風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第9週目

2017-11-26 21:37:59 | 全国巡回公演

9月下旬から始まった『ジャンヌ・ダルク』の九州ツアーも、気が付けば2か月たち12月に入ろうとしています。

トップの写真は、長崎県の小浜高校にて終演後の撤去作業を手伝ってくれた有志の生徒さんです。

第9週目は、

11月20日 (月)中津東高等学校

11月21日 (火)中津北高等学校

11月22日 (水)大分工業高等専門学校

11月24日 (金)小浜高等学校

大分から長崎へ九州を横断する中で、新たな出会いや再会、そして風が歩み続けてきた道のりをより鮮明に感じることのできた1週間になりました。


中津東高等学校

最初の学校は、シャルル7世を演じる石岡和総の母校での公演です!

前回の『ハムレット』と同様に公演中も終演後も、とても元気な姿を見せてくれました。

なんとお手伝いに参加してくれたサッカー部のコーチを務める先生は、石岡の同級生でした。開演前の挨拶で担当の先生がそのことを伝えた瞬間、客席の驚きの声がとても印象的でした。

公演は、とても自由に演劇を楽しむ姿を失わずに、終始、真剣な眼差しを舞台に注いでくれました。学校の雰囲気は、在校する生徒さんや先生方によって常に変化していくものだと思います。しかし、この日の公演は以前、ハムレットを上演した中津東高校を鮮明に思い出すほど、変わらぬ表情に出会わせてもらいました。

写真は卒業生から在校生に色紙の受け渡しです。

石岡自身にとっても、この体育館で在校中にハムレットを観劇し、風への入団を決心した彼のスタート地点です。あの時、客席にいた石岡と共に舞台に立っている喜びと、その彼が劇団員として高校生の前に立っているこの時間の流れが、風の巡回公演を行い続けるとても大切にしたい意義を発見させてくれました。

終演後のお手伝いも、当初サッカー部の生徒さんと聞いていましたが、野球部や女子バスケ部と快く参加してくれました。先生方もそんな彼ら、彼女たちの背中を見つめながらも、十代に負けない姿で劇団員と共に動いてくれました。

 

そして中津市2日目は

中津北高等学校

朝、学校に到着するとすでにお手伝いの生徒さんが体育館で待っていてくれ、「公演楽しみにしてました!」と寒さを吹き飛ばすほどの笑顔で劇団員を迎えてくれました。

開場すると体育館に広がる驚きの声が、朝の時間をギリギリまで参加してくれた生徒さんだけではなく、学校全体が演劇を待ち望んでいてくれていたことを感じさせてくれました。公演は朝の笑顔と打って変わってひりつく様な緊張感を持ちながら、ジャンヌの姿を目で追っているようでした。

カーテンコールでは、担当の先生から”中津北流のお礼”を全校生徒と先生方から盛大な拍手でいただきました。
そして、終演直後の退場指導を行う先生が一言「すごい舞台だね。ここに置いておいてほしいね。」と生徒さんたちに語り掛けている声に、舞台裏にいた劇団員はとても嬉しく、また公演の終わりと別れが近づいている寂しさを共有した気がします。

先生の言葉に背中を押されてか、急遽、舞台裏見学が行われました。

撤去作業には朝に参加してくれた皆さんだけでなく多くの生徒さんが参加してくれました。劇団員が事細かに説明する必要のないくらいに、自分たちでどのように運ぶべきかを話し合いながら、考えて動いている姿がとても印象的でした。


大分工業高等専門学校

雨がパラパラと降るなか、この日も朝から学生会の皆さんが大道具搬入作業を手伝ってくれました。それも一限の授業のない学生は、搬入が終わるまで参加してくれ、授業のある学生さんは少し後ろ髪引かれるような姿を見せてくれました。

高専での公演は一般の高等学校と異なり5年間の一貫教育があるので、普段の公演よりもより幅の広い年齢層との出会いがあります。1年生から3年生の他校と変わらぬ高校生らしい反応から、4年生・5年生のより批評的な視線も相まって互いに楽しむことや、真剣に見つめることを再確認させあいながら舞台を見つめていました。終演後の挨拶では学生会長さんが「僕にはジャンヌのように神の声は聞こえませんが、学生たちの声をよく聞いて学校をより良く出来るようにしていきたいです。」と、いま観た演劇をすでに自分のものにし、真摯に学生に向き合おうとする立派な姿に出会わせてくれました。

