風のBLOG

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2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第五週目

2019-10-26 09:53:06 | 全国巡回公演

10月も後半になり、九州もだんだんと過ごしやすい陽気となってきました。

ツアー第五週目の今週は、

10月21日(月) [佐賀県]佐賀東高校・高志館高校 佐賀市文化会館

   23日(水) [福岡県]高稜高校 同校体育館

   24日(木) [熊本県]小国高校・小国中学校・南小国中学校 小国高校体育館

   25日(金) [大分県]中津南高校 同校体育館

での公演でした。

 

佐賀東高校・高志館高校

三年に一回の二校合同の演劇鑑賞会。風の公演も三年振りとなります。

佐賀東高校の演劇部は全国大会に何度も出場しており、劇団員の蒲原智城の母校でもあります。

「心臓が飛び出すほど緊張しています。」と、司会の高志館高校の生徒会長さん。しかし、舞台に上がると堂々とした態度で、客席を盛り上げてくれました。

公演は、開演前の賑やかさとはうってかわって、集中した視線を終始舞台に向けてくれていました。

カーテンコールでは、「人との絆と思いを大切にしていきたいと思いました。」という素敵な感想とともに佐賀東高校の演劇部の生徒さんと司会をしてくれた高志館高校の生徒会長さんから花束をいただきました。

終演後には、高志館高校の担当の先生と生徒会長さんが楽屋を訪ねてきてくれました。

一方、ステージ上では佐賀東高校の演劇部のみなさんが舞台見学を行っていました。顧問の先生も一緒になって、細かいところまで隅々と舞台装置、小道具などを熱心に見学していました。その後、座談会も行われ時間いっぱい楽しんでくれていました。

この日の公演が、両校のみなさんの大切な思い出となってくれることを願っています。

 

高稜高校

北九州市の二島駅前の小高い丘の上にある高稜高校の体育館での公演です。こちらの学校は二年前の『ジャンヌ・ダルク』以来、7回目の風の公演でした。

坂道を登り、二階にある体育館のため、公演前日に搬入を行いました。このときには、男子バスケットボール部の生徒のみなさんが、部活動後にも関わらず、お手伝いをしてくれました。

作業を終えると、担当の先生が「こんなに大変だとは思っていませんでした。でも、これが明日舞台になるんですね。」と、息を切らせながらも、生徒がこれから演劇に触れることへの期待を話してくれました。

本番当日、生徒のみなさんは、その先生の期待に応えるかのように、細かいところにもよく反応しながら、『Touch』の世界を楽しんでくれていました。

カーテンコールでは、生徒会長さんの「今日の演劇を見て、仲間との絆を大切にしたいと思いました。」という言葉とともに、生徒全員が立ち上がり、大きな声で「ありがとうございました!」とお礼を受けました。生徒のみなさんの思いに、こちらこそありがとうございました。

終演後の舞台撤去には、野球部、サッカー部、バレーボール部、剣道部、軽音部、生徒会の生徒のみなさんが元気に手伝ってくれました。そのおかげで、予想していた以上の速さで撤去が終わりました。ありがとうございました。

 

小国高校・小国中学校・南小国中学校

小国では、毎年合同で芸術鑑賞会を行っており、こちらも二年前の『ジャンヌ・ダルク』以来の再会となりました。

地元の木材を使って建てられた、あたたかみのある木造の体育館が今回も私たちを迎えてくれました。体育館の木の温もりと鉄とコンクリートの無機質さを感じさせる『Touch』舞台装置とが合わさり、独特の雰囲気を感じる劇場に変わりました。

雨のなか、バスに揺られて、中学校の生徒のみなさんが続々と高校の体育館に集まってきました。高校で昼食を済ませて開場を待ちます。

「教室で生徒に聞いてみたら、みんな前回の『ジャンヌ・ダルク』の事を覚えていて、今日も楽しみにしていました。」と、担当の先生が開演前におっしゃっていました。その言葉を聞くと、自然と力がみなぎります。

本番は、生徒のみなさんの無邪気な笑い声に包まれて、あたたかな空間が体育館に広がっていました。ラストシーンでは、あちこちから鼻をすする音が。きっとひとりひとりのなかで、なにかが起こってくれていたのではないでしょうか。

終演後の舞台撤去には部活動の生徒のみなさんがたくさん参加してくれました。

今回の『Touch』の話だけでなく、二年前の『ジャンヌ・ダルク』の話もしながら、あっという間に時間が過ぎていきました。

また、みなさんの元気な姿に会えることを願っています。

 

中津南高校

中津南高校は、三年ぶり5回目の風の上演でした。

こちらの学校は芸術に触れるという目的に加えて、人権教育の一環としての取り組みとして芸術鑑賞を行っています。

静かに食い入るように、熱心に視線を注ぐ生徒のみなさんの姿が印象的で、彼らの力強い拍手のなか幕を閉じました。

カーテンコールでは、生徒会長さんが「この先、孤独を感じたり、壁にぶつかることがあると思います。その時は、今日の演劇を思い出して、仲間との繋がりを大切に歩んでいきたいと思います。」と、熱いメッセージをみんなの前で語ってくれました。

終演後には、担当の先生が顧問をしている野球部と卓球部、柔道部、剣道部、生徒会、そして有志の生徒さん、本当にたくさんのみなさんがお手伝いをしてくれました。さっきまで見ていた公演が自分にとって何なのか、それぞれの言葉を劇団員に伝えながら、作業をしてくれました。

公演の記念に作った色紙を受け取ってくれたのは、カーテンコールで熱い感想を述べてくれた生徒会長さん。なんと名前は太一くん。太一から太一へ(笑)!

