風のBLOG

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『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡回公演 第12週目~最終週

2016-12-22 15:01:18 | トピックス


『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡廻公演、をこれまでの多くの出会いを、自身が向き合ってきたものを12人の劇団員ひとりひとりが胸に持ちながら迎えた、第12週目から最終週。
トップの写真はこの巡廻公演の千秋楽となった学校、鹿児島工業高校の撤去作業の手伝いをしてくれた、バレー部、バドミントン部、バスケ部、そして有志の生徒さん、スタッフを含めた劇団員全員で撮った写真です。


12月13日 (大分県)明豊中学校・高校
12月14日 (長崎県)諫早商業高校
12月15日 (熊本県)玉名女子高校
12月16日 (鹿児島県)出水工業高校
12月19日 (鹿児島県)鹿児島工業高校




明豊中学校・高校


「このジャンヌ・ダルクの鑑賞を通して、君たちが何かを感じて帰ってもらいたいと思います。」
校長先生の生徒さんたちに向けられたこの言葉から、その言葉を受け取った生徒さんたちの拍手で幕を開けた舞台でした。
「これはなんだ?」と言わんばかりに、何かを問いかけているような目で、時々控えめに声をあげて笑ったり、驚きの声をあげたりしながら舞台に向き合っていたように思います。
公演後の座談会はなんと高校2年生の男子生徒さんとの一対一の座談会となり、担当の先生、その前に担当をしていた先生を含め、時間いっぱいじっくりと話すことのできた座談会でした。
「芝居をしたいとかその経験があったわけではなく、せっかくの機会だし希望したら、自分ひとりだけだったので驚きました。何個か事前に用意した質問があったのですが、夢中になってみていたので何を質問したかったのか忘れてしまった。」と舞台の感触と自分が聞きたかったことをその場でつなげながら言葉を伝えてきてくれました。
「舞台をみてどうだったのかな?」という先生の問いに彼は「失敗したら簡単に崩れてしまいそうな繊細なものに思えた。それが綺麗だと感じたし、力強く感じた。」とひとつひとつの言葉を生み出すように答えていました。



その場にいた2人の先生方も生徒さんと一緒になって質問をしてくれ、その座談会を盛り上げ緊張感を解きほぐしているような先生方の姿から、たったひとりでも参加しようとこの場で発言している彼にとってひとつの思い出になるようなものであってほしいと願うものを受けとり、この公演を舞台に向き合う生徒の目線を通して見ていたことを強く感じました。

公演中の生徒さんたちの姿はもちろん、彼らが何をみていたのか、何にであったのか、そして先生方の目線に改めて出会うことの出来た時間でした。




諫早商業高校


この日は九州に来て初めてといっていい程に、冬の空気が感じられる日でした。
その寒さを吹き飛ばす勢いで、目の前の舞台に声を上げながら入場してくる生徒さんたち。
会場に充満する彼らのエネルギーの中に迎え入れられた舞台でした。
リラックスした様子で舞台に向かう生徒さんたちはおもしろいところは大いに声を上げて笑い、驚きの声を上げ、クライマックスにかけてじっと沈黙して食い入るように目を向け、隣同士が互いに見ているところを感じながら、波紋しているかのように鑑賞していたように思います。

公演後には演劇部の皆さんに加わり、生徒会の皆さん、と30人もの生徒さんたちとの座談会が行われました。
聞きたいことをそのままの言葉で質問し、その受け答えには頷きながら関心を持って聞いていたそのみなさんの様子から、公演中のみなさんが自由に何かを自分の中で感じながら見ていたことを改めて実感しました。



座談会後、私たち役者に時間の許す限りひたすらに自身が見たもの、受け取ったもの、そのときの感情、発見を役者の動きを見よう見まねにやってみせながら伝えてくる生徒さんたちの生き生きとした姿に喜びを感じ、エネルギーをもらいました。
劇団のHPの掲示板には座談会に参加したほとんどの生徒さんがひとりひとりのみたものが頭に浮かぶような書き込みをしてくれました。



