としてステージに登り花束を渡してくれます。舞台監督の佐田と進行の流れの確認などを行っています。


↑カーテンコールの様子。

本番のカーテンコールでは上演後の興奮に包まれるなかで彼らは見事大役を果たしてくれました。ありがとう!


頴娃高校

薩摩半島南部にある頴娃高校は今年のツアーの中で最も南にある学校です。
実はこの学校で風の上演は七回目となります。多くの先輩たちが観た風の舞台を今の頴娃高校生たちにも届けることができました。


↑上演後に急遽、「舞台を観たい」と訪ねてくれた男の子たち。フィリップ役の佐藤が彼らを案内しています。


↑ロビーではハロルドを演じた柳瀬との座談会も普段なかなか観ることのない舞台を体験した興奮が彼らから伝わってきます。

そしてこの日は九州の南から一気に北へと移動しました。


敬愛中学・高校

北九州の門司にある敬愛高校では、三年前にも『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演しましたが舞台となる会場は学校に隣接するお寺の講堂です。


↑私たちが朝着いた時の講堂内の風景。お仏壇の前のフロアにはいつもは椅子が並べられています。


↑床にはカーペットが敷かれ、どんどん機材が搬入されていきます。


↑そして全ての用意が整った開場前。一枚目の写真とは全く違う『Touch』のステージに変わりました。

この講堂は学校行事でもよく使うそうですが、様変わりした光景から入場した子供たちは次々に歓声をあげていました。

もちろん上演中も子供たちの興奮は続き、カーテンコールでは鳴りやまない拍手を送ってくれました!


↑片付けを手伝ってくれた生徒たちに記念の色紙をプレゼント。この時には僕らの舞台の痕跡は残っていませんが、きっと彼らの思い出の中に強く残ってくれたと思います。



さて、九月下旬から始まった『Touch』九州ツアーですが、本当に早いもので今年のツアーとして来週が最後の週となります。

毎週このブログの更新を楽しみにしている皆さんには、最後まで私たち『Touch』班と子どもたちとの出会いを楽しみながら見守って頂けたら幸いです。では、また!


佐野 準









Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第11週目

2012-12-11 01:36:45 | 全国巡回公演
『Touch~孤独から愛へ』の旅公演は、11週目を迎え53ステージを数えました!
12月に入ってから、気温が急激に寒くなりました。
寒い季節の厳しさを肌で感じ、人と人とのつながりを心で感じた一週間でした。


12月3日  若松商業高校  若松市民会館
   4日  若松高校    若松市民会館
   5日  古賀竟成館高校 古賀市中央公民館
   6日  大牟田高校   大牟田文化会館
   7日  福岡講倫館高校 ももちパレス

での公演でした!


<若松商業高校>


若松商業高校の公演では、若商河童せんべいを頂きました。
外はサクサク、中はふんわりと、とても美味しかったです。
劇団員一同、美味しく頂きました。ありがとうございます!
公演中は、客席から舞台に参加するような反応がみてとれて、
舞台と客席が一体となるようないい公演でした。
また、公演後のバックステージツアー&交流会では多くの生徒さんが参加してくれました。
舞台装置の上での明るい笑い声や、熱心に役者の話に耳を傾けていたりする、生徒さん達のさまざまな姿が印象的でした。


↑音響オペレーター酒見と生徒さん


↑照明オペレーター森本と生徒さん


↑若松商業の生徒さんと集合写真


<若松高校>

若松高校での公演は、開演前に芸術鑑賞担当の先生から
『表面的なつながりではいい人間関係は作れない。心の中の話をすること。』
とご挨拶を頂きました。
人と人とが出会い、心と心が響きあったとき、何が生み出されていくのか、考えさせられた公演でした。
公演中は生徒さんの真剣なまなざしが、劇場空間に凛とした空気を生み出していました。
公演後のカーテンコールでは代表の生徒さんから
『家族の絆と愛情を感じた。』
とお礼の言葉を頂きました。


↑若松高校の生徒さんたちと集合写真


<古賀竟成館高校>

古賀竟成館高校の公演では、ひとりひとりがさまざまな瞬間で、驚きながら楽しんでいるような公演でした。
本物の芸術に触れることで湧き上がってきたもの、それは人さまざまだと思いますが、
心の中に残ったものはあなただけの財産になるはずです。周りの友達や先生、家族のひと、大切な人と話してみて下さい。
新しい発見があるかもしれません。


