風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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日々の出来事を速報!!

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 東日本ツアー 第5週目

2017-06-25 20:49:01 | 全国巡回公演
6月20日(火) [東京都] 富士見中学校 同校講堂
  21日(水) [神奈川県] 日本大学中学校 川崎市幸市民館 幸文化センター


富士見中学校
『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』5週目の公演は富士見中学校から始まりました。
富士見中学校では、2014年の『ヘレンケラーひびき合うものたち』以来2回目の公演でした。
前日の搬入から担当の教頭先生がずっと立ち会ってくれ、「東中野の劇場で見た『ジャンヌ・ダルク』を生徒たちがどう見てくれるか」と、楽しみにしてくれていました。
中学1年生のみの観劇でしたが、入場してくる生徒の皆さんの声からは舞台を心待ちにしている印象を受けました。
公演中は笑ったり、時に真剣に見たりとリラックスして思い思いに観劇してくれていました。
カーテンコールで挨拶してくれた生徒さんからは「舞台にどんどん飲み込まれました」と一緒にこの舞台を作ってくれていたと感じる言葉を貰いました。
終演後には事前に先生方の呼びかけで集まってくれた50人ほどの生徒さん達と舞台見学を行いました。
そのまま半分以上の生徒さんが舞台撤去にも参加してくれて、賑やかで楽しそうな声が講堂内に響いていました。
最後には興奮冷めやらぬ様子でトラックを見送ってくれました。










日本大学中学校
日本大学中学校では、2011年の「肝っ玉おっ母とその子供たち あとから生まれてくる人たちに」以来3回目の公演でした。
雨の中集まってきた生徒の皆さんも、公演が始まり、役者が入って来ると「なんだ、なんだ」や「やばー」といった反応をしていました。
「見る」、「聞く」ことを通して、疑問や興味を持った彼らの眼差しを舞台に立ちながら感じていました。
公演後、帰っていく生徒の皆さんや先生方の顔には笑顔が溢れていて、この2時間に何かの感触を受けてくれていると感じる瞬間でした。
6年前に『肝っ玉おっ母とその子供たち』を見たという先生から「とても楽しい時間でした。」という言葉も頂きました。







今週は中学校が2校と若い観客の見る力、聞く力をすごく感じられる公演でした。まだまだ『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の春のツアーは続いていきます。
梅雨の湿気にも負けず、未だ見ぬ生徒の皆さん、先生方との出会いを心待ちにしながら、この後の公演を楽しみに続けていきます。

シャルル7世役 石岡和総

2017『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー5週目

2017-06-24 11:31:25 | 全国巡回公演

6月19日(月)神戸女学院中学部・高等学部    西宮市民会館(アミティホール)
20日(火)岩美高等学校/青翔開智中学・高等学校   とりぎん文化会館(梨花ホール)
21日(水)網野高等学校   同校体育館
23日(金)米子松蔭高等学校   同校体育館

先週末の三国丘高校の公演でちょうど中日を迎えた『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本の旅。一日一日の公演の中でかけがえのない出会いを積み重ね、旅公演の喜びを一瞬一瞬感じながら、後半の旅に出発します!


神戸女学院中学部・高等学校


風の公演は初めての学校です。「生徒たちがとても楽しみにしています。」と担当の先生。私たちも昨年からとても楽しみにしていました!舞台の準備が整ったところへ、係の生徒さんたちが元気に入ってきました。会場準備から開会の挨拶まで視聴覚係の生徒さんたちがしっかりと進めていきます。大きな拍手で迎えてくれた神戸女学院の皆さんは、舞台の出来事に敏感に反応しながら2時間の舞台を共に生き生きと創り出してくれました。出来事を発見していく視線は柔軟で知的。
公演後は演劇部の生徒さんを中心に舞台裏見学と座談会を行いました。解体されていく舞台の仕組みに興味津々の生徒さんたち。質問の一つ一つから生徒さんたちの創造意欲が伝わってきました。交流の様子を見守るPTAの方々の温かい眼差しも印象的でした。


 



岩美高等学校/青翔開智中学・高校



鳥取県文化振興財団の主催公演です。私たちは今年の春、秋と 4回の公演でお世話になります。鳥取県ではこれまでも度々『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』や『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』の公演をさせていただいたり、劇団員の西垣が定期的にワークショップの講師で呼んでいただいたり風にとって繋がりの深い県です。
この日は4年ぶりに『ヘレン・ケラー』を再演する岩美高校と初めての公演となる青翔開智中学・高校が2校で一緒に観劇しました。
幕開きから最後まで生徒さんたちの視線は真剣で、深く人の心を見つめているようでした。
公演後の交流会では青翔開智中学・高校の生徒さんたちは興味津々であらゆる道具に触れている様子が印象的でした。また岩美高校の演劇部員の皆さんからは熱心な質問が尽きることなく、渋谷愛と私の他にも、音響の渡邉や照明の江田を巻き込んで盛り上がりました。

 

 

 






網野高等学校





日本海に面した京丹後市の学校です。先日の久美浜高校と近く、公演の評判も聞いていたのでとても楽しみに待っていてくれたそうです。
この日、午後の体育館は蒸し暑くなるだろうと風通しを良くし、学校では氷柱まで用意していました。いざ公演が始まると全く暑さを感じさせないほどの生徒さんたちの集中力でした。休憩を挟んでの二幕ではリラックスして笑い声や驚きのリアクションを返してくれました。
カーテンコールで「様々な苦しいことがあっても人と支え合って生きていきたい」と話してくれた生徒会長さんの率直な言葉、「今しかできないこと、感じられないことがある」という渋谷愛の舞台挨拶を目を輝かせて聞いている姿、本当に大切なことを見よう、聞こうとする生徒の皆さんから私たちも大切なものを受け取りました。
公演後は、文化祭で演劇発表をする2年生の生徒さん、演劇部員の皆さん、そして片付けを手伝ってくれた部活の皆さんと楽しい交流の場になりました。校門の外までバスを見送ってくれた皆さんの笑顔も乗せて次の公演地へ向かいます。