終演後の撤去作業もまた学生会の皆さんが参加してくれ、自分たちで声をかけ合いながら他の人の作業をしっかりと見つめ、進んで手を出し協力的に作業を行っていました。演劇は俳優や演出、照明や音響、舞台美術と様々な人間が関わる芸術だからこそ、私たちも日々の作業についても意見の出し合いや、協力することの重要性をお手伝いの皆さんにも伝えたいと考えています。

普段の姿に戻った体育館。『ジャンヌ・ダルク』の公演を共に創り、お互いの胸の中に今日という日を持ち続けたいと願い座長の柳瀬は最後の挨拶をいています。

そして写真には残せませんでしたが、こちらの学校には中津東高校で石岡の担任をされていた先生が、教え子の姿を観るために来てくれていました。

 

小浜高等学校

第9週目、最後の学校は長崎県の小浜高校です。なんとも嬉しいことにこちらでも朝の寒いなかから搬入作業に沢山の生徒さんが参加してくれました。開演直後から演劇との出会いに驚きの表情を持ちながらも、とても集中した視線を舞台に注いでくれていました。

何よりもジャンヌに最後に審判を伝える台詞では、とてもショックな表情とジャンヌの内面を必死に感じ取ろうとしていた生徒さんたちがとても印象的でした。

舞台撤去の時には観劇の時と同じくらいに集中し、楽しみながら作業していた姿が劇団員に大きな喜びを与えてくれました。ジャンヌ役の高階と話したいと、有志で最後までお手伝いをしてくれた生徒さんを加えると50名近くのお手伝いがありました。

全校生徒230名もいない小浜高校ですので、1/5の生徒さんがいたことに後になって驚かされました。

ジャンヌ・ダルクの九州ツアーも折り返しを過ぎ、来週で11月が終わります。

第9週目を終え、自分たちが舞台に立つことから演劇の創りだす様々な可能性に出会わせてもらった一週間になったと実感しました。沢山の出会いがあり、常に別れのなかで巡回公演を突き進んいきますが、必ずどこかで出会えることを信じ次の公演の地に向かっていきます。

生徒を見守る先生方の姿や願いを真摯に受け止め公演を続けることが、見守られていた存在が舞台に立ち、見守る存在になっていることに驚きと責任をより強く感じました。

風は冬の寒さに負けることなく九州を駆け抜けていきます。

風のバスとトラックを見つけたらいつでも声をかけて下さい!再会の日を心待ちにしています。

 

アンセラン/ピエール・コーション

白石圭司


2017秋『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』東・西日本巡回ツアー最終週

2017-11-26 16:08:13 | 全国巡回公演

9月から始まった『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2017秋 東・西日本巡回公演は、

11月6日[月] 金光大阪中学校・高校(大阪府/同校体育館)

11月7日[火] 中百舌鳥中学校(大阪府/同校体育館)

の公演で最終週を迎えました。

ブログの投稿が遅くなり、両校のみなさん、本当にごめんなさい。

この週は両日とも大阪府での公演。エネルギー溢れる生徒さんたちと、その生徒さんたちを想う先生方に支えられ、学校と劇団が一緒になって演劇の場をつくれたと感じる2日間でした。

金光大阪中学校・高校

前日の日曜日、学校の体育館で舞台の仕込みを行いました。金光大阪中学校・高校の大きな体育館は2階にあります。そこへ、今さっき試合を終えたばかりのサッカー部の生徒さんたちがお手伝いに来てくれました!部活の指導をされている先生と楽しそうに声を掛け合い、軽快なフットワークで荷物を運び込んでくれたサッカー部のみなさん。試合後すぐに駆けつけてくれてありがとう。みなさんの笑顔や、絶妙なチームワークに元気をもらいました。

そして公演当日。体育館は生徒さんと先生方でいっぱいになりました。体育館の水銀灯が消え、いよいよ芝居が始まります。およそ1000人の視線が舞台に注がれました。始まりから終わりまで、本当に集中して、目の前で起きていることを見続けてくれました。中学生が笑うことで空間が和らいだり、高校生が引き締まった雰囲気をつくったり、と、色々な場を生み出してくれました。