↑カーテンコールでは綺麗な花束とお礼の言葉を頂きました。



↑生徒さん全員が『ありがとうございました!』と挨拶をして、熱い拍手を送ってくれました。


↑古賀竟成館高校の生徒さんと集合写真


<大牟田高校>

大牟田高校の公演では、大きな笑い声に包まれていて、とても楽しんでみていました。
俳優と観客が一体となり、お互いに演劇を楽しみあっていました。
互いに生まれてくる感覚を、味わい、確かめ合うような空間でした。
演劇ならではの時間を共に過ごせた、いい公演でした。


↑大牟田高校カーテンコール

<福岡講倫館高校>

福岡講倫館高校の公演は、ももちパレスで行われました。
ももちパレスは先月、一般公演を行った会館でもあります。
開演前に、担当の先生から
『一流のホールで一流の演劇をみて欲しい。世の中には見せかけの本物(実は金儲けのためにやっている)が多い。
そんな中から先生が選び、本物と信じた劇団です。』と紹介してくれました。
公演後、代表の生徒さんから
『トリートの気持ちが変わっていく姿に感動しました。高校生活において心に残った。』
とお礼の言葉を頂きました。


↑今公演のワンシーンを演じてくれました。


↑講倫館の生徒さんと一緒に。


Touchの旅はいよいよ師走に入り、九州地方を駆け回っています。
これからも寒さに負けず、サンタクロースのように、子供たちの記憶に残るプレゼントを届けていきます!

車 宗洸







Touch~孤独から愛へ レパートリーシアターKAZE凱旋公演

2012-12-08 11:48:39 | トピックス
 今年から演出・翻訳・キャスティングを新たにし現在も九州巡演中の『Touch』の凱旋公演を行います。
このブログやホームページの掲示板等をご覧いただいて楽しみにされている方も沢山いらっしゃるかと思いますが、年の始めに年間パンフレットで発表した日程から変更もありますので以下の詳細をご確認下さい。

レパートリーシアターKAZEの今年の芝居納めとなる三日間、皆さんの御来場を心よりお待ちしております。

東京演劇集団 風 レパートリーシアターKAZE凱旋公演
『Touch~孤独から愛へ』


作:ライル・ケスラー 演出:西垣耕造 翻訳:小田島恒志

出演:柳瀬太一/佐野準/佐藤勇太

日時:12月24日(月・祝)~26日(水) 平日7時/祝日2時開演

会場:レパートリーシアターKAZE

入場料:当日4000円 前売3800円 学生3300円[全席自由]



「Touch」(原題「ORPHANS(孤児たち)」)は、1985年にシカゴで上演され、オフブロードウェイで絶賛を浴び、1987年には映画化もされた作品。
 作者ライル・ケスラーは、ニューヨーク、ロスアンゼスを中心に、演劇の持つ創造性を使って、リスクを負っている子どもたち、精神治療を必要とする患者、ホームレスの人たちとのワークショップを30年以上に渡って行い、閉ざされた心を開いていく活動を実践しています。この作品も、そこでの経験を通じて描かれたものです。

 北フィラデルフィアのアパートの一室。アレルギーの発作でほとんど外に出られない弟フィリップと、不良の兄トリート、2人の孤児の兄弟が暮らしている。ある日、2人の前に現れた謎の紳士ハロルド。ハロルドは彼らを「デット・エンド・キッド(行き止まりの子どもたち)」と呼び、「元気づけてあげよう」と手を差し伸べる。次第に心を開いていくフィリップ、それとは対照的に触れ合いを拒絶するトリート。
 「孤児」である3人の出会いが、孤独を抱えながらも、真剣に相手と向き合うことで、新たな一歩を発見していく。

 東京演劇集団風は1991年に原題「孤児たち」でこの作品を初演しました。翌年1992年からは全国巡演公演を開始し、「Touch-触れること」に焦点をあて、『Touch~孤独から愛へ』とタイトルを変更し、今なお日本全国で巡演を行っています。


※レパートリーシアターKAZE の公演チケットは、電話予約(03-3363-3261) の他、FAX(03-3363-3265)、E-mail (info@kaze-net.org)、ホームページからのお申し込みを受付けています。

Touch~孤独から愛へ 2012秋 九州ツアー 第10週目

2012-12-02 15:34:57 | 全国巡回公演


『Toch~孤独から愛へ』の旅公演は、いよいよ2ケタ代に突入しました! 
福岡県2校、大分県、そして最後は鹿児島県。
4ステージ全てが学校内の体育館、アリーナでの公演でした。