玉名女子高校
開場の前、「とても楽しみにしています!」と私たち劇団員に一言声をかけてくださった担当の先生。
その担当の先生の挨拶がつなげた客席の拍手から音楽と共に役者が客席の後ろの方から入ってきたときの元気いっぱいの歓声やはじけるような笑い声がとても印象的でした。



公演中の彼女たちの反応は舞台だけではなく客席の空気も互いに感じ合いながら一体となって見ていることを感じものでした。
公演後直ぐに担当の先生と共に教頭先生が楽屋に来てくださいました。
「とてもよかったです。」「泣いている生徒も何人かいましたよ」
とわずかな時間の中で先生方の中に舞台の余韻を感じると共に、生徒さんたちが感じたものを先生から感じられたことがとても嬉しく思いました。
撤去作業を終え、バスに乗り込もうとしているとき、3人の生徒さんが声をかけてきてくれました。



私たちが出で来るのを待っていたようで、「写真、とってください!」「かっこよかったです」「涙がでそうになりました」
とひとりひとりが言葉を伝えてきてくれました。
最後バスが会館を後にしようと出発すると担当の先生教頭先生が大きく手を振って最後の最後まで見送ってくださいました。




出水工業高校
会館での公演が続き、私たちにとっては久しぶりの体育館公演となった出水工業高校での公演。
自分たちが普段、目にしている体育館とは違う空気と、目の前に組まれた舞台装置に声をあげながら入場してくる生徒さんたち。
体育館いっぱいにひびきわたる彼らの声に、私たち自身彼らにとってどんな公演になるのか、本番を楽しみにしていました。
役者が客席から入ってくると、わたちたち役者に声をかけたり、握手をもとめてきたりと、体育館に役者を迎え入れるように盛り上げてくれました。
生徒さんたちはそれぞれが自身の感覚を持ちながら、自分が見たもの、感じたもの、受け取ったものを投げかけるように舞台に向き合っていました。
終演後には部活動の生徒さん、生徒会の生徒さん30人が、撤去作業に手を貸してくれ、それに加えて外でトラックに荷物を積む様子をずっと見ていた生徒さんたちに劇団員が声をかけると「手伝ってもいいですか?」と自ら手を貸してくれる生徒さんたちもいました。





ただ、お手伝いとして居るのではなくそれ以上に劇団員と一緒になって手を貸してくれる彼らの思いが本当に嬉しかったです。
以前から私たちの劇団を知っている校長先生の意向で撤去作業後に限られた時間ではありましたが座談会を行いました。
投げかけられた問い、それをじっと聞く彼らの目線からはひとりひとりが見たものが伝わってくる時間でした。







鹿児島工業高校
9月から始まり、3ヶ月間に及ぶ『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の九州・広島巡回公演の千秋楽。
3階の体育館での公演だったので、前日の舞台装置の体育館への運び入れから始まった公演でした。
担当の先生はずっと風の舞台をみてきた先生で、去年の全く同じ時期に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を公演した学校の担当もしていた先生であり、私たち自身、先生との再会も楽しみにしていました。
前日、体育館に到着すると野球部の生徒さんたちと先生方が「手伝います!」と迎えてくれました。
野球部の生徒さんに加え、吹奏学部の生徒さん、その他合わせて40人ほどの生徒さんたちが、3階体育館への搬入を自分たちが運んでいる舞台道具に「これは何に使うんですか?」「どうなってるんだろ」と関心を持ちながら一生懸命に手を貸してくれました。



本番は1000人を越える生徒さんたちが体育館いっぱいになった中で開演しました。
1000人が居るとは思えないほどの静けさで、顔をあげてじっとして舞台に目を向ける彼らの集中した様子に、彼らの強い眼差しを役者の全員が感じながら舞台に立っていました。
終演後の撤去作業時にはバレー部、バドミントン部、バスケ部の体育館の部活動の生徒さん、有志の生徒さんが自分の手が空くと「何かできることはありますか?」「これ、自分もやってみたいです!」と私たち劇団員について回るように、関心の目を向け、積極的に手を貸してくれました。