終演後には演劇部のみなさんと座談会・舞台見学を行いました。話を聞いてみると彼らは、自分たちのこれからの活動について、とても真剣に考えていました。舞台装置、音響、照明、俳優や演出、今日見て、聞いて、触れたすべてに関心を持ってくれていました。模索をしながら、お互いに言葉を交わし合い、「みなさんがつくりだしてみたい演劇部」を探し続けてほしいと思います。

さらに、サッカー部、野球部のみなさんが撤去のお手伝いをしてくれると事前に伺っていたのですが、なんと!嬉しい悲鳴が上がるほどたくさんの部活動の生徒さんが撤去作業のために集まってくました。みんなとてもいい表情で俳優と話したり、積極的に荷物を運んでくれたり、頼もしかったです!とてもいい時間と思い出をつくることができました。

この公演を行うために、担当をしてくれた西村副校長先生も、みなさんが芝居を見る姿や手伝いをしてくれる姿に喜んでくれていました。金光大阪中学校・高校のみなさん、ありがとうございました。また再会できることを願っています。


中百舌鳥中学校

中百舌鳥中学校での公演も、記憶に刻まれる一日となりました。

体育館に入場して来た中百舌鳥中学校の生徒さん。私たちも驚くほどの元気の良さで、これから始まる芝居で、どんな出会いができるのか、ドキドキワクワクしていました。

開演直前、担当の周藤先生が生徒さんたちに呼び掛けます。『一瞬でも目を逸らすと、場面は変わっているかもしれません、大切なことを見逃さないように、見てくださいね!』

先生が生徒さんたちに声を掛けた通りみなさんは、細かな動きから言葉まで、どんな瞬間も見逃さずに、あちらこちらで舞台で起きていることに反応をしていました。思いきり笑い、疑問に思ったことは言葉にし、真剣になり、集中する。客席のみなさんの迫力には驚かされました。凄かったです。終演後の撤去の時間も、体育館の中は笑い声でいっぱいになり、賑やかでした。誰も彼もが一生懸命に進んで荷物を運んでくれました。面白い話を聞かせてくれたり、丁寧に挨拶をしてくれたり、優しく声を掛けてくれたり、本当に楽しかったです。部活が始まる寸前までみなさんは撤去作業に協力してくれました。中百舌鳥中学校のみなさんのこと、忘れません。いつかこの日のこと、思い返してくれたら嬉しいです。

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2017年秋の巡回公演は幕を閉じました。この秋も、たくさんの出会い(そこには積み重ねてきた色んな時間も)がありました。『今日出会ったばかりなのに、こんなふうに話ができるなんて。別れを言うのが寂しい。会えて良かった。』と、言葉を贈ってくれた生徒さんがいました。直接言葉を交わし合うことが出来たあなたのなかに、演劇と言う場を通じて出会うことが出来たあなたのなかに、いつか、何かが起きること(自分に自信を持ったり、人や物事と向き合う始まりを見いだしたり)を、私たちは願って、その一瞬に自身のすべてを懸けて旅を続けてきました。この度の時間と出会いと記憶を体に刻み、これからも真摯に人、演劇と向き合っていきます。

生徒のみなさん、先生方、本当にありがとうございました。

アニー・サリバン役: 渋谷愛


2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第8週目

2017-11-19 17:52:35 | 全国巡回公演

今週も、キラキラした笑顔に出会えました。
 写真は天草高校での撤去作業の際に、仕掛幕を下ろす作業をしてくれた女の子たち。


2017年秋『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第8週目は、
11月14日(火)宮崎県 延岡市立南中学校
    16日(木)熊本県 熊本県立天草高校・定時制・倉岳校
    17日(金)福岡県 折尾愛真中学校・高校 


延岡市立南中学校

開演前のお昼休み、校庭ですれ違った生徒さんたちは、みんな元気に声をかけてくれて、この公演への期待を感じさせてくれました。さあ開場時間…… さっきの元気の良さとは打って変わって、し~んと静かに整然と着席。ちょっと驚きつつ開幕すると、とても明るく楽しそうに「ジャンヌ」の世界に入ってきてくれました。
終演後の生徒会長さんのご挨拶の中で特に私に響いたのは「〝ジャンヌの切なさ‘’を感じました」という言葉でした。