最後はみんなで記念写真。この日感じたこと、考えたことが、みなさんひとりひとりのこの先の人生の力に変えていってくれたらと思います。ありがとうございました。

 

今週は、どの学校もここニ、三年の間に風を上演した学校ばかりの再会の週でした。

そのなかで、印象に残った先生の言葉があります。

「ここの子たちは、芸術に触れる機会がほとんどありません。だからこそ、こうして芸術鑑賞会をとおして、本物に触れることができることは、子どもたちにとって大切なことだと思いますし、彼らを豊かにしてくれると思います。」

その言葉から、私たちが誰に対して、そしてどんな人たちの思いの重なり合ったなかで、一回の公演をしているのかをあらためて感じました。

今、若い観客たちに演劇を見せることの意味、若い観客たちが演劇を見ることの意味は何なのか。

一回一回の公演をとおして常に考え、その場で彼らとつくり続けていきます。

来週はいよいよ旅の折返しを迎えます。

 

文:フィリップ役 佐藤勇太

 


2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本ツアー【第4週目】

2019-10-24 00:54:00 | 全国巡回公演

 

トップの写真は姫路南高校さんから「ぜひ、使って欲しい!」ということでカーテンコール時にサプライズで頂いたうさぎのぬいぐるみ"ミナミちゃん"です。

生徒さんの刺繍入りです。ヘレンのおもちゃ箱に入っています。嬉しいサプライズを本当にありがとうございます!

 

 

 

お待たせして、申し訳ありません。2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本ツアーの4周目のブログです。

まだまだ夏の空気が残る9月中旬に、岡山県で初日を迎えスタートした『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の東日本・西日本巡回公演は、季節は秋を感じる時期に入りました。

 

 

10月8日  (火)【兵庫県】網干高校/姫路南高校 姫路市文化センター大ホール

10月9日  (水)【鳥取県】鳥取商業高校 同校体育館

10月10日(木)【愛知県】黄柳野高校  同校体育館

この4校の学校で公演を行ってきました。

 

巡回公演4週目の始まり、10月8日は2校合同公演で午前・午後の2回公演でした。

 

 

網干高校

午前の公演は網干高校での公演です。

開演の前には以前にもヘレン・ケラーの公演を一度見ているご担当の先生が「今日の公演を楽しみにしていました。」と劇団員に声をかけて下さいました。

公演中の網干高校の生徒さんは、開演の音楽が流れ始めるとピタッと静かになり、少し緊張感の漂う集中した劇場空間でした。

休憩をはさみ、2幕が開演すると今度はリラックスした状態で、いろんな表情を向けながら舞台に向かってくれていました。

カーテンコールでは素敵な花束と生徒会長さんがお礼の言葉を送ってくれ、言葉の中には「自分はヘレン・ケラーは三重苦の重い生涯を乗り越えた人、という認識だけでしたが、今日の公演を見てヘレンがサリバン先生と出会っていく中で一緒に生涯を乗り超えて行ったことを感じました。」

とありました。

終演後には生徒さんたちの送り出しにロビーに向かいました。

生徒さんたちは「ありがとうございました」「楽しかったです」と元気よく声をかけてくれたり、握手をしにきてくれたり、いろんな形で公演の感想を伝えてきてくれました。

最後にご担当の先生も声をかけにきてくださり、「過去にも一度見ているのですが一番自分の中にも響くものがありました。」と話して下さいました。

 

 

姫路南高校

午後の公演は姫路南高校での公演です。

前日の舞台仕込みから、ご担当の先生が演劇部の一年生の生徒さんたちと共に迎え入れてくれ、来てくれた2人の生徒さんたちは、自分たちの強い希望で保護者の方にも許可を得て「舞台の仕込みを手伝いたい」という意思できてくれました。

 

先生は生徒さんたちを公演はもちろん、舞台の裏側や風の仕事に触れさせたいという思いで生徒さんたちに声をかけて下さっていました。

生徒さんたちは大掛かりな舞台がどういう風に組み上がっていくのか、どれだけの道具が11トントラックの中に積まれているのか、最後の照明のあたりチェックまで興味を持ちながら、劇団員と一緒になって一生懸命に手を貸してくれました。

最後に手元の作業から離れ自分たちが組んだ舞台の全体を見て「すごい!」と驚いていました。

本番では一人一人が今出会っているものや感じていることを大事にしているかのように表情を変えながら、舞台上で起こっていることに体ごと向けて見てくれていました。

公演後には前日に舞台の仕込みを手伝ってくれた生徒さんたちに加え演劇部、放送部の6人の生徒さんが舞台の撤去作業に参加してくれました。

舞台をバラバラにする作業の前に、舞台見学を行い、作業の後には余った時間ではありましたが座談会を行いました。

生徒さんたちは自分がこれから向かうものへの不安や疑問、舞台を見て自分が感じたことをぶつけて来てくれました。

彼女たちから出てくる言葉はとても繊細なもののように感じました。

ご担当の先生は何度も風の公演を見て下さっていて本当にこの公演での生徒さんちの姿や今回の公演での繋がりをとても喜んで下さっていました。

ここで繋がった出会いがきっと新たな出会いへ広がっていくことを感じる、人の姿がありました。

 

 

鳥取商業高校

鳥取商業高校での公演は、鳥取県文化振興財団の主催で行われた公演でした。

人権学習の一環として、3年生のみ165人の参加で、鳥取商業高校の体育館で行いました。

生徒さんたちが人権学習の中で、障害を抱えている人の立場を実際に体験する学習を行っていることをご担当の先生から伺いました。

生徒さんたちはアイマスクをつけて"見えない"状態を経験したり、耳栓をして"聞こえない"状態を経験していて、その中で「ヘレン・ケラー」の舞台と向き合って欲しいという先生の思いと、鳥取文化振興財団の方々の鳥取の子供たちに本物の舞台に触れてもらいたいという思いが繋げた公演でした。

