『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演も3週目を迎えました。
6月 6日 洛東高校(京都府)
8日 江津工業高校(島根県)
9日 鳥取城北高校(鳥取県)
10日 高知東工業高校(高知県)
の4ステージの公演となりました。
今週も沢山の新しい出会いや思いもかけない再会がありました!
洛東高校
洛東高校での風の公演は3度目となります。今回は19年振りの公演、なおかつ19年前と同じ『ヘレン』の上演です!
会場である滋賀県大津市、琵琶湖の辺りにある大津市民会館に到着した旅班を出迎えてくれたのは、近隣にある打出中学校の生徒さん達4名。前日と当日に職場体験学習ということで、市民会館での仕事を体験、また私達の公演のお手伝いをしてくれることになりました!
機材の搬入から設営、掃除や照明の調整の手伝いまで、ありとあらゆる仕事を劇団員と共に楽しみながら取り組んでくれました。
舞台セットのポンプを組み上げ、実際に水が出るか確認中・・・。
舞台上の掃除。釘やビスが落ちていないかも確認しています・・・。
舞台セット(私たちは二階屋と呼んでいます)も組み上げて、皆が乗っても大丈夫か確認中・・・?
皆さんのおかげもあり設営作業はスムーズに進んでいきました。中学生の皆さんの体験学習は15時までと決められていましたが、会館スタッフの方や先生方の配慮もあり、公演の最後まで観られることになりました!
さて、いよいよ開場時間。洛東高校の生徒さんが客席内に入っていきます。800名近い生徒の皆さんが集まり、今か今かと開演を待っています。勿論その中には打出中の生徒さんも。
開演前には芸術鑑賞ご担当の先生から「これから観る演劇を自分の糧にして欲しい」と生徒さん達に向けてメッセージ。洛東高校の3年生の皆さんは9月の文化祭で演劇の発表をするそうです。なので私たちの演劇を様々な視点から観てくれたのではないでしょうか。
そして、開演。スタートの音楽とともに客席からは拍手と大きな歓声が沸き起こります。そんな客席もいつの間にか舞台に集中し、物音一つ立たないような空間が出来上がります。
終演後にはとても綺麗な花束をいただきました。ありがとうございます!
また客席が明るくなると同時に中学生の皆さんは会場を後にします。でもその前にヘレンとアニーから記念のカードのプレゼント!旅班全員分の名前の入ったポストカードです。気に入ってもらえましたか?
その後呼び掛けに集まってくれた生徒さん達40名程の皆さんに向けて、バックステージツアー、そして座談会が行われました。
さっきまで俳優が立っていた舞台に上がり、さっきまで触ったり投げたりしていた小道具に直に触れています。
大道具の組み方も実際に見て、触れて仕組みを劇団員から熱心に聞いています。
座談会でも沢山の質問が飛び交いました。ヘレン役の稲葉が一つ一つ生徒さんに向けて回答しています。また、途中からはアニー役の渋谷やパーシー役の倉八が代わる代わる参加。座談会は大いに盛り上がりました。皆さんありがとうございました!
江津工業高校
洛東高校での公演を終えた旅班は島根県へ。次の公演は江津(ごうつ)工業高校での公演です。江津工業高校での公演は16年振り、2度目の公演です。当日の朝学校の体育館へ到着、設営準備に取り掛かろうとすると、体育館にいた有志の生徒さん達8名程の皆さんが私達を手伝ってくれました!朝のホームルームまでの短い時間でしたが、テキパキと、私達の指示を聞いてくれ、トラックから運び出される沢山のセットや機材を体育館の中に運び入れてくれました。本当にありがとうございました!
体育館は劇団員の手によりあっという間に舞台空間へと変わっています。まず目に飛び込んでくる大きな背景幕(ドロップ)、そしてグレー一色に染まった舞台装置、そして照明を吊るために立てられた足場。昨日までの体育館とは大違い。体育館に入ってきて生徒の皆さんはどう思ったのでしょうか?また当日は暑さも懸念されましたが、曇り空で風もあり、生徒の皆さんにとってはとても鑑賞しやすい環境となりました。
演劇を観る機会が少ない、とお聞きしていましたが、開場中も公演の間も、今目の前にあるもの、この体育館で行われているすべての事を真剣に、静かに鑑賞してくれているように思えました。休憩時間となった瞬間、自分の周りを見渡し、友達やクラスの皆の反応を伺っているのも印象に残りました。「自分が今観ているものは何だろう?」「観ながら感じたこの思いは何だろう?」そんな事を感じたのでしょうか?
カーテンコールではお礼の言葉と花束の贈り物が。素敵な等身大の言葉と花束をありがとうございました!
終演後には体育館の部活の生徒の皆さんが有志で私達の撤去作業を手伝ってくれました。
俳優やスタッフと公演の感想や高校生活や部活について様々話し合いながら、楽しく撤去作業を進めてくれました。重い物もニコニコしながらトラックへと運んでくれます。皆さん本当にパワフルです!
熱心に指示を聞きながら、でもカメラを向ければ皆さん素敵な笑顔を向けてくれたりと、公演を含め今日一日を心から楽しんでくれていたように思います。
最後に皆で記念写真!!皆さんお疲れ様でした!ありがとうございました!