撤去作業のお手伝いには、バスケットボール部をはじめ、あらゆる部活の生徒さん、有志の皆さんが集まってくれました。
「お手伝い」や「作業」という枠からはみ出して、やってみたい! という初めての経験への興味がそこここに溢れていました。 

 

生徒の皆さんをしっかり見守っている先生方と、生徒さんとの信頼関係が笑顔を生んでいる、そんな気がしました。


熊本県立天草高校・定時制・倉岳校

よそ800人の皆さんが一堂に会し、ギャラリーにも客席が設けられました。特に演劇部の生徒さんたちは楽しみにしてくれていたようで、開演前に体育館を訪れて、設営された舞台を見学し、座長の柳瀬が案内・説明しました。

 
公演中は、まさに食い入るように体ごと注がれている視線が感じられ、一緒に舞台空間で呼吸する愉しさを味わわせてもらいました。生徒会長さんからは「ジャンヌの強さと優しさを感じました」とお礼の言葉をいただきました。
撤去作業には大勢の生徒さんが集まってくれて、劇団員との会話も尽きることがありませんでした。

 
  アンセラン役の白石が話す撤去の手順と注意点に耳を傾ける生徒の皆さん

荷積み作業がすべて終わり、トラックのゲートが閉まる頃、演劇部の皆さんが私のもとに来てくれました。もっともっと話したかったのに時間切れでゴメンナサイ。先生からあなた方の感想をMailで寄せていただきました。ツアーメンバーみんなで読ませてもらいました、ありがとう!
外はもう真っ暗な中、部活を始めた生徒さんたちが大勢、あちらこちらで、私たちを乗せたバスとトラックをいつまでも元気に見送ってくれました。


折尾愛真中学校・高校

会場は北九州芸術劇場。1000人強の生徒さんたちで3階席まで埋まりました。この学校で風が公演するのは6回目になります。

舞台上で起きる一瞬一瞬の出来事に対して、ビビッドに反応を返してくれる皆さん。演劇という非日常の空間を思いっきり楽しんでくれているようでした。お礼の言葉からも、たくさんのことを受け取ってくれたことが感じられ、嬉しく思いました。
皆さんが退場し終えるのを待たずして撤去作業を始めた私たち。その様子にも生徒さんたちは興味津々、ノリノリで声をかけてくれました。


  ご尽力いただいた担当の先生方にお礼の色紙をお渡しして記念写真。

今週は以上3校での公演でした。お世話になった先生方に改めてお礼を申し上げます。
舞台空間に触れることによって、また、ひとりの少女ジャンヌの足跡をたどることによって、客席に座ったひとりひとりの中に、さまざまな発見や思いが生まれたことの一端を聞かせてもらうことができました。
もう消えてなくなってしまった2時間……でも、これから先のいつの日か、あの時の印象が姿や形を変えて、皆さんの心の中に思い出されることを願っています。

「ジャンヌ・ダルク」2017年秋のツアーも折り返しを迎えました。気を引き締めて、後半に向かいます!

木村奈津子:ヨランド・ダラゴン役

 


2017秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』 東・西日本巡回ツアー第6週目(再アップ!)

2017-11-18 10:46:11 | 全国巡回公演
(大変遅くなりましたが、公演の模様の写真をアップしましたので更新させていただきます!)

台風が過ぎ、冬の始まりを感じさせる寒さと共に始まったヘレン・ケラーツアー第6週目。

10月31日 能代高校(秋田)
11月1日 開志国際高校(新潟)
11月2日 南紀高校(和歌山)


10月31日は秋田県、能代高校での公演。

本番前の校長先生の挨拶では「更に感受性を豊かにできる時間になればと思っています。」という言葉を聞いて、私達もこれから若い観客達と何を創り、何を共有する事ができるかと舞台袖でワクワクしながらの開演を待っていました。
公演が始まると、開演前の校長先生の期待を上回るような真剣な眼差しで舞台を見つめる姿が印象的で、とても観る力や聞く力が優れた観客だなと舞台上で感じていました。
寒さに負けず暖かい空間を創ってくれてたのではないかと思います!