生徒さんたちは体育館に入ってくると、「うわーなにこれ!?」「すごーい!」と体育館に組み上がった舞台セットに驚きの声を上げながら元気よく入場して来ました。

 

本番に入ると一瞬にして賑やかだった客席は静かになり、ものすごく集中した様子で前のめりに舞台に向かっていました。

 

公演後にはほとんどの生徒さんたちが舞台見学に残り、舞台に上がって道具に触れたり、役者に声をかけてくれました。

生徒さんだけでなく先生方も一緒になって、舞台見学をしていました。

座談会にも多くの生徒さんが集まってくれ、自分自身が頑張ってることこれからやりたいことをヘレン・ケラー役の倉八にそれぞれの思いをぶつけている様子でした。

 

舞台見学後の撤去作業の中では本当に体いっぱい一生懸命に力を貸してくれ、劇団員や同じ学年の仲間たちとお互いに声をかけあいながらお手伝いをしてくれている彼らの姿に、彼らのチームワークを見たように思いました。

 

先生方もそんな生徒さんたちを褒めていました。

 

 

黄柳野高校

 

 黄柳野高校での公演は今回で4回目となる公演で、そのうち「ヘレン・ケラー」の上演は今回で2回目となります。

さらに、去年は「ジャンヌ・ダルク」を上演していて、2年連続の公演となりました。

先生からのご案内で昼食は学校内の学食を頂きました。食堂の入り口の目の止まりやすい場所には去年上演した「ジャンヌ・ダルク」の色紙が飾られていました。

入場時間前に何人かの生徒さんが舞台見学にきてくれました。

中にはこの日のために「ヘレン・ケラー」の本を読んで勉強して来た、という子や小学校のときに読んだ「ヘレン・ケラー」の伝記を思い返した、という子がいました。

 

本番中の彼らは自分の感覚で出会いたいものや見たいものに自由に向き合ってくれていたように思います。

カーテンコールでは代表の生徒さんが「ヘレン・ケラーがサリバン先生とぶつかり合いながら言葉に出会っていく姿に感動しました。」とあいさつしてくれました。

そのあと校長先生からのあいさつもあり、校長先生は舞台に向かう生徒さんたちを褒め、「涙が出そうになりました。」と熱のある言葉を我々劇団員、そして黄柳野高校の皆さんに伝えて下さいました。

 

終演後すぐにたくさんの生徒さんたちが舞台裏に来てくれそれぞれ役者やスタッフを捕まえて、自分が感じたことや受け取ったもの、思い返したことや自分の夢、いま夢中になっていることを話してくれました。

舞台の片ずけにも何人かの生徒さんが残ってくれ、「ジャンヌ・ダルク」の時もお手伝いに来てくれた3年生の女子生徒さんと生徒会の子たちが中心となって、最後まで一生懸命に手を貸してくれました。

黙々と手伝ってくれていた生徒会の子が最後に「自分は転校して来たんですが、前の学校でもこのヘレン・ケラーを見ました!」とその時の記憶を話してくれ、本当に再会の多い公演であったことを嬉しく思いました。

 

 

 

たくさんの自分以外の誰かを思う強い繋がりの中で出会っていること、そして人の願いが募っていく出会いや再会がここにあることを感じます。

出会った人たちが伝えて来てくれた思いや言葉を抱えて、待ってる人たちのところへ向かって行きたいと思います。

 

 

アニー・サリバン役 高階ひかり

 


2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第四週目

2019-10-20 12:14:08 | 全国巡回公演

 

『Touch〜孤独から愛へ』今週は

10月15日㈫ 〈長崎県〉海星高校 同校体育館

   16日㈬ 〈 〃 〉長崎女子商業高校 長崎市民会館

   17日㈭ 〈 〃 〉松浦高校 松浦市文化会館ゆめホール

   18日㈮ 〈鹿児島県〉伊佐農林高校 同校体育館

 

海星高校

観光地でもあるオランダ坂を登って行った先に海星高校はあります。

15日の公演の準備のためにこの風情のある石畳の坂を登っていきました。

学校に到着すると、搬入のお手伝いのために、文化部に所属する生徒のみなさんが出迎えてくれました。

体育館は階段を降りた所にあり、元気な生徒のみなさんのおかげで、スムーズに準備を終えることができました。

 

 

公演当日は、午前と午後の二回に分かれての公演でした。三年生と中学校から上がってきた生徒のみなさんは、2年前の『ジャンヌ・ダルク』以来の再会となりました。

高台に立地しているためか、体育館は風がよく通り、あまり暑くならず、見やすい環境の中で公演ができました。

ひとりひとりの生徒さんが、それぞれにいろんな事を感じながら観劇してくれました。

 

公演後の舞台撤去のお手伝いには、俳優やスタッフにそれぞれの思いを話しながら、たくさんの生徒のみなさんが力を貸してくれたおかげで、予定していた時間よりも早く撤去が終わりました。ありがとうございました。

オランダ坂を下っていく生徒のみなさんにサヨナラを言いつつ、私たちも学校をあとにしました。

 

長崎女子商業高校

長崎女子商業高校は2016年の『ジャンヌ・ダルク』以来、9回目の風の公演になります。これだけ多く長い間、風の演劇を取り上げてくださっていることに感謝をしつつ、今回も先生方、生徒のみなさんの期待を感じ気が引き締まります。

 

