風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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『touch〜孤独から愛へ』2021年春西日本地域巡回公演 9週目

2021-07-26 14:42:40 | 全国巡回公演
touch班9周目に突入です。
 
7月12日【兵庫県】県名女子学院中学校・高等学校
7月13日【高知県】高知国際中学校・高知南中学校
7月14日【島根県】島根県立松江北高校
7月15日【大阪府】大阪府立今宮高校
 
 
7月12日 賢明女子学院中学校・高等学校
 
 ロビーでは手指の消毒と体温測定を行い、開演時間になり続々とみなさん入場。
 
入場して一番に「ゾンビ出てきそう!」と話す子や、早々に着席しタブレットでtouchのパンフレットを観ながら実際の舞台と見比べ、友達と話している姿が見られ、皆さんのワクワクが伝わってきました。
 放送部の生徒さんによる舞台袖からのアナウンスにより進行開始。
 
 
 先生の挨拶では、「このコロナ禍という状況で、保護者の方々と一緒に観劇することは、出来ませんでしたがその分ゆったりとリラックスして見てください。この演目はコロナ感染症の影響が広がる前に決まりました。しかし、人と距離を取らざるを得ない中で、人と人との心の距離も離れているのではないか、自分とは違う意見を排除してしまっていないかと、今の状況下だからこそ、そのことを考えるいいきっかけにこの演劇がなると思います。それだけではなく、久々の演劇という人も多くいると思うので、楽しんでください。」との言葉をいただきました。
 開演し、前の方からは、楽しそうな笑い声が聞こえ、役者の一つ一つの動きに反応してくれているようでした。その笑い声が全体に広がり、先生の言葉通りリラックスした観劇になりました。
 
 
 カーテンコールでは、中学校の生徒会長さんが花束渡してくれ、高校の生徒会長さんが挨拶をしてくれました。
 「このような状況下で無意識に他の人の意見を受け入れられなかったり、排除しようとしてしまうけど、その中で、力になってくるのは人と人との繋がりだと今回の劇で感じました。人に寄り添うことは簡単ではないけど、ハロルドのようにそっと寄り添うことが大切だと思った」
と感想をいただきました。
 バックステージでは、中学高校の演劇部の生徒さんが参加してくれ、窓のセットに触れたりスカートのまま窓を越えようとしている子もいました。その後、座談会を行い、座長の柳瀬に質問したり、バラシの様子を見ていました。
 
 

7月13日 高知国際中学校、高知南中学校

文化庁の事業、「子どものための文化芸術鑑賞・体験支援事業」による公演でした。

 会場30分前に一度先生と生徒さんが客席に入場してしまうハプニングがあり、少し早めに開場しました。

 コロナ対策としてフェイスシールドを前列一列目と二列目に配布しました。舞台スタッフの保角が付け方を説明しながら、先生方や生徒さんに渡していました。

  公演中、大きな笑いが起きたりと活気も持ちつつ、真剣なところはビシッとした雰囲気で、両校お互いに支え合い引っ張り合いながら、客席から舞台を支えてくれていました。

 カーテンコールでは生徒代表が

「孤児として暮らしているトリートとフィリップに、かつて孤児であったハロルドが孤児としての立場から成長させ導いていく姿に感動しました。何かに取り組む際、成長し続けようと思いました。」

と感想を述べてくれました。

 終演後はバックステージが行われました。去年度、『星の王子さま』のバリアフリー公演を見てくれた生徒もいて、その際に星巡りのセットに入ったようにクローゼットの中にも入り楽しんでいました。テレビや流しのセットでは役者と同じように、テレビをつける仕草、蛇口をひねる仕草をしそれに合わせて音が鳴るとはしゃいでいる姿が印象的でした。

 
 
7月14日 島根県立松江北高校
 
 開演前、学校の式典で夏の大会に向けての壮行会と文化祭のテーマ発表が行われ、賑やかなムードで開演されました。
 
 
 大きな拍手で開演を迎えてくれ、本番は式典の賑やかなムードから引き締まり、集中して見る姿が見られました。 
 
カーテンコールでは、生徒会長さんが
「本当に深い話で、本質を汲み取るのが難しかった。色々考えさせられた。人と人との関わり方を考えさせられ、劇中では、ハロルドが来たことで二人の環境がどんどんと変わっていき、人を変えるのは環境であり、その環境を作るのも人だと感じた。人と人とのつながりが大切だと思った。」と話してくれた。
 その後、バラシの間、生徒会長さんがハロルド役の柳瀬と、カーテンコールでは言葉にできなかった色々な感じたこと・考えたことを話している姿が見られた。
 