更にカーテンコールでの生徒会長さんのお礼の言葉では「ヘレンの苦労や家族、サリバン先生の苦労がわかりました。」と様々な視点で公演を観てヘレン・ケラーを創ってくれました。



バックステージでは舞台装置の細かい所まで興味を持って質問し、公演の感想などを聞かせてくれました。
舞台上の小道具や舞台裏、基本台の下の構造にまで興味を持ってくれています。









ケラー家のリビング椅子の座り心地を確認する生徒さん





実際に音響や照明に触れて音を出してみました。

演劇部の生徒さん達との座談会では、
「役者はどうやって動きを考えてるのか」
「どうやって動きのメリハリを付けているのか」
と同じ役者としての質問や疑問をなげかけてくれて大会間近だという事もあり演劇部さん達の緊張感が伝わってきました。
大会も頑張って下さい!



搬出のお手伝いには女子バレー部と男子バスケット部の皆さんが来てくれました!
みんな寒い中積極的に道具を運んでくれて、中には自らトラックの中での積み込みを手伝ってくれたりと
つい1時間前まで劇場だった体育館があっという間に元の体育館へと戻りました。







また能代高校の皆さんと再会できることを願っています。



11月1日は新潟県開志国際高校での公演。

開志国際高校は勉強やスポーツ、更には医学や語学も盛んな学校だと聞きどんな生徒の皆さんと出会えるか、そしてその生徒さん達とどんなヘレン・ケラーを創る事ができるのかと楽しみにしながら学校へ向かいました。
学校に着くと早速搬入時には朝早くから20名程の柔道部の生徒さん達がみんな力強くテキパキと手を貸してくれてとても早く搬入を済ませ、本番に向かう事ができました。
ありがとうございます!



本番前になると、劇場へ変わった体育館を見て「すげー」「おぉなんか凄いことになってる」と声をあげ、公演を楽しみにしている姿を見せてくれて、そのすぐ後にはどんどん興味を惹かれたのか舞台裏まで覗きに来てくれてました。
公演中は舞台の上で起こっている出来事一つ一つに関心を持って反応し、とても真剣にヘレンケラーを創ってくれました。

バラシ(撤去作業)、搬出では医学科進学コース、国際コースの皆さん、先生方が手伝って下さり、その中には数多くの留学生も参加してくれました!たくさんの質問を綺麗な日本語で投げかけてくれてとても嬉しかったです。
舞台装置の搬出や積み込み、みんなが最後まで積極的に参加してくれて、様々なお話しが出来てとても有意義な時間でした。







最後はバスが見えなくなるまで見送ってくれてありがとうございました!



11月2日は和歌山県南紀高校での公演。

南紀高校は本番前日の仕込みでした。
仕込み中にたくさんの先生が体育館に足を運んでくださり、舞台の構造はどうなっているのか。劇団がどういった公演を続けているのか。などたくさんの質問をしてくださいました。

本番当日は文化祭期間中という事もあり、自作の仮装を身につけて体育館に入場してくる生徒さんもいて劇団員も驚きと期待を胸に開演を今か今かと待ち望んでいました!



公演中は落ち着いた雰囲気でヘレンケラーの空間を創ってくれて、観客が創る空間の大きさに、様々な可能性を発見できました。



公演後の副会長さんの挨拶では「人の可能性の大きさを感じ、芸術文化に触れるきっかけになりました」という言葉をいただき、私たちが演劇を追求していく原動力や支えとなる素敵な言葉をいただけたなと感激しました。素敵な挨拶をありがとうございます。



バックステージでは生徒の皆さんそして先生、保護者、OB、OGの方まで参加してくれました。舞台装置に興味を持って質問してくれたり、保護者のおばあちゃんはお孫さんの話を聞かせてくれたりと積極的に劇団員に話かけてくれて、とても充実した時間になりました。







更にバックステージ後には劇団員も文化祭に参加させてもらいました!



目移りするほど並ぶ食品バザーや展示スペース、チャリティーバザーなどたくさんのブースがありバザーを楽しみながら生徒さんや先生方と交流することができてとても幸せな時間を過ごす事ができました!
また再会できることを楽しみにしています!

文:蒲原智城(ジェイムス・ケラー役)

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第7週目

2017-11-11 13:39:32 | 全国巡回公演

トップの写真は、佐賀農業高校の食品科学科の生徒たちから頂いたクッキーです!ありがとうございました!