歴史ある長崎市民会館での公演。開演前はしゃいでいた生徒のみなさんは、公演が始まると一変。食い入るように静かになりました。とても集中してみてくれているのがよく伝わってきました。

 

撤収作業が終わり、会館の方にあいさつをすると、「うちの会館、搬入条件が悪くてすみません。」とおっしゃっていました。

しかし、その言葉の中には誇りも感じられました。どんなに条件が悪くともそこに文化施設があるということで、芸術の芽が育つ可能性が残されます。

歴史ある建造物でもある会館を、この先も守っていってもらえたらと思います。

 

松浦高校

松浦高校は、1999年に『Touch』を上演しており、実に20年振りの芸術鑑賞ということでした。

担当の先生も「やっと芸術鑑賞行事ができました。この公演を機にこの先も生徒たちに鑑賞の機会をつくり続けていきたいです。」と、おっしゃていました。

先生方の期待をその言葉からひしひしと感じました。

 

開場時間になると、生徒のみなさんが賑やかに入場してきました。公演を楽しみにしてくれていた空気が、こちらにも伝わって来ます。

その空気の中、公演が始まり、物語に引き込まれていく生徒のみなさんと、とても集中した空間をつくることができました。

 

終演後には、舞台裏見学が行われました。たくさんの生徒のみなさんが舞台に上がり、普段見ることのできない舞台の裏側を、スタッフの説明を聞きながら楽しく見てくれていました。古い家具や、舞台セットを興味深く眺めながら、俳優とも交流をしていました。この日見た公演とともに高校時代の大切な思い出のひとつとなってくれることを願っています。

 

伊佐農林高校

伊佐農林高校も二年前の『ジャンヌ・ダルク』以来、6回目の風の公演です。

学校に到着すると、体育館の入口の柱に大きな『Touch』の公演の張り紙が私たちを迎えてくれました。

約150名の生徒さんたちがゆったりと観劇してくれました。みな、三人の登場人物の言葉や行動に引き込まれるように見てくれていました。

公演後のカーテンコールでは代表の生徒さんから「普段あまり演劇に触れる機会のない僕たちにとって、貴重な経験になりました。」と、力強いメッセージをもらいました。

あとで聞いてみると、彼は地元の劇団に小学生の頃から参加してしていて、今日の公演を楽しみにしてくれていたとのこと。

終演後の舞台見学、舞台撤去にもほかの生徒さんと一緒に参加してくれました。

積極的な生徒のみなさんのお手伝いのおかげで素早く舞台撤去を終了することができました。ありがとうございました。

 

『Touch』という演劇を見ることを通して、生徒さんたちひとりひとりが様々なことを受け取り、考えるきっかけにしてくれているように感じます。

その橋渡しをしてくださる先生方には感謝の言葉しかありません。

これからの出会いを楽しみに『Touch』の旅はまだまだ続いていきます。

 

文:舞台監督 佐田剛久


2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本・九州ツアー【第3週目】

2019-10-15 10:00:00 | 全国巡回公演

2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本・九州ツアー第3週目の公演は、

9月30日(月) 【富山県】大門高校 同校体育館

10月2日(水) 【東京都】日本大学第二高校 小金井市民交流センター

10月3日(木) 【茨城県】牛久栄進高校 牛久市中央生涯学習センター

での公演でした。

大門高校

この学校は風初めての公演でした。2年前から話し続けてやっと実現できた公演です。

体育館が2階だったこともあり、前日日曜日に荷物の運び入れを行いました。

トラックの中身を見た先生からは「あれは芸術的!」とうれしい言葉をいただきました。

公演当日、体育館にパイプ椅子を並べに来てくれた野球部の生徒達からは「すげー!」と期待のこもった反応。

公演が始まると、360人の客席からは熱い視線が向けられ、終始客席から力強く舞台を支えてくれていました。

その視線には、普段見ることのない生の演劇への興味がひしひしと伝わってきました。この公演が大門高校の皆さんにとって学校生活の大きな思い出となってくれていたら幸いです。

終演後、片付けには多くの運動部の生徒達が手伝いに来てくれました。ありがとうございます!

率先して片付けを手伝ってくれる皆さんの姿には、この一日を最後まで楽しんでくれていることを感じました。

 

日本大学第二高校

一度東京に戻り、今度は東日本へ。

この公演は、1年生のみの公演です。この学校では過去に「ハムレット」中学校では「ヘレン・ケラー」を上演しています。

1年生のみの公演ということもあり、「いつもとは少し違った雰囲気がありますね。」と担当の先生もおっしゃっていました。実際ロビーに集まっている生徒たちの表情には、自由な高揚感を感じました。 

公演中も、自分たちの感覚を全力で使って、客席から舞台を楽しみながら支えてくれている姿が印象的でした。

終演後、花束を持ってきてくれた生徒2人からは、その場で受けた率直な感想を実感のこもった言葉で語ってくれていました。

この公演以外にも、これからの高校生活3年間の中で楽しいこと、辛いこと多くの出来事が彼ら彼女らを待っています。そんな生徒達の、そしてそれに付き添う先生方の一つ糧となってくれることを信じています。

 

牛久栄進高校

この学校は、前回の「ヘレン・ケラー」から久しぶりの公演ですが、担当の先生と演劇部の先生が前任校で風の「ハムレット」を観ていて、そこから繋がった、再会の公演でもあります。

開演前、校長から自分が初めてヘレン・ケラーを知った時のこと、そんな出会いを生徒達にもしてほしいという温かい思いのこもった言葉を頂きました。

校長先生の言葉を受け取け、公演開始の拍手は鳴りやまず、この公演を楽しみにしている生徒たちの気持ちをひしひしと感じました。

公演中は打って変わって、目の前で起きていることを受け取ることを楽しんみながら、集中した力強い姿を見せてくれていました。

終演後、生徒会長からは「熱い気持ちと力強い姿勢を感じる公演でした。」と力強い意志を感じる「ヘレン・ケラー」に触発された堂々としたメッセージをもらいました。

当日呼びかけた舞台裏見学では、先生方も驚くほどの人数が残り、劇団員と思い思いに語り合っていました。その後の演劇部員との座談会は片付けが終わるまで続いていました。1・2年生しか部員がいないと聞きました。これからの大会頑張ってください!