・・・とその後に実は公演前からずっと気になっていたことが。実は江津工業高校の学区内には4年前に文化庁主催次代を担う子どもの文化芸術体験事業『星の王子さま』で公演をした江津市立青陵中学校があります。もしかしたら・・・と思いながら聞いてみました。
『青陵中学校で星の王子さまを観てませんか?』
すると3人の生徒さんが青陵中学校出身で公演を覚えていてくれました!自分達も舞台に参加した事、当時の先生方が出演した事など、沢山の事を私達に伝えてくれました。
今日が初めての出会いだと思っていたら、何と久し振りの再会となったわけです!話してくれた生徒さんだけではなく、きっと何人のも青陵中学校出身の生徒さん達は気付かないうちに私達との再会を果たしていたんですね。
旅班一同思いもよらないサプライズに、とても嬉しい気持ちになりました。今度は3回目、またどこかでお会い出来る日を楽しみにしています!
鳥取城北高校
島根県から日本海の風景や夕焼けを楽しみながら鳥取県へと移動。鳥取城北高校の公演です。3年前に『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』を公演していますので、3年ぶりの再会となります!会場のとりぎん文化会館梨花ホールに、学校からバスで移動してきた生徒の皆さんが続々と集まっていきます。約1000人もの生徒さんがホールに集結。それでもホールが大きいので1階席だけで全校生徒の皆さんが入り切りました。開演前の私達を迎えてくれる拍手の大きさにビックリしながらの開演となりました。
また、休憩後の2幕の開演でも同じ様に私達を拍手で迎えてくれます。そんな熱を持った客席も、次の瞬間からは真剣に舞台上の出来事に目を、耳を使って見入っていました。カーテンコールでは、「アニーの何事にも諦めない熱意に感動しました」と心からの言葉をいただきました。言葉も花束も、とても綺麗なプレゼントをありがとうございます!
終演後、開演前と同様にバスで続々と学校へと帰っていく生徒さん。最後の方まで残っていた皆さんは舞台撤去のスピードの早さに驚いているようでした。ホールの舞台上にはもう『ヘレン・ケラー』を上演した痕跡は何一つ残っていませんでしたからね。今日の公演は皆さんの思い出の中だけに残ります。また良かったら思い出してみて下さいね。
また終演後並行してアニー役の渋谷と新聞部の皆さんによる取材と、生徒会の皆さんたちとの座談会が開かれていました。始まる前から「聞きたいことが山ほどあります!」と楽屋口で生徒さんが口にしていたのを覚えています。最後に渋谷と記念撮影!さらに旅班ともトラックをバックに記念撮影!皆さんありがとうございました!
高知東工業高校
鳥取県から今度は日本海を離れて太平洋側、四国の高知県へと向かいます。鳥取から移動してそのまま学校へ。公演当日は11時開演なので、前日のうちに設営作業に取り掛かります。夜遅い時間までご担当の先生方が残って下さいました。遅くまでどうもありがとうございました。
また当日の午前中にも設営・調整の続きを行います。そんな中、体育館の隣りにあるプールでは体育の水泳の授業が。音を聞いているだけで、「良いなぁ・・・。」と旅班誰もが思っていたと思います。(私だけですか?)
開場中の体育館はとてもリラックスした皆さんの姿がありました。公演を「演劇ってどんなものなのだろう?」と楽しみにしていてくれていたのでしょうか。当日も暑さを心配する声もありましたが、風も吹いていて集中して鑑賞が出来ていたように感じます。
その頃の舞台裏。皆さんのそんな声を聞きながら、今日はどんな生徒さんたちとどんな出会いとなるか、どのような2時間を共に創るのか、数分後の出会いに向けて集中しています。
公演中も静かに、体育館全体が一つになるような、集中力を持って舞台を観ていてくれたように思います。
カーテンコールでは率直な感想と感謝の言葉をいただきました。本当にありがとうございます!
終演後は有志の生徒の皆さんが40名程!集まってくれました。皆さん、素直に、友達たちと楽しみながら、荷物をあっちからこっちへ運んだり、幕を畳んだり、重いセットも皆さんで協力してトラックに運んでくれました。
皆さんの協力でとても早く撤去作業を終わらせることが出来ました。本当にありがとう!
最後にはヘレン役の稲葉とアニー役の渋谷がお礼の挨拶。手伝ってくれた皆さんの輪になって、改めてそれぞれの顔を合わせます。そして学校宛に色紙のプレゼント!
そして記念撮影!
撮影が終わった後、稲葉や渋谷に駆け寄ってきて、公演の感想や質問を投げかけてくれる沢山の生徒さん達の姿が。
「もっと話したい」「もっと聞きたい」気持ちが皆さんから溢れてくるのをとても良く感じました!沢山の言葉を本当にありがとうございました。
無事に今週も4ステージを終え、多くの出会いと思いもかけない再会がありました。
一日一日公演を重ねていくことで、出会いがあり、そして別れがあります。でもその先には『またいつかどこかで会えるかもしれない』という願い、期待があります。
そんな新しい出会いとまだ見ぬ再会を信じて、これからの旅を続けていければ、と思います。
来週は、島根県浜田市からスタートです!
文:渡辺雄亮(音響)