11月27日 光陵高校
  29日 有明工業高等専門学校
  30日 日田三隈高校
12月1日 神村学園

9月下旬、道具や機材の搬入や搬出、舞台の設営などはTシャツ一枚で大汗をかきながら、そして出演者たちは滝のような汗を流しつつ舞台に立っていた頃から季節は移り、早いもので期末考査が終わる時期となりました。
本来ならば、すぐにでも授業を進めたいところわざわざ“芸術鑑賞”の時間を持つ。
一年間、または二年間、三年間に一回、しかもそのうちのたった2時間というほんの短い時間でしかありませんがこの時間を設けるための先生方のご尽力は並大抵ではない事、そしてここには、校長先生をはじめ多くの先生方の生徒さんたちに対する期待や希望、夢、愛情...たくさんの熱い思いが込められているという事をまた、ひしひしと感じさせてくれる一週間でした。


<光陵高校>
開校33年を記念しての公演でした。



↑7時という早朝にも関わらず私たちが学校に到着した時には、もうすでに軍手をはめた約30名もの有志の先生方が今か今かと待ちかまえていて、ものすごいチームワークで搬入を手伝って下さいました!
とても明るい溢れんばかりの先生方の笑顔に私たち、そして生徒さんたちと共に創り出す“時間と場”への期待感を感じ、身の引き締まる思いと一緒にたくさんのパワーと元気をいただきました。


そして終演後には、文化委員を中心に大勢の生徒さんたちが撤去のお手伝いに来てくれました。







<有明工業高等専門学校>
1年生から5年生までという幅を持った高専。
約1000人の学生さんたちで体育館はいっぱいになりました。
高専独特の雰囲気の中、後方の5年生まで終始舞台に集中し、真摯な眼差しを向けてくれていました。







↑公演後、見学を希望する生徒さんたちで埋め尽くされた舞台。







こちらも学生会の皆さんたちが撤去お手伝いをしてくれました。
こうした交流の場は私たちにとっても貴重な時間です。





<日田三隈高校>



↑カーテンコールで生徒会長さんから「愛には色んな形があるんだと思いました。」という言葉をもらいました。


そして、こちらではとっても嬉しい再会が待っていました!
6年前、在学中に風の『肝っ玉おっ母とその子供たち』を観たという演劇部OGの方が来てくれていたのです。



上の写真は現演劇部の生徒さんとの笑顔。
卒業してもずっと演劇部の応援に来ているそうです。
これも“色んな形の愛”のひとつですね。
素敵だなと思いました。




↑ボート部、バレー部、バスケ部の皆さんも元気いっぱいお手伝いしてくれました。



<神村学園>



↑初等部、中等部、高等部までの約1300名の生徒さんたちが校内のアリーナに集まりました。
こちらは何と‘風’の上演は1989年の『ハムレット』から数えて9回目になりました。
1万人以上の生徒さんたちとの出会いがあった事になります。
学校と劇団の歴史を感じながらの公演は、とても自由でのびのびとした感性に包まれていました。






終演後は中等部の弓道部、テニス部のみなさんが大人に比べてまだ少し小さい身体で差後の最後までいろいろなものに興味を持ちながら一生懸命手伝ってくれました。






人間の関係が希薄になってきていると言われて久しい現代。
人と人との出会いの様相がどんどんさま変わりをし、何の接点も持たない、ただの一度も接触した事すらない者同士でも簡単に知り合える。
気軽に、手軽に、その気になれば誰にでもできます。
この実体を伴わない関係や出会いの向こう側にあるものは、人と繋がりたいという思いとは裏腹の矛盾に満ちた深い孤独感。
しかし...だからこそと言うべきか、人が人を求める本質はどんな時代においても変わらないと思います。
生身の人間同士が出会っていくのは、ハロルドとトリートのようにそう簡単なことではないかも知れません。
でも“触れる”という行為を起こしてみた時、ハロルドとフィリップのようにそれは意外に簡単なことかも知れません。
一口に“出会い”と言ってもそれは様々、ひとつひとつは違ったもので特別なものです。
お互いの身体を通し、心が震える出会いの瞬間を共有できるそんな“時間と場”を残すところ2週間半、13ステージ、大事に創っていきたいと思っています。

凱旋公演もぜひお楽しみに!



仲村三千代