担当の先生から、帰り際に今日のアンケートをどっさりと受け取りました。公演の中で受け取ったもの、率直な感想公演してすぐにこんなに多くの感想と出会える機会は中々ありません。ありがとうございます!

 

今週、初めての出会いから再会に終わった週でした。これから1度東京に戻り、来週は兵庫県から始まり、再来週からは東日本方面に上っていきます。これからも多くの出会いと再会を繰り返しながら日本を駆け抜けていきます。

 

パーシィ役:石岡和総


2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第三週目

2019-10-14 21:06:49 | 全国巡回公演

10月7日 鹿島高校・鹿島実業高校(佐賀県)

   8日 甲南高校(鹿児島県)

   9日 小林高校(宮崎県)

   10日 筑豊高校(福岡県)

   11日 長崎青雲中学・高校(長崎県)

鹿島高校・鹿島実業高校
過去に何度も呼んで頂いている佐賀県鹿島市の二校ですが例年と違い今年は会館の改修工事のため鹿島高校の体育館での上演です。
なんと校舎自体が鹿島城跡地に建てられており、トップ画像の赤門といい地域の伝統を感じる学校でした。

↑案内板にも鹿島の歴史が記されていました。

↑公演後に「是非、役者の方に会いたい」と舞台裏を訪ねてくれた女子生徒たち、最後は涙が止まらなかったそうです。


終演後はバレー部や卓球部などの皆さんが撤去作業を手伝ってくれました。本当に有り難うございました。




甲南高校
鹿児島市の甲南高校は2010年の『ハムレット』以来三度目の上演でした。
開演前の舞台袖では司会進行の生徒が出番前に練習していました。彼女の進行とともに客席から大きな拍手を頂き開演を迎えました。



最後までぐっと集中して観てくれた客席の感想を代弁するようにカーテンコールで生徒会長さんが「最後のトリートの気持ちが自分と重なるところがあり感動しました」と挨拶してくれました。

きっとそれぞれの子供たちの中にも同じように自分や、家族・友人との関係といった何かを重ねて観てくれたのだと思います。


小林高校
3年前にも『ジャンヌ・ダルク』を上演した小林高校、公演も盛り上がり、そのまま急遽舞台裏見学や座談会も行われました。



ハロルド役の柳瀬を囲んだ座談会には登山部や文芸部の子など様々な生徒さんが十数人集まり演劇のことだけでなく部活のことなど様々な話が行き交っていました。


筑豊高校
木曜日は先週の鞍手竜徳高校の際にも使用したユメニティのおがたに再び戻り、筑豊高校の生徒たちに向けての上演でした。

終演後にご担当の先生が「登場人物たちと重なる子も多くそれぞれの中に響いたと思う。タッチをやって良かったです。」とおっしゃて頂きました。その言葉どおり劇団ホームページの掲示板には「感想を宿題として出されましたがあの欄では抑えられない」という書き込みも届いています。

舞台と客席がまさに呼応していくような公演でした。

 

長崎青雲中学・高校

週の最後は長崎県の長崎青雲中学・高校。この学校では創立以来初めての演劇鑑賞会として上演させていただきました。

開場から子供たちの興奮が伝わってくるようでしたが、開演前の生徒会の生徒や先生方の挨拶での「目で見て、耳で聞いて、心で感じて下さい」というメッセージはとても素敵な言葉だと舞台裏にスタンバイしながら思っていました。

終演後はご担当の先生が担任している中学三年生の子たちが舞台裏見学、そして片づけと劇団員との交流を存分に楽しみながら過ごす時間があり、このような機会が是非この学校に長く残ってくれたらと切に願っています。

 

 

この週は佐賀→鹿児島→宮崎→福岡→長崎と九州内を駆け巡りました。その土地土地の出会いからエールをもらい年末まで駆け抜けていきたいと思います。

 

トリート役 佐野 準


2019年秋『ヘレン・ケラー 〜ひびき合うものたち』西日本・東日本・九州ツアー【第2週目】

2019-10-14 21:05:35 | 全国巡回公演

9月24日 (火) (愛知)愛知みずほ大学瑞穂高校・名古屋市公会堂

9月25日 (水) (富山)高岡龍谷高校・同校講堂

9月26日(木) (愛知)大同大学大同高校・日本特殊陶業市民会館

9月27日(金) (岐阜)吉城高校・同校体育館

 

愛知みずほ大学瑞穂高校

こちらの学校は1991年の『星の王子さま』、94年『Touch 』の公演以来3回目の上演です。



開演前には1200人程の生徒さんが元気に入場し、その迫力と明るさで劇場の雰囲気がガラッと変わり、とても良い雰囲気の中開演しました。公演中は、目の前で起こる一つ一つの出来事に反応する声や笑い、沈黙が印象的で、ひとり、ひとりが様々な反応で舞台と向き合い、『ヘレン・ケラー』を創ってくれました。





