風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくるひとたちに』

2014-02-15 19:04:19 | 公演情報
レパートリーシアターKAZE 3月公演
『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに』を皆さまにご案内をします。

この作品は、東京演劇集団風の拠点劇場〈レパートリーシアターKAZE〉のオープニング企画として1999年に初演しました。
2006年からは終幕に「あとから生まれてくる人たちに―」という詩の朗読を加え、全国巡回公演を続けている風の代表作です。

『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくるひとたちに』

作:ベルトルト・ブレヒト  訳:岩淵達治
演出:浅野佳成
音楽:八幡茂
舞台美術:アンジェイ・ピョントコフスキ



出演:辻由美子
   柳瀬太一/工藤順子/田中悟/仲村三千代/佐野準/車宗洸/栗山友彦/白石圭司


会場:レパートリーシアターKAZE
2014年3月8日[土]~ 9日[日]
開演: 2時[全席自由]
入場料:当日 4000円/前売 3800円/学生 3300円
年間通しチケット:10,000円(3枚綴り)
レパートリーシアターKAZEで1年間に上演される3作品がご覧いただけます


また〈春の劇場体験週間〉として、3月10日から13日までは、中野区と杉並区の中学校が、レパートリーシアターKAZEを訪れ、観劇を行います。


第二次世界大戦が勃発した1939年、作者ブレヒトは亡命中にこの作品を執筆しました。
戦争という状況の中で生き続けようとする人々の姿の中に、この時代が、いまを生きる私たちが映し出されるかもしれません。
客席のひとりひとり、舞台に立つ俳優ひとりひとりの“生きる力”が交わされることを願って、上演に向かっています。


チケットお申し込みは電話・ホームページから受け付けています。
皆さまぜひ劇場へ起こし下さい。


風ホームページ『肝っ玉おっ母とその子どもたち―あとから生まれてくる人たちに』:
http://www.kaze-net.org/repertory_t/rep_kimo


チケット申し込みページ:https://www.kaze-net.org/ticket/ticket.php

平成25年度 文化庁“次代を担う子どもの文化芸術体験事業” 『星の王子さま』 中国地方公演

2014-02-11 13:23:47 | “文化芸術による子供育成推進事業”
2月3日 松江市立川津小学校(島根県)
  4日 雲南市立佐世小学校( 〃 )
  5日 広島市立基町小学校(広島県)
  6日 吉備中央町立下竹荘小学校(岡山県)
  7日 玉野市立玉小学校( 〃 )


先週一週間中国地方でおこなった“文化庁 次代を担う子どもの文化芸術体験事業”による『星の王子さま』のツアー報告です。文章からツアーの様子を想像していただければ幸いです。 


松江市立川津小学校

今回のツアーは島根県松江市の川津小学校からスタート。この時期の山陰地方に珍しく春のような温かい初日でした。
この学校では1~3年生と特別支援クラスが鑑賞しました。子どもたちは舞台に元気に声をかけながら、自分たちの持つ“みる力”を発揮してくれました。クライマックスで王子とヘビ一緒に歌う「ぼくはいく」もとても素晴らしく、「勇気!希望!」という言葉をひとりひとりがしっかりと声をかけてくれたこと、とても嬉しかったです。

そんな子どもたちの様子を先生方が嬉しそうに写真に収めていたのもとても印象的で、校長先生が演じた地理学者も優しさに溢れていました。酒瓶を持参し呑助役を演じて下さった先生もお見事な共演でした。

カーテンコールではそれぞれの学年代表の子どもたちが舞台に上がり感想を伝えてくれました。本当に良い初日を迎えることが出来ました。


雲南市立佐世小学校

前日とは打って変わって雪が降った佐世小学校。

この学校では読書に力を入れているということで、子どもたちは台本をしっかりと読んでこの日を楽しみにしていてくれていました。
校長先生の「ゲームやテレビと違い‘本を読む’というのは積極的な行為なんです。」という言葉通り、子どもたちは事前に台本を読むことから受け取ったものと共に、舞台からさまざまなことを読んでくれているようなしっかりとした観劇でした。

舞台見学では全学年の皆さんが体育館に遊びに来てくれました。そのなかでは星のなかを体験したり、身振りをつけて参加の歌を聞かせてくれる子がいたり、スタッフの作業を手伝ってくれる子がいたりと私たちも本当に楽しい時間を過ごすことができました。そして舞台に上がった6年生も堂々としていて立派な姿を見せてくれました!
皆さんのそれぞれに「王子に声をかけよう!」という気持ちはワークショップから本当に素敵でした。


広島市立基町小学校

広島市内の団地の真ん中にある基町小学校での公演では、併設されている幼稚園や保育所の子どもたちも参加し、団地中の子どもたちとお母さんが一緒に『星の王子さま』に集まってくれました。
学校のお昼の放送では劇中で一緒に歌う歌が団地中に響き、地区全体が私たちを迎えてくれているように感じました。