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第7週目の公演は、

11月 6日(月)大分県 大分中学校・高校
    7日(火)福岡県 九州国際大学付属高校
    8日(水)長崎県 長崎東中学校・高校
    9日(木)長崎県 海星中学校・高校
   10日(金)佐賀県 佐賀農業高校


大分県から始まり佐賀県へと、北部九州を巡る1週間でした。

大分中学校・高校
iichikoグランシアタでの公演でした。
開場時間になると元気な声とともに生徒が続々と入ってきて、楽屋でスタンバイしている私たちにも芝居を楽しみにしている熱が伝わってきました。
開演前、担当の先生のあいさつで「演劇はテレビやドラマと違ってどこを見てもいいんです。いろいろなところを見て、セリフを聞いてそして何かを感じて帰ってほしいです。」と仰っていました。
その言葉通り、幕が開けると自分たちの思い思いの感覚で笑ったり、時にはシンとしたりと、多くのことを感じながら芝居を観ているなと舞台の上にから感じました。









終演後、ご担当の先生と色紙を挟んで記念撮影を行いました。ありがとうございます。

九州国際大学付属高校
この公演は一年生のみの観劇でした。
開演前、体育館に集合した生徒たちがピタッと私語をやめ、開演を待っている姿がすごく印象的でした。
芝居が始まると開演前の緊張感も持ちながら、でも笑いたいところは笑ったりと、生徒たちの中でジャンヌ・ダルクの物語を作りながら舞台に集中していました。
カーテンコールで代表の生徒あいさつにも芝居を観終わった後の高揚を感じました。そして花束を二本もいただきました、ありがとうございます!
撤去作業にはアスリートコースの生徒たちが手伝ってくれました。撤去作業を手伝ってくれた生徒の表情はとても生き生きしていて、公演と片付けを通して何かを発見している姿がありました。









長崎東中学校・高校
この公演は前回の「星の王子さま」以来16年ぶりの公演です。
体育館が2階ということで、前日に荷物の運び入れを行いました。



当日の朝バスケットボール部の生徒たちが、残りの運び入れを手伝ってくれました。
本番、始めは笑いがあったりと盛り上がっていましたが、話が進むにつれてだんだんと緊張感を感じる張り詰めた雰囲気に変わっていきました。ジャンヌ・ダルクのストーリーの中に、何か真剣に掴もうとするものがあったのではないでしょうか。
撤去作業にも、バスケットボール部、野球部、の生徒たちの力強いお手伝いがありました。私たちが想定していた時間よりも早く終わったのも、パワー溢れる生徒たちのおかげです。








海星中学高・高校
オランダ坂を登った先にあるこの学校は、体育館が校内の坂を下ったところにあります。
私たちが前日準備のため学校に向かうと、30人くらいの生徒が待っていてくれて、荷物の運び入れを手伝ってくれました。
荷物を運んでいる生徒から「明日の公演絶対成功させましょう!」と声をかけてもらい、より一層本番への期待が膨らみました。



本番は午前と午後の2ステージ行われました。
午前の部は高校生のみの観劇でした。
受けたものを素直にリアクションとして出してくれる生徒たちで、舞台の上の役者もそれに呼応していました。ジャンヌ・ダルクという舞台空間を2時間という短い時間、一緒に作ってくれていました。
午後の部は高校生と中学生の観劇でした。
高校と中学というまた普段と違った人が集まった中、高校生・中学生関係なく笑ったり、共有したりと、客席からはじっくりと自分たちの感覚で芝居を噛みしめている様子が印象的でした。カーテンコールでは花束を9本もいただきました、ありがとうございます!