 
7月15日 大阪府立今宮高校
 
モニターによる字幕付き公演。学年行事としての公演のため二年生とその保護者での観劇でした。
 
和やかな雰囲気で進行開始。
先生の挨拶では、
「この芸術鑑賞行事にみんなで集えたこと遅刻もなくみんなで揃って迎えられたことを本当に嬉しく感じています。劇団の方も来られてよかったです。劇団の方から、自由にリラックスして見てくださいと何度も話していただきました。大変なことが日々ありますが今日の劇をみんながリラックスして見れることが大切だと思います。」
 との言葉をいただきました。
開演中はその言葉通りそれぞれが集中し見ている様子でした。
 
 
カーテンコールで、
 「自由に感じてほしいということが今日のテーマでした。トリート、フィリップ、ハロルドがそれぞれ持つ痛み、みなさんそれぞれに重なる部分・感じる部分があったと思います。それを大切にしてほしいと思いました。」
と先生から言葉をいただきました。
 
 バックステージは希望者のみでしたが、多くの生徒さんがステージまで来てくれ、地図を持って帰る子、役者と話す子、友達に手をひかれながら2階のセットを見に行き一緒に楽しんでいる子など様々な姿が見られました。その中に、4年前の中学生の時、風の『ヘレン・ケラー』を観劇したという生徒さんもいて、四年前も今回も舞台のセット、小道具に触れられて楽しい。前回は、バラシが思い出に残っていると話してくれました。
 
色々な出会いがあり、嬉しい風との再会があり9週目が終わりました。

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』2021年春 東日本ツアー第7週目

2021-07-23 10:34:38 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラーひびき合うものたち』東日本ツアーも第7週目を迎えました。

7月12日(月) 【埼玉県】 埼玉大学教育学部附属中学校

  13日(火) 【京都府】 飛鳥高校

  15日(木) 【福島県】 白河市立大屋小学校

  16日(金) 【群馬県】 群馬県立聾学校

 

埼玉大学教育学部附属中学校

毎年秋に3年生の演劇発表があることもあり、いつもとは少し特別なバックステージを行いました。俳優、演出、大道具、小道具、音響、照明。自分の希望する場所に行って、専門の劇団員と交流しました。生徒みんな好奇心旺盛で、積極的に質問したり、道具に触れてみたり、熱心に劇団員の話を聞いてくれていました。


「ヘレン・ケラーの話は知っていたけど改めて深く知って感動した」と生徒お礼の言葉で言ってくれました。その言葉は、それぞれに見た、バックステージで触れた、一つ一つの職であったり、ヘレン・ケラーという一人の人間に個として触れた時、今まで見えなかったもの、大事なこと、意外な感動に出会えた証でもある言葉でした。公演中の彼ら一人一人に見えてきたものも、きっと、それぞれ特別で、少しずつ違ったと思います。

ひとりひとり、“一つ”に焦点を向けることで向き合えるものを彼ら一人一人が発見し、知ってくれたこと。劇団員としても、とてもいい経験になりました!


飛鳥高校

去年出来なかった演劇鑑賞を今年やっと出来ました。たびたび、飛鳥高校では風の演劇鑑賞を行っていますが、今年はいつもの会場とは違い、少し遠い練馬文化センターにて行われ、暑い中、足を運んできてくれました。

彼らも、毎年行われる演劇発表に向けて、本番中はもちろん、終演後の座談会や、ばらし見学でも、演劇を生で見ること、肌で感じることで発見しようとする姿勢が垣間見えていました。演劇に、誰かと存在する自分、そして、今ここに誰かと響き合う自分、それに対して向き合っていく彼らの熱は間違いなく劇団員に対しても特別な刺激になりました。ここで発見したこと、大事にして、みんなと共有していって欲しいと思います。


