風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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日々の出来事を速報!!

2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』ツアー 第二週

2013-05-27 14:25:18 | 全国巡回公演

5月23日 鹿沼高校  鹿沼商工高校
   24日 鹿沼南高校 鹿沼東高校




4月26日から始まった今年の『肝っ玉おっ母とその子供たち』の芸術鑑賞教室のための
巡回公演は、5月23日 栃木県鹿沼市の高等学校4校の合同公演で返り初日を迎えました。
7月中旬まで3年目の東日本地域への巡回公演は続きます。


演劇と音楽を隔年で鑑賞している鹿沼の各校の生徒さんとの2日間・4公演。
風は初めて伺う地域です。
どんな時間を客席とつくれるのか、とても楽しみに迎えました。


↑開演前の会場の様子。子どもたちの興奮が伝わってきます。


公演毎に感じたことは、登場人物に降りかかる出来事の一つひとつが、
客席の空気を動かし、その動かされたものが、舞台上に跳ね返ってくる。
その繰り返しをお互いが見逃すまいとして、“いま”という時間を感じ、
何かと出会っているような、そんな密度の濃いものを、私は身体に感じていました。


言葉では語りきれないきつさの中に見え隠れする人間に対する想いが、客席からの静かさの
視線や笑いに潜んでいる。
そんな“見ることの楽しさ”を感じさせてくれる劇場の時間だったと思います。




↑カーテンコールの様子。


4校の生徒の皆さん、そして先生方、忘れられない時間をありがとうございました。

肝っ玉達の旅は“生きることへの願い”を乗せて、幌車とともに今年も始まります。
これから出会う生徒の皆さん、そして先生方との新たな出会いの時間に期待しつつ。



↑鹿沼東高校新聞部の皆さんと記念の一枚。


文:肝っ玉おっ母役 辻 由美子



2013年 『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』春の巡回公演がスタートしました!

2013-05-26 16:38:00 | 全国巡回公演


東京演劇集団風は今年も、『肝っ玉おっ母とその子供たち』『ヘレン・ケラー』2つの作品での全国巡回公演が始まりました。
主に西日本地域を巡演する『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』のツアーは、5月21日に東京を出発し、5月23日、香川県・三豊工業高校で春のツアーの初日を迎えました。
これから7月19日までの約2カ月、各地の高校生、中学生、そして先生方との出会いの旅が続きます。

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』春のツアーメンバーは、

ヘレン・ケラー:白根有子/稲葉礼恵
アニー・サリバン:渋谷愛
アーサー・ケラー:酒井宗親
ケート・ケラー:木村奈津子/保角淳子
ジェイムス・ケラー:中村滋
ビニ―:清水菜穂子
パーシー:倉八ほなみ
アナグノス:緒方一則
医者:佐藤勇太

音響:渡辺雄亮
照明:坂野貢也
照明スタッフ:赤木亮
舞台スタッフ:土居聡 
       藤本法彰

です。

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第1週目は、
 
 香川県 三豊工業高校
 大阪府 関西大学北陽高校


での公演を行いました。


ツアーの初日となった三豊工業高校では、公演後の撤去を卓球部、メカトロ部の生徒さんが手伝ってくれました!




一緒に撤去をしながら、いろいろお話し出来て、私たちもとても楽しい時間でした!みなさんありがとう。


人権教育の一環として行われた関西大学北陽高校の公演では、終演後ご担当の先生が、「生徒のみなさんしっかりと観劇してくれてありがとう」と、生徒さん達に声をかけてくれました。私にとっても、旅班にとっても嬉しい言葉でした。
「誰かのことを強く想うこと」「誰かに強く想われること」。その思い出は、どんな仕事についても、どんな人生を歩んでも一生忘れない経験になると私は思います。
私たちの旅が、先生と生徒さん、生徒さんたち同士、そして生徒さんの家族や友達、周りにいてくれる人たち……、自分にとって大切な人のことをもう一度発見してくれるような旅であったらと願っています。

期待と緊張を膨らませながら、これから出会う人たちの「笑顔」を求めて、旅は始まりました。
14名の旅班と共に、ひとつひとつの公演、先生方の想い、生徒さん達とのつながりを大切に、公演をつくっていきたいと思います。

ヘレン・ケラー役:白根有子


撤去終了後、三豊工業高校の卓球部、メカトロ部のみなさんと。

2013 『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』 ツアー

2013-05-03 16:54:51 | 全国巡回公演


2013年4月26日より、『肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてくる人たちに』の
ツアーが始まりました。
今年の4月2日から14日まで桜前線とともに日本を北上した
東京演劇集団風とLes Souffleurs commandos poétiques「ささやきの詩想レジスタンス―桜前線2000キロの旅」
から12日後というスケジュールの中、スーフルールでの経験を得た俳優が風の活動の根幹である
2013年の全国巡回公演へ出発しました。

4月26日 千葉県立柏井高校
  30日 都立墨田工業高校
5月 1日 都立中野工業高校
   2日 都立板橋高校




柏井高校公演後のバックステージツアーの様子です。



ご担当の先生が、肝っ玉のように逞しく幌馬車を引く姿。
以前より風の劇場に足を運んでいただき、念願叶って今回の公演を迎えました。










墨田工業高校のバックステージツアーは写真に収まりきらないほどの生徒の皆さんが参加し、
普段、授業で慣れ親しんでいる素材や道具が演劇の美術に使われている様を、実際に触れながら
驚きとともに関心を込めて舞台監督の説明を聞く姿が印象的でした。









中野工業高校の生徒代表で挨拶をしてくれた生徒さんから「普段、劇場へ行って演劇を観ることがない自分たちにとって、
この様な機会は、これからの自分たちにとってとても良い経験になった」という言葉をいただき、
バックステージツアーの最中には、肝っ玉おっ母を演じた辻由美子に「演劇を観るのが好きになりました。」
と話す生徒さんもいて嬉しいかぎりです。






今回、最後の学校は板橋高校です。劇中に肝っ玉の娘カトリンが叩く太鼓に興味津々!



板橋高校の昨年までの芸術鑑賞は映画鑑賞をしていたそうですが、
今年はご担当の先生が“板橋高校の生徒に生の演劇と出会わせたい”という
生徒に懸ける想いから実現した公演です。
今回の演劇との出会いが、新たに板橋高校に入る生徒の皆さんとの“出会いの場”へ
繋がってくれることを願います。





初めて肝っ玉のツアーが東日本に向かっていったのは2011年の大震災の直後でした。
あの時、「こんな状況だからこそ演劇に、芸術と触れる機会を生徒に失わせてはいけない」と、
悲しみを抱えながらも公演を実現していただいた先生方の姿は、2年の時を経ても、そして
東北だけでなく日本全国で変わらないものでした。

私自身も板橋区の都立高校出身ですが、在学中はこのような行事はありませんでした。
一人の都立高校卒業者として地元の後輩たちが演劇と出会っていく場を共に創るができた
事にとても感謝しました。

2013年、風は26年目を迎え“演劇0年”を掲げました。
出会いを重ね、言葉を紡ぎ、生徒さんに懸ける想いを出会いの場へ昇華させる巡回公演の旅は
始まったばかりです。
あの時、必ずこの場所に出会いの場を創ろう願った場所へ、肝っ玉の幌馬車は進んでいきます。
更新を楽しみにしていて下さい!


白石圭司