そしてカーテンコールでは代表の生徒さんが「努力することの大切さや今、当たり前のように生きていることの幸せに感じました。」と、想いを伝えてくれました。
そして担当の先生からも「人と人との繋がりや関係を大切にしていきたいです。そして演劇はなかなか観る機会がないのでこれから興味を持つきっかけになってくれれば嬉しく思います。」と想いのこもった言葉をいただきました。
終演後のバックステージと座談会では希望者の生徒さんたちが舞台へ上がり、「私この場所が好き!」とお気に入りの場所を見つけて楽しんだり、アニー役の渋谷に「言葉を伝えるというのはどういうことですか?」「発声の仕方を教えて下さい」などたくさんの質問を投げかけ、限られた時間の中で何かを発見し、何かを掴もうとしている姿が印象的でした。

そして、この日は富山県へ移動し、翌日の午前開演に向けて夜仕込みです。

 

高岡龍谷高校

こちらの学校は風の公演、初めての学校です。
学校の三階にある立派な講堂での公演で、開演前には担当の先生から「今ここで様々なものに出会える事に感謝して、楽しんで観てください」という言葉と大きな拍手で開演です。

公演中は担当の先生の言葉にもあったように、楽しみながらじっと舞台をみつめながら舞台と向き合い、大きく笑う姿や身をのりだして観ている生徒さんもいました。



カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では、「劇団風さんがお越しいただけると聞いて、事前にインターネットで『Touch〜孤独から愛へ』を観ました。ものすごく惹きつけられる作品で今日、ヘレンケラーを観るのもとても楽しみにしていました。生で観ると迫力もあってとても楽しかったです。」と、堂々とした様子で話してくれました。



終演後には芸術コースの皆さんとのバックステージをしました。
客席からは見えない舞台裏の構造に関心を持って、舞台を隅々まで見て、とても驚いていました。



その後、芸術コースの皆さんは撤去作業のお手伝いにも参加してくれました。そして終盤には柔道部の皆さんも来てくれました。
重たい道具も三階から一階へ、みんなで協力しながら運んでくれました。

劇団員とも交流しながら撤去作業を進める中で「本でヘレン・ケラーは読んでいましたが、本とは違う感動がありました。」と声をかけてくれる場面もありました。



そしてこの日も昨日に続き、翌日の愛知での午前開演に向けて移動仕込みです!

 

大同大学大同高校

こちらの学校は今年で80周年を迎え、この日の公演は文化祭行事の一環としての公演です。
そして大同高校は今旅の中で1番多い1500人超えの学校です。
開場中には、一昨日の瑞穂高校さん同様、たくさんの生徒さんたちが元気に入場し開場の雰囲気がガラリと明るく変わりました。



開演前の生徒会長さんの挨拶では「人と楽しむ大切さ、人を楽しませる大切さ、みんなが繋がり、今年の文化祭が心に刻まれ、大切な日になることを願ってます。」とみんなに向けた想いのこもったメッセージと共に開演です。
開演直後には大きな拍手と大きな歓声に包まれました。

公演中は客席からの迫力を肌で感じ、集中して何かを吸収しているような瞬間があったり、時にはヘレンの指文字を真似して一緒に楽しんでいる姿もあって個性溢れる客席でした。
終演後には吹奏楽部の発表やダンス部の発表がありました。





吹奏楽部は60人以上の演奏で迫力があり、ダンス部の発表も会場全体を盛り上げるような発表で私たちも一緒に観て楽しませてもらいました。



そして全ての発表が終わった後には演劇部の皆さんとの座談会も行われました。
12月に中部大会を控えている皆さんからは発声や滑舌、舞台に立つ。ということなど自分たちが舞台に立ちながら感じることや疑問に思ったことなどたくさんの質問が出ていました。
中には舞台の背景幕が「ヘレンの心に見えました」「心臓に見えた」とひとりひとりが感じたことを伝えてくれて、私たちにとっても発見のある時間になりました。

 

 

吉城高校

こちらの学校は1991年の『星の王子さま』、2012年の『ヘレン・ケラー』に続いて三度目の公演です。



開演前には美術部と演劇部の生徒さんたちが舞台に来て、バックステージを行いました。



ポンプを実際に使ってどういう仕組みなのかを劇団員に聞いたり、照明の操作卓を実際に操作して、これから本番の中でどんな風に使われるのかワクワクしながら開演です。
開演すると、集中した空間をつくりあげ瞬間、瞬間の出来事を見逃しすまいというような雰囲気の中に時折りクスッと笑い声をあげてリラックスした様子で芝居を盛り上げてくれました。



終演後にはバレー部、バスケ部サッカー部、演劇部の皆さんが撤去作業を手伝ってくれました。



60人ほどの多くの生徒さんたちが集まって、どんどんと解体されていく舞台装置に驚きながらも明るくテキパキと声を掛け合いながら動き普段より早く撤去作業を終え、ひとりひとりの勢いを感じました。



そして時にはヘレン役の倉八やアニー役の渋谷と交流しながら真剣に話を聞いている姿も印象的でした。

 

ブログの更新が大幅に遅れてしまい申し訳ありません。
一回一回の公演で出会い、その日、その瞬間に起きたことを大切にして、これからも続く旅を最後までつくりつづけていきます。

 

ジェイムス・ケラー役 蒲原智城


2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第二週目

2019-10-07 19:26:10 | 全国巡回公演

まだまだ暑さの残る九州ツアーの二週目は

9月30日(月)  〈大分県〉 宇佐高校  同校体育館

10月1日(火)  〈長崎県〉 九州文化学園高校  アルカスSASEBO

       2日(水)  〈福岡県〉 鞍手竜徳高校  ユメニティのおがた 

       3日(木)  〈熊本県〉 八代清流高校  やつしろハーモニーホール

       4日(金)  〈長崎県〉 長崎南山中学校・高校  同校体育館

 