公演中は子どもたちが盛んに舞台に声をかけながら、一緒に舞台をつくってくれました。自由に見て、聞いて、物事とかかわることで、自らの感性を発揮できるーーーその大切さ、力強さを体現してくれた観劇でした。
6年生の皆さんがつくってくれた旅立ちの場面、素晴らしかったです!幼稚園の園長先生の「子どもたちには本物がわかるんです!」という言葉もとても嬉しい言葉でした。

また呑助を演じた先生も、校長先生の地理学者もその演技で、子どもたちに大人気でした。王子に思い思いに声をかけてくれたクライマックスは圧巻!カーテンコールは熱気に満ちた体育館全体が一体となりました。



吉備中央町立下竹荘小学校

全校生徒26人、今回のツアーで一番児童数が少ない下竹荘小学校では、役者たちがお昼に全校児童の皆さんと一緒に給食を食べ、親交を深めると共に午後の本番に向けてみんなで盛り上がっていきました。ワークショップから本番まで歌を歌ったり練習したりととても本番を楽しみにしてくれていました。

先生方の細やかな働きかけによって、近隣の保育園や、沢山の地域の皆さん、県の教育委員会の担当の方まで体育館に足を運んでくれました。カーテンコールでは会場の皆さんが自由に手を挙げて感想を述べてくださり、中には「昔から『星の王子さま』が大好き。今日は娘と孫と一緒に観ることができ本当に嬉しかった。」という方も。
校長先生も「地域の人たちも一緒に感動を共有できることが大切」と言ってくれました。みんなでつくった『星の王子さま』の思い出を家族の皆さんや地域の皆さんと共有してもらえればとても嬉しいです。
皆さんの真剣な眼差しと「やってみよう!」という気持ちが素晴らしい公演でした。保育園の先生と教頭先生による呑助、校長先生の地理学者も、子どもたちにとって何よりのプレゼントになったと思います。王子の帰った星を見上げる皆さんの姿、とても美しかったです。

また、この日からガリマール出版社のマサールさんが娘さんを連れて、そして『異邦人』でお世話になっているカミュの著作権を管理するサビーヌさんがフランスから駆けつけてくれました。
公演を観た彼女たちは「フランス政府ではこんな細やかな公演はできない。日本は26人の子どものためにこのような公演が実施出来ている、とても素晴らしい!」とこの事業に賞賛の声を上げていました。


玉野市立玉小学校

千秋楽の玉小学校では嬉しい再会がありました。実はこの学校の教頭先生は4年前同じ市内にある鉾立小学校の公演でお世話になった先生であり、「玉小学校の子どもたちにも『星の王子さま』を届けたい」とこの事業に応募してくれました。
劇団員が学校に着いた瞬間から温かいコーヒーで迎えてくださり、本当にこの公演を楽しみに取り組んで下さったことがヒシヒシと伝わってきました。先生方の子どもたちのために!という想いがたくさん詰まった一日でした。

午前中の舞台見学の時には上級生たちが下級生の面倒をみていて、そんな6年生たちが本番の舞台に立った瞬間は本当に格好良かったです。皆さんがつくったクライマックス、本当にたくさんの想いが溢れていました。
カーテンコール後も子どもたちの興奮は続き、役者・スタッフ問わずサインを求めていました。

そして体育館の片付けも全て終わりバスが動き出すと、グラウンドには一列に並び手を振ってくれる先生たちの姿が・・・素晴らしい千秋楽をさせていただきました。


私たちが上演する『星の王子さま』のなかでは、キツネが王子に「肝心なものは目には見えない、心で見なくてはね」と伝えます。
中国地方で公演をした4年間、人が人を思い、誰かのために行動する…その力強い姿に度々出会うことができました。
ひとりで旅立つ王子に懸命に声をかける姿、子どもたちのために本気で演じる姿、友達にちからいっぱい声援を送る姿、公演の準備にあたる先生方の姿、有意義な公演を!と書類に向かう文化庁の方々や教育委員会の方々の姿、公演をつくってくれた先生やスタッフに感謝を伝える子どもたちの姿……
そこにはあたたかな「目には見えない肝心なもの」がキラキラと輝いていました。芸術のチカラによって微力ではあっても、ひとりひとりの想いと願いが集まれば、“人間の持つ可能性と出会う機会をつくりえること”を教えてもらったように感じています。そして私たちが夜空を見上げたとき、そのひとつひとつの輝きは私たちを照らしてくれる道しるべとなっていくでしょう。
公演を支えて下さった先生方、教育委員会の皆様、地域の方々、本当にありがとうございました。
この場を借りて心からの感謝を申し上げます。
そして共演してくれたすべてのみなさん、素晴らしい参加、素晴らしい舞台を本当にありがとう!

そして、今年の秋からは九州の北部地域で『星の王子さま』の公演がスタートします。