 

 

 

 

 




米子松蔭高等学校


鳥取県文化振興財団主催の公演で、今回は学校の体育館での公演です。野球部をはじめ部活動がとても盛んな学校というだけあって生徒の皆さんの挨拶が清々しく、前日の準備の時から「明日の演劇楽しみにしてます。頑張って下さい!」と声をかけてくれたり…仕込みにも気合いが入ります。
そして演劇部員の皆さんが道具の搬入を一緒に手伝ってくれました。週末には地区大会の発表を控えて自分たちのことで大変なはずですが、積極的に手伝ってくれた部員の皆さん。人のために行動する姿はとても素敵で、演劇部の活動の中で一人一人が輝いている様子が伝わってきました。

 




公演当日は晴天で暑くなりました。体育館の後側に舞台を組み、学校のステージ上も客席として使うほどの満席!生徒の皆さんの視線はとても真っ直ぐで、一人一人が自身の心の中にある何かと出会いながら舞台と向き合っていたのではないでしょうか。
公演後に廊下や体育館の周りですれ違う生徒さん、先生方が笑顔で公演の感想を伝えてくれたのも嬉しかったです。
片付けを手伝ってくれたクラスの皆さんもありがとうございました!

 

 






先週まで意外と涼しい日が続いていましたが、いよいよ夏が来る気配です。
私は今こうして毎日10代の若い人たちと心で出会い、言葉を交わせることがとても幸せだと感じます。全国各地で子どもたちのために一緒になって公演の場を創って下さる方々と知り合えることも。
旅後半、ますます元気に一緒に旅する仲間と、良い公演を創っていきたいと思います!

ヘレン・ケラー役 稲葉礼恵


2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第4週目

2017-06-22 16:51:18 | 全国巡回公演

6月12日(月) [福島県]喜多方東高等学校・同校体育館

   13日(火) [群馬県]明和県央高等学校・群馬音楽センター

   14日(水) [茨城県]太田第二高等学校・同校体育館

   15日(木) [長野県]小海高等学校・同校体育館

   16日(金) [神奈川県]桐蔭学園シンフォニーホール

   17日(土) [東京都]田園調布学園中等部・同校講堂

 『ジャンヌ・ダルク ジャンヌと炎』東日本ツアーも中盤戦、今週は6ステージの公演でした。

 喜多方東高等学校

3年前の『ハムレット』に続いての上演です。開演前に校長先生がジャンヌについて、大学時代にモノクロサイレント映画『裁かるるジャンヌ』をご覧になった思い出を話してくださいました。ご担当の演劇部の先生は、高校演劇の大会なども通じて劇団のことをよく理解してくださっていて、演劇部の生徒さんたちは仕込みのお手伝い、見学、本番、座談会と一日中、私たちと一緒に過ごすこととなりました。

さて、開演と同時に客席にはあふれる笑顔、瞬間瞬間に起こる屈託ない笑い声、しーんと静まる集中力、客席とともに呼吸をしたと感じられる空間でした。

撤去作業にはバレー部とバスケット部が手伝ってくれました。明るくて元気でチームワークよく、4時半に撤去終了。ご担当の先生が朝から終了まで、細やかな目配りで尽力してくださったおかげで、生徒の皆さんと充実した一日を過ごすことができました。

涼しくて爽やかな一日でした。

 

明和県央高校

3年前に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を体育館で上演した学校です。今回は群馬音楽センターにて。

開演前に校長先生から、「自分の目で見て、感じて、今日の時間を充分に楽しんでください」とご挨拶がありました。

大きな会場の客席入り口から登場するプロローグ、みんな笑顔で迎えてくれました。

終演後は、ご担当の先生が、熱のこもった率直な感想を述べてくれました。

印象的だったのは、農民の娘である少女ジャンヌが勇気と信念を持って人々の心を動かし、フランスを救ったというこの物語から、そして今日の舞台から、〝生きる〟ということについて考えて欲しいと話されたことでした。続いて、演劇部の部長さんが、プロの演劇を観て感じた感想を細部にわたり話してくださり、お礼の言葉を述べてくれました。

 

太田第二高校

開演前に校長先生が「演劇は、非日常の空間に身を置きます。テレビで演劇を観ても、カメラマンの主観によって切り取られた映像です。ぜひ今日は、自分の目で見て、感じて、非日常の空間を楽しんでください」と話され、とってもノリノリ、元気な客席でした!

開演前に撤収作業のお手伝いを募る呼びかけがありましたが、舞台で会話できた証でしょうか、多くの生徒さんが積極的に手伝ってくださって、あっという間にもとの体育館に戻ってしまいました。

演劇部の生徒さんはジャンヌ役の白根と座談会。帰り際には、出演者それぞれにサインを求める姿が印象的でした。

……実は3年前の『ハムレット』を観た女子生徒さんが、舞台の魅力に惹かれ、照明家になりたいとの夢を抱き、照明デザイナー坂野氏に相談し、今年この学校を卒業し、東京の専門学校に通っています。今回の母校公演に駆けつけ、仕込み・本番・撤去を手伝ってくれました。演劇という生きた総合芸術を観ることによって、視野が開かれ、自分のやりたいことが見えた、というのは嬉しいことですね。後輩にも、その姿がまぶしく映ったことでしょう。

 

小海高等学校

山の緑のなか、涼しい風と鳥の合唱が気持ちいいところです。

舞台は温かい拍手で始まり、反応からは楽しんで観てくれている様子が感じられました。しかし、水を打ったようにしーんと集中してくれている瞬間が何度もあり、ひとりひとりの中に、何が起こっているのだろうと、こちらも緊張感を増します。

シャルルが「ジャンヌが捕虜になった」ことを悟るシーンでは、張り詰めた空気を一緒につくり出し、次のシーンのジャンヌの姿を、共に導き出した気がしました。

そしてカーテンコールでは、みんなが出演者に熱い視線を注いでくれるなか、生徒会長さんが率直な感想を述べてくださいました。舞台撤去は、演劇班の皆さんがとても機敏に動いてくれてスムーズに進みました。最後のお別れでは、涙ぐんでくれる姿が見られ、ひとつの出会いが生まれたなぁ、これを育んでいきたいと思いました。

校長先生は学校のホームページ担当だそうで、スピーディな対応でトピックスが更新されていました!