での公演でした。

 

宇佐高校

宇佐高校は三年前に上演した『ジャンヌ・ダルク』以来、7回目の風の公演です。

トラックから体育館まで、100mくらいの距離があるため、前日に搬入作業を行いました。

日曜日にも関わらず、教頭先生が待っていてくれました。ありがとうございました。

 

三年間で唯一の演劇鑑賞の機会。体育館に入るや「えっ!すごい!」「舞台セットでっかい!」という、生徒のみなさんの驚きの声が。

舞台裏にいながら、これからどんな出会いが待っているのか、お互いに期待が膨らみます。

 

開演前は賑やかだった客席も、公演が始まるとジッと静まり返り、食い入るように舞台に目を向けてくれているのが印象的でした。

終演するとまた元の賑やかさに戻り、公演の余韻や感じたことを仲間同士で話していました。

 

公演後には部活動の生徒のみなさんが、元気に舞台撤去のお手伝いをしてくれました。

この日、体験したことが彼らの大事な思い出になってくれることを願っています。

教頭先生はあと二年でご定年だそうです。「また、風さんを生徒たちに触れさせたいです。」と、トラックを見送りながらおっしゃっていました。

僕たちも再会を心から願っています。

 

九州文化学園高校

九州文化学園は2009年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』以来、10年振りの風の公演でした。

「九州文化学園の芸術鑑賞会は、風さんの公演がきっかけとなって、二十数年続いている大事な学校行事です。楽しんで見てください。」

という、放送部の生徒さんの言葉で開演。

その言葉に応えるように、実に楽しみながら、『Touch』の物語を味わってくれていました。

カーテンコールでは、代表の生徒さんから「心に響く公演をありがとうございました。」というあたたかい言葉をいただきました。

公演後には、舞台裏見学が行われました。その場で呼びかけて20人程の生徒さんたちが参加してくれました。

生徒さんに混じって先生方も楽しんでくれていました。

「きっと生徒たちの心に感じるものがあったのではないでしょうか。ありがとうございました。」と、公演後に担当の先生が話してくださいました。

その表情は、生徒たちへの優しさに溢れているようでした。

 

鞍手竜徳高校

鞍手竜徳高校は、三年前に学校初の演劇鑑賞で上演した『ジャンヌ・ダルク』以来の公演です。

今回は、高校の呼びかけで、近隣の宮田北小学校の五、六年生も一緒に観劇をしました。

「よろしくお願いしまーす!」という元気なあいさつと拍手のなか開演。

小学生、高校生、客席のそこここで反応しながら、リラックスして見てくれていました。

カーテンコールでは、「感動しました。これからもたくさんの人に感動を伝えていってください。」と、生徒会長さんの謝辞と大きな拍手をもらいました。

終演後には、当日の呼びかけで、舞台裏見学が行われました。階段に登ってみたり、小道具をじっくり見たり、思い思いの時間を過ごしてくれていました。

「生徒がこんなに演劇を見るとは思いませんでした。見せられてよかった。」と、担当の先生が座長の柳瀬に話していました。

生徒のみなさんだけでなく、先生方も公演を通して驚きや発見をしてくれていたのではないでしょうか。

 

八代清流高校

八代清流高校は、前身の八代南高校から数えて今回で、風は4回目の上演になり、そのうち3回は『Touch』を上演しています。

会場のやつしろハーモニーホールは、生徒のみなさんと先生方、そして保護者のみなさんで満席になり、自然と熱気も高まります。

公演が始まると、シンと客席は静かになり、その静けさは集中力となり、はじめから終わりまで続いていました。

「心にグッとくるものがありました。」と、公演後に生徒会長さんがみんなの前で、感極まって言葉をつまらせながらも、力強いメッセージを伝えてくれました。

 

こちらの学校も、当日の呼びかけで終演後に舞台見学がありました。すると、全校の半数程のたくさんの生徒のみなさんが舞台に押し寄せてきました。そして、役者やスタッフに積極的に話しかけていました。

「まさかこんなに集まってくるとは思ってもいませんでした。何か思うところがあったんですね。」と、担当の先生は、その光景に驚いていました。しかし、先生の表情は嬉しそうでした。

 

長崎南山中学校・高校

長崎南山中学校・高校は、中高一貫の男子校です。風の公演は初めてで、演劇鑑賞自体も学校で初めての取り組みでした。

午前中に、舞台設営をしていると、授業の合間の休み時間に、生徒たちが体育館を覗きながら口々に体育館が劇場に変わっていく様子に驚きの声をあげていました。

開場すると、ギャラリーにも生徒が入り、あっという間に体育館は生徒でいっぱいになりました。

中高合わせて850人の視線は、公演が始まると舞台に一心に向けられていました。

公演後のカーテンコールでは、生徒会長さんが「ひとりひとりの役者さんの言葉や動きが心に響きました。」と、熱い感想を述べてくれました。

その言葉を受けるかのように大きな拍手のなか終演しました。

舞台撤去のお手伝いには、バスケットボール部とバレーボール部の生徒のみなさんが参加してくれました。

積極的に劇団員に声をかけながら、芝居の感想や部活動のことなどいろいろなことを話しながら、楽しんでくれていました。

生徒たちの姿を見ながら、「今日の演劇は生徒たちの心に残り続けてくれる公演だったと思います。」と、担当の先生も確かな手応えを感じてくれているようでした。

 

九州のツアーはまだ始まったばかり。今年の旅ではどんな出会いをつくっていけるのか。常に試みながら、旅版は佐賀県へ向かいます。

 