こんなコロナ禍の中、舞台から写真を撮る私に、客席から「とってください!」とピースしたり、二階席から遠くの席にいる友達と会話する元気な姿を見て安心し、嬉しかったです。こんな状況の中でももっとたくさん実感して、経験して欲しいと思います。


白河市立大屋小学校

去年、星の王子さまを公演するはずでしたが、コロナの影響で、風の公演が中止になり、やっと、今年「ヘレン・ケラー響き合うものたち」を公演できることになりました。今回、この公演は、文化庁の子供のための体験支援事業として公演しました。去年、星の王子さまが中止になってしまったことを覚えてくれてる子もいて、劇団員としても、やっと会えた!という嬉しい気持ちでいっぱいでした。初めに、バックステージを行いました。音声ガイドを体験したり、舞台や、舞台裏を駆け回ったり赤ちゃんヘレンを抱っこしたり。全校生徒分け隔てなく、高揚した様子で舞台を感じている彼らを見て、すごく元気をもらいました。「ヘレンとアニーがだんだん仲良くなっていくのが心に残った。」生徒お礼の言葉で言ってくれた言葉です。シンプルだけど、この言葉を聞いた時、彼らにとって、この公園が、一日一日がもっと大事になる機会になったら嬉しいなと思いました。
コロナで抑制されてしまったこのご時世、全校生徒が精一杯元気に友達や先生、私たち劇団員含め、出会う全ての人とヘレンとアニーそしてその周りにいる人たちみたいに全力で繋がっていって欲しいと思います。


群馬県立聾学校

昨年の12月の星の王子さま以来の群馬聾学校。今回は、「ヘレン・ケラー響き合うものたち」の公演でお邪魔しました。梅雨も開け、カンカン照りの暑い中、公演中は、全員フェイスシールドを着用し、劇団で空調設備も整え、熱中症にはくれぐれも配慮してでの公演になりました。はじめに、バックステージを最初に行いました。最初に小学部と中学部、次に高学部。みんな元気で積極的で。それでいて、自由に動き回って、ヘレン・ケラーの舞台を散策してくれていました。劇団員紹介の際にはこれまでにないくらいの質問や、意見を聞けて、彼らの夢や願い、思いに触れられたと思いました。今回は、ヘレン・ケラーを題材にした劇ということもあり、彼らに繋がるものが多い作品だったと思います。本番中、静かに涙を流してくれたり、クスクスと笑ってくれたり、終演後、生徒挨拶で手話を交えながら一生懸命話してくれた事。この題名のように、確かに響きあった瞬間が見られた事が、劇団員にとってはもちろん、群馬聾学校のみんなにも、大事な瞬間になったこと。劇団員一同、嬉しく思います。
ひとつ思ったこと、群馬聾学校のみなさん、表現が豊かで元気すぎました!
私も、つられて笑ってしまったり、つい一緒になって、はしゃぎすぎてしまいました笑
彼らが今回の公演で見せてくれた、全力の楽しいや嬉しいが私たちに大きな幸福感を与えてくれたことは間違いないです。
素敵な時間をありがとうございました。

文:スタッフ 髙階のどか


『Touch~孤独から愛へ』2021年 春 西日本地域巡回公演 第8週目

2021-07-21 16:20:54 | 全国巡回公演

8週目、いよいよ旅はラストスパートに向かいます。

 

今週は

7月5日(月)愛媛県 津田中学校【体験支援】

7月6日(火) 徳島県 鳴門教育大学附属中学校【体験支援】

7月7日(水)香川県 琴平高校・多度津中学校

7月8日(木)香川県 観音寺総合高校・観音寺第一高校

の四国3県、6校7公演です。

 

津田中学校

津田中学校は文化庁の事業、『文化芸術による子ども育成事業 子どものための文化芸術鑑賞・体験支援事業』による公演です。

この事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、“あらゆる文化芸術体験の機会がうばわれてしまった状況下において、子どもたちが質の高い舞台芸術に触れる機会を創出すること”を目的とした事業です。

TOUCHは津田中学校が体験支援事業の最初の1校目となりました。

30度近くにもなる暑い体育館でしたが、新しく劇団でクーラーを取り入れ、設置し、生徒さんの後ろからクーラー2台と両脇には扇風機を6台設置して感染対策として窓を開けて換気しつつも暑さ対策をしました。