 

桐蔭学園シンフォニーホール

桐蔭学園には4階席まである客席数1700のシンフォニーホールがあり、音楽・演劇・映画・古典芸能・講演会と、すごい稼働率で、専属のスタッフのもと、生徒の皆さんに芸術鑑賞の機会を提供しています。

私たちも『星の王子さま』『Touch~孤独から愛へ』『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』と上演させていただき、今回の『ジャンヌ・ダルク』は、高校男子部・女子部と中等教育学校後期、それぞれの希望者と、友の会の皆さんが鑑賞されました。

日頃から芸術に触れている皆さんは、とてもリラックスして楽しんで観てくれているようでしたし、カーテンコールでは、力強い拍手をいただきました。

当日の写真も、学園のFaceBookにさっそくアップされていました。

 

田園調布学園中等部12年生

この学校の講堂では、2011年・13年に『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、15年に『ヘレン・ケラー』と、2年ごとに上演させていただいています。レパートリーシアターKAZEに何度も観に来てくださっているご担当の先生も、楽しみに待っていてくださいました。

つい3カ月前まで小学生だった中学生の女の子たちの可愛らしい笑い声が何度も響き、舞台で行われている所作を真似したりと、夢中になって観てくれていました。

終演後には、ポロポロ涙を流している子も見かけました。ジャンヌ役の白根と希望者による座談会が行われ、撤収作業には、以前に『肝っ玉』を観ている高校生が大勢、お手伝いに来てくださいました。地下2階にある講堂ですが、積極的に動いてくれたおかげで、予想より早く片付けが終わりました。

ご担当の先生だけでなく校長先生も、私たちが学校をあとにするまで残ってくださり、ご挨拶をいただきました。学園のホームページには、その日のうちに「ジャンヌ・ダルクとお話できた!」のタイトルで、トピックスが掲載されていました。

 

ひとりひとりの若い観客の中に、何某かのかけらを残したい、そのかけらが、いつか芽吹く時を願って、日々を送っています。そこに期待してご尽力くださるご担当の先生方との出会いを大切にしたいと思います。この1週間、校長先生のお話の中に、新たな発見や、生徒の皆さんへの愛情がひしひしと感じられたことが、印象的でした。

またいつか、お目にかかった先生方、生徒の皆さんと、再会できたら嬉しいです!

文:ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役 木村奈津子


2017『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第4週目

2017-06-18 20:56:23 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演も4週目を迎えました。

6月12日 島根県 浜田高校  石央文化ホール
  13日 島根県 松江東高校 島根県民会館
  14日 京都府 久美浜高校 同校体育館
  16日 大阪府 三国丘高校 国際障害者交流センター


浜田高校



浜田高校は2014年にジャンヌ・ダルクを上演し、3年ぶりの再会となりました。
開演前に担当の先生から「テレビで映像を見ることと目の前で人が演じることの違いはなんでしょうか?」という質問がありました。
「映像は目と耳を使います。演劇は目と耳以外に人の熱を皮膚で感じたり、ニオイも感じるかもしれません、つまり人間の五感をより使います。今日は五感を使って楽しんでほしい、そして今日感じたことを忘れずに大切にしてください。」とメッセージが投げかけられました。

その期待に応えるように大きな拍手の中でヘレン・ケラーの開演です。
とても集中して、じっくりと味わうようにみている姿が印象的でした。



カーテンコールでは生徒会長の生徒さんから「今回の舞台をきっかけに芸術に触れていきましょう、今回の舞台は生徒1人1人にとって高校生活の良い思い出になったと思います。」という力強いメッセージをくれました。みなさんのこれからの高校生活、そしてその先までも力になってくれれば嬉しいです。







終演後には演劇部の皆さんと舞台見学、座談会が行われました。
また会える日を楽しみにしています。

松江東高校



松江東高校は2011年にヘレン・ケラーを上演し、6年ぶりの上演となりました。
開演前にはとても元気な袖にいるので私たちに聞こえてきました。これからどんな2時間になるのか役者たちも緊張感と楽しみを持ちながら開演を待ちます。生徒さんのアナウンスで開演となりました。
開演すると開演前の盛り上がりから少しずつ集中していき、空間が変わっていくのがよくわかります。
きっと様々な思いを馳せながら見てくれていたと思います。





カーテンコールでは生徒会長の生徒さんが「自分たちはこれから障害を持った人や、様々な人と出会うかもしれません。アニーの姿を見て、逃げずに挑戦していく大事さを感じました。」と熱いメッセージをくれました。
終演後にはいろいろな部活の生徒さんと舞台見学、座談会が行われ、舞台の仕組みや今まで自分たちが見ていたものに触れ、驚き、そこから会話が生まれていきます。
舞台のことからなぜ演劇の道に進んだのか?進路についての自身の思うこと、悩みなど、話していく中でたくさんの質問が出てきました。普段なかなか話すことが出来ないことも劇場という空間が背中を押してくれるのかもしれません。
1つ1つがみなさんの力に繋がるよう願っています。








