風のBLOG

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『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2021年春 東日本ツアー 第1週目

2021-05-26 09:57:20 | 全国巡回公演

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』2021年、春の東日本での巡回公演のツアーが5月13日に初日を迎え、様々な想いを乗せ、始まりました。

新型コロナウイルスもまだまだ落ち着かない状況ではではありますが、“生徒たちに思い出を残してあげたい、たくさんの経験をしてほしい”という先生方の熱い思いや、昨年公演を断念せざるを得なかったかった学校での延期の公演など、本当に多くの想いと願いと共に始まった週となりました。

5月13日(木)【栃木県】 宇都宮海星女子学院中学校・高校 同校体育館

5月14日(金)【千葉県】 麗澤中学校 森のホール21

5月21日(金)【栃木県】 高根沢高校 同校体育館

宇都宮海星女子学院中学校・高校

ツアー初日となったのは、栃木県の宇都宮海星女子学院中学校・高校での公演でした。

この学校は、昨年芸術鑑賞行事で公演を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響により、延期を決断され、先生方の想いで、やっと今年実現した時間となりました。昨年から先生方も生徒の皆さんも公演の時間を心から楽しみにして下さっていたことを担当の先生方や教頭先生が語ってくれました。

コロナ対策として、密を避けるため、午前は中学生と高校2年生、午後は高校1年生と3年生が鑑賞する、2ステージの公演となりました。

当日は午前開演ということもあり、前日からの舞台設営の作業となりましたが、その最中、数人の中学生の生徒さんが舞台設営中の体育館に遊びに来てくれました。

公演の日を心待ちにしていたと、生き生きとした表情で劇団員と思い思いに話をしたり、舞台に触れる生徒さんたち。その生き生きとした姿に、始まりの時間となる公演の日に向けて、私たちも胸が高まりました。

開演前の司会進行の生徒さんによる劇団紹介と共に始まった本番。

コロナ対策により、客席と舞台の間隔を空けての本番となりましたが、その距離を感じさせないほど、ひとりひとりの舞台に向かう視線や息づかいに支えられ一つの空間を一緒になって創ることが出来た瞬間瞬間となりました。

終演後には、代表の生徒さんから「ヘレン・ケラーの物語は昔読んだことがありましたが、舞台で観ると、笑ったり、迫力があったりと、とても面白かった。この状況のなか、このような機会がなかったので、本当にありがとうございました。」と素敵な挨拶の言葉と花束を頂きました。

また、撤去作業が終わり、帰り際に声をかけてくれた生徒さんたちから、“こんな時に、こんな風にみんなで一緒に過ごすことが出来ると思わなかった!”、“思い出になりました!”と話してくれました。

昨年から、公演を支え繋げてくださった先生方、本当にありがとうございました!!

麗澤中学校

今週2日目は、千葉県の麗澤中学校3年生の皆さんとの公演となりました。

こちらの学校は、中高一貫の学校なのですが、コロナ対策と、中学校3年生が9月に行われる文化祭で演劇を発表するということもあり、3年生のみの鑑賞となりました。

開演前、担当の先生の劇団紹介と、「このような状況の中なので、話をしたり、なかなか声を出せなかったり、とても窮屈に感じることもあるかもしれません。さぁ、今から公演が始まります。公演を通して、皆さんには全身でいろいろなことを感じてほしいです。」と、客席に温かいメッセージを込めての開演となりました。

担当の先生の想いのこもったメッセ―ジを受け、本番が始まると、静かな客席の中からもぐっと、集中した眼差しから、空間を創ったり、支えたり、している姿をひしひしと感じる時間となりました。

終演後には、代表の生徒さんより、「本日は私たちのために来てくださり、本当にありがとうございました。舞台を通してたくさんのことが伝わってきました。今後の公演に私たちも生かしていきたいです。」と想いの込もったメッセージと素敵な花束を頂きました。

終演後には、クラスごとに分かれての、3年生全員によるバックステージツアーを行いました。

実際にこれから演劇を創るということもあり、もっと端から端まで見てみたい!と、舞台全体を余すところなく触れていく3年生の皆さん。生徒さんたちと一緒になって舞台を感じている先生方の姿もとても印象的でした。

探求心のままに舞台の細部まで触れたり、鋭い質問や感想を劇団員に話す生徒さんたちの姿に、担当の先生も「これから、みんなで一緒に文化祭の演劇発表に向かっていくなかで、このような時間を持つことが出来て本当に良かった」と温かな表情で語ってくれました。

今だからこそ感じたり、考えたりすることが出来る麗澤3年生の生徒の皆さんの感覚で、仲間と一緒にたくさんの思い出や公演が創れることを、コロナが少しでも終息し、皆さんが思いっきり発表のできる時間となることを心より願っています。

高根沢高校

週をまたぎ、始まった今週最後は、栃木県の高根沢高校との公演です。

高根沢高校の公演も密を避ける為に、公演当日は午前は高校1年生の普通科と高校2年生、午後は高校1年生の商業科と高校3年生の生徒さんとの、2ステージの公演となりました。

前日の舞台設営の作業に向かうと、“この日が来るのをワクワクしながら待っていました。”と担当の先生方が笑顔で迎えてくれました。また、化学部の2人の生徒さんも舞台見学がしたかったと体育館に駆け付けてくれました。演劇に興味があり、公演の日が来るのを楽しみにしてくれていたそうです。何もない体育館に舞台装置や照明が運ばれ、出来上がっていく様子を、“なるほどぉ~”と、驚きや発見を持ちながら見て触れてくれる様子がとても印象的でした。

体育館の入り口に設置されたコロナ対策のアルコール消毒液や消毒マットを通り、元気な声で入場する生徒さんたち。入口に待機していた劇団員に先生方が、今日の日を楽しみにしていてくれたことを、話してくれていたそうです。

先生方や生徒の皆さんの熱の高まりと共に始まった公演。開演前には、担当の先生の劇団紹介、そして“コロナがまだまだ続く状況ではありますが、私たちは、皆さんに、こんな状況だからこそ、芸術を通して何か感じたり、受け止めたり、心にひびく時間を創りたいと思いました。”と校長先生が、客席に向けて熱いメッセージを送りました。

本番が始まると、時には笑ったり、驚いたり、静かな眼差しを向けていたりと、客席からは様々から向けられる様々な姿に支えられた公演となりました。終演後には素敵な花束を頂きました。

そして、なんと!前日舞台見学に来てくれた化学部の2人が照明チーフの坂野と共に、本番の照明オペレートをしてくれました。“緊張したけど、楽しかった!一緒に作品が創れて良かった!”と話す2人は、本当に素敵でした!

また、終演後の舞台の撤去作業も最後まで化学部の2人と担当の先生方がお手伝いをしてくれました。私たちも皆さんと一緒に公演を創ることが出来たことを本当に嬉しく思います!最後の最後まで、本当にありがとうございました!!

昨年の悔しさやもどかしさ、公演への先生方の熱い思いや、生徒たちへの温かい眼差し、そして、生徒さんたちの生き生きとした豊かな感覚や姿に支えられた公演の日々となりました。そして、決断を重ね公演の日を繋げ、支えて下さった先生方に心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました!

今後も定期的なPCR検査の実施、消毒や換気の徹底、体調管理の徹底といったコロナ対策を実施し、出会った皆さんの姿と共に、これから始まる、まだ見ぬ出会いと発見の旅を続けていきます!

 

文:ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