公演は感染対策のために2回。1回目は1・2年生、2回目は3年生です。学年ごとに変わる反応、変わる見方がありこちらもそんな客席を感じて嬉しかったです。

公演の後は舞台見学をしたいところでしたが、感染対策のために袖中から舞台の裏側を通って帰るという形になりました。舞台の裏側はどうなっているのか、どんな小道具があるのか、どんな仕掛けがあるのかをほんの少しの時間の中ではありましたが楽しんでいる様子でした。

 

鳴門教育大学付属中学校

こちらも同じく文化庁の体験支援事業での公演です。

実は昨年「ヘレン・ケラー」の公演を行った学校でもあります。

 

開演前には教頭先生から昨年この会館で久しぶりに全校生徒集まれたこと、この1年間を振り返りながら、「またここで演劇が観られることを楽しみましょう」というメッセージが生徒さんに送られました。

公演中のみなさんの元気そうな姿に劇団員も呼応し、ひとつの空間、思い出を一緒につくることができたのではないでしょうか。

 

公演後にはバックステージもありました。たくさんの生徒さんが舞台に上がり、各々興味があったものを見たり、聞いたり。音響の上田が生徒さんの動きに合わせて音を出したり止めたりすると大盛り上がりしていました。

 

琴平高校・多度津中学校

この日の午前中は琴平高校、午後は多度津中学校の公演です。同じ会館での公演でした。

コロナ対策の為に両校ともに二階席やバルコニー席まで使い、間隔を開けての公演です。

琴平高校の担当の先生が挨拶の際に「本物に触れる機会です。人生のエッセンスとして、今日の演劇を感じてください。」とおっしゃってくださり、生徒たちはその言葉を受け、じっと真面目にまっすぐな視線で舞台を見つめていました。午後の多度津中学校の公演は、午前とはまた違った柔らかな空気に包まれた公演になりました。また公演の合間には客席の消毒を劇団員たちが行い、コロナ対策もしっかりと行いました。

 

観音寺総合高校・観音寺第一高校

この両校は20年からの延期の学校です。

この日の午前中は観音寺総合高校、午後は観音寺第一高校、同じ会館での公演です。

朝から警報が出るほどの雨が降り続く中での開催でした。

観音寺総合高校の担当の先生が始まる前に「雨で数人は来れず、終わるまでは帰れないけれど、楽しんでください。」との挨拶をいただき、生徒さんたちはリラックスした様子で公演を楽しんでいました。

公演後のバックステージも行い、音響や照明にも興味がある子がいた為、音響の上田や照明の江田もそれぞれ生徒さんと少ない時間の中で交流を楽しみました。

雨は上がり、暑さが戻った午後は観音寺第一高校の公演です。

少し早めに挨拶の打ち合わせに来た生徒会長さんのバックステージツアーから始まりました。その後の挨拶でそのバックステージの感想もお話ししてくださり、思わず役者たちもくすりと笑ってしまいました。

終わった後のバックステージツアーは舞台の上から溢れかえるくらいの生徒さんが来てくださり大にぎわいでした。その後は演劇部の生徒さんたちとハロルド役柳瀬が対談を行い、バラシを眺めつつの対談は濃い時間となりました。

 

 

この数週間は私たちにとって当たり前だったことは当たり前なんかじゃないと知れた日々でした。

たくさんの方のご尽力、願いや思いがあって実現できた公演だったと実感しました。

先生方、関係者の皆様には感謝してもしきれぬ思いでいっぱいです。ありがとうございました。

旅はいよいよ終わりに向かいます。最後まで駆け抜けていきます。

 

文:スタッフ・赤井優理香

 

 


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2021年春 東日本ツアー 第6週目

2021-07-13 08:39:09 | 全国巡回公演

7月に入り、暑さも本格的になってきました。ツアー6週目を迎えた今週は、

7月5日(月) 【福島県】会津美里町立本郷中学校 同校体育館

      6日(火) 【福島県】会津農林高校 會津風雅堂

      7日(水) 【群馬県】伊勢崎高等特別支援学校 同校体育館

      8日(木) 【群馬県】樹徳高校 桐生市市民会館

      9日(金) 【東京都】千早高校 練馬文化センター

の公演でした。

 