終演後すぐ、舞台裏を覗きに来てくれた生徒たち。

ジャンヌ・ダルク役の高階に、放送部の生徒のインタビューがありました。
片付けには60人以上の生徒さんが集まってくれて、役者やスタッフに声をかけ質問や感想を話しながら手伝ってくれていました。










佐賀農業高校
この学校は97年の「ヘレン・ケラー」以来、20年ぶりの公演でした。
開演前の校長先生のあいさつで「演劇には1+1のように答えはありません。感受性の若いうちにいろいろなことを感じてほしい。」仰っていたように、本番中はじっくりと何かを受け取るように観ていました。そのことはカーテンコールでしてくれた、生徒会長さんの「最初は面白く、舞台が進むにつれてのめりこんでいきました。」というお礼の言葉からもジャンヌ・ダルクの世界を想像しながら見てくれていたのだと感じました。
終演後にはジャンヌ・ダルクと生徒会の生徒との座談会も開かれました。
撤去作業にもハンドボール部、バスケットボール部、農業クラブの生徒たちが手伝ってくれました。









九州巡回公演「ジャンヌダルク―ジャンヌと炎」も折り返しを迎えました。1校1校の出会いを大切にし、その場で出会える若い観客たちと何が生み出せるのか、楽しみを胸に後半の公演に向かっていきます。

石岡 和総(シャルル7世)


2017年『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』九州巡回公演 第6週目

2017-11-05 22:03:44 | 全国巡回公演
2017年『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』九州巡回公演第6週目に入りました。

10月30日(月)熊本県 小国高校・南小国中学校・小国中学校
11月 1日(水)福岡県 小倉東高校


旅班は阿蘇・小国町へ移動、今週は2回の上演でした。

小国高校 


公演前の会場。木造のきれいな温かみのある小国高校の体育館。

小国高校、南小国中学校、小国中学校3校の合同公演で、小国高校の体育館で公演が行われました。午前公演のため前日に舞台を設営。気温もかなり低くなっていましたが、迎えてくれた小国高校のご担当の西田先生が「今日はこれでも暖かい方」と言われ、皆「エ~!」とびっくりするほど寒くなりました。
当日、学校の舞台を楽屋にしている私たちには、それぞれの学校の生徒さんが入ってくる様子が感じられ、同じ町の学校の生徒たちがどのように見るのか楽しみでした。にこやかに、ケラケラと笑う声やじっと見るまなざしの中で舞台がつくられていきました。公演後には、南小国中学校の代表の生徒さんが「生の演劇に触れ、演出、照明、音楽が迫力がありとても感動しました。これからも芸術活動というものに触れてゆきたいと思います」と、堂々と挨拶された姿に客席からも大きな拍手がありました。人によっては初めて触れたかもしれない演劇で、そのまなざしが私たちの舞台を支え、ともに創り出してくれていることを改めて実感するとともに、演劇との出会いが一人ひとりのなかで息づいていってほしいと願っています。




公演後には小国高校の1,2年生と、飛び入りで中学校のみなさんが片付けを手伝ってくれました。


生徒さんたちが帰ったあと、中学校の先生方も片付けに参加してくれました。とてもおもしろかったと、先生方も生徒さんたちと一緒になって舞台を楽しんでくれたようです。ありがとうございました!!


お手伝いいただいた先生方と。


小倉東高校


3年前に上演した『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の色紙が、学校の廊下に額縁できれいに飾られていました。

こちらの学校では創立39周年の記念行事の中で公演が行われました。
 公演前には式典が行われ、最後に「時代が激しく変わりゆく中で、人間の質は変わらない、しかしターミネーターのような時代になっているかもしれない(会場笑)。今日上演する作品もそうですが、過去の歴史から君たちは自分自身の未来を見つめ、そして努力していって欲しい」と校長先生が挨拶されました。
 体育館に入ってくる役者たちを、元気いっぱいに迎えてくれた生徒さんたち。私たちも何かワクワクする気持ちでいっぱいでした。
 溢れる元気な笑い声のなか、芝居が進むにつれ真剣に舞台に向かい、沈黙のなかで一人ひとりが何かを捕まえようとしている姿がありました。公演後、生徒会長さんが「最初は和やかな雰囲気でしたが、迫力のある演技で作品世界に入り込み、その空間に感動しました。今日はすばらしい演劇をありがとうございました」と挨拶してくれました。
みなさん一人ひとり違う感触を持ちながら、心に受けためたことを忘れないでいてほしいと思います。




公演後にはバックステージも行われ、興奮した様子で、衣裳や人形に触れる生徒さんたち。


片付けにはテニス部、バレー部、バスケット部、バドミントン部、美術部、創作部など50人位の生徒さんが参加してくれました。みなさん本当にありがとうございました!!
帰り際には、大勢の生徒さんが旅班全員体育館を出るまで見送ってくれました。