文:フィリップ役・佐藤勇太


2019年 秋 『Touch~孤独から愛へ』九州ツアー 第一週目

2019-10-05 11:24:48 | 全国巡回公演

9 月 23 日(月)大阪プレミアム公演 える・おおさか大阪府立労働センター
   25 日(水)〈熊本県〉腹栄中学校 同校体育館
       26 日(木)〈福岡県〉北九州市教育委員会 北九州芸術劇場
       27 日 (金)〈福岡県〉福岡教育大学附属小倉中学校 同校体育館

大阪プレミアム公演
『Touch~孤独から愛へ』は関西地区では久しぶりの上演となります。

来年この地域で上演していくために、南村武さん、吉田美彦さん、両氏が所属する日本学校演劇教育会関西支部の共催を得て、近隣の先生方、知人の方々に観ていただくために、プレミアム公演として上演することになりました。お二方は元高校教諭であり、演劇部顧問をされ、風とは学校の芸術鑑賞行事で出会い、長年の親交が深まるなか、昨年も『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』で共催していただいています。 

小さいお子さん、生徒さん、学校の先生、一般の方々、地方から観に来られた方もいました。

公演前には舞台見学が行われ小道具や、大道具に触れ、舞台構造やその作り方に関心を持ち、スタッフに説明を熱心に聞いている人も多くいて、200 名の方ほぼ全員が舞台に上がりました。


また公演直前には、南村先生、吉田先生による『Touch~孤独から愛へ』をモチーフにした寸劇も行われ大いに盛り上がったようです。(今回は見ることができず残念でした!)
ありがとうございました‼


スタートとなる公演に緊張感も高まるなか、いよいよ開演です。芝居が進むにつれ時には笑いがあり、3 人の生き方をじっと見守る客席。みなさんの温かい拍手とともに公演を終えることができました。
終演後もわずかな時間でしたが再び行われた舞台見学では、また多くの方が舞台に上がりお酒(麦茶)を飲んだり、ちぎれた地図を見たり舞台の余韻を楽しんでいました。また、役者とのアフタートークもあり、話は尽きないほど様々な質問がありまた。


みなさんと過ごした時間を胸に刻み、旅班9人、明日から始まる九州全域での公演に向かいます。


腹栄中学校
この学校での上演は初めてとなります。

公演前、体育館の気温が上昇するなか、2週間前に校長先生がこの日のために用意した冷風機を設置していただきました!


「こんなに大掛かりな演劇を学校ではやったことがなく先生方も生徒たちも楽しみにしています」と、担当の先生がスタッフと念入りに打ち合わせを行います。

 

180 名の生徒さんが、「こんにちは!」と元気よくスタッフに声をかけながら体育館に入ってきました。


リラックスした雰囲気で、舞台が織りなす出来事を、何が起こっていくのか、それぞれ受け止めたこと、感じたことがとてもよく伝わってきました。

公演後には部活の生徒さんが舞台撤去を手伝ってくれました。


九州初日となる公演で、真剣に観ていただき、みなさんの感受性が舞台を支えてくれた公演でした。生徒の皆さん、先生方本当にありがとうございました。

北九州市教育委員会
北九州市内の中学校を対象に教育委員会が主催する公演は、今回で 32 回目を迎えたそうです。風は過去に『ヘレン・ケラー』『ジャンヌ・ダルク』を上演しています。
今日の公演では志徳中学校、八児中学校、城南中学校、永犬丸中学校、篠崎中学校の 5 校の生徒さんが観劇しました。

 

生徒さんを迎える教育委員会の方々。


700 名で満席となった 1 階席。
今週は中学生の観劇が続きます。他校の生徒さんと一緒に観劇するのもあまりないことです。今日も生徒さんたちと何をつくっていけるのか楽しみです。最初から集中したまなざしで、細かい反応もあり熱い視線が舞台に注がれていました。ラストに向かうにつれて客席は緊張感で高まり、いま目の前で起きていることを考えながらじっと見入る姿が印象的でした。
カーテンコールで北九州市出身でもあるハロルド役の柳瀬が「今日見て感じてくれたなかで、自分や兄弟、家族、友だち、仲間のことを考えこの作品を思い出してくれたらと思います」とあいさつしました。


今日の舞台でみなさんのなかにどんなことが残ったでしょうか。一人ひとりが感じたこと考えたことが、小さなことでも学校生活を送るみなさんの力となってくれたらと願っています。

福岡教育大学附属小倉中学校



この学校では前回の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演以来 4 年ぶりの上演です。

公演前には担当の先生から、天井に吊るされた照明機材がどんなふうに設置されたのか、生徒さんの関心を引き出すように話をしてくれました。

360 人の生徒さんが体育館いっぱいとなりかなり暑かったのですが、最初から最後までしっかりと舞台をともにつくってくれました。


公演後には客席との質疑応答があり、文化祭で演劇発表がある 3 年生から役作りやどうやって舞台を一緒につくるのかなどたくさんの手が挙がりました。

そのあと、40 人ずつ程に分かれ舞台撤去の片づけと座談会の参加がありました。教育実習生の方々も参加していただきました。その中には、高校生の時に風の公演を見たという方も。こうした形での再会もあるものなのですね。

解体していく舞台に驚き、「おもしろかったです!」とみなさん積極的に手伝ってくれました!そして最後の最後まで手伝ってくれたバスケット部のみなさん、本当にありがとうございました!!

プレミアム公演からスタートした『Touch~孤独から愛へ』の公演。12 月20日まで公演は続きます。全68ステージ、一回一回を生徒さんたちにとって生きる力となるよう、情熱をもってつくってゆきたいと思います。

※写真が全体的にピンボケになってしまいました。ごめんなさい。

 

文:舞台スタッフ・工藤順子