久美浜高校



久美浜高校は久しぶりの上演となりました。
午前中に体育館で舞台の設営をしていると、体育館を通り過ぎる生徒さんからいつもと違う様子に驚きの声がたくさん聞こえてきました。
開演前に校長先生からは「24年前に風の皆さんは久美浜高校の体育館で上演しました。ステージではなく、フロアに組まれた舞台をみて思い出しました。このフロアに組んである一体感を感じてほしい、秋にはみなさん演劇の発表があるのでその点でもたくさん吸収してほしい。みんなで楽しみましょう。」とメッセージが送られました。
開演するとみなさんとてもリラックスして舞台を見てくれていました。となりにいる友だちと舞台の出来事を話したり、笑い、時に雰囲気が変わり、引き締まるといった2時間の時間を過ごす中で様々なことを見て、感じてくれたのが舞台にいる私たちにもしっかりと伝わってくるのがわかりました。
秋には演劇の発表もあるということなので、今回の舞台が皆さんの良い刺激になってくれればと思います。









舞台の撤去作業や見学にたくさんの生徒さんが参加してくれました。




三国丘高校



三国丘高校は初の上演でした。
三国丘高校では3年生が先日、文化発表会で演劇を上演し、今回の芸術鑑賞会が行われました。
校長先生から「芸術鑑賞を通して本物の芸術を感じ、自分たちの力にしてほしい。」とメッセージが送られました。
そのメッセージに応えるように生徒さんたちがヘレン・ケラーの舞台からたくさんのことを感じてくれたのがわかる2時間でした。終演後には、先生の呼びかけでたくさんの生徒さんが残り舞台見学、座談会が行われました。
皆さん積極的に舞台や小道具に触れ、役者に話す姿を見ると2時間の本番のなかで彼ら彼女らが感じたものをもっと自身に繋げていきたいという気持ちが伝わってきます。











ヘレンケラーのツアーは今週で中日を迎えました、来週からは後半に入っていきます。
1つ1つが生徒さん、先生方の新たな発見の場、自身や互いの新しい一面を発見し、力になっていく、そんな時間をつくり続けていきたいと思います。

ジェイムス・ケラー役 中村滋



2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第3週目

2017-06-11 16:22:53 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演も3週目を迎えました。

6月 6日 洛東高校(京都府)
8日 江津工業高校(島根県)
9日 鳥取城北高校(鳥取県)
10日 高知東工業高校(高知県)

の4ステージの公演となりました。
今週も沢山の新しい出会いや思いもかけない再会がありました!

洛東高校

洛東高校での風の公演は3度目となります。今回は19年振りの公演、なおかつ19年前と同じ『ヘレン』の上演です!
会場である滋賀県大津市、琵琶湖の辺りにある大津市民会館に到着した旅班を出迎えてくれたのは、近隣にある打出中学校の生徒さん達4名。前日と当日に職場体験学習ということで、市民会館での仕事を体験、また私達の公演のお手伝いをしてくれることになりました!
機材の搬入から設営、掃除や照明の調整の手伝いまで、ありとあらゆる仕事を劇団員と共に楽しみながら取り組んでくれました。



舞台セットのポンプを組み上げ、実際に水が出るか確認中・・・。



舞台上の掃除。釘やビスが落ちていないかも確認しています・・・。



舞台セット(私たちは二階屋と呼んでいます)も組み上げて、皆が乗っても大丈夫か確認中・・・?

皆さんのおかげもあり設営作業はスムーズに進んでいきました。中学生の皆さんの体験学習は15時までと決められていましたが、会館スタッフの方や先生方の配慮もあり、公演の最後まで観られることになりました!
さて、いよいよ開場時間。洛東高校の生徒さんが客席内に入っていきます。800名近い生徒の皆さんが集まり、今か今かと開演を待っています。勿論その中には打出中の生徒さんも。
開演前には芸術鑑賞ご担当の先生から「これから観る演劇を自分の糧にして欲しい」と生徒さん達に向けてメッセージ。洛東高校の3年生の皆さんは9月の文化祭で演劇の発表をするそうです。なので私たちの演劇を様々な視点から観てくれたのではないでしょうか。
そして、開演。スタートの音楽とともに客席からは拍手と大きな歓声が沸き起こります。そんな客席もいつの間にか舞台に集中し、物音一つ立たないような空間が出来上がります。



終演後にはとても綺麗な花束をいただきました。ありがとうございます!
また客席が明るくなると同時に中学生の皆さんは会場を後にします。でもその前にヘレンとアニーから記念のカードのプレゼント!旅班全員分の名前の入ったポストカードです。気に入ってもらえましたか?

その後呼び掛けに集まってくれた生徒さん達40名程の皆さんに向けて、バックステージツアー、そして座談会が行われました。



さっきまで俳優が立っていた舞台に上がり、さっきまで触ったり投げたりしていた小道具に直に触れています。





大道具の組み方も実際に見て、触れて仕組みを劇団員から熱心に聞いています。



座談会でも沢山の質問が飛び交いました。ヘレン役の稲葉が一つ一つ生徒さんに向けて回答しています。また、途中からはアニー役の渋谷やパーシー役の倉八が代わる代わる参加。座談会は大いに盛り上がりました。皆さんありがとうございました!

江津工業高校

洛東高校での公演を終えた旅班は島根県へ。次の公演は江津(ごうつ)工業高校での公演です。江津工業高校での公演は16年振り、2度目の公演です。当日の朝学校の体育館へ到着、設営準備に取り掛かろうとすると、体育館にいた有志の生徒さん達8名程の皆さんが私達を手伝ってくれました!朝のホームルームまでの短い時間でしたが、テキパキと、私達の指示を聞いてくれ、トラックから運び出される沢山のセットや機材を体育館の中に運び入れてくれました。本当にありがとうございました!