本郷中学校

文化庁の事業、「子どものための文化芸術鑑賞・体験支援事業」で行われた本郷中学校の公演。この機会に、ヘレン・ケラーについて事前学習をしたいという先生の希望があり、劇団から生徒さんたちにパンフレットを送りました。今回は感染症対策で、3年生が体育館で観劇、1・2年生はリモート配信でクラスで観劇。午前中にリモート配信の準備をしていると「舞台の様子やポンプが気になってしかたなかった!」と、数名の1年生が舞台見学に来てくれました。

開演前には「コロナウイルスの流行、豪雨による被害など、人生には嬉しいこともあれば、思いがけないこともあります。ヘレン・ケラーは140年前に生きていた実際の人物です。家庭教師のアニー・サリバンと出会って彼女は変わっていきました。みなさんも今、自分を見つけているところです。自分自身と照らし合わせて見てほしい」と、校長先生がお話しされました。本番が始まると自分たちの感覚を大事にしながら、何かを感じ、考えている生徒さんの姿がありました。また同じ空間に共にいるという力強さが舞台上に伝わってきました。カーテンコールでは「体育館に入ったとき、豪華なセットに驚きました。途中、ヘレンが赤ちゃんのゆりかごを倒してしまうところで、これからどうなってしまうのだろうと不安になったのですが、最後はみんなが笑顔になって、感動しました」という生徒会長さんの言葉と、花束をいただきました。

終演後は全校生徒のみなさんが舞台見学。舞台の仕組みを楽しんだり、照明や音響のオペレート体験、俳優と交流したりなど濃い時間を過ごすことができました。それから、書きたてホヤホヤの感想文もいただきました!

実は本郷中学校には、12年前に若松第二中学校で『星の王子さま』を公演したときに「呑み助役」演じてくれた教頭先生と、劇団員、佐野準の恩師・菊池先生がいらっしゃいました。嬉しい再会やつながりのあった温かい公演でした。

 

会津農林高校

会津農林高校は感染状況を鑑みて、一度公演の延期を決めた学校でした。しかし先生から「やっぱり芸術館鑑賞会を実施したい!」と熱のこもった連絡を再度受けて、実現した公演です。会場を体育館から會津風雅堂(文化会館)に変更し、密を避けての観劇。開演前には、会の司会進行、生徒代表挨拶をしてくれる生徒さんたちと先生方が会館を訪れて、入念にリハーサル。生徒さんにアドバイスする先生、アドバイスを受けてチャレンジする生徒さん、双方の姿が素敵でした。

「コロナウイルスのなかで様々な行事がなくなりました。学校で様々な行事を経験してみんなが育っていくと、私は思います。そのために今日のこの行事は大切なんです。去年まで勤めていた学校で、大会がなくなって目標がなくなったと泣き崩れる生徒に、これまで積み重ねてきたものがあるじゃないか、人間力を見失わないでほしいと言いました。苦しみの中にあって何を見つけるのか、今日の公演を通して感じてほしい」開演前に校長先生が生徒さんたちにメッセージを送りました。開演するとこちらが吸い込まれるかのような美しい静寂が空間に漂い、生徒さんの真剣な眼差しを感じました。先生方の願いはきっと生徒さんたちに届いていると思います。これからも学校生活や行事を通して忘れられない、大切な思い出ができますように。応援しています!

 

伊勢崎高等特別支援学校

会津農林高校の公演を終えて、旅班は伊勢崎高等特別支援学校に移動、公演準備のため舞台設営を行いました。夜、学校に到着すると、待っていてくれたのは教頭先生。マスクから覗く顔に見覚えが……。なんと、1年前に『星の王子さま』を公演した群馬県立沼田特別支援学校の教頭先生でした!思わぬ嬉しい再会!そして担当の内林先生は、群馬県立聾学校の土橋校長先生との長く親しいお付き合いがあるそうです。こうしてまたつながりから生まれた公演。明日の本番がさらに楽しみになりました。