 9月下旬からスタートした『ジャンヌ・ダルク-ジャンヌと炎』も来週には折り返しとなります。生徒さんが何を見て何を感じているのか、その感触をしっかり持って、旅班は後半の公演へと向かいます。

工藤順子(召使い・イザボー王妃)

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第5週目

2017-11-05 14:53:22 | 全国巡回公演
10月23日(月) 高稜高校(福岡県)
   24日(火) 宇土中学校・高校(熊本県)
   25日(水) 鹿児島女子高校(鹿児島県)
   26日(木) れいめい中学校・高校(鹿児島県)
   28日(土) 甲佐高校(熊本県)


第5週目は、台風21号と22号の接近に挟まれていましたが、幸運にも風雨の影響も受けずに公演を続けられた一週間でした。

高稜高校
2013年の『Touch』に続き、風の公演は6回目となります。
トラックから体育館までの道のりが遠いので、前日の日曜日に搬入を行いましたが、搬入が終了した途端に、雨と強風が襲ってくるという第一の幸運でした。
本番は、熱気にあふれる客席で、公演を楽しみに待っていたというのがひしひしと伝わってきました。リラックスしながら、味わうように芝居を見ている姿が印象的でした。
体育館の片付けがすっかり終わった後、前日の搬入から手伝ってくれた生徒会の生徒さんが「元の体育館に戻って、なんか寂しいな。」と、つぶやいたのが印象的でした。ジャンヌ・ダルクの時間が大きな思い出となってくれたのではないでしょうか。








宇土中学校・高校
1000人近くの生徒さんがびっしり入った体育館での公演でした。体育館に入場した時から大きな盛り上がりで、開演前には、先生方のバックステージツアーが行われた程でした。真剣な眼差しで食い入るように見つめる客席が印象的でした。
宇土高校は、アンセラン役の栗山友彦の出身校でもあります。カーテンコールの際に栗山が卒業生であることが紹介され、「この2時間の喜びと共に、誇りをもって学園生活を送ってください。」と、挨拶すると大きな拍手が起こりました。
後片付けでは、図書委員をはじめ80人にものぼる生徒さんが、劇団員に質問や感想を述べながら手伝ってくれました。






鹿児島女子高校
この学校も2011年の『ハムレット』に続き、風は6回目の公演になります。
元気でハツラツとした印象の客席で、目の前で起こる出来事に驚いたり、ときに声を上げて笑い、楽しみながら見る中で、いろいろなことを発見したのではないでしょうか。終演後の生徒たちの顔が変わったように見えたのが印象的でした。
後片付けも100人を超える生徒さんが手伝ってくれました。手伝ってくれた演劇部、バレー部、バスケ部、新体操部、経済調査部、それから有志のみなさん、ありがとうございました!






れいめい中学校・高校
3年前に『ヘレン・ケラー』を上演した学校で、高校生の中には『ヘレン・ケラー』を中学生の時に見た生徒さんもいます。先生方の期待感の高さも伝わってきます。
元気な生徒さんも多く、賑やかな開演前とはうってかわって開演すると、何かを探すように芝居をジッと見つめる姿が印象的でした。
終演後には、すこぶる元気なバスケ部の生徒をはじめ、有志の生徒さんたちが最後まで後片付けを手伝ってくれました。






甲佐高校
この学校も3年前の『ヘレン・ケラー』に続いての公演です。土曜日の文化祭の中での公演です。前日の仕込みの最中から会う先生会う先生から「みんな『ジャンヌ・ダルク』を楽しみにしています。」と、声をかけられます。おかげで台風も早く去ってくれたようです。
生徒数150人の小さな学校ですが、生徒たちの仲の良さがうかがわれます。本番は、甲佐高校の敷地内にある松橋西支援学校上益城分教室の生徒さんも一緒に観劇し、盛り上がりつつ、いろいろなことを感じ取っている姿が印象的でした。
野球部のみんなが前日から精力的に手伝ってくれたのは助かりました。








9月27日から始まった九州巡回公演は、12月20日まで続きます。まだ折り返し点にもきていません。中学・高校生にとって、なぜ演劇が必要なのか、演劇とは何なのかということを問いながら、旅は続きます。

文:柳瀬太一(語り手)