体育館は劇団員の手によりあっという間に舞台空間へと変わっています。まず目に飛び込んでくる大きな背景幕(ドロップ)、そしてグレー一色に染まった舞台装置、そして照明を吊るために立てられた足場。昨日までの体育館とは大違い。体育館に入ってきて生徒の皆さんはどう思ったのでしょうか?また当日は暑さも懸念されましたが、曇り空で風もあり、生徒の皆さんにとってはとても鑑賞しやすい環境となりました。
演劇を観る機会が少ない、とお聞きしていましたが、開場中も公演の間も、今目の前にあるもの、この体育館で行われているすべての事を真剣に、静かに鑑賞してくれているように思えました。休憩時間となった瞬間、自分の周りを見渡し、友達やクラスの皆の反応を伺っているのも印象に残りました。「自分が今観ているものは何だろう?」「観ながら感じたこの思いは何だろう?」そんな事を感じたのでしょうか?





カーテンコールではお礼の言葉と花束の贈り物が。素敵な等身大の言葉と花束をありがとうございました!

終演後には体育館の部活の生徒の皆さんが有志で私達の撤去作業を手伝ってくれました。
俳優やスタッフと公演の感想や高校生活や部活について様々話し合いながら、楽しく撤去作業を進めてくれました。重い物もニコニコしながらトラックへと運んでくれます。皆さん本当にパワフルです!
熱心に指示を聞きながら、でもカメラを向ければ皆さん素敵な笑顔を向けてくれたりと、公演を含め今日一日を心から楽しんでくれていたように思います。











最後に皆で記念写真!!皆さんお疲れ様でした!ありがとうございました!

・・・とその後に実は公演前からずっと気になっていたことが。実は江津工業高校の学区内には4年前に文化庁主催次代を担う子どもの文化芸術体験事業『星の王子さま』で公演をした江津市立青陵中学校があります。もしかしたら・・・と思いながら聞いてみました。
『青陵中学校で星の王子さまを観てませんか?』
すると3人の生徒さんが青陵中学校出身で公演を覚えていてくれました!自分達も舞台に参加した事、当時の先生方が出演した事など、沢山の事を私達に伝えてくれました。
今日が初めての出会いだと思っていたら、何と久し振りの再会となったわけです!話してくれた生徒さんだけではなく、きっと何人のも青陵中学校出身の生徒さん達は気付かないうちに私達との再会を果たしていたんですね。
旅班一同思いもよらないサプライズに、とても嬉しい気持ちになりました。今度は3回目、またどこかでお会い出来る日を楽しみにしています!

鳥取城北高校

島根県から日本海の風景や夕焼けを楽しみながら鳥取県へと移動。鳥取城北高校の公演です。3年前に『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』を公演していますので、3年ぶりの再会となります!会場のとりぎん文化会館梨花ホールに、学校からバスで移動してきた生徒の皆さんが続々と集まっていきます。約1000人もの生徒さんがホールに集結。それでもホールが大きいので1階席だけで全校生徒の皆さんが入り切りました。開演前の私達を迎えてくれる拍手の大きさにビックリしながらの開演となりました。





また、休憩後の2幕の開演でも同じ様に私達を拍手で迎えてくれます。そんな熱を持った客席も、次の瞬間からは真剣に舞台上の出来事に目を、耳を使って見入っていました。カーテンコールでは、「アニーの何事にも諦めない熱意に感動しました」と心からの言葉をいただきました。言葉も花束も、とても綺麗なプレゼントをありがとうございます!





終演後、開演前と同様にバスで続々と学校へと帰っていく生徒さん。最後の方まで残っていた皆さんは舞台撤去のスピードの早さに驚いているようでした。ホールの舞台上にはもう『ヘレン・ケラー』を上演した痕跡は何一つ残っていませんでしたからね。今日の公演は皆さんの思い出の中だけに残ります。また良かったら思い出してみて下さいね。
また終演後並行してアニー役の渋谷と新聞部の皆さんによる取材と、生徒会の皆さんたちとの座談会が開かれていました。始まる前から「聞きたいことが山ほどあります!」と楽屋口で生徒さんが口にしていたのを覚えています。最後に渋谷と記念撮影!さらに旅班ともトラックをバックに記念撮影!皆さんありがとうございました!

高知東工業高校

鳥取県から今度は日本海を離れて太平洋側、四国の高知県へと向かいます。鳥取から移動してそのまま学校へ。公演当日は11時開演なので、前日のうちに設営作業に取り掛かります。夜遅い時間までご担当の先生方が残って下さいました。遅くまでどうもありがとうございました。
また当日の午前中にも設営・調整の続きを行います。そんな中、体育館の隣りにあるプールでは体育の水泳の授業が。音を聞いているだけで、「良いなぁ・・・。」と旅班誰もが思っていたと思います。(私だけですか?)





開場中の体育館はとてもリラックスした皆さんの姿がありました。公演を「演劇ってどんなものなのだろう?」と楽しみにしていてくれていたのでしょうか。当日も暑さを心配する声もありましたが、風も吹いていて集中して鑑賞が出来ていたように感じます。



その頃の舞台裏。皆さんのそんな声を聞きながら、今日はどんな生徒さんたちとどんな出会いとなるか、どのような2時間を共に創るのか、数分後の出会いに向けて集中しています。



公演中も静かに、体育館全体が一つになるような、集中力を持って舞台を観ていてくれたように思います。
カーテンコールでは率直な感想と感謝の言葉をいただきました。本当にありがとうございます!
終演後は有志の生徒の皆さんが40名程!集まってくれました。皆さん、素直に、友達たちと楽しみながら、荷物をあっちからこっちへ運んだり、幕を畳んだり、重いセットも皆さんで協力してトラックに運んでくれました。







皆さんの協力でとても早く撤去作業を終わらせることが出来ました。本当にありがとう!
最後にはヘレン役の稲葉とアニー役の渋谷がお礼の挨拶。手伝ってくれた皆さんの輪になって、改めてそれぞれの顔を合わせます。そして学校宛に色紙のプレゼント!
そして記念撮影!