伊勢崎高等特別支援学校の公演も文化庁の事業で、バリアフリー演劇で行いました。公演当日は、全校生徒が朝から順番に舞台見学。俳優、舞台手話役者・音声ガイド・スタッフの自己紹介をしたあとは、舞台のすみずみ、体育館のありとあらゆる場所を、生徒さんも、先生も、劇団員も一緒になって体験。「すご~い!」「嬉しい!」「楽しい!」と感嘆の声がそこらじゅうから聞こえてきます。生徒さんは積極的に劇団員と交流して、質問をしたり、小道具の人形が好きになったり、衣装を着て役になりきったりと、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

お弁当を食べて続々と入場してくる生徒さんたち。熱気の溢れる会場にベルが響き本番が始まると、ひとりひとりが、それぞれの表現で舞台を共につくってくれました。ヘレンがアニーを打負かすと嬉しそうに体を揺らしたり、声があがります。アニーにヘレンがやられると、なんだか少し悔しそうな客席。隣にいる先生に声を出しながら自分の気持ちを伝えようとする生徒さん。もっともっと一緒にこの空間と時間を過ごしたい、そう思わせてくれる経験をすることができました。カーテンコールではサプライズで、生徒さんたちが「校歌」の手話歌をプレゼントしてくれました。さっきまで客席にいた生徒さんが舞台に上がり照明を浴びて、体全体で表現し、わたしたちに「一緒に歌おう」と呼びかけてくれました。

公演終了後、みんな名残惜しそうに体育館を後にしていきます。ヘレンと抱き合い、俳優とタッチして、写真を撮って。担当の内林先生は、「生徒たちがこんなに真剣に見ていることに驚きました。いつもは体育館に入ってきたり、みんなと一緒にいることのできない子も今日は最後までいたんです。子供たちの力、すごいですね」と、生徒さんたちのこの日の姿に大喜びしていました。またお会いできることを心から楽しみにしています。

 

樹徳高校

8日は群馬県の桐生市・シルクホールで樹徳高校と中・高等部のみなさんに観ていただきました。久しぶりの2回公演。座席の間隔を空け、2回席までいっぱいに使っての上演です。去年の公演が延期となり、やっとこの日を迎えることが出来ました。今度のツアーは昨年度からの延期が多いのですが、先生方と保護者のみなさんの理解があってこそ、今日のこの日が迎えられたことに感謝します。開場時間を早めて感染症対策をしていただいた先生方、本当にありがとうございました。終演後にはご担当の先生方もほっとされた笑顔でわたしたちを迎えてくださいました。


千早高校

翌日は練馬文化センターにて、千早高校のみなさんとの公演です。コロナによる学校行事の自粛が始まって、1年半ぶりにやっと全校生徒が一か所に集まってできた学校行事。その感激が生徒のみなさんから感じられた客席でした。『ヘレン・ケラー』の上演は6年前に続き2回目です。みなさんの大変元気そうな姿を見て、私たちのこれからの活動への意欲も湧いてきました。

 

人と人とのつながりを深く感じることのできる公演が続いた一週間でした。共に過ごした時間が、生徒さんと先生方のひとり一人の元気や笑顔になってくれたらと願います。またみなさんと再会できることを楽しみにして、ヘレン・ケラーの旅は続きます。

 

文:渋谷愛/緒方一則


『Touch~孤独から愛へ』2021年 春 西日本地域巡回公演 第7週目

2021-07-09 21:36:22 | 全国巡回公演

 

『Touch』西日本ツアーもいよいよ第7週目に入りました。

第7週目は

6月28日(月)高知県 高知工業高校

7月2日(金)広島県 広島なぎさ中学校

7月3日(土)広島県 広島なぎさ高校

の2校、6回の公演です。

 

6月28日(月)高知工業高校

この学校も去年から延期になった学校です。新型コロナウイルス感染予防の為に2回に分けての公演となりました。

 

前日の27日(日)に2階の体育館での仕込みを行いました。

体育館に到着すると男子バレー部のみんなが待ってくれていました。

一気に盛り上がって、予定時間より1時間半も早く仕込みが終わりました。ありがとうございました。

 

公演当日は、午前と午後の2回の公演でした。計10台の強力送風機を回しながらの公演でしたが、久しぶりに学年全体が揃ったということもあり、リラックスしながら舞台を見つめる姿が印象的でした。

 

 