全65ステージ、真夏のような暑さであった9月から始まり、九州とは言えども朝夕は冷たい空気が肌を刺す12月に千秋楽を迎えた『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州・広島秋ツアー。
公演の一日一日、今日出会う客席を劇団員のひとりひとりがひとりの俳優として色濃く感じながら向き合い、一回一回をやりきってきたものであったと思っています。
「心に炎を灯しているすべての人に――」と書き下ろされたマテイ・ヴィスニユックの描く『ジャンヌ・ダルク』、その言葉と共にあり続けた65ステージであったことを語り合っていきたい。そしてまた人に触れ、心に触れ、出会い、繋がっていくことのできる自分自身をしっかり持って来年の一年もまた観客と共にありたいと思います。


ジャンヌ・ダルク役 高階ひかり

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』九州・広島巡回公演 第11週目

2016-12-11 23:55:34 | 全国巡回公演
『ジャンヌ・ダルク』九州・広島ツアーも第11周目を迎えました。
12月になりましたが、九州の地の暖かな日差しと天候に恵まれた週での公演となりました。
トップ画像は、長崎県の島原商業高校でのバックステージツアーの写真です。


12月5日 吹上高校(鹿児島県)
   6日 川内商工高校(鹿児島県)
   7日 島原商業高校(長崎県)
   8日 日南市教育委員会主催
      市内中学校合同鑑賞会(宮崎県)
   9日 指宿商業高校(鹿児島県)


吹上高校
第11周目、始まりとなったのは、鹿児島県の吹上高校での公演です。
今回6回目となった風の吹上高校での公演。
早朝、バスが到着すると、なんと、先生方とたくさんの野球部員の生徒さんが搬入のお手伝いのために体育館に集まってくれていました。
早朝にも関わらず、てきぱきと搬入作業を手伝ってくれる生徒の皆さん、授業が始まるぎりぎりまで頑張ってくれました!
そして迎えた本番は、観客である生徒の皆にも共に公演を創って欲しいと言う先生方のメッセージのバトンを受け取っての開演となりました。
終演後にも、撤去作業のお手伝いのためにたくさんの生徒さんが集まってくれました。





始めてのトラックへの積み込みの作業も元気な笑顔でばんばんこなしてくれる3年生の生徒さん。
トラックの積み込みメンバーとも公演の話などで盛り上がっていた様子でした。
また、お手伝いに来てくれた生徒の皆も、撤去作業だけでなく、積極的に劇団員に公演を通して自身が感じた言葉を伝えようとしてくれる姿とも出会うことができました。



川内商工高校
今週2日目は、鹿児島県の川内商工高校での公演、そして、ジャンヌ役の高階の育った場所でもある鹿児島県川内の地での公演となりました。
川内商工高校での風の公演は、13年ぶりの3回目の公演となりました。
公演の場所となった川内文化ホールには、入場する生徒さんの元気な声が響いていました。
開演前には、「演劇という生の舞台を皆さんも感じて下さい」という、校長先生の言葉から始まり、本番が始まると開演前の元気な雰囲気とは変わり、一人一人が舞台との距離を持ちながら静かに、『ジャンヌ・ダルク』の物語に共に呼吸をするように舞台に向かい合っている姿はとても印象的であり、彼ら自身に潜む『ジャンヌ・ダルク』の声に支えられた公演となりました。



公演を繋げ、一緒に支えて下さった担当の先生へ、川内商工高校の皆様へ向けてジャンヌ役の高階より色紙が渡されました。
また、高階と柳瀬と共に今回の公演を通して話をしている先生の嬉しそうな表情もとても印象的でした。

島原商業高校


今週3日目の公演は、長崎県の島原商業高校、島原文化会館で行われた公演でした。
島原商業高校での風の公演は、2013年の『Touch』から3年ぶり4回目の公演となりました。



開演前に、「島原商業高校は創立60周年を迎えました」という挨拶の言葉を聞き、私自身、島原商業高校の1つの節目である時に皆さんと公演を行う事ができたことを嬉しく思い、これから彼らとどんな出会いの冒険が出来るだろうかと胸が高鳴りました。
公演が始まると、彼ら自身もこれから何が始まるのだろうかという好奇心に満ちた強い視線を向け、1幕、2幕と進む中、その視線が熱いものになっていくのを感じました。
終演後には、旧生徒会メンバーと新生徒会メンバーとのバックステージツアーと高階との座談会が行われました。







臆することなく、好奇心の瞳を輝かせながら舞台を全身で感じようとする生徒会の皆さんも。
ジャンヌ役の高階が現れると皆、思い思いに話をしたくてうずうずしているようでした。
座談会も盛り上がったようです!