撮影が終わった後、稲葉や渋谷に駆け寄ってきて、公演の感想や質問を投げかけてくれる沢山の生徒さん達の姿が。
「もっと話したい」「もっと聞きたい」気持ちが皆さんから溢れてくるのをとても良く感じました!沢山の言葉を本当にありがとうございました。






無事に今週も4ステージを終え、多くの出会いと思いもかけない再会がありました。
一日一日公演を重ねていくことで、出会いがあり、そして別れがあります。でもその先には『またいつかどこかで会えるかもしれない』という願い、期待があります。
そんな新しい出会いとまだ見ぬ再会を信じて、これからの旅を続けていければ、と思います。
来週は、島根県浜田市からスタートです!

文:渡辺雄亮(音響)


2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第3週目

2017-06-11 11:39:47 | 全国巡回公演
6月6日(火) [埼玉県]開智学園開智中学校・春日部市民会館
  7日(水) [石川県]大聖寺高校・加賀市文化会館
  8日(木) [石川県]金沢泉丘高校・金沢歌劇座
  9日(金) [石川県]金沢商業高校/金沢二水高校・金沢歌劇座


開智学園開智中学校
 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の3週目は、開智学園開智中学校の公演から始まりました。こちらの学校では、『星の王子さま』『Touch 孤独から愛へ』『肝っ玉おっ母とその子供たち あとから生まれてくる人たちに』を2回、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の上演と、2005年から風のレパートリー作品を上演しています。
 今回は中学1,2年生が観劇しました。今春のツアーで中学生が見るのは初めてとなります。客席後方から登場してくる役者たちに、「え?」「何?」と不思議そうに笑顔で迎えてくれた生徒さんたち。芝居が進むなかでもその感触を残しながら、興味深い眼差しを持って見てくれました。






公演後には40人〜50人の生徒さんが集まりバックステージと座談会が行われました。

この学校では、毎年中学2年生が文化祭でクラスごと演劇を発表しているそうです。しかも15分間という時間枠の中での上演で、自分たちで全てを構成して作品を創り上げていくのは容易なことではありません。座談会では「台詞はどう覚えるのか」「役をどうつくっていくのか」など、次々と質問が出てきました。演劇をつくることでクラスの仲間と一緒に、自分たちにとって大事なことを見つけていってほしいと思います。
 
このあと旅班は、埼玉・春日部市から石川県・加賀市へと一気に向かいました。


大聖寺高校

 石川県内では、石川県高等学校文化連盟文化教室が数十年に渡って実施されているそうです。子どもたちの感性を育てていく大事な行事として小学校、中学校でも文化教室があり、高校では演劇と音楽を隔年ごと行っています。今回の『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』では、加賀市内と金沢市内の高校生のみなさんが観劇します。
 最初の公演は、昔ながらの温泉街が残る加賀市・大聖寺高校。
 「この作品を描いた方は、みなさんに何かを感じてほしいと『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』を描かれました。その思いを劇団の方たちが伝えてくれます。みなさんも精一杯自分の身体を使って受けとめてください」生徒さんたちを優しく促すように語る教頭先生の挨拶とともに公演が始まりました。
演出 浅野佳成の呼びかけに作家マテイ・ヴィスニユックが「日本の若い観客のために」と書き下ろし、上演されてきた風のレパートリー。初めての地で生徒さんたちがどのように見てくれるのか気持ちが引き締まります。
 舞台を見る生徒さんたちのまなざしはとても熱く、そしてとても真剣でした。最初から最後まで刻々に舞台を見つめ、“いま”という時に向き合う生徒さんたちの姿があったように思います。公演後、生徒会長さんが「ジャンヌが貫き通した信念はすごいと思いました。マテイさんの〈人は小さくとも心に炎をともしている〉という言葉を忘れないでいたいと思いました」と感想を話してくれました。
私たちも、生徒さんたちが2時間という時間の中で少しでも感じたこと、疑問に思ったこと、自分の中に起こっていることを大事にしてほしいと思いながら舞台に立っています。生徒会長さんが一生懸命に、そしてまっすぐな目で話してくれた言葉は、私たちの心にも響いてきました。ありがとうございました。


金沢泉丘高校

 きれいな町並み、様々な文化財のなかにある金沢歌劇座で、2日間金沢市内3校の公演が行われました。最初は金沢泉丘高校の公演です。
2000人程の大ホールで1階に2,3年生、かなり高い2階に1年生と1200人の生徒さんが観劇。この空間で生徒さんとどんなふうに舞台を創っていけるか、どのように伝わっていくのか楽しみです。





時折笑ったり、芝居のことを話してみたりしながらも、舞台に注がれる眼差しは集中していました。後半に向かうにつれその眼差しは高まり、日常とは違う時間の流れの中で、立ち止まったり、疑問に思ったり、一人ひとりが舞台を通して何かに向かっているような印象が残る公演でした。



公演後には、新聞部1年生のみなさんによるインタビューがありました。



金沢商業高校

金沢商業高校は午前中の公演でした。開演前から会場には元気な声で溢れていました。
が、校長先生の挨拶に客席は一気に集中、社会科で歴史を教えていたという先生が、ジャンヌ・ダルクが生きた時代を分かりやすく説明してくださり、生徒のみなさんに「力強く受けとめてください」という言葉がとても印象的でした。
先生の言葉に反応するかのように元気なみなさんの身体からは、見ようとするエネルギーがとてもよく伝わってきました。舞台と客席が互いに創ろうとする感触があり、生徒さんの集中した姿は最後まで途切れることがありませんでした。
カーテンコールで「生の演劇に触れる機会がない自分たちに、今日は素晴らしい劇をありがとうございました。また、金沢商業に見せに来てください」と生徒会長さんから嬉しい挨拶をいただきました。生徒さんたちの姿に校長先生も喜んでいたようです。