搬出にもバレー部、ラグビー部、ボート部それから有志の生徒さん100人くらいが手伝ってくれたのにはオドロキと感謝しかありません。「今日の『Touch』にもっと触れていたいから、こんなにも多くの生徒が手伝っているのでしょう。やってよかったです!」と話してくれた先生の言葉が忘れられません。

 

7月2日(金)・3日(土)広島なぎさ中学校・高校

この学校も去年から延期した学校です。前日の仕込みの時に「1年間お待たせしました!」との言葉を下さった校長先生、「やっとやれます!」とおっしゃった担当の先生の顔が全てを物語っています。

会場は佐伯区民文化センターです。2日間続けて午前・午後の計4回の公演です。1日目の午前中が中学1年生を中心とした回、2日目の午後に向かって学年が上がっていくという客席でした。

声を出せないので笑いをこらえてたり、芝居を見ながら自分自身について考えたり、またある時はすすり泣いたりと、動きにあふれた客席がよく伝わってきます。

カーテンコールの挨拶で「他人のことを思いやれる人になりたいと思いました。」という言葉はとてもすがすがしかったです。

 

 

旅はいよいよラストスパートに入ります。7月17日(土)・18日(日)には姫路市文化国際交流財団主催による姫路キャスパホールでの一般公演があります。(共に開演は14時)ぜひお越しください。

 

文:ハロルド役 柳瀬太一


『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2021年春 東日本ツアー 第5週目

2021-07-04 11:01:16 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演も7月に突入し、5週目を迎えました。

6月28日(月) 【青森県】 弘前高校 弘前市民会館 

7月  2日(金) 【埼玉県】 飯能市立名栗小学校 同校体育館

弘前高校

弘前高校は、昨年公演予定していましたが、コロナの影響により、今年に延期となった公演でした。

先生方の熱い想いと生徒さん方の待ちに待った想いに支えられ、実現できた公演の時間となりました。

公演は、三密を避けるために、午前と午後の公演と二回に分けての公演となりました。

午前開演では、開場時間より一足早く、弘前市民会館の入口に元気な声を響かせながら、続々と生徒さんが集合していました。

会場時には、先生方によるひとりひとりの生徒さんの検温や消毒などのコロナ対策を徹底されていらっしゃいました。

午前の公演では、12年生の生徒さんが鑑賞しました。公演が始まると、静かで、まっすぐな眼差しで舞台に向き合っている様子が印象的でした。

午前の公演が終わったあと、「本当に久しぶりの行事でした。生徒にとっても、私たちにとっても良い時間になりました。午後の公演も楽しみにしてます。」と、先生方が話してくれました。

午後の公演は、3年生の生徒さんが鑑賞しました。時おり、笑い声や息づかいが聞こえ、リラックスした雰囲気での公演となりました。

飯能市立名栗小学校

今回の飯能市立名栗小学校は、文化庁の事業、『文化芸術による子ども育成事業 子どものための文化芸術鑑賞・体験支援事業』の公演です。

この文化庁の事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、“あらゆる文化芸術体験の機会がうばわれてしまった状況下において、子どもたちが質の高い舞台芸術に触れる機会を創出すること”を目的とした事業です。

飯能市立名栗小学校は、3年前に文化庁の事業での『星の王子さま』を公演した学校でもあり、皆さんに再会でき、私たちも本当に嬉しいです!

今回の公演は、先生方のたっての希望もあり、『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』バリアフリー演劇の公演となりました。

公演当日は、全校生徒28人全員が揃いました!

開演前の舞台説明、そして、「私たちも、どんなひとたちも一緒にいることが出来ることを願って」という、なぜ、今回バリアフリー演劇を皆と創りたかったのかという先生の話を生き生きとした表情で聞き入る生徒さんたち。

公演が始まると、自由に見たい場所に向かい、様々な反応で全身で鑑賞をしていました。

公演が終わると、、、なんと!生徒さんたちが舞台に上がり、感謝の想いを込めて、サプライズで手話で「虹」という歌を歌ってくれました。毎朝、たくさん練習したそうです!

皆さん、とっても素敵な姿でした!本当にありがとうございました!!

 

このような状況のなか、公演を決断して下さった先生方に心より感謝申し上げます。

今週は2校での公演でしたが、とても勢いを感じる公演の時間となりました。

 

文:倉八ほなみ