『Touch~孤独から愛へ』の全国ツアーは6週目に差し掛かりました。ぐっと気温も下がり、季節の変化に急いで衣替えをしました。
10月25日 (福井県)仁愛女子高校
10月27日 (兵庫県)尼崎北高校
10月28日 (岡山県)岡山県作陽高校
10月30日 (大阪府)大阪信愛学院中学校・高校
10月25日 仁愛女子高校
新型コロナウイルスの影響で去年から会館での客席数の使用に制限がありました。そのため約2年ぶりとなる、1,000人を超える生徒さんの前での舞台となりました。続々と入場する生徒さんを前に少し圧倒されました。
開演時間になり、校長先生が生徒さんの拍手に迎えられながら、登壇されました。
「本日の演目は『Touch~孤独から愛へ』というものです。日々生活を送るなかでなかなか孤独というものを考えることは少ないかもしれませんが、ネットやSNSがある社会の中で人と人との結びつきや関係が希薄になって、精神的な繋がりがなくなり、孤独になりかけている。こういった現代に流されているという人もいるかもしれません。
本校では“いのちといのちのつながりを大切にし、それに感謝する人を育てる”ということがあります。今回の劇を見ながら、人と人との、いのちといのちとのつながりを考え、大きな意味での愛を感じてほしいと思います。触れ合うことでの愛を感じ、考えてほしいと思います。
観劇中は、リラックスして笑うところは笑い、しっかり見るところは見て、色んなことを感じてください。
観劇して感激してほしいと思います。」
と、挨拶をいただきました。
公演中は、リラックスしながらも真剣に観てくれたいました。たくさんの笑い声が聞こえ、ハロルドが縄抜けをするシーンでは、「おー!」と驚きの声をあげている生徒さんもいました。
カーテンコールでは、代表の生徒さんが
「去年はコロナの影響で、このような鑑賞行事が中止になりましたが、今年はみんなで鑑賞できる機会があって、本当にうれしく思います。演技も迫力があって、観ている私たちも世界に引き込まれるようで、とても面白かったです。」
と話してくれました。全校生徒での思い出となる公演となり、嬉しく感じました。
10月27日 尼崎北高校
コロナ禍の影響で去年延期になり、今年実施できるようになった尼崎北高校での公演でした。
翌日は二回の公演のため、前日に体育館で仕込みをしました。担当の先生は「仕込みの様子を見られる機会なんてなかなかないので。」と夢中で自前のカメラで写真を撮られていました。
(後で先生にお聞きしましたが、仕込み・本番・撤去作業の二日間で撮った写真が400枚を超えていたそうです。)
開場し、生徒さんが続々と入場してきました。学校の希望で、全校生徒分のフェイスシールドを事前に劇団からお送りしていました。生徒のみなさんは、それを装着していたり、手に持っていたり、頭にかけていたり、開演に向けて、それぞれに用意をしていました。
開演前の挨拶では、先生が前日見た仕込みの様子や劇団紹介の後に
「注意事項として、観劇中に笑ったり声をあげたくなったら、思いっきり笑い、声を出してください。 リラックスして、色んなんことを感じ、Touchの世界にどっぷりと引き込まれたください。そして、たくさんのことを持って帰ってください。」
と話してくださいました。
公演中は真剣に観てくれているようで、一幕とニ幕の間では、「フィリップ!、フィリップ!」とトリートの真似をして弟のフィリップを呼んでいる姿をみて、よく観てくれているのと同時に楽しんでくれているようでした。
午前中の公演が終わり、お昼休憩の間に何人かの生徒さんが元気よく、「トリートに会いにきました!」と体育館に来てくれました。
そして、トリート役の佐野準と話したり、急遽舞台見学が始まり、クローゼットに隠れたり、二階屋を覗きに行ったり、破られた地図を嬉しそうに待って帰っていきました。
カーテンコールでは、代表の生徒さんが
「そばで支えてくれる人は、どれだけ自分をすくってくれているかを改めて知りました。このTouchという題名の通り、人と触れ合うことがコミニュケーションだと思いました。自分も誰かに伝えるときはしっかり向き合って答えなくてはいけないなと思いました。」
と話してくれました。
終演後は、演劇部の生徒さんが体育館に来てくれ、舞台見学や座長の柳瀬太一から撤去作業の説明や座談会が行われていました。
その後生徒会をはじめ、たくさんの部活動の生徒さんも体育館に来てくれ、手伝ってもらいながら撤去作業が進んでいきました。
10月28日 岡山県作陽高校
学校の希望で感染症予防対策として手指用消毒液の設置、体温計の貸出し、フェイスシールド40個を準備しての公演となりました。
「昨日は体育的な行事で球技大会があり、本日は芸術的な行事として演劇鑑賞会を行います。感染症予防対策として、フェイスシールドを前の方の席に用意してあります。感染防止の観点で気になる人はつけてください。では、楽しんで鑑賞してください。」
という先生の挨拶で開演しました。
のびのびとそれぞれの姿勢で見ている様子でした。
終演後は、当日の呼びかけで希望した生徒さんが舞台見学を行いました。劇団員に説明を受けながら、衣装を着たり、ソファーや窓の前などで友達とスマホで楽しそうに写真を撮っている姿が印象的でした。
10月30日 大阪信愛学院中学校・高校
二階の講堂での公演のため、前日に仕込みをしました。先生方が搬入作業を手伝ってくださいました。ステンドグラスがある立派な学校の講堂がどんどんとTouchの舞台に変わっていきました。
「昨日、演劇の準備作業を見てました。劇団の皆さんが気持ちを合わせて、心を合わせて一つの作品を作り上げるというのは素晴らしいことだと思いました。信愛学院の精神に「一つの心、一つの魂」というものがあります。是非とも生徒の皆さんも、我々教職員も見習いたいことだと思いました。」と先生の挨拶をいただき、開演になりました。
役者の一つ一つの動きを感じ、隣の友達と話したり笑い合いながら楽しく見てくれているようでした。休憩中は一幕を振り返りながらそれぞれの関係や登場人物を分析していたり感想を話していたり、二幕この関係性がどうなっていくかを予想しながら休憩時間を過ごし、楽しんでくれている姿が印象的でした。
カーテンコールでは
「本日は大阪信愛学院に素敵な舞台を用意してくださり、ありがとうございました。新型コロナウイルスの影響で、私たちは多くの行事の規模が縮小されてきました。そんな中、この芸術鑑賞会で皆さんの舞台を鑑賞できたことは私たちの心に残る思い出となりました。本当にありがとうございました。」と代表の生徒さんが話してくれました。
退場中には、涙を拭いながら「ハロルドが死んじゃった~」と結末に驚きながら、また、友達と話しそれぞれの考えを話してくれていました。最初から最後までよく見て、感じて、考えてくれていたんだなと生徒さんたちを見ながら感じました。
撤収作業も先生方に手伝っていただき、大阪信愛学院での公演を終えました。
どんどんと寒さの厳しくなっていきますが旅のメンバー全員体調に気をつけながら、Touchの旅は七週目に入っていきます。
音響スタッフ 上田舞子