演劇部と希望者の生徒さんたちとの座談会。午前と午後の公演の間の短い時間でしたが、一人ひとりがジャンヌ役の白根に質問や感想を話してくれました。
時間が無く途中で帰られた希望者の生徒さんもいました。

金沢二水高校

午後の公演は金沢二水高校。この公演でも2階席まで生徒さんが入りました。
集中した眼差しのなか、場面ごと変化しながらともに舞台が創られていきました。
後半にはジャンヌのことを語る役者の言葉、態度、ジャンヌの声ひとつひとつのことをそれぞれが考えながら見ているようでした。

演劇部と新聞部のみなさんによるバックステージ。





新聞部のみなさんによるインタビュー。公演後、明かりや音の作り方、また衣裳などスタッフの仕事に興味が湧き、照明、音響オペレータにもインタビューがありました。
演劇部のみなさんも加わって座談会も行われ、演劇をつくることについての率直な質問で話は尽きません。また、2階で見ていた1年生の生徒さんが、1階の生徒さんたちがとてもよく見ていてびっくりしたなど、生徒さん同士、先生方にもこれまでとは違う生徒さんの姿があったのではないでしょうか。





一気に駆け抜けた一週間でしたが、生徒さん一人ひとりの強いまなざしとともに創り上げた公演でした。そして、演劇を通して彼らが自身と出会うことを願い、支える先生方の姿がありました。
まだまだ続く公演の中で、生徒たちの新たな発見となり生きていく力となるよう、一回一回の公演に向かいます。

文:工藤順子(召使い・イザボー王妃役)

2017年『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』東日本ツアー 第2週目

2017-06-11 10:09:43 | 全国巡回公演
今週は、
5月30日 文星芸術大学附属高校
6月1日 午前 鹿沼東高校
      午後 鹿沼高校
  2日 午前 鹿沼南高校
      午後 鹿沼商工高校
  3日 つくば国際大学東風高校

の公演です。

文星芸術大学附属高校
今週のスタートを切ったのは、宇都宮市文化会館での、文星芸術大学附属高校の公演です。
1000人を超える大規模校ですから、劇団のメンバーも、出会いを期待しつつ、少し緊張があるようです。生徒のほとんどが、男子でしたが、若干の女生徒もいるのが分かりました。1000人の生徒が、1箇所に集まると、どうなるかと様々に思いを巡らせましたが、そのエネルギーは、舞台に向けられ、舞台上の出来事に対して、真剣に向き合う生徒の姿が印象的でした。






終演後、当日の呼びかけにもかかわらず、たくさんの生徒たちがバックステージツアーに参加してくれました。
それぞれに興味を持ったものをじっくりと見ていました。


鹿沼市合同芸術鑑賞会
6月1日と2日は、鹿沼市の4校の高校の、合同公演です。
鹿沼市民文化センターで、1日の午前が鹿沼東高校、午後が鹿沼高校。2日の午前が鹿沼南高校、午後が鹿沼商工高校の公演です。
私たちは、全国を旅公演していて、その土地特有の人々の感触があります。
しかし、同じ土地、同じ地域でも、それぞれの学校、生徒個別に観劇するときの反応が違うのも確かです。
鹿沼では、どんな合同公演になるか、劇団のメンバーは皆、楽しみに向かいました。
公演が進んでいき、まず気付いたのは、演劇鑑賞行事の担当をされている先生方が、他校の担当の先生としっかり連携が取れているところでした。このことは、簡単なことではないように思います。公演が終わると担当の先生は、次の上演校の先生に、どんな演劇だったか、生徒たちの中に何が起きていたかと言うことを話ししていらしたようです。
又、四校全ての学校の先生方が、生徒たちに『演劇や芸術を観ることを通して、しっかり自分の考えや、感情を持って欲しい』と考えられているのが、感じられました。
鹿沼高校の校長先生は、開演前に
「君達には、しっかり哲学を持って欲しい。哲学を持たない科学者がどんなに恐ろしいか、そのことを考えてください。」
と挨拶されました。
鹿沼南高校の校長先生は、終演後楽屋にいらして、
「生徒には、とにかく本物を観せることが大事なことだと思います。」
と僕達に話して頂きました。

本番のときの生徒たちの姿をみると、先生方の生徒たちに対する願いは、しっかり響いているように感じました。のびのびと感情をそのまま僕達に伝えてくれる場面もあれば、静かに集中する時もあって、生徒個々の考えや心の動きが舞台上に伝わって来ました。

カーテンコールでは、それぞれの学校の生徒代表が、観劇した感想をその場で感じたまま話してくれたことも、素敵でした。
鹿沼商工高校の代表の生徒は
「ジャンヌが最後に、『許す』ことをしたことが、僕にとって感動しました。」と話してくれました。

終演後、全ての学校で、バックステージツアーを行い、そこでも劇団員とそれぞれの生徒が、コミュニケーションするいい時間を持つことができました。












つくば国際大学東風高校
3日、つくば国際大学東風高校での公演です。
学校の文化祭の中で、風の上演を行うスケジュールです。本番当日の午前中に体育館のステージを使って、クラス発表を行うと言うことで、前日の6月2日に僕達の舞台を仕込みました。
本番当日の午前中、生徒達のクラス発表が盛り上がってる中、舞台裏で作業、役者がストレッチをして上演に備えます。
本番が始まると、生徒達は、文化祭の発表の盛り上がりもあるようで、とてもリラックスしながらも、役者の動き、照明音響の効果などに、興味深い眼差しを向けているのが印象的でした。
終演後、一クラスの生徒さん達が、撤去作業を手伝って頂きました。









6月に入って、まだまだ涼しい日々が続いていますが、これから暑い夏に向けて、ジャンヌ・ダルクのメンバーも汗だくになりながら、熱く東日本を駆け抜けて行きます!