日南市教育委員会主催市内中学校合同鑑賞会
今週4日目は、日南市教育委員会主催による日南市内中学校合同鑑賞会の公演でした。
場所は南郷ハートフルセンター。
会場につくと、素敵なメッセージが!



2011年の『ハムレット』、2014年『ヘレン・ケラー』の公演に続き、3回目のとなる今回の公演には、油津中学校、細田中学校、吾田中学校、榎原中学校、鵜戸中学校、飫肥中学校、北郷中学校、東郷中学校、南郷中学校、なんと合わせて9校合同の公演となりました。



開場まえには、たくさんの生徒さん、そして、それぞれの中学校から彼らを乗せてきたバスがずらりと並んでいました。
公演が始まり役者が客席から登場すると、一瞬の驚き、それから、客席にいる彼も、「今日は!」と声をかけてくれたり、「イエーイ!」とハイタッチをしてくれるなど、いきなりの状況にも動じず、一瞬一瞬に起こることを受け入れようとしてくれる姿勢に私たちもワクワクせずにはいられませんでした。
ですが公演が始まるにつれ、真剣な眼差しと集中力の波が客席から舞台へ伝わり、客席と舞台が濃密な空間となり、舞台を通し、また彼らの身体が物語る『ジャンヌ・ダルク』に支えられ、共に創り上げる事が出来たと感じる公演となりました。
カーテンコールでは、鵜戸中学校の生徒さんより、「役者の声や動き、抑揚に迫力を感じました」とお礼の言葉を頂きました。
終演後には、教育委員会の方々も、生徒の真剣な姿とものすごい集中力に驚かされたと語ってくれました。



日南市教育委員会の皆様の子供たちへむけての願いが繋がった今回の公演。
日南市教育委員会の皆様、そして、今回の合同鑑賞会参加して下さった中学校の皆様に心から感謝申し上げます。
指宿商業高校
今週最後は、鹿児島県の指宿商業高校との指宿市民会館での公演でした。
指宿商業高校での公演は、6年ぶり3回目の公演となりました。
まだ、開場する前から、たくさんの生徒さんが会館の前で、今か今かと待っていました。
お昼時、外を覗いてみると、海に面した指宿市民会館の敷地の芝生で、暖かな日差しの中で友人たちと楽しそうにお昼を食べている生徒さんの姿もありました。
長い待ち時間を経て、開場と同時に入場する指宿商業高校の皆さん。



カーテンコールでは、生徒会長さんのお礼の言葉から、「演技だけでなく、人形や影を使うなど、工夫がこらされていたところもすごかったです。」と全身で舞台を感じた実感を笑顔でしっかりと語ってくれる姿はとても印象的でした。
終演後には、高階と演劇部による座談会が行われました。
ですが、座談会の会場となったロビーには演劇部の他にもたくさんの生徒さんが集まって下さり、とても盛り上がったようです。
また、いったん座談会が終わった後も、演劇部の生徒さんが声をかけて、話をするなど、とても名残惜しい時間となっていたようです。



『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』九州・広島ツアーは第11周目を迎えましが、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』のツアーを終えて途中から合流した私自身にとっては3周目となりましたが、若い観客や先生方との出会いを通じ、とても濃密な時間を過ごしています。
『ジャンヌ・ダルク』という物語を通して出会う彼ら自身もまた一人の『語る』者であるということ。
私自身も彼らの『語る』身体に日々出会い、支えられた公演であったと感じた時間でありました。
長い長いツアーも残すところ5公演となりました。
『ジャンヌ・ダルク』のツアーの仲間と創り上げた時間、そして、公演を通して出会えた人々の想いを手放さず、新たな出会いの地へとしっかりと進んで行きたいと思います。