文:栗山友彦(アンセラン/ピエール・コーション役)

2017年『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』春の西日本巡回公演ツアー 第2週目

2017-06-05 10:44:28 | 全国巡回公演
トップの写真は、岡山県立玉野高等学校の演劇部のみなさんとの一枚です。


『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本巡回公演ツアーの2週目は、


5月30日[火] (京都府)京都橘中学校・高等学校/同校講堂
5月31日[水] (岡山県)玉野高等学校/同校体育館
6月 1日[木] (岡山県)井原高等学校/井原市民会館
 での公演でした。

橘中学校・高等学校



京都橘中学校・高等学校の講堂に、前日から舞台設営を行いました。
迎えた本番当日は午前と午後の2ステージ。
午前中は、中学生と高校3年生が観劇。大きな笑い声や、「マジかよ!?」と驚く声、関心のあることを声に出して隣りの人と話す生き生きした様子が舞台上からも感じられました。また、芝居がクライマックスへと向かう頃のみなさんの熱い視線も印象深かったです。
午後は、高校1・2年生の観劇で、大きな講堂の客席は満席です。
始まりから終わりまで、みなさんは講堂の中に、凝縮した空間をつくりだしていたのではないでしょうか。集中した視線と息遣いが、舞台のリズムを生みだしていったと思います。




公演後は、高校2年生のクラス代表のみなさんと、舞台見学と座談会を行いました。
2年生のみなさんは2学期にクラスで演劇発表を行うそうです。
さっきまでの集中した空気が一変、興味のあるところ、知りたいこと、見たい、聞きたい、触りたいの思いが爆発するかのように、ステージで多くの発見をしてもらえたようです。



京都橘高校のヘレンとアニー


音響にも聞きたいことが山ほどあります!オペレーターの渡辺雄亮に質問中


素敵な1枚、いただきました!

京都橘中学・高校での公演の担当をしてくださった先生が、生徒さんたちが公演後に書いた感想文を読んで、こんなことを感じていたんだという驚きがあったこと、芝居を見ている生徒さんの姿を見て、いつもとは少し違った発見が先生自身にあったことを話してくれました。生徒さんたちを温かく、愛情を持って接していることが強く伝わってきました。
2年生のみなさんにとって、クラス全員でつくる演劇発表が、この学校での思い出のひとつとなったり、“何か”と出会うきっかけとなることを願っています。



玉野高等学校




京都での公演を終えて、旅班は岡山県にバスを走らせました。
玉野高校での公演は、嬉しい再会、驚きの再会の連続でした!

朝早くから演劇部のみなさん、顧問の先生、担当の先生、教頭先生が搬入を手伝ってくれました。
そして何と、教頭先生は2002年に、ここ、玉野高校で『星の王子さま』を上演した時の担当の先生だったのです。また20年以上前になりますが、同じ岡山県の他の高校で『星の王子さま』を上演した際、担当だった先生が、今は玉野高校にいらして、「驚きの再会です」と、体育館まで会いに来てくれました!演劇部のみなさんとの交流や、驚きの再会に、旅班の仕込みにも熱が入ります。




入場時から元気な声が劇場となった体育館に響き渡っていましたが、芝居が始まると、すっと舞台に入り込むかのように、会場の空気が変化していきました。
暑い体育館の中でも、みなさんの真っ直ぐな姿勢は揺らぐことはありません。みなさんの目で見て、感じたことを大切にしてもらえたら、と思えるような2時間をともにつくりあげたと感じられる舞台となりました。






終演後は、演劇部のみなさんが舞台見学とヘレン役の稲葉との座談会を行いました。発表を近々に控えた演劇部のみなさんには、聞きたいことがたくさんあったり、悩みがあったりなど、座談会は真剣そのものでした。座談会後は「話せてよかった」という言葉からもわかるように、さらにパワフルになったみなさんが片づけを最後まで手伝ってくれました。みなさん、ありがとうございました!

バスが学校を出る時、校内・グランドで部活をしている生徒さんたち、そして先生方が、大きく手を振って見送ってくれました。人と人の出会いが、再会、繋がりを生んでいくことを実感した公演でした。


井原高等学校



学校から会場となった井原市民会館にやってくる生徒さんたち

開演前、賑やかな会場の様子が舞台袖に伝わってきました。井原高校は、三年に一度の芸術鑑賞を行っている学校です。どんな出会いになるか、と、胸が高鳴ります。

幕が開くと、会場は深い静けさに包まれました。その中で生徒さんが、思いきり笑う瞬間があったり、舞台から何かを捉えて空気が動く瞬間がありました。客席と舞台、お互いに密度の濃い時間を過ごせたのでは、と感じました。

カーテンコールより 





終演後は先生の呼びかけで、多くの生徒さんが舞台見学に来てくれました。舞台の隅々まで動き回る生徒さん。あちらこちらで俳優と話もしたり、舞台上はとても活気づいていました。また楽屋を訪ねてくれた生徒さんもいました。そこでは、俳優がどのように演劇に向き合っているかを話しました。
盛り上がった舞台見学の流れで、急きょ座談会も開催。声の出し方、役作りはどうしているかといった質問から、ヘレンの動きが気になった、なぜ劇団へ入ろうと思ったのか、という俳優自身に関心を持ってくれた質問、また『リアル』と言われるモノとは違った『リアル』をこの芝居から感じたと語ってくれた生徒さんもいました。座談会にも多くの生徒さんが参加してくれて、先生方も喜こんでいました。


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本ツアー、あっという間の2週目でした。
今週の公演では、先生の言葉で生徒さんを想う気持ちを語ってくれる場が多くありました。話を聞いていると、先生自身が生徒さんとの関係を、常に振り返っているんだと感じました。そしてそこには、生徒さんに生き生きといてほしいと強く願う先生方がいました。生徒さんの話をする時の先生の嬉しそうな、輝いた表情は忘れません。


旅はまだ始まったばかり。
これからの出会いにたくさんの期待を込めて、舞台をつくり続けていきます。


渋谷愛(アニー・サリバン役)