倉八ほなみ(召使/イザボー役)

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 九州・広島巡回公演 第10週目

2016-12-04 17:33:06 | 全国巡回公演
九州ツアーも終盤戦、10週目の今週は、
11月28日 本庄高校(宮崎県)
12月 1日 古賀竟成館高校(福岡県)
      2日 福徳学院高校(大分県)
      3日 九州産業大学付属九州高校(福岡県)



本庄高校
この学校での上演は6回目となります。朝、学校に到着すると、20人ほどの生徒さんが、搬入を手伝おうと元気に出迎えてくれました。
本番中は、細かく反応を返してくれて、しっかり見てくれいる様子でした。
生徒会長さんからは、「私たち若い世代に対してのメッセージが詰まっている舞台だと知り、楽しみにしていました。本物の演劇に触れる機会が少ない私たちにとって、とても楽しい時間になりました」と嬉しいお礼の言葉をいただきました。
撤去作業のお手伝いも、担当の生徒さんだけでなく、有志の生徒さんが誘い合って駆けつけてくれました。そして、ジャンヌ役の髙階はもちろんのこと、俳優たちを囲む輪がそこここにできて、話は尽きない様子。また逢いましょうと学校を後にしました。








古賀竟成館高校
校長先生の挨拶で、風の上演は今回が6回目だと紹介され、拍手の中、芝居が始まりました。生徒の皆さん、先生方、保護者の皆さん、体育館にぎっしり並んだ客席は、とても集中した視線を注いでくれました。
カーテンコールでは、熱い拍手をいつまでも送ってくれました。私たちにとってとても嬉しい瞬間です。
撤去作業には、およそ80人の生徒さんが手伝いに来てくれました。劇団員に積極的に話しかけてくれて、楽しい交流の時間となりました。私たちが学校をあとにする最後の最後まで、寒いなか残っていてくれて、見送ってくれました。







福徳学院高校
朝、搬入作業が始まると、担当の先生はもちろんのこと、次々と先生方がお手伝いに集まってくださいました。生徒さんたちのためにと、先生方も待っていてくれた様子に心温まる思いです。
本番中は、真剣に見入ってくれている客席の姿に、一緒に舞台をつくっている実感を味わいました。カーテンコールでいただいた「ジャンヌのような人になりたいです」というお礼の言葉は、素直な気持ちと、笑顔にあふれていました。
撤去作業は、お手伝いしてくれた生徒さんたちが積極的でとても手際がよく、スムーズに進んでいきました。その間には芝居を見た感想や、受け取ったものを話しかけてくれました。









九州産業大学付属九州高校
この学校は、2年続けて1年生が『ヘレン・ケラー』の公演を観てくれていて、今年の『ジャンヌ・ダルク』で3回目。講堂に張り出し舞台を作り、客席との距離が近く、お互いに凝縮した舞台空間を共有した公演となりました。
終演後には、デザイン科の生徒さんや演劇部の生徒さんたちがバックステージツアーを行いました。中でも衣裳には興味津々。素材や作りを熱心に見学し、実際に身に着けて記念撮影。その後、ジャンヌ役の髙階を交えて座談会も行われました。
一方、吹奏楽部のメンバーが揃って撤去作業の手伝いを買って出てくれて、暖かく晴れた空の下、一緒に汗を流しました。劇団員と生徒さんたちの会話の中では、2年生は昨年観た『ヘレン・ケラー』の話を1年生に、1年生はさっき観た『ジャンヌ・ダルク』の話を2年生に語り合っていました。







『ジャンヌ・ダルク ―ジャンヌと炎』という芝居を通して、皆さんの心や身体に、一陣の風が吹き抜けたと感じてもらえたら幸いです。自分の目で見たもの、自分が感じたことを、自分自身と語ってみてください。そして、公演のためにご尽力くださった先生をはじめ先生方と、お友達と、先輩・後輩と、保護者の方と、新たな会話が生まれることを願っています。
木村奈津子(ヨランド・ダラゴン/ユニコーン役)